シミ治療の始まりは、正確な診断から
シミには様々な種類があり、それぞれ治療法が異なります。また、加齢とともにできるシミは複数種類が混在していることも多く、治療はより複雑になります。誤った治療は、シミが薄くなるどころか症状を悪化させてしまう恐れがあります。また、ごく稀にシミのように見える色素斑が実際には初期の悪性腫瘍(皮膚がん)の場合があるので、正確な診断と適切な治療法の選択が重要です。
銀座ケイスキンクリニックでは、経験豊富な専門医が問診ならびに視触診に加えて、ダーモスコピー(拡大鏡)や医療用画像診断機器(re-Beau)などを用いてシミの診断を行います。特性が異なるレーザーや光治療器を多種保有しているのも特徴で、一人ひとりに最適な治療方針をご提案しています。また、スキンケア指導をはじめ、内服薬や外用剤など複数の側面からアプローチすることで、より早く効果的にシミを改善していきます。
老人性色素班(日光性黒子・日光性色素斑)

いわゆる「一般的なシミ」の多くが、この老人性色素斑です。紫外線の影響を長年受けることで生じ、顔・肩・背中・前腕・手背など日光にさらされやすい部位に現れます。はじめは薄く目立ちにくいものの、加齢とともに色が濃くなり、数が増えていくのが特徴です。
簡単セルフチェック
- 円形または楕円形に近い
- 数mm〜数cmまで大きさはさまざま
- 薄茶色~茶色で輪郭が比較的はっきりしている
- 顔・肩・前腕・手の甲など紫外線を浴びやすい部位にできている
- 30代以降に目立ち始めた
- 年齢とともに数や濃さが増している
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老人性色素斑(日光黒子・日光性色素斑)の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) | 円形または楕円形で境界が明瞭な淡褐色〜茶色の色素斑 |
|---|---|
| 部位 | 顔・肩・背中・前腕・手背 |
| 原因 | 紫外線・加齢・生活習慣・ストレス・誤ったスキンケアなど |
| 年齢 | 30代以降に増加する傾向がありますが、紫外線を浴びる機会が多い場合20代でも発症 |
老人性色素斑は「日光黒子」とも呼ばれ、主な原因は紫外線です。紫外線を浴びると、肌を守るためにメラノサイトがメラニンを生成します。通常はターンオーバーによって排出されますが、長年の紫外線曝露や加齢による代謝低下によりメラニンが蓄積すると、色素斑として定着します。
老人性色素斑(日光黒子・日光性色素斑)に効果的な治療法
雀卵斑(そばかす)

両頬から鼻を中心に左右対称に散在する小さな淡褐色斑が特徴です。幼少期から出現し、思春期に最も目立つ傾向があります。遺伝的素因が強く、日本人では色白の方に多くみられます。
簡単セルフチェック
- 直径5mm以下の小さな斑点が多数ある
- 色は薄茶色~やや明るい褐色
- 両頬~鼻にかけて左右対称に散在
- 幼少期~思春期に出現した
- 肌の色が白い
- 家族にそばかすのある方がいる
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雀卵斑(そばかす)の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) |
・直径5mm以下の小さな淡褐色斑 ・米粒大の色素斑が多数みられる ・色白の方に出やすい傾向 |
|---|---|
| 部位 |
鼻~頬・目の下を中心に左右対称に多発 手・腕・肩・胸元など紫外線を浴びやすい部位にみられる |
| 原因 | 主に遺伝的要因が関与し、紫外線によって濃くなる |
| 年齢 | 幼少期から出現し、思春期に最も目立つ |
雀の卵の模様に似た外観から、医学的には「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれます。遺伝的背景をもつ方は紫外線に対してメラニンを産生しやすく、春から夏にかけて色が濃くなる傾向があります。そのため、年間を通じた適切な紫外線対策が重要です。
雀卵斑(そばかす)に効果的な治療法
肝斑

両頬を中心に額や鼻下、口周囲などに左右対称に現れる色素斑です。輪郭がはっきりしない淡い褐色が、もやっと広範囲に広がるのが特徴です。目の周囲には生じないため、周囲に肝斑が目立つと目元だけ色が抜けたように見えることがあります。30〜50代の女性に多く、女性ホルモンとの関連が示唆されています。
簡単セルフチェック
- 左右対称で、境界が不明瞭
- 頬骨・額・口周囲に広がる
- 目の周囲だけ色が抜けて見える
- 妊娠を契機に出現・悪化した
- 経口避妊薬を飲んでいる
- 季節や月内で濃さが変わる
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肝斑の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) |
・薄い褐色が広範囲に拡散 ・目周囲には出現しない ・慢性的に再燃・増悪を繰り返す |
|---|---|
| 部位 | 頬骨部・額・鼻下・口周り |
| 原因 | 紫外線・女性ホルモンの変化・摩擦刺激・乾燥・遺伝的素因 |
| 年齢 | 30~50代女性に多い 60代以降ではほとんど発症することがない |
肝斑の発症機序は完全には解明されていませんが、近年では真皮環境の変化が重要な要因として注目されています。加齢や紫外線の影響により、真皮の線維芽細胞から炎症性サイトカインが分泌されることでメラノサイトが持続的に刺激されます。また、異常血管の増生や拡張が関与することも示唆されています。さらに、表皮と真皮の境界である基底膜が損傷すると、メラニンが真皮へ落ち込みやすくなり、色素沈着が慢性化・難治化する一因となります。
肝斑に効果的な治療法
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

