サーマクールFLX

2002年にアメリカのThermage社が開発した医療機器で、高周波(RF)によって、お肌のたるみを引き締めます。これにより、メスを使わないたるみ治療が可能となり、美容医療に大きな革命を起こしました。

サーマクールは、電気エネルギーの一種であるRF(高周波)を用いた「たるみ治療器」です。照射すると高周波の熱エネルギーによって、真皮のコラーゲン線維や皮下脂肪を支える線維隔壁、顔の土台となるSMAS筋膜(コラーゲン線維で構成)が即座に収縮するため、施術直後から引き締め効果が現れます。

さらにその後、創傷治癒機能(傷を治す力)により、約6か月に渡り大量の新しいコラーゲンが生成され肌全体にハリと弾力をもたらし、シワやたるみを改善します。引き締め作用は「縦」「横」「奥行き」の3次元に働くため、立体的にたるみを改善し、頬やフェイスライン、顎下のボリュームをスッキリ(余剰部分を減らす)させて小顔に導きます。また、皮脂腺の収縮効果もあり、毛穴の開きやニキビも改善され、キメ細やかなお肌へと変化していきます。

9年ぶりにアップグレードした第4世代の『サーマクールFLX』は、従来機種(CPT)よりも「痛みや熱感が大幅に軽減」された上、圧倒的に「即効性が高く」なり「引き締め効果も強化」され、満足度が格段に上がりました。顔だけでなく目元のたる みや首のシワ、気になる二の腕やヒップ、下腹部などのボディのたるみの引き締めにも効果を発揮し、適応範囲が広いのも魅力です

さらに線維芽細胞の活性化により、持続的にコラーゲン線維の生成が続くため、約6か月間にわたりリフトアップ効果が得られると言われています。照射時には、冷却保護システムにより、照射前、照射中、照射後の各段階で肌表面を冷却するため、照射後もやけどのような傷は残らず、施術直後からすぐにメイクも可能です。

銀座ケイスキンクリニックでは、第四世代の『サーマクールFLX』を〝サーマクール認定医の医師が照射″します。また、高周波を用いた施術としては、『スカーレットRF(スカーレットS)』や『スマスアップ』も人気です。
当院では、引き上げ・リフトアップの王者『ウルセラ』と引き締めの女王『サーマクールFLX』のコンビネーション治療を推奨しています。ウルセラの神髄は、手術でしかアプローチできなかった顔を支える「SMAS(筋膜)」に作用し、下垂した皮膚を土台から引き上げることです。照射深度が1.5㎜・3.0㎜・4.5㎜と厳密に固定され 超音波画面を確認して正確に点状の熱凝固点を作り、大量のコラーゲン線維を新生させます。頬やフェイスライン、眉を引き上げポニーテールをギュッと結んだような上方向への引き上げ効果が高い治療です。キングとクィーンの相乗効果で、全方位どこから見ても美しい輪郭を作ります。

関連治療リンク
サーマクールFLXスカーレットRF(スカーレットS)スマスアップ

色素性蕁麻疹(肥満細胞腫・肥満細胞症)

「色素性蕁麻疹」(しきそせいじんましん)は、皮膚への刺激によって蕁麻疹と同じようなかゆみや皮膚の盛り上がった発疹が現れる病気で、また病名に「蕁麻疹」という言葉が入っているため紛らわしいですが、一般的な蕁麻疹とは少しメカニズムや症状が違う病気です。生後1歳までに起こる「幼児型」と、思春期以降に起こる「成人型」の2つに大きく分けられます。

■色素性蕁麻疹の原因
色素性蕁麻疹は、皮膚に肥満細胞(別名;マスト細胞)が過剰に集まってしまうことが原因で起こります。そのため、「肥満細胞症」や「肥満細胞腫」という別名があります。肥満細胞はアレルギー反応を起こす細胞で、刺激を受けるとヒスタミンなどの物質を放出するという性質があります。色素性蕁麻疹の理解には、一般的な蕁麻疹のメカニズムを知っておく必要があります。

●一般的な蕁麻疹の発症メカニズム
一般的な蕁麻疹でも、その発症には肥満細胞がかかわっています。何らかの原因で肥満細胞が刺激を受け、ヒスタミンなどを放出します。ヒスタミンには毛細血管の壁をゆるめて、血管内から必要な細胞を呼び寄せるという働きがあります。血管の壁がゆるむと、細胞とともに血漿(体液の一種)が染み出てきて、皮膚の内側に溜まっていきます。このため、蕁麻疹では突然に皮膚にかゆみを伴う白~紅色の膨疹(扁平に盛り上がった浮腫、みみず腫れ)が現れます。これは湿疹とは異なり一過性のもので、30分~1日以内にあとかたもなく消えてしまうのが特徴です。一部、血管浮腫という深部で起きる蕁麻疹は腫れが3日間ほど持続しますが、これも蕁麻疹の一種です。

●色素性蕁麻疹の発症メカニズム
先ほど述べたように、色素性蕁麻疹は肥満細胞が異常に増えすぎた病気です。皮膚の下に肥満細胞が多く集まって巣を作ってしまっているため、この部分の皮膚をこすったり、ひっかいたり、入浴して急激な温度変化にさらしただけで、容易に刺激を受けてヒスタミンを放出し、膨疹を作ってしまいます。この反応は同じ場所で何度も起こるため、結果的にメラニンが増加して薄茶色のシミ(斑)になってしまったり、褐色の盛り上がり(結節)や水ぶくれ(水疱)ができてしまったりします。

どこに肥満細胞が増えているのかによって、シミや結節ができる場所や大きさ、個数はまちまちです。なぜこのように肥満細胞が増えてしまうのか、アトピー体質やストレス、食事の影響があるのかは不明です。診断にあたっては、皮膚症状が似ている痒疹(ようしん)、虫刺されによるかぶれ、伝染性膿痂疹(とびひ)、色素失調症などとの違いを見分けることが重要です。

色素性蕁麻疹は生後1歳までに起こる「幼児型」と、思春期以降に起こる「成人型」の2種類に大きく分けられます。以下では、幼児型と成人型それぞれの主な症状と治療法について解説します。

■子供の色素性蕁麻疹(幼児型)の症状と治療
●症状
生後間もなく、いろいろな大きさ(小豆~鶏卵サイズ)の薄茶色のシミが現れます。シミは全身のどこでも出る可能性がありますが、体幹や首に出ることが多く、手のひらや足の裏にはあまり出ないようです。シミは平らか、わずかに盛り上がります。水疱ができることもあります。

このシミの下には肥満細胞の巣がありますので、シミを強くこすると、肥満細胞が刺激されてヒスタミンが放出されます。そうすると、こすった部分が赤く盛り上がり、かゆくなります。毎日の入浴では身体を洗うために皮膚をこすりますし、お湯の温度で皮膚が刺激されますので、症状が気づかれやすい場面です。

色素性蕁麻疹で問題になるのは、この肥満細胞の反応が強く出てしまった場合です。前述した通り、ヒスタミンには血管の壁を広げて細胞や血漿を血管外に出す作用がありますが、この作用が広範囲にわたると、血管から水分が出すぎて血圧が低下してしまいます。これはアナフィラキシーショックという危険な状態です。皮膚の症状とともに、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、動悸、呼吸困難、けいれん、意識消失などが起こった場合は、救急車を呼びましょう。また、このようなことに思い当たるようなら、医師(皮膚科医や小児科医、アレルギー科医など)にその旨を伝えましょう。

●治療
10歳頃までに自然治癒するといわれています。それまでの対策としては、抗ヒスタミン薬の内服薬がメインになります。この薬は肥満細胞からヒスタミンが放出されても、その作用を弱めることができるので、症状が起こりにくくできると考えられます。症状が重い場合は、ステロイド剤の全身投与(内服、注射、点滴)と、足りなくなった水分を補うための輸液を行うことがあります。シミ、すなわち肥満細胞が集まっている巣が一つしかない場合は、その部分を切除する手術により治癒をめざす方法もあります。

■大人の色素性蕁麻疹(成人型)の症状と治療
●症状
思春期以降に起こる成人型の場合は、幼児型よりも皮膚の下で集まっている肥満細胞の数は少ないといわれています。そのため、シミは暗めの薄茶色でほとんど盛り上がらず、幼児型よりもサイズが小さいです。思春期に発症する場合は顔に、青年期では体幹に出やすく、多発することが多いようです。皮膚をこすったときに出る皮膚の症状も、幼児型にくらべて弱いのが特徴です。しかし、入浴などの刺激でアナフィラキシーショックが起きないとは限りませんので、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、動悸、呼吸困難、けいれん、意識消失などがあれば、すぐに直ちに救急外来を受診してください。

