夏のお悩み「汗」「皮脂」「ニオイ」の原因と対策~クリニック施術+日常ケアでお悩み解消!

夏のお悩み「汗」「皮脂」「ニオイ」の原因と対策~クリニック施術+日常ケアでお悩み解消!

毎日うだるような暑さが続くこの季節は、汗や皮脂、ニオイの悩みが一気に深刻化する時期。市販の制汗剤や化粧品ではカバーしきれない...と感じている方も多いのでは?なかでも、ニオイは自分では気づきにくく、デリケートな悩みだけに、なかなか人に相談しづらいもの。そんなときに頼れるのが、美容皮膚科などクリニックで受けられる汗・皮脂・ニオイ対策です。今回は、セルフケアでは防ぎきれない夏の3大悩みに役立つ、医療的アプローチをご紹介します。

    目次
  1. 1.夏に「汗・皮脂・ニオイ」の悩みが増える理由
  2. 2.気になる体臭の正体!汗や皮脂、ニオイの関係
  3. 3.パーツ別!クリニックでできる汗・皮脂・ニオイ対策
  4. 4.頭皮や足のニオイはセルフケアが重要
  5. 5.ベストな対策は「クリニック施術+日常ケア」

1.夏に「汗・皮脂・ニオイ」の悩みが増える理由

夏になると汗・皮脂・ニオイの悩みが増えるのには、いくつかの生理的・環境的な要因が重なっているためです。主な理由は以下になります。

気温と湿度の上昇で「汗量」が急増

気温が高くなる夏は、体温を調整するために汗腺がフル稼働します。本来、汗が蒸発する際の気化熱で体表温度が下がると発汗は止まりますが、日本の夏は湿度が高いため、汗が蒸発しにくく、肌表面に汗が残りやすくなります。そのため、体温が下がらず、いつまでも汗が出続けてしまうことに。これがベタつきやムレ感、ニオイの温床になるのです。

汗を分解する「皮膚常在菌」が活発化

汗そのものは無臭ですが、皮膚の常在菌が汗を分解するときに、ニオイ物質(アンモニア・脂肪酸など)が発生します。気温と湿度が高い夏場は菌の繁殖が活発になり、ニオイも強くなりやすいのです。

皮脂分泌が盛んになり「ベタつき・毛穴詰まり」も増加

夏は気温上昇によって、皮膚温が上がるので皮脂腺の温熱ストレスセンサーを介して皮脂腺の働きが活発になります。皮脂と汗が混ざると、肌表面で膜を作り、ムレ・ニオイ・化粧崩れ・毛穴詰まりなどのトラブルを引き起こしやすくなります。

蒸れやすい服装・環境がニオイをこもらせる

汗をかきやすいにも関わらず、下着や服が密着して通気性が悪いと、汗や皮脂がこもり、ニオイの原因に。特にわき・デリケートゾーン・足裏など、ムレやすい部位ほどニオイや不快感が出やすくなります。

ストレスやホルモンバランスの影響

夏は睡眠の質の低下や生活リズムの乱れによって、ストレスホルモンであるアドレナリン分泌が増えることがあります。この影響で汗が増加し、ニオイも強くなりやすい傾向があります。

つまり、夏は「汗が増える × 蒸れる × 菌が増える × 皮脂が多い」という、ニオイや肌トラブルが起こりやすい条件がすべて揃う季節といえます。日常的なケアはもちろん、気になる部位は美容医療の力も借りながら快適に乗り切るのが正解です。

2.気になる体臭の正体!汗や皮脂、ニオイの関係

本来、汗そのものは99%以上が水分で、基本的には無臭です。しかし、放置すると皮脂や古い角質と混ざり合い、皮膚の常在菌によってそれらが分解・酸化されることで、不快なニオイが発生します。特に高温多湿な夏は、汗が蒸発しにくく細菌が増殖しやすいため、ニオイも強くなりがちです。

汗を分泌する汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。エクリン腺は全身に分布し、体温調節を担う水様性の汗を分泌します。一方、アポクリン腺はわき(腋窩)やデリケートゾーンなど特定の部位に存在し、脂質やタンパク質、アンモニアなどを含む粘性のある汗を分泌します。このアポクリン汗が細菌により分解されることで、いわゆる「ワキガ(腋臭)」の原因となります。