頬骨部を中心に左右対称に現れる、小さな斑点状の色素斑です。色調はグレーから青みを帯びて見えるのが特徴で、一般的な「シミ」とは異なり、メラニンが真皮内に存在する点が大きな違いです。早い方では10代から、多くは20〜30代にかけて出現します。女性に多くみられ、母斑(あざ)の一種に分類されます。
簡単セルフチェック
- 直径1〜3mmほどの斑点状の色素斑が頬骨周辺に左右対称にある
- 下まぶた、額外側、小鼻などにも点在している
- 色がやや青み、灰色を帯びている
- 10代後半〜30代にかけて出現した
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後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) | 両側対称に出現する、米粒大のグレー〜青みを帯びた色素斑 |
|---|---|
| 部位 | 頬骨・目の下・額外側 こめかみ・小鼻など |
| 原因 | 遺伝 |
| 年齢 | 15~24歳、30~44歳にピークが見られる二峰性 約90%が女性 |
発症の正確なメカニズムは明らかになっていませんが、血縁者に認められる例があることから、遺伝的背景の関与が示唆されています。一般的な老人性色素斑や肝斑が表皮内のメラニン増加を主体とするのに対し、ADMは真皮内にメラノサイトが存在することが特徴です。色調がやや青みや灰色を帯びて見えることが多く、頬骨部に左右対称に出現する点から、肝斑と誤診されるケースも少なくありません。病態が異なるにもかかわらず、肝斑として治療を続けても十分な改善が得られず、長年悩まれている方もいらっしゃいます。当院では、発症年齢、分布、色調、経過などを総合的に評価し、経験豊富な医師が的確に鑑別診断を行ったうえで、最適な治療法をご提案しています。
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)に効果的な治療法
炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、怪我や火傷、ニキビ、湿疹、アトピー、虫刺されなど、皮膚に炎症が生じた後に、その部位が茶色く色づいて見える状態を指します。炎症が治まった後に、メラニンが過剰に生成・蓄積することで起こります。シミ取りレーザー治療後などにもみられることがあります。
簡単セルフチェック
- ニキビや傷、火傷などが治った後に色が残った
- レーザー治療後に茶色くなった
- 赤みが引いた後に褐色へ変化した
- 洗顔や入浴時に強くこする習慣がある/li>
- 摩擦の多い部位にできている
詳細をチェック
炎症後色素沈着の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) | やや赤みを帯びた褐色班 |
|---|---|
| 部位 | ニキビ跡・湿疹部位・傷跡・虫刺され・火傷部位・摩擦が加わりやすい部位 |
| 原因 | 外傷や炎症によるメラノサイトの過剰刺激 |
| 年齢 | 年齢は問わず生じる |
日本人を含む黄色人種はメラニン量が多いため、炎症後色素沈着が目立ちやすい傾向があります。炎症が生じるとメラノサイトが活性化し、過剰に産生されたメラニンが排出されずに残ることで色素沈着となります。また、過度な摩擦や誤ったスキンケアによる慢性的な刺激も炎症の原因となり得ます。レーザー治療後に一時的に生じる場合もあります。多くは時間の経過とともに自然に薄くなりますが、半年以上改善が乏しい場合や、早期改善を希望される場合には治療を推奨します。紫外線により悪化・長期化するため、日常的な遮光も重要です。
炎症後色素沈着に効果的な治療法
脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、加齢とともに増加する良性の皮膚腫瘍です。40代以降に発症することが多く、80代ではほとんどの方に認められることから「老人性イボ」とも呼ばれています。ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)とは異なり、感染性はなく、人にうつることはありません。
簡単セルフチェック
- 大きさ、形は大小さまざまである
- 色は褐色~黒色っぽい
- やや盛り上がっている
- 表面がザラザラしていて触ると硬い
- 日光によくあたる顔、頭部、首、手足などにできている
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脂漏性角化症(老人性イボ)の特徴と原因
| 特徴(形状・色・大きさ) |
・数mmから2~3cm程度のものが多く、中には5cmを超えるものもある ・色は肌色よりわずかに濃い茶色~黒色 ・表面が硬く盛り上がっていて、ザラザラとしている ・貼り付いたように見えるものや、鱗屑が付着しているように見えるタイプもある |
|---|---|
| 部位 |
手のひら・足の裏を除く全身に発生するが、特に顔、頭部、デコルテ、手背、背中など、日光にさらされやすい部位に多くみられる |
| 原因 | 加齢・紫外線・遺伝的素因 |
| 年齢 |
多くは40代以降に発症し、80代になるとほとんどの方に見られる 紫外線を浴びる機会が多い方は20代から見られることもある |
初期は色が薄く、隆起も目立たないため、老人性色素斑(シミ)と区別がつきにくいことがあります。実際に、平坦なシミのように見えていたものが徐々に盛り上がり、脂漏性角化症へ移行するケースもあります。