●治療
成人型では症状は軽めですが、残念ながら自然治癒はあまり期待できません。気長に付き合っていく病気です。抗ヒスタミン薬は効きにくいとされています。紫外線を照射して免疫を調整するナローバンドUVB照射療法なども併用して、症状の改善を目指します。また、ビタミンCの投与やレーザー療法などでシミの色素を薄くする治療を試みる場合もありますが、治療に難渋します。症状が重い時はステロイド剤や輸液などが用いられます。

■色素性蕁麻疹のまとめ
・色素性蕁麻疹は皮膚の下に肥満細胞が増えすぎてしまう病気
・皮膚をこすったときや入浴中に蕁麻疹のような皮膚症状が起きる
・アナフィラキシーショックが起こることもあるので要注意
・小児の場合は10歳までに自然治癒、成人の場合は長く付き合う病気

すそわきが(外陰部臭症・すそ腋臭、裾わきが)

「すそワキガ」とはデリケートゾーンや外陰部の臭いのことで、「外陰部臭症」「しもわきが」「トベラ」とも呼ばれます。ニオイのもととなるエクリン汗腺やアポクリン汗腺が、女性器や陰毛部にも多数存在するために、わきがと同じような刺激臭を発することがあります。

本来エクリン汗は無臭ですが、皮膚の常在菌(雑菌)により分解され、皮脂腺から分泌される脂肪酸と混じると、汗臭いにおいが発生するようになります。特に、アポクリン汗腺から出る汗は、脂質やタンパク質など臭いの元になる有機物を多く含み、細菌により分解されると臭いがさらに強くなります。アポクリン汗腺は動物の芳香腺の遺残であり、性成熟期に特徴のある刺激臭を発します。臭いのもとになっている物質は、酢酸、蟻酸、プロピオン酸などの不飽和脂肪酸、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミンなどです。アポクリン汗腺が存在するのは、脇の下と外陰部、耳の中、乳輪周囲、臍の周囲です。

すそワキガは、男性より女性に多く、すそわきがを有する方の多くに、ワキの腋臭症もあります。また、すそわきがや腋臭症がある方は、耳垢が湿っています。近年、耳垢が湿型か乾型かを決定し、腋臭症の発症に関連する遺伝子(16番染色体のABCC11遺伝子)が解明されました。日本人での保有率は25%で、アフリカ系、欧米系人種より少ないのですが、少数派ゆえに社会的圧力を受けることがあります。また、日本の高温多湿環境下では臭いを強く感じやすいという傾向があります。なお、ストレスや緊張、性的な興奮を伴うと、臭いが強くなる傾向があると言われています。

外陰部の臭いに関しては、人になかなか相談できないデリケートなお悩みですが、ボトックス注射で解決できることがあります。シワ治療に使用するボトックスを、デリケートゾーンに少量ずつ注射することで、神経終末のアセチルコリン放出を抑制し、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の働きを抑制します。切開による傷やひきつれのリスクがある手術にくらべ、簡単に多汗と臭いを改善します。皮脂腺の働きも抑制するので皮脂由来の脂肪酸量も減少します。また、体温調整に役立つエクリン汗の分泌が減ることで、ニオイの拡散も軽減します。汗腺を取り除くわけではないので、効果は永続的なものではありませんが、約半年~1年位の間は汗と臭いの軽減が可能です。繰り返し注射を行うことでエクリン汗腺やアポクリン汗腺の機能が徐々に弱まり、持続期間が長くなったり、効果が高くなったりします。

関連治療

ボトックス注射(すそわきが・外陰部臭症)ボトックス注射(多汗症・腋臭症)

爪甲剥離症(onycholysis)

爪床という爪の直下にある皮膚と爪の間にすき間ができると、剥離した部分の爪が白く見えることがあります。原因は局所性のものが比較的多く、マニキュアや洗剤、ホルマリン、アルカリなど成分による刺激、外傷、機械的な刺激など様々です。主婦や料理人など水仕事をする人に多く、その他パーマ液などを扱う美容師にも比較的多く見られます。そのほかに、全身性疾患や皮膚疾患(甲状腺機能亢進症/低下症、強皮症、貧血、手足の多汗症、乾癬、爪カンジダ症、梅毒、先天性表皮水疱症など)、内服薬などによるものもあります。最近では、紫外線で硬化させるジェルネイルの物理的刺激が原因の症例も増えています。治療は原因があればその原因に対する治療を行っていきます。

局所的な原因の場合は刺激を避けるのみで改善する場合もありますが、保湿剤の外用や、場合によってはステロイド剤の外用を行います。生活習慣や職業が原因の場合には難治なケースも多く見られます。

進行性指掌角皮症(keratodermia tylodes palmaris progressiva)、主婦湿疹、手湿疹

水仕事の多い主婦や、紙などを扱ったり、手指をよく使う仕事の方に多く見られます。指の腹の皮膚が薄くなり、乾燥して硬くなったり、皮がむけたり、ひび割れたり、切れたりします。ひどくなると炎症をおこして赤くてかゆい湿疹を併発することもあります。一般的には手あれや主婦湿疹、手湿疹と総称して呼ばれています。
原因は手指や掌(てのひら)に対する刺激や乾燥です。手をこすり合わせる動作により手のバリアの要である皮脂膜や角質の離脱が起こります。その際に、水、温水、石鹸、合成洗剤を使用すると、この順で皮脂膜や角質の離脱の程度が増加すると言われています。紙や布でも同様のことが起こります。この繰り返しにより、皮膚のバリア機能が損なわれることが原因で、進行性指掌角皮症は発症します。さらにアレルギー性の接触皮膚炎などが併発し、悪化することも少なくありません。
治療としてはまず、水仕事やその他の原因となる刺激の防止が重要です。具体的には下記のようなアドバイスをしています。

・水仕事の際にはゴム手袋を着用する。
・お湯よりも水を使用する。
・水でぬれた後は乾いたタオルで拭いてすぐに保湿クリームを塗る。
・乾燥を感じる前にこまめに保湿クリームを塗る。
・綿の手袋を常時着用する。
・食洗機や洗濯乾燥機を利用する。

刺激と乾燥で野ざらしになった皮膚は、いたわりながら保湿クリームでバリア機能を補って保護してあげるしかありません。保湿剤にも色々と種類があります。刺激感がなければご自身のお気に入りのクリームでも十分ですが、おすすめは水分保持能力の高い「ヘパリン類似物質含有クリーム」、硬くなってごわつく場合は角質をやわらかくする「尿素軟膏」や「サリチル酸ワセリン」、亀裂などで上記がしみる場合は刺激のない「白色ワセリン」など、状態に合わせて保湿剤も使い分けが可能です。また、かゆみや赤みを伴う湿疹には「ステロイド外用剤」の併用が欠かせません。

静脈湖 (venous lake) 、老人性血管腫

加齢とともに増える老人性血管腫(cherry angioma)が口唇にできたものを特に静脈湖と呼びます。青紫色で米粒大~小豆大の類円形のできもので、血豆のように見えます。青紫色の色調の変化が主体で隆起は軽度のことが多いようです。老人性血管腫は、高齢者に多くみられ、唇のみならず、顔面、耳介、体幹に生じます。病理学的には、血管が腫瘍性に増殖した血管腫と違って、毛細血管の拡張と増殖が主体です。唇の場合は、唇の粘膜の深い部分の血管が部分的に拡張したものです。なかなか治らない血豆がある場合は静脈湖の可能性があります。自然消褪はなく、治療としては、手術で切除したり、深い部分の血管に反応するレーザーを照射します。気にされている方は皮膚科専門医のいるクリニックで是非ご相談下さい。


関連治療


ロングパルスNd:YAGレーザー(血管腫)

