【皮膚科専門医が解説】二の腕のブツブツ『毛孔性苔癬』の原因と治療法!

【皮膚科専門医が解説】二の腕のブツブツ『毛孔性苔癬』の原因と治療法!

    目次
  1. 1. 毛孔性苔癬って何?
  2. 2. 毛孔性苔癬集中治療で改善する!

1. 毛孔性苔癬って何?

一年を通して、若い女性から「二の腕のブツブツはどうしたら治りますか?」というお問合せがあります。これは『毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)』と呼ばれる皮膚病で、直径2、3ミリの肌色から褐色調の丘疹(ブツブツ)がいくつもまとまって発生し、ザラザラした肌触りになっている状態です。

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肌を露出する時期だと見栄えが悪い、もしくは何か悪い病気なのではないか、と心配して皆さんやってこられます。若い方で症状が目立ちますが、40代以降になると目立たなくなります。

毛孔性苔癬』の多くは肩から二の腕に見られ、上背部、お尻、太ももなどにできることもあります。根本的な原因はハッキリとは解明されていませんが、遺伝的な要因が強いと考えられています。

毛孔性苔癬は、毛穴の角質異常が原因です。皮膚の一番外側にある表皮の角化細胞が、生まれてから剥がれ落ちるまでの過程を角化と言い、通常、ターンオーバーにより一定のサイクルを繰り返します。

しかし、何らかの原因でこの角化に異常が起きると、自然に剥がれ落ちるはずの角質(垢)が毛穴の入り口部分(毛漏斗部)に蓄積されて角栓として詰まり、その先端部が表皮に突出して丘疹(ブツブツ)ができることで、肌表面がザラザラした状態になります。毛穴が開大して目立っている場合や、産毛そのものが目立っていることもあります。また、赤みのある発疹を伴ったり色素沈着して肌が黒ずんだりすることもあります。

これは良性の疾患なのでそのまま放置していても問題はありませんが、見た目や肌触りが良くないので、女性にとっては悩みの種になるのです。

2. 毛孔性苔癬集中治療で改善する!

「このブツブツをなんとか退治したくて、スクラブ剤でゴシゴシ洗ったり、セルフピーリングを何度となくやってみたり、毛抜きでいじってみたりしたけれど、効果がなかった」「ネット情報を鵜吞みにしてセルフケアをしたらかえって悪化してしまった」という声も聞きます。

残念ながら市販の薬や化粧品を使っても治りません。「どうしても治したくて皮膚科を受診したけれど、ケラチナミンを処方されただけだった」という人も多いのではないでしょうか。私も保険診療機関に勤務していたころはケラチナミンを処方して「大人になったら目立たなくなるから気にし過ぎないでね」と説明していたものです。

でも、若い時期だからこそ気になるし、コンプレックスでノースリーブが着られないというお悩みを聞くにつれ、何か少しでも良くなる方法が無いかと考えたメニューが、当院オリジナルの『毛孔性苔癬集中治療』です。

これは角層を溶かす『ケミカルピーリング』、産毛を脱毛し黒ずみを改善する『ジェントルレーズプロ照射』、赤みを改善しハリを高める『ジェネシス照射』の3つを組み合わせた施術で、同じ日に施術することで、治療の効果を最大限発揮することができます。いずれの施術もダウンタイムがなく、痛みに弱い方でも安心して治療を受けることができます。

まず、『ケミカルピーリング』で余分な角質を取り除くことで、新陳代謝を高め、新しい皮膚を再生させます。毛穴の詰まりが柔らかくなるため、埋まった毛が排出されやすくなります。次に『ジェントルレーズプロ照射』で、埋まった毛と黒ずみを改善します。さらに、ロングパルスNd:YAGレーザーを高頻度照射する『ジェネシス照射』で表皮から真皮上層に働きかけてターンオーバーを促進し、赤(ヘモグロビン)や黒(メラニン)に反応させて、色むらを薄くしていきます。

これらの治療で、毛穴の詰まりが除去されて、コラーゲンの再生によりハリが生まれて、キメの整ったなめらかな肌になっていきます。

推奨治療回数は、1か月ごとに6回です。肌質にもよりますが、1回で手触りが少し変わり、3~6回かけてかなり目立たなくなります。完全に消えませんが目立ちにくくなることで満足なさる方が多いです。

赤みが残りやすいので、7回目以降は『ジェントルレーズプロ照射』を『フォトフェイシャルM22照射』に変更して継続する場合もあります。

また、ホームケアでは、医療機関専用のピーリング美容液やソープを併用すると効果的です。クリニックでは、毛穴が角化しにくいスキンケアや生活習慣のアドバイスとともに、内側からもキレイになるお手伝いをさせていただきます。