ワキガは、硫黄、温泉、鉛筆の芯、カレースパイスのようなニオイと例えられます。体質による影響が大きく、遺伝しやすい傾向があります。特に「耳垢が湿っている」「家族にワキガの人がいる」といった方は要注意。ワキガの方でも、ニオイレベルには幅があり、生活習慣でも変化します。脂質の多い食生活だと汗に脂肪分が含まれやすくなり、ニオイの原因となります。また、エクリン汗腺から大量に汗が出る症状は「多汗症」と呼ばれます。頭部、手の平・足の裏、わき(腋窩)に多く見られ、精神的緊張やストレス、不安、気持ちの持ち方なども発汗の原因となります。

ストレスや疲労の蓄積、アルコール多飲による肝機能低下などによってアンモニアやケトン体の排出が増えると、「疲労臭」や「ストレス臭」と呼ばれる独特の体臭が生じることもあります。また、ストレスやホルモンバランスの乱れは、皮脂分泌や発汗に影響を及ぼし、ニオイの発生に関与するとされています。さらに、40代以降に増える「加齢臭」は、皮脂中の脂肪酸と過酸化脂質が皮膚表面で酸化・分解されて生じる「ノネナール」という物質によって引き起こされます。枯草のような独特のニオイが特徴で、年齢とともに気になる体臭の一つです。

3.パーツ別!クリニックでできる汗・皮脂・ニオイ対策

汗・皮脂・ニオイは、相互関係にあります。汗や皮脂を放置しておくと、最終的にニオイへと繋がってしまうため、対策としては、汗をかいたらすぐに拭く、服を着替えるなど、清潔を保つのが有効です。セルフケアで改善が難しい場合は、クリニックでの美容医療による対策がおすすめです。

顔のテカリや汗対策に

「肌質を根本から整えたい」「朝のメイクを夜までキープしたい」という方は、汗腺や皮脂腺に直接アプローチする施術が効果的です。これらの施術をうまく取り入れることで、清潔感あるサラサラ肌を保ちやすくなります。

ボトックス注射(マイクロボトックスリフト)

顔のテカリや毛穴の開き、化粧崩れが気になる方におすすめなのが「マイクロボトックス注射」です。従来の表情ジワを抑えるボトックスとは異なり、皮膚の浅い層(真皮層)に極少量を広範囲に注入することで、皮脂腺や汗腺の働きを穏やかに抑え、肌のテカリ・毛穴開き・メイク崩れを改善します。鼻・額・頬など特に皮脂が気になる部位に効果的で、毛穴が引き締まりニキビ改善も期待できます。
施術時間は10分程度と短く、ダウンタイムはほとんどなし。当日から軽いメイクも可能です。ただし、注入の部位・深さ・量など、注入技術によっては表情のこわばりなどのリスクもあるため、医師の技量が重要です。当院では、アラガン社認定の医師が解剖学的知識に基づいて適切に注入を行うことで、安全かつ自然な仕上がりを実現しています。

料金:鼻〜両頬 初回トライアル ¥35,200(コアトックス) 

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アクアフェイシャル

アクアフェイシャルは、渦巻き状の水流と複数のピーリング成分(乳酸・サリチル酸など)を組み合わせて行う、毛穴洗浄と角質ケアを同時に叶える施術です。通常の洗顔やクレンジングでは落としきれない皮脂詰まりや古い角質をしっかり取り除き、毛穴の開きや黒ずみ、肌のザラつきなどを改善します。
皮脂がたまりやすいTゾーンや小鼻の周りも、清潔でなめらかな肌状態へ。不要なものを取り除いた肌はスキンケアの浸透力も高まり、テカリにくく、化粧ノリの良い肌へと導きます。施術後すぐに透明感とつるんとした手触りを実感できるのも魅力のひとつです。毛穴詰まりによるニキビやテカリが気になる方にぴったりで、ダウンタイムも少なくリピーターも多い施術です。

料金:顔全体 初回トライアル¥17,600

わきの汗・ワキガ臭対策に

「汗の量を減らす」×「雑菌の繁殖環境を取り除く」のが基本です。汗とニオイの原因をそれぞれにアプローチすることで、ニオイ・汗トラブルを防ぐことができます。軽度のワキガであれば、この"切らない治療"だけでも十分に改善が期待できるため、初めての方にもおすすめです。

ボトックス注射(わきボトックス注射)

汗やニオイのもとになるアポクリン汗腺とエクリン汗腺の働きを一時的に抑える治療法です。汗ジミやニオイの発生そのものをコントロールできるため、日常的な不快感がぐっと軽減されます。施術時間は10分程度と短時間で終わり、効果は約4〜6ヶ月持続するため、汗やニオイが気になる夏だけの対策としても人気です。半年に一度のペースで受ける方も多数おり、定期的に繰り返すことで、持続期間が延びるという報告もあります。