白髪

毛髪は、地肌から出ている「毛幹」と、頭皮内部にある「毛根」に分けることができます。

私たちが普段目にしている毛髪とは「毛幹」のことで、毛髪自体を作り出す組織は毛根の先の膨らんだ「毛球」の部分になります。毛母細胞そのものが作り出す毛髪は、もともとは白髪なのですが、メラノサイトと呼ばれる色素細胞が作り出したメラニン色素が毛髪内に取り込まれることで頭髪の色が決まります。メラニン色素は、ユーメラニンとフェオメラニンの2種類がありますが、ユーメラニンが多いとその色は濃くなり、フェオメラニンが多いと赤みを帯びた色になります。日本人ではユーメラニンがメインなので、毛髪は主に黒色や茶色に染まります。

しかし、色素細胞(メラノサイト)の働きが、何らかの原因で弱まったり消失したりすると、髪を黒くするメラニン色素がつくれず白髪になってしまうのです。色素細胞(メラノサイト)の働きが低下する原因として、遺伝・加齢・ストレス・病気などがあげられます。

白髪の原因やメカニズムについては未だ解明されない点が多く予防も難しいのが現状ですが、少しずつ研究の進んでいる分野もあります。2005年、花王が白髪の発生に特定遺伝子の量が関与していることを確認しています。

また2009年には、東京医科歯科大学のグループが、黒髪の色素をつくる「色素幹細胞」がDNAの損傷を修復できずに自己複製しないですべて分化することで、色素幹細胞が枯渇し、白髪になるというメカニズムを発表しました。人への応用はまだ時間がかかりますが、帽子や日傘を活用し紫外線から頭皮を守ることや規則正しい生活を送り、バランスのよい食事を摂り、自分なりのストレス解消法を見つけるといった日々の生活を見直すこともDNAの損傷を食い止め、白髪予防の一助となるでしょう。

女性の薄毛(女性型脱毛症・女性男性型脱毛症(female androgenic alopecia(FAGA))・びまん性脱毛症・産後脱毛症(分娩後脱毛症))

そもそも毛髪には、毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれる成長の周期があります。成長期 → 退行期 → 休止期 → 自然脱毛と進み、一定の期間をおいて、再び成長期に変わります。つまり、永遠に伸び続ける毛髪というのは存在せず、健康な毛髪であっても必ず数年ごとに生え変わっているのです。

女性の薄毛は、円形脱毛症や放射線や抗がん剤による医原性脱毛を除外すると、「加齢変化」「女性の男性型脱毛症(FAGA)」「休止期脱毛」の3つに分類できます。いずれも、女性の薄毛はびまん性に毛が薄くなるので、「びまん性脱毛症」と呼ばれることもあります。

まず、「加齢変化」では、頭部全体の毛が透けて地肌が目立ち、一本一本が細く短くなります。更年期前後に始まることが多く閉経後に目立ってきます。「FAGA」、「休止期脱毛」と併存することもあります。

2つ目の、「女性男性型脱毛症(FAGA)」は、男性に生じる壮年性脱毛(男性型脱毛症AGA)の女性タイプです。男性ホルモンに感受性の高い体質の人に生じやすいと言われています。更年期に女性ホルモンが減ってくると相対的に男性ホルモンの影響が出やすくなり加速することがあります。AGAと同様、男性ホルモンの影響で、成長期が短くなり、毛が細く短い毛に変化します(軟毛化、毛のミニチュア化)。しかし、生え際のラインにはあまり変化がなく、頭頂部から前頭部にかけてびまん性に薄くなる傾向にあります。多くは三十代前半から始まりますが、更年期前後からは加齢影響も加わってくるため、よりはっきりとしてきます。

3つ目の「休止期脱毛」は、本来10%の休止期毛が20%に増加してしまうことで生じる脱毛です。軟毛化は少なく、毛密度の低下が頭部全体に生じます。「急性休止期脱毛」と「慢性休止期脱毛」の2つのタイプに分かれます。
「急性休止期脱毛」は、精神的ストレスや高熱、外科手術、急激な栄養障害、大量出血、出産(分娩後脱毛症)、ホルモンの変化(ピルの内服や中止)、などで起こる急性の脱毛です。太い毛が抜けやすく、数か月で急激に頭部全域の毛髪が薄くなります。ほとんどの場合、原因を取り除くと改善します。
「慢性休止期脱毛」は半年以上のゆっくりした期間で、頭部全域の毛髪密度が徐々に低下します。慢性の全身疾患や鉄欠乏性貧血・極度のダイエット・内分泌疾患・膠原病、薬剤など原因がはっきりしている物は取り除けば回復します。原因不明のものは若年女性に多く難治性の場合もあります。

「産後脱毛症(分娩脱毛症)」は、「急性休止期脱毛」の一つで、出産後2~3ヶ月で抜け毛が始まり、産後半年頃にピークを迎えます。その後は徐々に回復していき、10ヵ月~1年半で自然に治ります。個人差はありますが、出産経験のある女性ならほぼすべての人が経験すると言われています。原因は妊娠・出産に伴うホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンにはプロゲステロンとエストロゲンがあり、2週間ごとに規則的に増減していますが、妊娠初期はプロゲステロンが優位に、後期はエストロゲンが優位に働きます。妊娠中はエストロゲンの作用で成長期を維持していた毛髪が、出産後急激にエストロゲンが減少し、一斉に休止期に入るため大量の抜け毛が発生します。また、産後の育児による過労や睡眠不足も影響します。抜け毛の程度は元の髪の長さや量、ヘアケアの状況でも差が出ます。


治療方法としては、まず原因がはっきりしている物はそれを取り除き、栄養状態など生活習慣を改善します。
女性男性型脱毛症(FAGA)の場合、男性同様、プロペシアの内服を考えたいところですが、女性型脱毛症には有効性が認められておらず適用がありません。そこで、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロン(毛根内で作られる活性の強い男性ホルモン)をブロックする有効成分、アルファトラジオール配合の「パントスチン」という外用薬が当院を含め、一部の医療機関で処方されています。市販されている外用薬として血流改善作用により育毛効果が有るミノキシジルが1%配合された女性用外用剤「リアップジェンヌ®」がお勧めです。
更に確実な効果をお求めになりたい方には、銀座ケイスキンクリニックでは、「ダーマローラー」や「スカーレットRF(スカーレットS)」にて頭皮に細かい穴をあけ、毛髪再生に有効な薬剤(成長因子、ミノキシジル)を導入する方法や、ダーマシャイン®を使用し毛髪再生に有効な薬剤(成長因子、ミノキシジル)を直接注入する頭皮療法「育毛水光プラス」をお勧めしています。また、丈夫で弾力のある健康な髪ためにアミノ酸、タンパク質、ビタミンB群などが特殊配合された「パントガール」の内服、FAGAに特に効果を発揮する「パントスチン」の外用も組み合わせたトータルな育毛治療をご提案しております。

 薄毛対策として他に有効なことは、まず食事です。髪の約90%以上はケラチンというたんぱく質でできています。このケラチンを構成するメチオニンは体内で合成できない必須アミノ酸ですので、食事でたんぱく質をとらないと、原料不足で薄毛になります。鶏肉、豆腐、豆類、魚などをバランスよく組み合わせ摂りましょう。また、最近の研究で、毛髪の再生には17型コラーゲンの存在が欠かせないことが分かってきました。コラーゲンの合成には、補酵素としてビタミンC、補因子として鉄が必要なので、ビタミンCと鉄分の豊富な小松菜やレバーなどもおすすめです。さらに毛包周囲の循環を高める、オメガ3脂肪酸も育毛に良い栄養素です。サバやカツオなどの青魚やえごま油、亜麻仁油、ナッツなどに含まれています。併せて、腸内環境を整えることも、これらの栄養素の効率よい吸収に欠かせません。
その他には、質の良い睡眠の確保、毛根の血流を高める為の全身運動、特に肩から首のストレッチやマッサージ、ストレスコントロールも重要です。

関連治療

育毛・発毛治療

新陳代謝

新陳代謝とは、古い細胞から新しい細胞へと入れ代わることです。たとえば皮膚の場合は、文献、部位や年齢により異なりますが28~56日周期で古い細胞から新しい細胞に入れ代わります。

表皮の奥の基底層で新しい細胞が誕生し、これらが角化という分化をしながら上行することで、最終的には表層から垢となって剥がれ落ちます。つまり肌の機能を維持するために古い皮膚に替わって新しい皮膚が生まれる現象のことです。肌の新陳代謝のことをターンオーバーといい、ターンオーバーが正常な肌は、約14~42日で基底層から顆粒層へ分化し、更に約14日(顔で10日前後、前腕で20日前後)で角層を通過しながら脱核し、脱落します。

