【渡韓美容医療のリスク】安さや人気だけで選ぶと思わぬリスクを背負うことも!よくあるトラブルとその対処法

【渡韓美容医療のリスク】安さや人気だけで選ぶと思わぬリスクを背負うことも!よくあるトラブルとその対処法

近年、美容医療がますます注目を集めていますが、美容医療の聖地といえばやっぱり韓国!グルメや観光だけでなく、美容施術目的で韓国を訪れる人も多いのではないでしょうか? K-POPアイドルや韓国ドラマの影響で韓国の"美"の基準に憧れる人が多く、また韓国は美容医療の先進国の呼び声も多く、最新技術や製剤を使用するクリニックも多数あります。しかし、その一方で美容医療トラブルも少なくありません。そこで今回は、韓国でありがちなトラブルとその対処法についてお伝えします。

    目次
  1. 1.韓国美容医療の裏側に潜むリスク
  2. 2.特に多い『ボトックス注射』のトラブル
  3. 3.なぜ"韓国美容医療"に注意が必要なのか
  4. 4.美容医療で失敗しないためのポイント

1.韓国美容医療の裏側に潜むリスク

韓国の美容医療が世界的に人気な一方で、トラブルも急増しているのも事実です。その理由を詳しく見てみましょう。

安さや人気に潜む落とし穴に注意

韓国では美容クリニックの競争が激しく、患者を集めるために激安施術や、「有名医師による手術」などの誇張広告が横行しています。実際には経験の浅い医師が担当することもあり、SNSやインフルエンサーのPRと実態にギャップがあるケースもあります。

また、コスト削減のために、医師免許を持たないスタッフ(看護師や美容アシスタント)が、医師の指示なく施術を行う「無資格者施術」など、違法行為も問題視されています。
さらに、外国人観光客向けの「観光整形」が増加する中で、十分なカウンセリングが行われず、術後トラブルが起きてもフォローが難しいといった問題も発生しています。

言葉の壁によるコミュニケーション不足

韓国の大手美容クリニックには日本語対応のスタッフや通訳がいることも多いですが、細かな希望やニュアンスが正確に伝わらないケースもあります。特に日本人医師ではなく韓国人医師に施術を依頼する場合、通訳者のスキルによって仕上がりに差が出ることもあります。

また、日本語が話せるコーディネーターがいても、美的感覚や文化の違いから希望が十分に理解されず、「ナチュラルにしたかったのに整形感が出てしまった」などのトラブルもあります。施術前にはできるだけ具体的に希望を伝え、希望通りの仕上がりにならない可能性もあるという心構えをしておくことが大切です。

合併症やアフターケアの不安も

韓国の美容施術は「手軽」と思われがちですが、副作用や合併症のリスク説明が不十分な場合もあり注意が必要です。肌育注射やレーザーなどの人気施術でも、異物反応、やけど、色素沈着などの副作用が起こることがあります。また、ボトックスやヒアルロン酸注入などでは、表情喪失や麻痺、血流障害、感染、異物肉芽腫など、より重篤な副作用が報告されています。

また、アフターケア体制はクリニックによって異なり、帰国後に再び韓国を訪れなければならない場合や、そもそもアフターケアが用意されていないこともあります。契約書が発行されないケースもあるため、術後の対応が不十分になるリスクもあります。

さらに、大がかりな手術を受けた場合、日本帰国後に感染症や内出血などが起きても、即座のフォローが難しいのが海外施術の大きなデメリットです。格安施術の裏にあるリスクを理解し、慎重な判断が求められます。

術後トラブルの対応が難しいことも

韓国で美容施術を受けた後、帰国してから「腫れが引かない」「左右非対称」などのトラブルが発生することがあります。内容によっては日本のクリニックで対応できないケースもあり、再び韓国に行かなければならないこともあります。