料金:両わき 初回トライアル1回 ¥61,600(コアトックス)

医療レーザー脱毛

わき毛は、汗や皮脂が付着・滞留しやすく、雑菌の繁殖を助長するニオイの温床です。医療レーザー脱毛でわき毛を減らすことで、ニオイの元が付きにくくなり、衛生的な状態を保ちやすくなります。当院で採用している『ジェントルレーズ・プロ』は、日本で初めて薬事承認を取得した医療レーザー機器。生理的に色素の濃い部位の脱毛も安全に照射でき、肌への負担が少なく、短時間でしっかり脱毛効果を得られます。

料金:両わき 1回 ¥11,000 / 5回セット ¥38,500

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ボトックス注射 × 医療レーザー脱毛の併用もおすすめ!

ニオイと汗の悩みをより確実にケアしたい方には、ボトックス注射と医療脱毛の併用が効果的。汗や皮脂の分泌を抑えつつ、毛をなくすことでニオイ物質が付着するリスクを軽減して雑菌の繁殖を防ぐため、相乗効果で清潔感が持続しやすくなります。

デリケートゾーンのニオイ対策に

デリケートゾーンのニオイは、汗・皮脂・菌のバランスが崩れることで起こりやすく、誰にでも起こるもの。清潔に保つだけでなく、原因にアプローチするケアが大切です。
ただし、「魚の腐ったようなニオイ」「黄色く変化したおりもの」など、普段と異なる状態が続く場合は婦人科の受診が必要です。また、洗いすぎや強すぎる洗浄剤は逆効果になることも。トラブルを避けるためにも、やさしい洗浄・適切な保湿・通気性の良い下着選びも意識しましょう。

医療レーザー脱毛(VIO脱毛)

デリケートゾーンは汗腺が多く、通気性が悪いため、ムレやすく雑菌が繁殖しやすい部位です。毛があることで汗や皮脂、排泄物が付着・滞留しやすく、不快なニオイの温床となる場合もあります。医療レーザー脱毛によってVIOの毛量を減らす、または無毛にすることで、ムレや雑菌の繁殖を抑え、衛生的な状態をキープしやすくなります。生理時のニオイやかぶれが気になる人にも効果的です。

さらに、自己処理による肌トラブル(カミソリ負け・黒ずみ・埋没毛など)を防げる点、毛穴が締まってツルツルになる点も大きなメリットです。当院採用のレーザー機器『ジェントルレーズ・プロ』は、肌に優しく、色素が濃くやけどしやすい部位でも安全な照射が可能です。繰り返すことで、ムダ毛の再生を抑える長期的な効果が期待できます。

料金:VIOセット 1回 ¥49,500 / 5回 ¥198,000

ボトックス注射(すそワキガボトックス注射)

女性器まわりにはアポクリン汗腺が多くあるため、ワキガと同じ仕組みで「すそワキガ」を発するケースがあります。耳垢が湿っている・自身や家族にワキガの方がいる場合は、すそワキガの傾向が強いとされています。
外陰部や陰毛部にボトックスを注射することで、ニオイのもとになるアポクリン汗腺と、汗を拡散させるエクリン汗腺の働きを抑制します。施術は15分程度と短時間で、切らずにできるニオイ・汗対策として人気です。施術後数日で効果を実感でき、約半年〜10ヶ月持続します。

料金:すそワキガ 初回トライアル¥105,600(コアトックス)

4.頭皮や足のニオイはセルフケアが重要

汗だくになる夏は、頭皮の足のニオイも気になるところ。毎日の正しいセルフケアが、健やかさとニオイ対策のカギになります。

頭皮のニオイ・皮脂トラブルに

頭皮は汗腺が多く、皮脂腺に至っては全身で最も密集している部位です。顔のTゾーンと比べても約2~3倍もの皮脂腺があり、汗と皮脂の分泌が非常に活発です。そのうえ、毛髪に覆われているため蒸れやすく、ニオイが発生しやすい条件が揃っています。シャンプー後でも30分で皮脂の分泌が始まり、6時間ほどで皮脂が酸化してニオイの原因になります。夜に洗髪しても翌朝には不快なニオイを感じることもあります。特に夏は汗・皮脂の分泌が活発になり、紫外線によって酸化が進行。放置すると「マラセチア菌」などの常在菌が増殖し、脂漏性皮膚炎やフケ・かゆみなどの頭皮トラブルを引き起こすこともあります。