しかしながら、年齢と共にターンオーバーは徐々に遅れ、溜まったメラニンがシミやくすみの原因になります。
そのため、銀座ケイスキンクリニックでは主にレーザー治療の導入としてケミカルピーリングを行っております。 ケミカルピーリングはグリコール酸によって皮膚の角層をごく薄く溶かし、このとどこおったターンオーバーを正常に戻すことで透明感のあるみずみずしい肌を再生することができます。

ホームケアでは、トレチノインナノエッグ(レチノイン酸)やGAローション(グリコール酸)を使用して頂くことでターンオーバーを整えていくことが可能です。

関連治療

くすみ・ツヤ・はり

宿便 滞留便(たいりゅうべん)        

宿便(しゅくべん、Fecal impaction)とは、便秘により腸内に滞留している糞便のことです。滞留便(たいりゅうべん)とも呼ばれます。医学的には「数週間以上の長期にわたり、腸壁に大量に残存する」といったような一般的によく言われる「宿便」は存在しません。

宿便(滞留便)の原因としては、先天的に便秘傾向にある体質、無理なダイエットによる生活習慣、下剤(便秘薬、浣腸、センナ茶など)の連用障害、加齢による排便反射機能の低下、ストレスによる神経症、血流の低下、他疾患の薬剤の副作用(静穏剤、睡眠薬、トランキライザーなどの筋弛緩効果薬など)などが考えられます。 

便秘は病気ではなく、身体的に排便反射機能が低下したためにおこる症状ですが、器質的な疾患が潜んでいる可能性もあり、高度な場合には消化器専門医の診察・精査が必要となります。

脂質 

脂質は生体中に存在する水に溶けない(溶けにくい)有機化合物です。脂質については、一般の消費者では、太るものというような認識しかしていない方も多いようですが、炭水化物、蛋白質などと並んで生命にとっては不可欠な栄養成分であり、その構造や生物学的な役割が多様であることが特徴のひとつです。

脂質は生体膜の成分、貯蔵エネルギー源、動物の体温を保つ断熱材、皮膚を保護するバリア、脂溶性ビタミン、代謝活性をコントロールするホルモン、血圧、体温、筋肉のはたらきをコントロールするものとして体内で様々な重要な働きをしています。

従って、食事制限をする際でも、上手に補給していく必要があります。エネルギー計算などだけで摂取する脂質量を単純に減らしてしまうと、その他の大切な機能まで低下させてしまうことになります。

関連治療

痩身

雀卵斑(じゃくらんはん)・そばかす

雀卵斑 (じ ゃくらんはん)と は、皮膚にできる色素斑 (しみ)の一つです。一般的には 「そばかす (ソバカス)」 といわれます。直径 3~5mmの細かい茶色の色素斑が、頬や鼻背、上眼瞼な どに多発 しますが、背 中・胸元・ 首・ 肩 純粋にそばかすだけが存在 している場合は少な く、他のしみ、手などにも好発 します。

30代以降では、(日光性色素斑や肝斑)が 混在 します。色素斑の部分では、メラノサイ トが局所的に活性化 し、メラニン色素が多数沈着 しています。幼少期か ら思春期の女性に現れ ることが多 く、 日焼けや妊娠で悪化す る場合があ り、紫外線が強まる春か ら夏にかけては特に目立ちやす くなるため、普段から紫外線対策に注意が必要です。

銀座ケイスキンクリニ ックでは、医療用パルスライ トによるフォ トセラピーやア レキサン ドライ トレーザーによる ジェントルレーズ(Geutle Lase)の照射によつてノーダウンタイムで治療す ることが可能です。また ビタミンC。 ビタミンE・ トラネキサム酸などの内服に加え、ハイ ドロキノン、ル ミキシルクリームなどの美白剤、 トレチノインナノエッグ (レ チノイン酸)の外用を併用することでさらに相乗効果が得 られます。

関連治療

肝斑雀卵斑(じゃくらんはん)・そばかす

真皮

真皮とは、表皮の内側、表皮と皮下組織の間にあり、乳頭層と真皮網状層から構成される皮膚の層で、線維性結合組織(間質成分、細胞成分、脈管・神経成分、皮膚付属器成分)から構成されます。

真皮の間質成分のうち最も多い70%を占めるのがコラーゲン線維(膠原線維)で、他に弾力線維(エラスチン)、細胞外マトリックス(基質)、ヒアルロン酸から構成されます。網目状に張り巡らされたコラーゲンやエラスチンなどの線維は皮膚の骨格とも言え、弾力性やハリを保つ働きを担っています。

その間を埋めるように存在するのが、親水性コラーゲン線維やヒアルロン酸をはじめとする酸性ムコ多糖類の基質です。ヒアルロン酸は、水分を包み込んで真皮内の水分量を一定に保つため、ヒアルロン酸が多いとみずみずしい肌になります。線維と基質は毎日代謝され、線維芽細胞と呼ばれる細胞で日々新しくつくられています。しかし、加齢によりコラーゲン線維やヒアルロン酸の新生がなくなると、密度が減少します。また、紫外線、喫煙、ストレスによる酸化ストレス、過剰な糖の摂取による糖化ストレスによりこれらの線維が劣化し細くなり弾力を失うことが、たるみとしわの最大の原因です。

しわとたるみを解消するには、このような皮膚病理を熟知した皮膚科専門医による美容医療が安心です。


関連治療


たるみ

脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症とは、皮膚良性腫瘍の一種です。老人性疣贅(いぼ)とも言われ、主に加齢による老化現象の一つですが、体質によっては20代頃から徐々に増えてきます。

頭、顔~首、手の甲など掌蹠を除く全身に出現し、少し隆起して表面がざらざらと凸凹しているのが特徴で、色は肌色から淡褐色、黒色などさまざまです。

遺伝的素因や、日光(紫外線)による光老化で出来ると考えられており、特に日光に当たりやすい顔面、頭頸部、背部、手背によくみられます。最初は1~2mm程度と小さいのですが、時間の経過とともに徐々に大きくなって隆起するようになり、大きいものだと2~3cmくらいになることもあります。

良性腫瘍のため必ずしも治療は必要としませんが、顔面や手背など審美的な目的や、洗髪時や髪を梳く際に引っかけてしまうなど生活に不便を来たす理由で治療をお受けになる方が増えています。

保険診療では液体窒素による凍結療法が多く行われていますが、色素沈着が残ることが多く、整容面ではあまりおすすめできません。

銀座ケイスキンクリニックではCO2レーザーにて脂漏性角化症の治療を行っております。老人性いぼは表皮内腫瘍で、浅く削るだけで除去でき、傷跡もほとんど目立ちません。施術時間は、腫瘍の大きさにもよりますが1個につき数十秒程度で、局所麻酔をしっかりと施した上で行いますので、治療中の痛みはほぼなく、一度の治療で充分な効果が得られるため、人気の施術となっています。

関連治療

イボ

紫外線

紫外線 とは、波長が10nm(ナノメートル)〜400nmの太陽光線のことで、波長によって、UVA、UVB、UVCの3つに分類されます。

このうちUVCはオゾン層で吸収されるため地上には届かず、地上に届いて肌に影響を与える紫外線は、UVAとUVBの2種類です。UVAは表皮よりさらに深い真皮まで届き、長い時間をかけて作用し、しわやたるみ等の原因になります。

一方、UVBは主に表皮に作用してヒリヒリ赤くなる日焼け(サンバーン)を起こします。UVBはエネルギーが強く、細胞を傷つけたり炎症を起こしたりするので、皮膚がんやシミ、老人性いぼ(脂漏性角化症)の原因になります。

晴天の屋外ではUBA、UVBともに強く、十分な紫外線対策が必要ですが、曇りの日でも薄い雲の場合には80%以上の紫外線が通過して地上に届くため、影響は無視できません。UVAにはガラスやカーテン、衣服すら透過する性質があり、屋内でもUVAの影響を受けます。

有害な紫外線から表皮角化細胞の核を守るため、メラニンが増え過剰になるとシミになります。さらにコラーゲン線維やエラスチン線維にダメージを与えるので、肌は弾力を失い、たるみやしわが増えます。

また、紫外線は肌のバリア機能を破壊し、肌を乾燥させるので、肌荒れの原因になるばかりではなく、毛穴が詰まり易くなるのでニキビが増えます。紫外線は肌さびの原因となる活性酸素を増やすので、肌の老化を進めます。

