【寒い冬の入浴習慣】熱いお湯は乾燥を招く‟ヒートショック"の危険も!入浴前の準備~安全な入浴法~洗い方~入浴後の保湿のタイミング

【寒い冬の入浴習慣】熱いお湯は乾燥を招く‟ヒートショック"の危険も!入浴前の準備~安全な入浴法~洗い方~入浴後の保湿のタイミング

    目次
  1. 1. ボディを温める
  2. 2. ボディを洗う
  3. 3. ボディを潤す


1. ボディを温める

空気が乾燥し、急激に冷え込む真冬は、体にとっても肌にとっても過酷な時期です。特に冷え性の人にとっては、「どうやったら冷えを感じないようにできるか。」「冷え性に効く食事」などにとても関心があるのではないでしょうか。

■ お風呂の入り方は?

冷えを解消するには体を温めればいいのですが、やみくもに高温のお湯に浸かればいいというわけではありません。真冬に42~43度以上の熱いお湯につかると皮脂や細胞間脂質などのバリア成分が流れ出やすくなってしまいます。また、熱い湯の刺激で交感神経が優位になるため、リラックスと言うより喝を入れるようなイメージになり、疲れを取り循環を改善する目的にはそぐいません。

特に高齢者では心血管に負担がかかりやすく血圧の乱高下によるヒートショックのリスクが高くなり、お勧めできないのです。特に寒い時期に、室内、脱衣所、浴室の室温が低いとヒートショックが生じやすく、脳内出血、大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などで年間2万人近くが亡くなっています。

冷え性の改善に効果があり安全な入浴法は、脱衣所や浴槽内を事前に暖めたうえで、温浴効果がある入浴剤を入れて、40度前後のお湯に10~20分浸かることです。瞑想やマッサージ、読書などしながら、じっくり体を温めましょう。41~42度くらいの湯温なら1回5分程度×2回の入浴でも大丈夫です。

湯船に浸かる時間がないときは、大きめの洗面器にお湯を張り、5分程度、くるぶしまで浸して足湯をしてください。それだけでも全身がぽかぽかしてきます。冬場の洗い場が寒くて洗髪中に冷えてしまうなら、その間足を温めておくのもおすすめです。是非ともやってほしいのは、入浴後に冷えないための準備です。入浴前に部屋を暖めておき、入浴後は靴下をはいて湯冷めを防ぐなど、アフターケアも大切です。

そして乾燥すると、肌のトラブルが気になりますよね。部屋が寒いと加湿器をつければいいと考えがちですが、部屋が暖かくなっていなければ加湿器を使っても潤いません。冷たい空気は水分を抱え込む力が無いからです。暖房機で空間をきちんと暖めてから加湿器を使うようにしましょう。

■ 冷えの原因と対策は?

ビールなどを好み、冷たいものを食べることが多い人は、どうしても体が冷えてしまいます。また3食きちんと摂らない、偏った食事をしているなど、食習慣からも冷え性になってしまうことがあります。まずは内側から冷えを呼ばない食事を心がけましょう。筋肉量が少ないと冷えやすくなります。当院のお向かいにGold Gymがあるのですが、筋骨隆々の男性は冬でも半袖で体から湯気を出して出ていらっしゃいます。運動習慣も冷え対策には欠かせません。

また足首や手首を出していると、そこから冷えていきます。体を冷やさないために、体の中央に位置するおなかや腰、首の後ろを温めると体が温まります。足が冷える人は特に足首を冷やさないように厚手の靴下をはくのがおすすめです。蒸気で温める温熱シートは、四肢末端ではなく、下腹部や背中などの体幹部に貼るのが効果的です。

2. ボディを洗う

入浴するとボディを洗いますが、何を使って洗っていますか?垢すりやナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うと肌のバリア機能が壊れて、角層の水分も減少し乾燥を招きます。肌の一番外側の角層はラップ1枚分、0.02㎜の薄さですから、すぐに傷ついてしまうのです。
ナイロン系のものでこすり続けていると、肌がゴワついてきます。これは防御反応で角層が厚くなってきた証拠です。角層が厚くなるのを防ぐためにも、手か柔らかなボディタオルで優しく泡を動かすイメージで洗うのがベストです。桃を洗うような感じで優しく洗いましょう。

使用するのは弱酸性で保湿成分が添加されたボディソープや固形石鹼がベスト。アミノ酸系の洗浄力がマイルドな界面活性剤を使用した洗浄剤をしっかり泡立て、きめ細かい泡で洗うことが大切です。一般的な昔ながらの石鹸だと、アルカリ性で脱脂力が高いものが多いため、乾燥に悩んでいる人には不向きです。

背中を洗う際には、柔らかいタオルを使って、タオルで泡を動かすようにして洗い、肌を強くこすって刺激しないようにしましょう。先日放送された、NHKの『あしたが変わるトリセツショー』では洗顔のトリセツを解説しました。その中でもお話しましたが、洗浄剤はしっかり泡立てると、皮脂汚れが泡の中に自然に吸い込まれていくのでゴシゴシこする必要がなくなります。ただし、泡をずっとのせておくのも皮脂をとりすぎるので気をつけましょうね。

3. ボディを潤す

入浴後、ボディを潤すタイミングは、お風呂上がり5分以内がベストです。柔らかいバスタオルで、全体の水分を吸い取り、湿り気があるうちに潤い成分が配合された保湿剤をタップリ塗りましょう。全身に広げたい場合はミルクタイプの保湿剤を。特に乾燥が気になる部位にはクリームタイプやバームタイプの塗り重ねがおすすめです。皮脂が少なく乾きやすい、ひざ下、ひじから先を充分にケアしましょう。年齢を重ねると腰回りに乾燥を感じる人もいらっしゃいます。こちらも入念にケアすると良いでしょう。

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肌の弱い方は、薬事法に定められた医薬品に分類される洗浄剤と保湿剤に替えましょう。3日たっても治らない場合は、皮膚専門家医に診てもらうことをおすすめします。皮膚科医のホームドクターが1人いるとトラブルがあったときに心強いと思います。

タンパク質を含む食品を適切に摂り、体を動かし筋肉量を増やして代謝を上げれば、冷えも解消するはずです。過度な緊張も交感神経優位となり、抹消の毛細血管が収縮し、血液が巡らなくなり冷えの原因になります。心も体もリラックスを心がけてくださいね。