更年期のウソホント!産毛が濃くなる?オス化する?男性ホルモンの影響を解説

更年期のウソホント!産毛が濃くなる?オス化する?男性ホルモンの影響を解説

    目次
  1. 1. 更年期に男性ホルモンの影響が強くなる
  2. 2. 仕事を頑張るとオス化するってホント?
  3. 3. 男性ホルモンが異常分泌されると生じる病気


1. 更年期に男性ホルモンの影響が強くなる

40代にさしかかると、女性はホルモンバランスが乱れやすくなってきます。意外に思われるかもしれませんが、男性ホルモン(テストステロン)は男性専用のホルモンではありません。女性も思春期以降、卵巣や副腎、脂肪で男性ホルモン(テストステロン)が合成されています。閉経期を迎え、女性ホルモン量がぐんぐん減るのに対し、男性ホルモンの分泌量は高いまま保たれます。すると、相対的にテストステロンの影響が大きくなり、決断力、行動力、リーダーシップや自立心が高まり、『仕事のできるカッコいい女性』にレベルアップします。これは良いことですが、男性ホルモンの作用で、体毛が増えたと感じる人も少なくないようです。

私の感覚では、女性の3割ほどが顔のムダ毛が増えていると感じているような印象です。ただし、閉経前に『医療レーザー脱毛』を済ませてしまっている方は、毛母が安全に破壊されているので毛が濃くなることは少ないです。脱毛治療は、毛穴が締まり、美白効果もあるのでクリニックでも人気です。

2. 仕事を頑張るとオス化するってホント?

都市伝説のようにささやかれる、女性が仕事を頑張るとテストステロン分泌量が増えてオス化(男性化)するというのはウソです。仕事をしようがしなかろうが、男性ホルモン(テストステロン)は一定量分泌されます。その量と活性に個人差があるだけです。もちろん、ストレスは、女性ホルモンの分泌量に影響しますので、規則正しい生活習慣は大切です。

3. 男性ホルモンが異常分泌されると生じる病気

閉経前の女性の場合、生理周期と男性ホルモンの関係をみると、排卵日付近でテストステロンが最も多く分泌されます。テストステロンは筋肉を増やして、脂肪を減らす作用があるので、筋肉トレーニングや運動をするのに最適なタイミングが排卵日付近なのです。活動的でパワフルな女性に欠かせないテストステロンですが、過剰な分泌は様々なトラブルにつながります。

卵巣でテストステロンが過剰につくられると、排卵しにくくなる『多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群(PCO)』になることがあります。無月経や月経不順、重症なニキビ、多毛、体重増加などが起こり、その症状をきっかけに皮膚科から婦人科に紹介することも多々あります。排卵がないため、不妊の原因になることもあるので速やかに治療を受ける必要があるのです。この病気を見逃し、安易にレーザー脱毛とケミカルピーリング治療を行い治療のタイミングを失わせるのは罪深いことです。

また、疾患として男性化が生じる病気としては、副腎アンドロゲン産生腫瘍、いわゆる男性ホルモンを分泌する副腎がん・副腎腺腫の場合もあります。

昨今、知識不足経験不足の非専門医が美容医療業界に多く、皮膚科専門医は常々注意喚起をしていますが追いつかないのが現状です。患者様側も医師を見極める賢い目をもって、美容医療クリニックを選択してくださいね。