このように、紫外線を長期間繰り返し浴びていると、そのダメージは確実に肌に蓄積され、年齢を重ね、肌老化(光老化)が進むとある日突然顔にシミがたくさんできたりします。知らず知らずこうした危険にさらされないために、紫外線について正しく理解し、その対策を日々怠らない努力が大切です。

脂肪溶解注射

脂肪溶解注射は、 ホスファチジルコリン(Posphatidylcholine:PPC)を主とした脂肪溶解剤を脂肪組織に注入する痩身治療のことをいいます。ホスファチジルコリンは脂肪細胞内でのコレステロール溶解を増加させ、コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)の代謝作用を調節します。そのため、もともとは高脂血症や脂肪肝などの治療薬として使用されていたものですが、減らしたい部位の脂肪組織に直接注射することで皮下脂肪を減少することができるため、部分痩身として美容治療で注目を集めています。溶けだした脂肪は血中を経て尿や便として体外へ排出されるため、確実にサイズダウンすることができ、食事制限によるダイエットに比べて、リバウンドしにくいというメリットがあります。

ただし、脂肪溶解に使われるホスファチジルコリンが大豆レシチンの成分であるため、大豆アレルギーの人は禁忌となっています。脂肪吸引は1回で沢山の脂肪組織を直接吸引できるため、大幅なサイズダウンが可能ですがその反面、術後に内出血、腫れ、痛みがひどく、日常生活に支障がでたり、脂肪層が薄い部位は吸引できなかったり、除痛のための全身麻酔による麻酔トラブルのリスクが高い等のデメリットがあります。

それに比べ、脂肪溶解注射は脂肪吸引と同じ量の脂肪を除去しようとすると回数がかかりますが、ダウンタイムが少ないため日常生活に支障がなく、脂肪層が薄い部位にも注入ができ、局所麻酔で行えるというメリットがあります。

また通常、脂肪溶解注射は激しい痛みや腫れを伴い、溶解補助剤であるデオキシコール酸による肝障害などの副作用がありますが、銀座ケイスキンクリニックではルネッサンス社のMICHELANGELO(ミケランジェロ)を使用しており、肝臓保護作用のある溶解補助剤デオキシコール酸Na(ナトリウム)やアミノ酸、αリポ酸、アルニカエキス、カルニチン塩酸塩などがカクテルされているため、効果が高く、痛みや腫れなどの副作用を軽減しています。

関連治療

脂肪溶解メソセラピー

ジェネシス

ジェネシスはアメリカのキュテラ社によって開発されたロングパルスNd:YAGレーザーを低出力で中空照射(肌から離して照射)する施術方法のことを指します。

ロングパルスNd:YAGレーザーを皮膚から離して中空照射すると、表皮から真皮の浅層がゆっくりと55~60℃に加熱されて、お肌の弾力の源であるコラーゲン線維を増やし、小ジワを改善するほか、肌のキメを整えハリ感をアップさせ毛穴の開きが改善します。また、レーザーピーリングの効果から、ターンオーバーを整え、毛穴の詰まりを改善するため、ニキビが出来にくくなり、毛穴の黒ずみが改善します。メラニンの黒にも反応するため、くすみ・肝斑も改善し、レーザートーニングとしても注目されている治療法です。


ロングパルスNd:YAGレーザーはヘモグロビンにもよく反応するため、真皮上層部の不要の毛細血管が破壊されることで、赤ら顔や赤みを帯びたニキビ痕も改善します。さらに、マイルドな除毛ピーリング効果で 顔のうぶ毛が目立ちにくくなる効果もあります。また、お肌の表層に作用するジェネシスと、より深部に働きかけるタイタンを同時に照射することでより強力な引き締め効果の得られるコンビネーション治療も非常におすすめです。

その他、ロングパルスNd:YAGレーザーを高出力で接触照射(肌に密着させて照射)することで血管腫や毛細血管拡張の治療が可能です。これは、YAGレーザーのヘモグロビン(血液の赤い色素)への高い吸収性を利用した治療法で、ダウンタイムが少なく人気の治療法です。

関連治療

ジェネシス

水光プラス(ダーマシャイン®)水光注射

水光注射とは、たった1gで6ℓもの保水力があるといわれるヒアルロン酸を表皮や真皮上層に「細かく」注射することで皮膚の潤いアップ、はり・透明感のあるお肌への若返りを図るために行うメソセラピーの一つです。

凹みやシワを持ち上げる目的のジェル状ヒアルロン酸フィラーと異なり、非架橋のサラサラな製剤を用いて"ボリュームアップする" のではなく、真皮のヒアルロン酸密度を高め肌力を上げます。美容大国の韓国では、水分を充分に含み、メイク後でもうるおい感を感じられる肌のことを「水光皮膚(ムルガァンピブ)」といいます。 美意識の高い韓国女性の間では水光皮膚を保つため、定期的に水光注射を受けるのが常識になりつつあります。日本でも滑らかでツヤのある肌を陶器肌といいますが、水光皮膚とは、この陶器肌よりもぷるぷるでツヤがあり、内側から輝くような肌の事です。水分を失い肌の色がくすむ年齢肌も皮膚の浅い部分に水のヴェールができることで、20代のような艶と潤いのある内側から輝くような肌に蘇ります。


水光プラスとは、専用の特別なメソセラピー注入機器「ダーマシャイン®®」を使用し、ヒアルロン酸に加え、様々な薬液をプラスαして注入していく水光注射の進化版です。従来の水光注射と同じく、非架橋のサラサラな製剤(ソフトヒアルロン酸)を真皮上層に「細かく」注射することで、皮膚の潤いアップ、はり、透明感のあるお肌への若返りを図るために行う美容液注射です。銀座ケイスキンクリニックでは、韓国HUONS社のソフトヒアルロン酸「ハイジュ」を用います。ダーマシャイン®®で使用する専用のチップには31Gの針が5針ついており、1ショットで5ショット分の注入が同時に可能です。

バキューム機能付オートインジェクション装置を使用し皮膚を吸引しながら注入できるので薬液のロスが少なく、0.8mm~1.2mmの真皮浅層へ均一かつ確実に薬液を届けます。針の長さ、注入量も皮膚の状態に合わせてコントロールできるため、手打ちでの水光注射に比べ、施術後にボコボコすることが少なくなり、痛みや内出血、赤み、針跡の残存等のダウンタイムも軽減されました。ヒアルロン酸の皮膚内含有量は、通常18~20歳が含有量のピークであり、加齢とともに減少します。ソフトヒアルロン酸は注入直後からヒアルロン酸の吸収が始まり、徐々にその物理的効果は薄れていきます。

しかし時間と共にヒアルロン酸で刺激された線維芽細胞が少しずつ新しいコラーゲン線維を産生し、肌の内側から瑞々しくなり、煌めきとはりがで、透明感のある肌になります。銀座ケイスキンクリニックの水光プラスには、ソフトヒアルロン酸「ハイジュ」に極上美肌カクテルをブレンドした「極水光プラス」、厚生労働省認定ボトックスビスタを使用した「メソボトックス水光プラス」、「ボトックスリフト水光プラス」、「W-PRP水光プラス」、「育毛水光プラス」と目的に合わせた多彩な治療メニューがあります。

関連治療

水光注射「ダーマシャイン®®」

スマスアップ(SMAS-up)

スマスアップ(SMAS-up)は、イスラエルのPollogen社が開発した『たるみ治療機器』です。スマスアップに搭載されているRF(高周波)は皮膚を引き締める熱エネルギーで、Tripollar(トリポーラ)と呼ばれる3つの電極が交換しながら作用する強力なRFです。

有効な熱エネルギーを皮膚深部に届けて、コラーゲン線維が即時的に結びつくことによるタイトニングと、線維芽細胞を活性化し長期的にコラーゲン線維の新生を促すことによる若返り効果があります。

また、DMA(局所電気刺激)が筋肉層に作用して加齢によって弱った筋肉を活性化させ、筋肉レベルからたるみを引き上げ、基礎代謝をアップさせる効果もあります。さらに、ハンドピースを押し付ける圧力により脂肪が物理的に下部へ押し付けられる外的作用とDMAが直下の筋肉層に作用し、筋肉を隆起させることで皮下組織も上部へ引き上げられる内的作用により、老廃物や脂質の除去作用(デトックス)が促進されます。