さらに、カウンセリングと異なる薬剤が使用されたり、希望と異なる仕上がりになったりするなど、説明不足や対応の曖昧さによるトラブルも発生しています。一度帰国するとクリニックとの連絡が取れなくなることや、対処を依頼してもはぐらかされてしまうケースがあり、結局、その後のケアは日本のクリニックに頼らざるを得なくなるため、最終的に高額な費用がかかるリスクもあります。施術前に、医師の経歴や信頼性、フォロー体制を事前にしっかり確認することが大切です。

過剰な期待が不満の原因に

K-POPアイドルのような仕上がりを期待しすぎてしまい、理想と現実のギャップに不満を感じるケースがあります。写真修正アプリの影響などで「理想の顔」が現実離れしてしまっていることも一因です。美容施術の効果は体質やアフターケアによって個人差があるため、必ずしも誰もが理想通りの結果になるわけではありません。

2.特に多い『ボトックス注射』のトラブル

韓国だけに限らずですが、美容医療の中でもボトックス注射は特に失敗例が多く、トラブルも多く報告される施術です。当院でも、韓国や他院で行ったボトックス注射の修正依頼が非常に多く、ほぼ毎日問い合わせがあります。ボトックスは「簡単・短時間・安価」と思われがちですが、経験ある医師が正確に注射しないと顔のバランスが崩れる危険な施術でもあります。

そもそもボトックス注射とは?

ボトックス注射とは、筋肉の動きを抑えることで、シワやエラ張り、多汗症、肩こりなどの症状を改善する美容医療です。ボツリヌストキシンと呼ばれる成分により、神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制し、筋肉の動きを弱めます。

アラガン社製をはじめ、韓国製など複数の製剤ありますが、一般的にボツリヌストキシン製剤を総称して、ボトックスと呼ばれています。特に表情グセによるシワ(眉間・額など)に効果的で、不機嫌・老け顔改善の対策として人気の高い施術です。

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よくあるボトックスの失敗例

☑ 表情が不自然になる
顔がこわばる、笑えない、眉が動かない、眉が吊り上がるなど、「表情ロック」と呼ばれる症状がこちらです。効果が強すぎたり、打つ位置・量を間違えたりすると、筋肉が必要以上に麻痺してしまいます。顔のほとんどすべての部位が動かなくなった事例も経験しています。

☑ 左右非対称になる
筋肉の使い方や顔のクセを無視して左右同じ量を打つと、顔のバランスが崩れてしまいます。例えば、片方だけ眉が上がらない、口元が歪むなどの症状があげられます。

☑ 効果がなさすぎる/効きすぎる
安いボトックス(中国製や未承認品)を使っていたり、希釈が多すぎたりすると効果が弱くなります。逆に量が多すぎると副作用が強く出てしまい、飲み物が上手く飲めない、話しづらいなどといった症状に悩まされる場合もあります。

☑ まぶたが下がる(眼瞼下垂)
額の注入でミスがあると、額の筋肉が動かなくなってまぶたが下がってしまいます。額やまぶたが重く、目が開けにくいなどの症状が現れ、老けて見えるし、視界が狭くなって日常生活に支障をきたす人もいます。

韓国でボトックスの失敗が多い理由

人気施術のため、1日に何十人もの患者を流れ作業で対応する量産型施術クリニックが存在し、細かな調整が行われにくい可能性があります。また、極端に安価なクリニックでは、未承認薬剤の使用や過剰な希釈が行われている可能性があり、これが効果の不足やトラブルの原因となることもあります。さらに、短期滞在の外国人を対象にした施術では「とりあえず効果を出す」ことが優先され、繊細な調整がされにくいという点が挙げられます。

韓国で大流行のスキンボトックスで事故

韓国では、「スキンボトックス」と称し、毛穴を消す目的で顔全体に注射するマイクロボトックスが大流行しています。真皮内に正確に注射すれば頬や額の毛穴を引き締めることが出来るので、当院でも行っていますが、注意が必要な施術です。

ほんの0.1mm深く注射してしまうと、笑顔を作る「大頬骨筋」「小頬骨筋」「上唇鼻翼挙筋」「笑筋」が動かなくなります。全顔で深く注射してしまうと、全ての表情筋が麻痺し、表情が完全喪失するという恐ろしい事故になります。

