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2016年10月12日

【知らないと損する】皮膚科医が教える日本人の肌質について《後編》

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皆様こんにちは。
前回に引き続き日本人の肌質についてお話します。


日本人の肌質について

・日本人は太陽に当たると皮膚を防御するためにメラニンを作る

前回述べましたが、白色人種は皮膚を保護するため角質層が厚くなります。一方で、アジア人種は角質層の厚みは不変ですが、そのかわりにメラニンを産生して太陽光が皮膚の内部に入り込むのを防ぎ、DNAの損傷を予防し、皮膚を守ります。

・日本人はしわができにくい

日本人は太陽光には敏感ですが、白色人種のように、しわができやすいわけではありません。日本人の皮膚は、皮膚の色相当のメラニン量でいうと、紫外線に対する保護力は白色人種よりは高いものの、黒色人種などに比べると低く、SPF2~4程度とかなり軽度しかないようです。それでも真皮は相対的によく保護されていて、コラーゲン線維も簡単には損傷されないそうです。そのためしわやたるみの程度が同年代の白色人種よりも軽く、若く見られることが多いのはうれしいですね。

・日本人は皮膚癌、メラノーマの発生が少ない

白色人種は皮膚表面に紫外線を防御してくれるメラニンが少ないため、ダイレクトに紫外線が皮膚に入りやすく、細胞核のDNAが損傷をうけてしまい、皮膚癌の発生率がほかの人種に比べると高い傾向にあります。過去50年の統計では、白色人種ではメラノーマの発生率が高くなっていますが日本ではほとんど変化していないというデータがあります。これは、日本人のお肌が太陽光には敏感ですが、比較的保護力が高いためと思われます。それでも日本でも、特に農業や漁業をされる方などずっと外で作業をされる方は、なかなか日焼け止めをきっちり塗ることが難しく、高齢になって皮膚癌を発症されることがあります。私達皮膚科医は、光老化についてしっかりと啓蒙活動を頑張って参りたいと思います。

・日本人はシミができやすい

一般的に皮膚の色が濃い人種ほど太陽光照射によるシミが誘発されやすい肌質になります。黒色人種はシミができやすいですが、青白い肌の北欧の人種は子供のころにそばかすに悩む程度で大人になってひどいシミで悩むことはまずありません。日本人はその中間に当たります。


日本人のメラニンの特性

メラニンはメラノソームと呼ばれる袋の中に入っています。メラニンには2種類あり、大きなメラノソームと小さなメラノソームがあり、人種によって存在する割合が異なり、それによって皮膚の色の違いをもたらします。黒色人種では大きなメラノソームが85%、小さなものが15%、白色人種では15%が大きなもの、85%が小さなもの、黄色人種は約60%が大きなもの、40%が小さなものと言われています。
もう一つ、皮膚の色の違いをもたらすものが、メラニンの色です。黒色人種の皮膚にみられるのは黒色または濃褐色のユーメラニンと呼ばれるメラニンです。また、白色人種に多くみられるのはユーメラニンが変異したフェオメラニンと呼ばれる黄色~赤色のメラニンになります。日本人はこのユーメラニンとフェオメラニンの両方をもち、割合によって肌の色や髪の色が決まります。

今回はメラニンや光老化についてお話ししました。

人種間での太陽光に対する抵抗力にはずいぶん差があります。日本人は白色人種よりは抵抗力がありますが、黒色人種ほどは抵抗力がないので、皮膚癌予防のためにも、老化予防のためにも光老化対策はしっかりと行っていきましょう!!



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