RFとDMAのダブルの効果で、しわやたるみ・部分痩身にスピーディかつ即時的アプローチを行うアンチエイジングトリートメントです。スマスアップは、3種類のサイズの異なるハンドピースが備え付けられているため、頬~首・目元・ボディなど全身のあらゆる部位への施術が可能です。

関連治療

スマスアップ(SMAS-up)

シッピングスレッドリフト

皮膚を切開せず、髪の毛よりも細い極細の吸収性糸を皮下に挿入することでリフトアップを図る「スレッドリフト療法」の一種です。人気女性誌「美ST」で「治療後そのままショッピングに行けるほどダウンタイムが短い」と紹介されたことから、「ショッピングスレッドリフト」と呼ばれています。

「シッピングスレッドリフト」は毛髪より細い、長さ30㎜~50㎜の糸と一体化した極細針を、50~150本皮下に挿入して針のみを抜き、糸を残します。挿入された糸は約半年の期間をかけて分解吸収され、糸が解けて無くなるまでの間、ゆっくりとコラーゲン線維に置き換わります。長期的なコラーゲン線維の新生による真皮~皮下組織の活性化、代謝アップにより高い美容効果があります。特にコラーゲン線維の密度が高まることで肌のはりが出てフェイスラインが引き締まり、小顔になり、たるみが改善します。

最大のメリットは、メスを使わないので外科手術より格段に身体的負担が少なく、腫れや痛みといったダウンタイムも短期間である点です。また皮下に挿入した糸は時間の経過とともに吸収されるため、体内に異物を残さない安全な美容施術といえます。デメリットとしては鋭針を多数刺入するので、チクチクした痛みと、何か所かの内出血があることです。痛みに関しては高機能の外用麻酔クリームを密封療法で充分に効かせ、さらにブロック麻酔も併用しますので、一部チクチク感じる程度です。内出血が出た場合、発症直後は暗赤色ですが、徐々に色が淡くなり黄色に変化して、通常1~2週間程度で消えていきます。太くギザギザした長い糸を挿入する「ハッピーリフト」や「アンカーリフト」と比べ、細く短い糸を多数入れるため、引きつれ感や表情の違和感、開口障害などが生じるリスクはほとんどありません。

また、目周り、まぶたからこめかみ、フェイスライン、首~ネックライン、あご下の二重あご、耳の前後さらには頭皮にまで施術できる点も優れています。それぞれを「ショッピングアイリフト」「ショッピングネックリフト」「ヘッドスレッドリフト(商標登録済み)」と呼び銀座ケイスキンクリニックオリジナルの手術法です。 

関連治療

シッピングスレッドリフト

しわ

肌は、真皮にあるコラーゲン線維やエラスチン、ヒアルロン酸に支えられハリが保たれています。これらは、その生産工場となる線維芽細胞で作られ、20歳頃をピークに徐々に生産能力が低下し減少します。
加齢と共にコラーゲン線維やエラスチンが細く、ゆるくなり、基質であるヒアルロン酸も減少するため、肌のハリが失われ、しわとして現れます。しわの原因となるものには、加齢による老化の他に、紫外線(UVA)・乾燥・ストレス・たばこ・飲酒などがあります。これらは、ビタミンCを破壊し、バリア機能を低下させ、活性酸素を増やし、コ ラーゲン線維やエラスチンにダメージを与え、老化を早めてしまいます。

よく見られるシワには、皮膚や皮下組織の下垂によってできる法令線(鼻唇溝)やマリオネットライン(口角下)、ゴルゴライン(目の下から頬の中央にかけて)などのくぼみや影によるしわの他、表情ジワと呼ばれる額・眉間・目尻などのよく動かす部位のシワがあります。

銀座ケイスキンクリニックでは、くぼみや影を埋めるヒアルロン酸注入、表情ジワの原因になる筋肉の動きを緩めるボトックス注射、コラーゲン線維の産生を促すPRP、水光プラスなどの注入療法の他、溶ける糸を挿入するショッピングスレッドリフト、スカーレットRF(スカーレットS)、タイタン、スマスアップ、フラクショナルCO2レーザーなどのレーザー照射によるサーマルトリートメント、ダーマローラーによる針刺激、フォトセラピー、ケミカルピーリングなどでシワの改善・予防治療を行っていただけます。またVCAAローション(ビタミンC・アミノ酸配合)、トレチノインナノエッグ(レチノイン酸クリーム)、バリアクリーム(COQ10配合)を併用していただくとより効果的です。

関連治療

しわ

シミ(老人性色素斑・日光性色素斑)

シミとは、顔や身体にできたメラニン色素の蓄積のことです。いわゆるシミの中には、肝斑、雀卵斑(そばかす)、老人性色素斑(日光性色素斑)、脂漏性角化症、炎症後色素沈着等があります。

そもそもメラニン色素は紫外線から細胞の核を守る役割を持っており、表皮の最下層にある基底層という部分に存在するメラノサイトが作り出し、周囲の角化細胞に受け渡され肌色を作っています。
メラニン色素が蓄積してシミになるメカニズムは、皮膚が様々な刺激に対して防御機能が働き、メラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に作り出されることで始まります。通常メラニン色素は皮膚のターンオーバーによって排泄されるのですが、作られ過ぎると表皮にたまってシミとなります。

加齢による代謝の低下で、ターンオーバーが滞り、メラニン色素が排出されにくくなることも、シミ、くすみの一因です。

誘因となる刺激には紫外線、女性ホルモン、火傷や湿疹、こすり過ぎなどの物質的刺激と様々で、最近では精神的ストレスも原因となる事が分かってきました。シミの予防には、紫外線対策に加え、こすらない、ストレスを溜めないことも重要と言えます。また、活性酸素が増えると、「メラノサイト刺激ホルモン」が分泌されシミを引き起こしたり、過剰に増えた活性酸素がコラーゲン線維やエラスチンを傷つけ、しわやたるみを引き起こします。私たちの体内には、活性酸素を除去する抗酸化物質が備わっていますが、30代以降、加齢によりその活性が減少していきます。

紫外線から肌を守り、抗酸化作用を持つビタミンA・C・E、ポリフェノール、βカロテン、DHA、EPA、CoQ10、ルテイン、食物繊維などを補うことがシミを予防するうえで重要なポイントです。銀座ケイスキンクリニックでは、美白作用の高い4種(シナール、トラネキサム酸、ハイチオール、ユベラ)の内服に加えて、肌の漂白剤と言われる程強力な美白作用を持つ「ハイドロキノンクリーム」、ナノカプセル化をほどこしたビタミンA化合物「トレチノインナノエッグ」の外用によるホームケアをご案内しています。さらにきめを整え、シミ、くすみのない透明感のある肌へ、ロングパルスアレキサンドライトレーザー「ジェントルレーズ」での低出力照射や、東洋人の肌でも安全に、肝斑や薄いシミ、全体的なくすみを改善させる、医療用パルスライト(フォトセラピー)フォトフェイシャルM22(光治療・IPL)での低出力照射とケミカルピーリングをセットにした肌質改善治療も人気です。また、濃い色のシミには「アキュチップ」での高出力照射が効果的です。

関連治療

シミ

ジェントルレーズGentle LASE(ロングパルスアレキサンドライトレーザー)

ジェントルレーズ プロ(Gentle LASE PRO)(ロングパルスアレキサンドライトレーザー)とは、米国キャンデラ社製の脱毛および皮膚良性色素性疾患治療に有効な厚生労働省の認可を取得しているレーザーです。宝石のアレキサンドライトを用いて、波長755nm、パルス幅(照射時間)20μsecの可視光と赤外線の中間程度の赤色光線を出し、皮膚に存在するメラニン色素に対し、選択的に吸収されやすい波長を発生させます。

スポットサイズも従来機種に比べ非常に大きい(最大18mm径)ため、乱反射による光エネルギーの無駄が少なく、レーザー光線は表皮の色素細胞や毛包のメラニンなど青・黒・茶系に非常に強く反応することから、医療レーザー脱毛に用いられているほか、シミやそばかす、脂漏性角化症、にきび、くすみ、小じわ、肌のはりの改善などの治療にも使われています。

