専門医が診断する、安全性に配慮したほくろ除去

ほくろは、メラニンを産生する母斑細胞が皮膚に集まり増殖することでできる良性腫瘍の一種です。大きくなると目立ちやすく、特に顔では審美的な問題となりやすいほか、ふくらみのあるほくろは、まぶたに触れて視界の妨げとなったり、ひげ剃りや衣服・アクセサリーに引っかかったりなど、日常生活に支障をきたすことがあります。このため、美容皮膚科では見た目と生活の快適さを目的とした除去治療が行われています。

主な治療法は、「切除縫合手術」と「CO2レーザー治療」です。切除縫合手術は一度の施術で確実に除去でき、再発率が低いという利点がありますが、縫合痕や皮膚の陥凹が残る可能性があり、美容的マイナスが課題です。これに対し、当院で行っているCO2レーザー治療は、病変部のみを蒸散させるため出血がほとんどなく、治癒が早いのが特徴です。傷跡も目立ちにくく自然な仕上がりが期待でき、施術当日から洗顔や入浴も可能です。さらに、直径7mmを超える大きなほくろについては、2〜5回に分けて段階的に照射することで1回あたりの組織損傷を最小限に抑えています。まぶたやまつ毛の間といったデリケートな部位でも、手術用コンタクトシェルで眼球を保護しながら安全に施術を行うことが可能です。

ほくろの多くは良性ですが、稀に悪性黒色腫(メラノーマ)との鑑別が必要となる場合があります。そのため、施術前には皮膚科専門医が必ず診察を行い、視診・触診に加え、ダーモスコープによる拡大観察で詳細に評価します。悪性の可能性を否定できない場合には、速やかに大学病院などの専門医療機関に紹介し、適切な検査・治療へとつなげます。CO2レーザー治療は、良性腫瘍であることが医学的に確認された場合にのみ行われる治療であり、安全性を担保するためにも専門的な診断が欠かせません。

ほくろ(色素性母斑・母斑細胞母斑)

ほくろは、医学的には色素性母斑(しきそせいぼはん)、母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)と呼ばれます。メラニンを産生する母斑細胞が皮膚の一部に集まり、増殖することで形成される良性腫瘍の一種です。発生時期により、生まれつき存在する先天性母斑と、成長の過程で生じる後天性母斑に分類されます。大きさは一般的に10mm以下で、肌色から茶色、黒、青灰色などさまざまな色調を示し、形態も平坦なものから隆起したものまで多様です。

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ほくろの原因

ほくろ(母斑)は、神経堤(しんけいてい/neural crest)由来の細胞に起因します。神経堤は、ヒトを含む脊椎動物の発生過程において胎生期に一時的に形成され、頭部骨格、色素細胞(メラノサイト)、脳神経など、さまざまな組織へ分化する細胞群です。 ほくろは、この神経堤由来の細胞が母斑細胞として分化し、局所的に増殖・集積したものです。母斑細胞は色素細胞と形態や機能が類似していますが、メラノサイトが癌化して生じる悪性黒色腫とは発生経路が明確に異なります。 ほくろが形成される詳細な誘因については現在も研究が続けられていますが、先天性巨大色素性母斑の一部を除き、遺伝性は認められていません。多くのほくろは後天的に出現し、成長や加齢に伴って数や大きさが変化することがあります。

ほくろの診断

ほくろの多くは良性であり、健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし、外見上は、ほくろに似ていても、「基底細胞がん(表皮の基底細胞や毛包に由来する皮膚がん)」や、「悪性黒色腫(メラノーマ)」といった悪性腫瘍である場合もあります。ほくろが悪性腫瘍に変化することは稀ですが、初期の悪性腫瘍が見分けにくいので皮膚科専門医の診断力が重要になります。これらは皮膚がんに分類され、特に悪性黒色腫は早期発見・早期治療が予後に直結するため、ほくろの診療では悪性疾患を見逃さず、正確な診察と的確な診断を行うことが重要です。以下のような変化がある場合には特に注意が必要です。


  • 成人以降に出現した色素斑(特に手のひら・足の裏など日本人に多い部位)

  • 急速な増大や色調の変化

  • 濃淡が強い、または不均一な色合い

  • 境界が不明瞭でぼやけている


良性・悪性を自己判断で区別することは困難です。「いつもと違う」「変化してきた」と感じた場合には、速やかに皮膚科専門医を受診し、正確な診断を受けることが推奨されます。診察では、まず問診を行い、その後ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)による観察を実施します。ダーモスコピーにより肉眼では捉えにくい皮膚構造や色調パターンを詳細に確認することで、鑑別精度を高めることができます。悪性の可能性が強く疑われる場合には、病変を切除して病理組織検査を行い、確定診断を得ます。これが最も信頼性の高い方法であり、必要に応じて大学病院などの専門医療機関へ迅速に紹介されます。ほくろが悪性腫瘍に変化することは稀ですが、初期の悪性腫瘍が見分けにくいので皮膚科専門医の診断力が重要になります。なお、CO2レーザーによる除去は、良性腫瘍であることが医学的に確認された場合にのみ実施されます。安全性を担保するためにも、専門医による正確な診断は不可欠です。


ほくろに効果的な治療法