ボトックス注射の修正治療

ボトックス注射は、表情ジワの改善などに対して極めて有効な治療法ですが、注入部位(深度)の誤りや適応の見誤りで、表情の喪失や顔の歪みが生じます。ひどい場合は前述のように顔面麻痺も起こり得ます。

対処としては、ボトックス修正注射(アセチルコリン製剤)を2~4日毎に注射しながら、ボトックス注射の効果が減弱するのを待ちます。ただし、これもボトックスの注入箇所や失敗の度合いによって、完全に元の状態に戻るのではなく、緩和、つまり‟元の状態に近づけられる可能性がある"という程度のものになります。

ボトックス注射は、十分な情報収集を行い、医師と相談したうえで治療を受けることが何より大切です。だからこそ、クリニックを選ぶ際は、費用の安さではなく、確かな技術と豊富な経験を持つ医師に施術をしてもらうことが重要です。

3.なぜ"韓国美容医療"に注意が必要なのか

韓国を含む海外での美容施術は、日本とは医療事情や使用薬剤が大きく異なり、日本で未認可の薬剤が使われることもあり、安全性の面で不透明な部分があります。施術を行う医師の情報が十分に得られない場合もあり、信頼性に不安が残るため、慎重な下調べや現地コーディネーターとの綿密なやり取りが必要になります。

人気の施術が多く、流れ作業のように大量の患者をさばくクリニックもあるため、個別のニーズに応じた細かい調整やカウンセリングが十分に行われないケースも見受けられます。もちろん、何の問題もなく施術が成功する人も多いですが、万が一を考えると、日本での施術がより安心です。

実際、日本の美容クリニックでは韓国で行われた美容施術のアフターケアや修正手術を受けるケースが多く、カルテが入手できない場合はCTやMRIで体内の状態を調べるなどして処置を行う必要があります。安全性の低い薬剤が使われていることもあり、日本国内での修正には高い技術と時間が必要になります。特に、施術時の情報が不十分な場合、修正の難易度が上がり、身体的・経済的負担も大きくなります。

4.美容医療で失敗しないためのポイント

韓国の美容医療は費用が安く、技術力の高い医師も多い一方で、施術の質のばらつきやアフターケアの問題、トラブル時の対応の難しさなど、デメリットがあることもしっかりと認識しておく必要があります。

美容整形や美容皮膚科治療など美容施術には、腫れ、感染、アレルギー反応、施術部位の痛みなどの副作用や合併症が発生する可能性や、想定外の問題が発生することもあります。

トラブルを避けるには、言語の違いによるコミュニケーション不足を考慮し、日本語が話せる医師が在籍するクリニックや通訳が同伴できるクリニックを選ぶこと。また、口コミに頼らないで自分でしっかりと情報集めをすること。美容施術はアフターフォローとセットで考え、術後の副作用やリスクについても十分に説明を受けることが大切です。

美容医療は"安さ"よりも"信頼できる技術と環境"が重要であり、安全・安心を優先するなら、やはり日本国内での施術をおすすめします。また、あまりにリスクの高すぎるような施術は、海外では避けることが無難です。

【失敗しないためのポイント】

☑ 「安さ」だけで選ばない(適正価格の方が逆に安心)
☑ 医師の専門性や経歴、症例数などをチェック
☑ 製剤の種類を確認(認可済み、正規品かなど)
☑ SNSより実際の症例写真やレビューを重視
☑ 複数の美容クリニックを比較・検討する
☑ 信頼できる通訳は必須

韓国の美容医療には魅力もありますが、安さや人気だけで選ぶと、思わぬリスクを背負うことも。確実なアフターケアや信頼できる医師を重視するなら、日本国内での施術がより安全で安心です。当院では、韓国をはじめ他院で受けた美容施術の修正手術なども行っております。お悩みの方は、まずはお気軽にカウンセリングへお越しください。