メラニンは毛根と毛乳頭だけでなく、皮膚のいたるところに散在しています。ロングパルスアレキサンドライトレーザー装置『ジェントルレーズ プロ(Gentle LASE PRO)』は、黒い色素(メラニン)を有する毛根と毛乳頭に反応し、瞬間的に高熱を発生させますが、表皮に散在するメラニンの温度が上昇する前に、毛根のメラニンだけを燃焼させることが可能です。また、レーザーにより大量の熱エネルギーを短い時間で与えると、大量の熱エネルギーを一気に吸収したメラニン色素は温度が急上昇し、放熱する間もなく、皮膚に火傷を起こしてしまいます。

そのためにレーザー1発の持続時間は1000分の10秒以上と長めに、つまりロングパルスにする必要があります。例えば1000分の5秒程度だと皮膚に散在するメラニンまでもが燃焼してしまい火傷、さらには白斑となってしまうこともありますが、この点を改善したロングパルスアレキサンドライトレーザーは、持続時間1000分の20秒と長めであるため、肌に熱がこもることなく照射が可能となりました。また、レーザー照射直前の一瞬の間にDCD(Dynamic Cooling Device)という冷却ガスが噴射されることで、皮膚の表面を-21℃まで冷却し、より皮膚を熱傷から守ってくれることから、肌に優しい『ジェントル』というネーミングになっています。

銀座ケイスキンクリニックでは脱毛の他に、ケミカルピーリングと組み合わせて、薄いシミやそばかす、くすみ等の色むら、ニキビを改善したり、きめを整え、肌のはりを出す肌質改善治療が人気です。また、カーボンオイルを併用し、毛穴引き締め効果をより追求した治療も好評です。

さらに、濃いシミやほくろの色素に対し、ジェントルレーズ プロ(Gentle LASE PRO)の高出力照射による部分照射の治療も可能です。

関連治療

ジェントルレーズ プロ(Gentle LASE PRO)

サリチル酸

サリチル酸とは、BHA(β-ヒドロキシ酸の略)の一種で、医薬品として解熱や痛み止めに使われてきました。

その歴史は古く、皮膚科治療によく使われ欧米ではケミカルピーリングの処方に使われてきました。ケミカルピーリングの効果が高い反面、ピールが深くなりやすく、強い炎症反応を生じ、ダメージからの回復に時間がかかるなどの副作用に加え、中和を要するため中和熱が発生し、肌に負担になる点も問題でした。

溶剤にアルコール(エタノール)を使用するようになってからは、揮発すればピーリング反応が止まるため比較的安全なピーリング剤と言われていましたが、日本人の肌質に合わない事(刺激や炎症、回復期の長さ)が欠点となり、グリコール酸より効果が強いもののあまり使われてきませんでした。

ここ最近ではアルコールではなく、マクロゴールという溶剤を使用したサリチル酸マクロゴールという成分が開発され、日本人(アジア人)の肌にも安全に治療出来るようになった事から、日本でも広く使われるようになりました。サリチル酸マクロゴールは角質のみに作用し、強力な角質融解作用がありながら、表皮顆粒層より深部に達する事はなく、施術中・後の発赤、紅斑、落屑などの副作用がほぼありません。炎症性のニキビ、コメド(白ニキビ)、毛穴づまりに特に効果的で、その他小じわやシミ、くすみ、肌のハリにも有効です。

酸化

物質と酸素が結びつく事で、元の物質が変質、変色する化学反応の事を言い、鉄が錆びたり、果物が時間の経過と共に変色するのも酸化反応の一種です。

私たちは呼吸をする事で酸素を、食事から栄養素を取り入れ、その栄養素を燃やし生きる上で必要なエネルギーを作り出しているため、ある程度の酸化が必要ですが、必要以上に酸化すると活性酸素が作り出されます。

この活性酸素は全身の老化に強く影響し、シミやたるみ、くすみなどの様々な肌トラブルや、血液の酸化による動脈硬化等の疾患を招きます。私たち人間の体にはこの活性酸素をはねのける抗酸化物質が備わっていますが、加齢・老化と共に減少します。活性酸素が増える要因には、ストレス、過剰な運動、不規則な生活習慣や偏った食生活などの不摂生、紫外線、タバコ、排気ガス、食品の添加物など様々あります。活性酸素が大量に発生すると、活性酸素の酸化力で自らの細胞を傷つけ、その結果、シミやしわなどの肌老化のサインや疾患などが現れます。

抗酸化対策としては、紫外線ダメージからお肌を守るために日焼け止めを外用し、ビタミンA・C・Eなどの強い抗酸化作用を持つ成分を補うことが大切です。銀座ケイスキンクリニックでは、このような酸化ストレスをなかったことにできる、高濃度ビタミンC点滴治療をアンチエイジング目的で行っています。現代社会で生きる上で避けられない酸化ダメージを点滴で定期的に還元し、老化を遅らせましょう。

関連治療

高濃度ビタミンC点滴

スカーレットRF(スカーレットS)

スカーレットRF(スカーレットS)は、針刺激による創傷治癒効果と高周波(RF)の熱効果を融合させた最新式リフトアップ治療器です。スカーレットRF(スカーレットS)は真皮内で25本の針電極から直接RFを発生させ照射します。

施術の深さは0.5〜3.5ミリ、表皮はもちろん、真皮から皮下組織上層までの広範囲深部照射が可能です。先発品のイントラセルは、針の先端から0.3mmというごく狭い範囲のみRFが照射されるのに対し、スカーレットRF(スカーレットS)は針全体から広範囲にRFが照射されますので、より高いRFによるサーマルトリートメント効果があり、少ない施術で高い効果が得られます。

また、イントラセルよりも痛みの少ない設計のため、患者様のご負担も軽くトライしやすい治療器です。既存の経皮的RF照射と比較して、スカーレットRF(スカーレットS)はコラーゲン密度の増加が格段にアップし、毛穴、しわ、ニキビ跡、たるみ治療に最適です。今までのレーザー治療では難しかった、頭皮、まぶた、目周り、口周りにも照射可能で、頭皮からお顔全体、首までトータルなタイトニング効果で理想的な若々しいフェイスラインが手に入ります。

スカーレットRF(スカーレットS)はショックフリーニードルテクノロジーを用いた高度な制御で痛みが少なく、ダウンタイムも短縮され、出血、副反応も最小限なのでトリートメント後はすぐに外出することが可能です。銀座ケイスキンクリニックでは、スカーレットRF(スカーレットS)照射のアフターケアとして、EGF(上皮細胞増殖因子)、bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)、IGF(インシュリン様成長因子)の3種の成長因子のカクテル製剤の導入をサービスさせていただいています。成長因子とは、特定の細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称で、組織修復、血管新生、線維芽細胞の活性化、コラーゲン線維、ヒアルロン酸の増加など、肌の再生を促進する働きがあります。

スカーレットRF(スカーレットS)により、微細な針穴が開いた肌に塗布することで、成長因子が肌の奥深くまで浸透し、細胞レベルで肌の老化を修復します。また、スカーレットRF(スカーレットS)によって刺激を受けた皮膚の治癒プロセスが活性化され、肌のキメやハリ感が得られます。今までのレーザーでは難しかった頭皮にも照射可能で、トータルリフト(頭~顔全体~顎下)を行うことで、頭皮からのリフトアップや育毛も期待できます。微細な針穴から、育毛に有効なミノキシジルなどを導入する育毛治療も人気があります。コンビネーション治療として、スカーレットRF(スカーレットS)照射後に、ヒアルロン酸注入やボトックス注射もお受けいただけます。 先に、注入をお受けいただいた場合、ボトック注射後1週間、ヒアルロン酸注入後2週間(水光注射後は1週間)空けていただければスカーレットRF(スカーレットS)の照射が可能です。相乗効果も期待できるので併用を推奨しております。

関連治療

スカーレットRF(スカーレットS)

セルライト

セルライトは(Cellulite)は皮下脂肪のうち、主に腹部・臀部・背部・上腕部・大腿部などの不均等かつブロック状になった部分を指します。肌がでこぼこしたオレンジの皮のようになる(オレンジピールスキン)現象に使用される用語で、外見上の特徴で判断されるものです。「Cellule(細胞)+ite(鉱物)」の合成語とされ、エステティックサロンから広まった言語であるために、主に美容業界、健康食品業界で用いられていますが、正確には医学用語ではありません。

セルライトの説明には複数説ありますが、一般的には脂肪組織と老廃物の塊、線維化などとされ、毛細血管やリンパ管の循環を阻害し、血行不良・むくみ・冷え性などの原因になるとしています。
しかし、医学的な研究では、セルライトと呼ばれる部分の脂肪と、その他の部分の脂肪で構造の違いはないことが確認されています。