洗髪のポイントは3つ。1.まずお湯で予洗いする、2.シャンプーはしっかり泡立てて地肌を洗う、3.皮脂が多い場合は2度洗い、3.しっかりすすぐ。また、蒸れもニオイの大敵。帽子の蒸れや髪の自然乾燥での蒸れはニオイを悪化させてしまいます。帽子は時々脱いで風を通す、シャンプー後はしっかり髪の根元まで乾かしましょう。

足のムレ・ニオイ対策

足裏は体の中でも特に汗腺が多く、靴や靴下で密閉されることでムレやすく、ニオイが発生しやすい部位です。汗自体は無臭ですが、時間の経過とともに皮脂や古い角質と混ざり、常在菌が分解することで「イソ吉草酸」「酢酸」などのニオイの原因物質が発生します。さらに、角質が厚くなると菌のエサが増えて雑菌が繁殖し、ニオイも強くなりがちに。また、水虫(足白癬)も悪臭の一因となるため注意が必要です。対策には、通気性のよい靴や靴下を選び、汗をかいたらこまめに履き替える習慣をつけましょう。入浴時は足指の間や爪まわりまで丁寧に洗い、しっかり乾かすことでニオイのもとを断つことが大切です。

足のニオイは、ただ消臭するだけでは不十分。汗や古い角質をきちんと除去し、菌が繁殖しにくい清潔な環境を保つことが、根本からのニオイ対策につながります。

5.ベストな対策は「クリニック施術+日常ケア」

汗やニオイの根本改善を目指すなら、クリニックでの施術と日常的なケアの両立がカギになります。クリニックでは、汗腺の働きを抑えるボトックス注射や、ニオイの原因に直接アプローチする治療が可能ですが、せっかく施術をしても、生活習慣が乱れていれば効果は半減してしまいます。

普段のケアとして意識したいのは、「汗を放置しないこと」「ニオイの原因を作らないこと」「"良い汗"をかける体作り」の3つです。とくに意識したいポイントは以下になります。

汗をかいたらすぐに拭き取る

汗をかいてそのままにすると、皮膚の常在菌が汗や皮脂、角質を分解し、ニオイの原因物質を発生させます。外出時などすぐに対応することが難しい場合は、細菌が繁殖しやすい状況となる1時間以内に濡れたタオルや汗拭きシートでやさしく拭き取るのがベスト。ニオイ物質や皮脂も一緒に絡め取ってくれます。

通気性の良い服や靴下を選ぶ

ムレた状態は雑菌にとって格好の繁殖場所。麻や綿など風通しのよい天然素材を選び、重ね着を避ける工夫しましょう。汗がしみ込んだインナーは着替え、衣類に汗が染みこまないようにし、下着は消臭加工されたものを活用するのも効果的です。靴や靴下も吸湿速乾のあるものを選び、汗をかいたらこまめに履き替えましょう。また、当たり前ですが、汗をかいた衣類はきちんと洗濯しすることも大切です。衣類に染み込んだニオイが汗と一緒に拡散する場合もあるためです。

バランスの取れた食事で腸内環境を整える

腸内環境が悪化すると、便秘や代謝の低下を引き起こし、体臭や疲労臭が強くなる原因になります。特に、肉や油中心の偏った食生活、ニンニク・カレー・アルコールなどの刺激物は体臭を強めます。野菜・海藻・発酵食品・食物繊維を意識して摂取し、善玉菌を増やすことが大切です。味噌汁や納豆、ヨーグルトなどを日々の食事に取り入れましょう。

入浴や適度な運動で汗をかく習慣をつける

久しぶりに汗をかくと「汗臭い」と感じることがありますが、それは汗腺がうまく働いていないサイン。普段から汗をかく習慣があると、汗腺が鍛えられ、ベタつかずサラサラで無臭の"良い汗"がかけるようになります。ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくり浸かる半身浴や、軽い有酸素運動を週に1〜2回取り入れるのがおすすめです。さらに生姜やスイカなど、発汗を促す食材も積極的に摂りましょう。

「汗・皮脂・ニオイ」は、不快感だけでなく、自己肯定感を下げてしまう要因にもなり得ます。セルフケアを頑張っているのに悩みが改善しないときは、美容皮膚科や専門クリニックを頼るのも一つの選択。人に相談しにくい悩みだからこそ、専門家のサポートを上手に取り入れて、快適な夏を過ごしましょう。