サリチル酸

サリチル酸とは、BHA(β-ヒドロキシ酸の略)の一種で、医薬品として解熱や痛み止めに使われてきました。

その歴史は古く、皮膚科治療によく使われ欧米ではケミカルピーリングの処方に使われてきました。ケミカルピーリングの効果が高い反面、ピールが深くなりやすく、強い炎症反応を生じ、ダメージからの回復に時間がかかるなどの副作用に加え、中和を要するため中和熱が発生し、肌に負担になる点も問題でした。

溶剤にアルコール(エタノール)を使用するようになってからは、揮発すればピーリング反応が止まるため比較的安全なピーリング剤と言われていましたが、日本人の肌質に合わない事(刺激や炎症、回復期の長さ)が欠点となり、グリコール酸より効果が強いもののあまり使われてきませんでした。

ここ最近ではアルコールではなく、マクロゴールという溶剤を使用したサリチル酸マクロゴールという成分が開発され、日本人(アジア人)の肌にも安全に治療出来るようになった事から、日本でも広く使われるようになりました。サリチル酸マクロゴールは角質のみに作用し、強力な角質融解作用がありながら、表皮顆粒層より深部に達する事はなく、施術中・後の発赤、紅斑、落屑などの副作用がほぼありません。炎症性のニキビ、コメド(白ニキビ)、毛穴づまりに特に効果的で、その他小じわやシミ、くすみ、肌のハリにも有効です。