美容・健康食品業界では、脂肪細胞が肥大し、線維化などによって固まっているために食事制限や運動療法だけでは排出されにくいといわれています。外観的な問題や健康面から敬遠されがちな為に、専用機器によるマッサージや、専用のクリームの使用、専用食品の摂取などを推奨しているところもあります。

医学的には通常の脂肪と同様であることから、クリニックでは食事・運動療法に加え、高周波および超音波の照射、脂肪溶解注射、脂肪吸引などによって脂肪を減少することにより、その凸凹が治療されています。

銀座ケイスキンクリニックでは、トリポーラRFにより脂肪厚を減らすスマスアップ照射と、脂肪溶解メソセラピーのコンビネーション治療をおすすめしています。

関連治療

スマスアップ 脂肪溶解メソセラピー

色素性母斑・黒子・ホクロ・ほくろ

くろあざ、黒子(ほくろ)のことで、胎児の頃成長過程で生じた神経櫛由来の異常分化細胞である母斑細胞が、皮膚で増殖したものをいいます。

母斑細胞はメラニン色素を作る働きを持ち、増殖する皮膚の深さやメラニン色素の量により、ほくろの形態は異なり、褐色から茶色の平らな色素斑や皮膚から盛り上がったイボのようなものまで様々です。子供のころには平らでも、大人になると母斑細胞の数が増えて隆起してくることがあります。

また、ほくろは加齢によって色が薄くなる場合もあります。皮膚の深い部分、真皮内に母斑細胞があるものでは、多数の毛包を含んでほくろから毛が生えていることがあり、有毛性色素性母斑と言います。あまりにほくろに生える毛が太く気になるようであれば、抜いたり剃ったりせずにほくろを除去し、残った毛に対してはGentle Laseによる医療レーザー脱毛をおすすめしています。レーザー光を毛の中にあるメラニンに吸収させ、その後に起こる熱作用で、毛根と毛包(毛穴)を壊して脱毛させる方法です。これらの脱毛は毛周期(成長期・退縮期・休止期)のうち、成長期にある毛幹のみに作用しますので、処理回数は数回必要になります。

ほくろの切除にはCO2レーザー治療や切除縫合手術が一般的です。切除縫合手術の場合、ホクロの約3倍の大きさの線状の傷になります。術後は、厚めのガーゼで保護し、約1週間後に抜糸を行います。
大きさや部位、状態にもよりますが、術後数日は水に濡れない様にする必要があります。傷跡は線状に残りますが、一度に深く、広めに切除しますので、病理組織学的に顕微鏡で確認し、十分取りきれていれば再発の可能性はありません。縫合切除の一番のメリットは、組織学的に確定診断がつけられるところ、悪性腫瘍との鑑別ができるところと言えます。CO2レーザーは病変部のみを蒸散させるので、メスを用いる切除手術より圧倒的に傷口はきれいに仕上がり、術後の処置も比較的簡便です。
出血もほとんどなく、当日から入浴、洗顔の制限がありません。ただし ほくろは深くまで母斑細胞が存在するものもあり、1回の治療では取りきれずに再発することも多く、2〜3回に分けて手術が必要な場合もあります。一度に深く削りすぎると陥凹したり、逆に隆起した傷になることもあるため銀座ケイスキンクリニックでは、半年以内は3回までの保証で追加治療を行っています。

1回ごとの治療の傷を浅くすることで、切除縫合手術より目立ちにくい傷に仕上げることができ、深く大きなほくろも縫わずに治療が可能です。とても簡便なCO2レーザー治療ですが、悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞癌などのほくろとよく似た皮膚癌には要注意です。悪性黒色腫(メラノーマ)は、はじめは隆起しない斑状の皮疹としてみられることが多く、ほくろとの鑑別が困難なこともありますが、経過とともに皮疹の一部ないし全体が隆起してきたり、非対称性で不規則な形状や色むらが出てきたり、急に大きくなり、最大径が6mmを超える大型の病巣となったりと通常のほくろとは異なります。

さらに進行すると表面の一部がびらんや潰瘍化することもあります。基底細胞癌は高齢者の顔の中央に好発するほくろに似た褐色結節で、悪性黒色腫に比べ悪性度の低いものの、いずれも切除縫合手術による全切除が必要です。銀座ケイスキンクリニックでのCO2レーザー治療は、皮膚科専門医がダーモスコピーによる臨床診断を行い、良性と判断したものにのみ行いますので安心です。悪性の可能性がある場合は、必ず大学病院等にご紹介し、皮膚生検など精査を受けるシステムが確立しています。

関連治療

CO2レーザー

CO2レーザー・炭酸ガスレーザー

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)とは、水を標的とした波長10,600nmの赤外線領域光を発生するレーザーです。

細胞内の水分と反応して熱エネルギーを発生させ、治療部位を瞬間的に切開・蒸散・凝固させます。金属のメスと比較して、出血がほとんどなく、皮膚のごく浅い層のみ切除が可能で、繊細な手術に向いています。

また、電気メスと比較し、周囲の組織へ熱ダメージが広がらないため、傷の治りが早いという利点もあります。このような性質から、医療の分野ではレーザーメスとして、ホクロ(色素性母斑)・脂漏性角化症(老人性いぼ)・アクロコルドン(スキンタッグ)・線維腫・汗管腫・血管腫・稗粒腫・老人性脂腺増殖症・日光角化症・眼瞼黄色腫などの除去に使用します。

1~2mmの小さなものは数日、4~10mmまでのやや大きいものは1~2週間で傷が上皮化します。血管新生のため、一時的に濃いピンク色の類円形の傷跡になりますが、徐々に周囲の皮膚と馴染んでいくため、切除縫合手術による線状の傷跡に比べ比較的目立ちにくいというメリットがあります。

また、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)後の傷跡の処置は、軟膏もしくはテープ(被覆材)による保護のみと簡単です。切除縫合手術後のような消毒や、ガーゼ保護は不要で、縫合糸の抜糸もなく、施術当日から入浴・シャワー浴・洗顔がすぐできます。さらに、レーザーに反応した治療部位は、傷の修復に向けた細胞の活性化により肌の再生が促進し、肌質自体も改善されるという相乗効果も併せ持つため、傷跡や深いニキビ跡などの治療にも効果的です。


関連治療


CO2レーザー

CO2フラクショナルレーザー(フラクショナルCO2レーザー)

フラクショナル(fractional)とは、1.ごくわずかな、2.分数の、少数の、3.断片的な、という意味を持ちます。CO2フラクショナルレーザーは、10,600nmの波長を発生させるレーザーを極小のドット(点)に分割して照射することで、たくさんの微細な穴をあけ(蒸散させ)、肌の入れ替えと皮膚の再生を促進させ、新しい肌にリセットさせる最新のアブレイティブ・フラクショナルレーザーです。

皮膚へのダメージを極力抑えながら高出力のレーザー照射が可能となり、副反応を最小限にし、安全に治療することが出来ます。1回の照射で、施術部位の10~20%が新しい肌へ入れ替わり、6~10回の治療を繰り返すことで肌全体が新しい皮膚へ再構築されます。毛穴の開大やニキビ跡、小じわ、傷跡、妊娠線などに効果があり、たるんだまぶたをピンとさせるアイリフトや、シミや色むら、くすみなどの肌質改善目的にも用います。

銀座ケイスキンクリニックで導入している国産のユニクセルをはじめ、CO2RE、アンコア、eCO2(エコツー)などが代表的な機種です。その他、アブレイティブ・フラクショナルレーザーの中には、エルビウムYSGGレーザー(波長2790nm)のパールフラクショナルやエルビウムヤグレーザー(波長2940nm)のピクセル2940、Lux2940などがあります。これに対し、ノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーとは、皮膚表面に穴をあけることなくレーザーエネルギーをドット状に照射して熱を加えることで、同様の効果を実感でき、治療後は日常生活にほぼ支障がない程度のレーザーです。

蒸散していないため、ダウンタイムが短いことが利点ですが、一般的には、その分アブレイティブ・フラクショナルレーザーに比べて効果が弱く、治療回数がさらに多く必要となります。ノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーの機種には、フラクセル3(波長1550nm・1927nm)・アファーム(波長1440nm・1320nm)などがあります。

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