春だけじゃない、秋の花粉にも要注意!かゆみや湿疹を引き起こす『花粉皮膚炎』の予防と対策

春だけじゃない、秋の花粉にも要注意!かゆみや湿疹を引き起こす『花粉皮膚炎』の予防と対策

    目次
  1. 1. 花粉で引き起こされるアレルギー
  2. 2. 花粉皮膚炎になってしまったら
  3. 3. 花粉症の対処あれこれ

1. 花粉で引き起こされるアレルギー

目のかゆみや充血、せき、鼻水、涙が流れる......。目や鼻、喉など粘膜の部分でアレルギー反応が起こってくるのが花粉症です。春先になると花粉症の症状を訴える人は多いですが、原因となる花粉はスギやヒノキだけではなく、それ以外にもイネ科のカモガヤ、ハルガヤ、ブタクサなど様々な植物の花粉が通年飛んでいるので、春以外にも花粉症はあります。

花粉の殻の中にはアレルギー反応を起こす抗原物質が入っており、粘膜の水分に触れると殻が壊れて抗原が露出し、粘膜では異物を排除しようとしてアレルギー反応が生じます。

実は初めて触れた時にはアレルギー反応は生じず、繰り返し付着することで抗体が作られ『感作』が成立し、その次に抗原に触れた時に『抗原抗体反応』が起きてアレルギーの症状が現れるのです。花粉は空気中の大気汚染物質や黄砂にぶつかると壊れて抗原が露出しやすくなるので、空気の汚染された地域ほど花粉症の有病率が高いことが分かっています。

一度感作が成立し抗体が作られると、同じ抗原に対しては毎回同じような反応が生じます。本来は、湿った粘膜部分に症状が出ますが、皮膚のバリア機能が弱まっていると、粘膜周辺や皮膚でもアレルギー反応が起こり、赤みやかゆみを伴う湿疹が出ることも。これを『花粉皮膚炎』と呼んでいます。一口に花粉症といっても症状は様々なのです。

2. 花粉皮膚炎になってしまったら

肌に赤みやかゆみが出てくる花粉皮膚炎の出方は、それぞれの肌の持つバリア力によって異なります。鼻をかんだり目がかゆくて擦ったりする部位には特に症状が強く出ます。スギやヒノキ花粉が飛ぶ時期には、目の周りや頬などにカサカサ、ブツブツ、赤み、かゆみなどの湿疹症状が出てくることもあります。

花粉皮膚炎になってしまったら、まずは保湿しましょう。乾燥した空気やエアコンの風に肌がさらされ、水分が奪われ、バリア機能も弱っている時期に花粉が付着して起きるのでクリーム類でしっかり保湿しバリアを補うことが大切です。新しい商品は刺激になることもあるので、使い慣れたアイテムだけでケアする方がベターです。
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スキンケアは保湿成分を含む『モイスチャライザー』を選びましょう。『モイスチャライザー』とは、セラミドやアミノ酸、グリセリン、ヒアルロン酸など、水分を抱え込む作用のある保湿成分が含まれている化粧品のことです。オイルやワセリン、バーム類は『エモリエント』と呼び、保水機能は低いのですが、湿疹症状がひどくて、クリームもしみて痛いという場合は、保護膜の代わりに塗り、速やかに皮膚科を受診してください。

また目周りの症状がある場合、アイメイクはお休みしましょう。ベースメイクは、お湯や洗顔料のみで落とせる軽めのものだと安心です。

スキンケアを見直しても、症状が続く場合は皮膚科専門医にご相談を。

3. 花粉症の対処あれこれ

花粉症の疑いがある場合は、自分でガードすることが肝心です。

・外出時はメガネやマスクを着用する。
・髪の毛はコンパクトにまとめ、花粉を付着する毛足の長い衣類は避ける。
・玄関の前で服をはたいて花粉を持ち込まない。
・帰宅後はすぐに入浴して花粉を洗い流す。
・抗アレルギー薬を飲む。
・洗濯物は部屋干しする。
・家では空気清浄機を24時間つける。
・朝、掃除機をかけて、夜に落ちた花粉を除去する。

もちろん美肌の要となる生活習慣の5本柱『バランスの良い食事』『良質な睡眠』『腸内環境の向上』『運動習慣』『ストレスコントロール』が抵抗力を高め、バリア機能をアップしてくれます。