【皮膚科専門医が教えるスキンケア】実は間違っているかも!?肌を健やかに美しく保つクレンジング・洗顔・保湿ケア~定期的なピーリングも効果的!

【皮膚科専門医が教えるスキンケア】実は間違っているかも!?肌を健やかに美しく保つクレンジング・洗顔・保湿ケア~定期的なピーリングも効果的!

    目次
  1. 1. あなたの保湿ケアは間違ってるかも!?
  2. 2. クレンジングで保湿力が上がる?
  3. 3. 『ケミカルピーリング』で健やかな肌に

1. あなたの保湿ケアは間違ってるかも!?

自分なりに良かれと思ってやっている保湿ケアが、実は間違っていたとしたら?私の元に寄せられた相談事例を見ながら、アドバイスしていきたいと思います。

■ 洗顔の時に肌をゴシゴシ洗ってしまいます。

肌に摩擦は厳禁です。特に濡れた肌は潤いが流出しやすく、バリア機能が低下しやすくなります。洗顔・クレンジングは短時間で、そっと撫でるようにしましょう。

■ 拭き取り化粧水で拭き取ると茶色くなります。汚れが落ちていないのでしょうか?

コットンに化粧水を含ませて拭くとコットンが茶色になるというご相談をよく受けます。汚れたと思い込み、何度もこするそうです。しかしこの茶色は汚れではなく角層の中に含まれるメラニンの色です。メラニン活性の高い日本人は、メラニン量が多く、脱落する角層にも少量含まれていますが、汚れではないためゴシゴシ擦らないようにしましょう。

■ 何度も化粧水を重ねて塗っています。

洗顔後に化粧水を何度も重ね付けしている方は多いのではないでしょうか。実はこれ、意味がないことです。角層の厚みは食品用のラップ1枚程度ですから、そんなに化粧水が入るわけがありません。1回馴染ませて、もう1回くらい塗れば十分です。目安は手のひらが軽く吸い付く程度のしっとり具合です。

■ コットンで100回パッティングをしています。

化粧水をコットンで何回もパッティングすると肌の奥にまで浸透するという説があります。しかし、叩き込んでも浸透する量には限度があります。危険なのは、どんなに良質のコットンでも細かい繊維があり、パッティングすると物理的な刺激になってしまいます。化粧水を両手にとり、優しく押し込むように馴染ませてください。

■ ベタベタが嫌いなのでクリームは1回だけさらっと塗ります。

保湿ケアは、乳液やクリームで行います。しかし、さらっと塗るだけでは量が足りず、乾燥してバリア障害につながることがあります。反対に、やたらと塗りすぎて角層を湿らせすぎてもバリア機能が悪化する場合もあります。その目安は塗った後、ティッシュを張り付けると落ちない程度です。1アイテムでも2アイテムでも、少しベタベタを感じる程度に塗りましょう。

■ 毛穴が気になってスクラグ洗顔をこまめにしてしまいます。

肌のゴワツキや毛穴詰まりの改善にスクラブ洗顔をする人も多いです。しかし頻回に繰り返して使うと皮膚の表面に細かな傷がつきます。普通肌やオイリーの人は週に1回程度。敏感肌の人はできるだけ避けたほうがいいアイテムです。

2. クレンジングで保湿力が上がる?

クレンジング剤は界面活性剤の作用でメイクの油性成分を落とすので、肌にとって大切な保湿因子も溶かし出す可能性があります。特にマッサージしながら長時間肌にのせると、角層内部の細胞間脂質が奪われ、乾燥を招く原因になりかねません。ですから、クレンジング剤はは肌になじませてからすすぐまで、1分以内を目安に行ってください。とはいえメイクが残っていてはメイクの刺激が害となり逆効果です。

クレンジング剤の剤型はどれがベストかという質問をよく受けますが、メイクとしっかり乳化し、毛穴落ちしたファンデーションまでしっかり落とせるなら、ミルク、クリーム、オイル、ジェルのいずれでもOKです。これらのうち、不器用さんでも、またニキビ痕や毛穴開きなどの凹凸が多い肌質でも、短時間でメイクを乳化させて落としやすいのはオイルです。

オイルクレンジングが乾燥肌にNGというのは迷信です。アトピー性皮膚炎の患者さんを対象に行った臨床試験では、敏感肌用のオイルクレンジングを正しく使用することで、かえって角層の水分量が上がりバリア機能が改善したという報告もあります。

いずれのクレンジング剤でもキーワードは『1分以内にメイクと乳化』。クレンジング後、毛穴落ちしたメイクやアイメイクまで完全に落とせているかどうかを、拡大鏡でじっくり確認してみてくださいね。

3. 『ケミカルピーリング』で健やかな肌に

ケミカルピーリング』は乾燥肌、アトピー肌には厳禁だと思っている方が多いのではないでしょうか?『ケミカルピーリング』はフルーツ酸と呼ばれる乳酸、グリコール酸などの薬剤を皮膚に短時間塗り、角層をほんの少し溶かす治療です。

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この刺激で、施術後は滞っていた皮膚のターンオーバーが正常に整い、細胞間脂質や天然保湿因子がきちんと作られるようになり、バリア機能が向上します。これによって、角層の水分量が高まり、肌が自ら潤うようになるのです。

ホームケアのピーリング化粧品は非常にマイルドですし、肌質に合わせた使用頻度を見極めるのも難しかったりします。心配という人は、皮膚科専門医に相談してみてくださいね。当院ではアトピー性皮膚炎の方も、加齢による乾燥肌の方にも、最適な濃度と時間で施術しています。かえって肌が潤い、ゆらぎにくくなったと喜んでいただいています。