ヒアルロン酸注入(大陰唇)の効果と特徴

近年拡大する‟フェムゾーン"の美容医療

これまでデリケートゾーンと呼ばれていた女性器周辺を、最近は「女性」を意味する英単語「female(フィーメイル)」から『フェムゾーン』と呼ぶようになり、注目が集まっています。閉経を迎える50代前後の約10年間にあたる更年期は、女性ホルモンの分泌低下によって膣や外陰部にさまざまな不快症状が出現する時期です。かつては老化現象と片付けられてきたこれらの症状を、2014年に国際学会が慢性かつ進行性の疾患として「GSM=Genitourinary syndrome of menopause(閉経関連尿路生殖器症候群)と提唱しました。50代以降の女性の2人に1人はGSMを抱えていると言われています。


■GSMの症状
・陰部の乾燥・かゆみ・痛み・細菌性膣炎
・頻尿・尿漏れ・再発性膀胱炎
・性交痛・性交後出血


■GSMに伴う女性器の変化
・膣:膣の緩み・膣萎縮・膣びらん
・大陰唇:たるみ・萎み
・陰核(クリトリス):縮小・包茎化しむけなくなる
・小陰唇:肛門側から縮小し、徐々に消失
・尿道口が丸くなり緩む

日本女性の平均寿命は90歳に迫り、いまや人生100年時代と言われています。フェムゾーンのケアを行うことは、外見的問題の改善だけでなく、QOL(生活の質)や痛みの改善にも繋がるため、後半生を女性らしく健やかに過ごすためにとても重要です。最近はfemale(女性)とtechnology(テクノロジー)を掛け合わせた『femtech(フェムテック)』という造語が世界的に話題となり、女性が抱える様々な悩みを解決に導くサービスや製品が続々と出ています。当院でも、VIO脱毛、膣のタイトニングレーザー、注入療法など、症状に合わせた最先端のフェムゾーン医療をご提供しています。

ヒアルロン酸注入(大陰唇)の効果

1 ハリと潤いを取り戻し、見た目も機能も若返る
ハリと潤いを蘇らせ、内側からふっくらとした状態に若返らせます。本来のクッション機能を取り戻し、下着などの擦れによる痛みが起こりにくくなり快適です。左右の形や大きさに考慮しながら、より自然な形にバランスを整えていきます。


2 美肌効果(黒ずみ・くすみ緩和)
デリケートゾーンは元々黒ずみやすい部位ですが、大陰唇のボリュームが減少して、下着などによる慢性的な刺激が加わるとさらに濃くなることがあります。ヒアルロン酸の美肌効果で、皮膚が瑞々しくなり、表面の細かいシワが消え、色調も明るくなり、黒ずみが目立ちにくくなります。


3 コラーゲンを増やし、老化を遅らせる効果
注入したヒアルロン酸製剤が足場となって、自己のコラーゲン線維やヒアルロン酸などが新生するため、結果として老化の進行を遅らせます。半年以内のタッチアップや、1年毎に繰り返し治療をすると、効果の持続期間は延長していきます。


ヒアルロン酸注入(大陰唇)に使用する薬剤


flow_h_fam.png大陰唇の注入には、しっかりとボリュームアップさせつつ、馴染みが良い製剤を使用することが大切です。「多重高密度マトリクス」という特殊なヒアルロン酸二重架橋構造を持つ『ベロテロ』(旧:エセリス)は、通常顔用として使用していますが、非常に肌に馴染みやすく、皮膚の薄い部分でも凹凸を起こしにくい製剤なので、大陰唇にも適した製剤です。また、pH(酸性度)と浸透圧が皮膚に近く、注入時の痛みが少ない点も優れています。『ベロテロ』には幾つか種類がありますが、大陰唇には、弾力性・親和性・効果持続に優れた『ベロテロ・ボリューム』を使用しています。


ガルデルマ社認定 ヒアルロン酸注入トレーナー医師


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ヒアルロン酸注入(大陰唇)の痛み


局所麻酔の注射をしてから、先端の丸いカニューラ針でゆっくりと注入するので、痛みに関しては全ての方がご辛抱頂ける程度です。痛みの感覚は個人差が大きく、緊張すると強く感じやすいという特徴もありますが、大陰唇へのヒアルロン酸注入は、ほとんど痛みを感じない方が多い治療です。注入後は麻酔と施術の刺激で腫れぼったい感じがしますが、数時間後には気にならなくなります。

ヒアルロン酸注入(大陰唇)のリスクとダウンタイム

<痛み>ほとんどない<腫れ>軽いむくみ <内出血>ほとんど無し shutterstock_1019073862.jpgデザインを決めた後、刺入部位を冷却し、局所麻酔の注射をしてから鋭針(先端のとがった針)でカニューラ針を入れる針孔を開けます。その後、ヒアルロン酸注入製剤を先端の丸いカニューレ針で丁寧に注入していきます。大陰唇は顔や手背と違って血管は少なめですので内出血は生じにくいエリアです。出来る限り血管を避けて針孔を開けるポイントを選択し、十分な圧迫止血を心掛けるので、注入による内出血のリスクは少ないです。内出血が出た場合、通常10日前後で落ち着きますが、大切なご予定がある場合は2週間以上前に施術を受けてください。

また、ヒアルロン酸は高保水成分で、注入後1カ月程度水分を吸収して軽く浮腫みます。針孔がふさがるまでの2日間は、小さなテープを貼って保護していただきます。当日からシャワーは可能ですが、内出血のリスクを軽減するため、飲酒、激しい運動、長湯などはお控えください。また、プール、温泉、性行為、などは、針孔がふさがるまでの2日間はお控えください。医師が施術直後にマッサージをしてなじませますが、定着するまでの約1か月程度、ご自身での強いマッサージはお控えください。

尚、ヒアルロン酸注入後、当院で照射系の治療(黒ずみ治療・タイトニング治療)を受ける場合は、2週間後から可能です。他院での照射に関しては、1ヶ月以上間を開けてください。
ヒアルロン酸注入は、デザイン力と繊細な注入が重要です。滑らかで、高品質な製剤を使用しないと、凸凹したりゴツゴツした感触になったりすることもあります。また、血管の走行など解剖学的知識が少ないと、頻度は少ないものの、塞栓や壊死の報告があります。銀座ケイスキンクリニックでは、定期的に勉強会を開催し、常にリスクを避けるべく、最善の治療を心掛けています。


ヒアルロン酸注入(大陰唇)の施術頻度や持続について


注入直後から効果を実感していただくことが出来ます。注入したヒアルロン酸は徐々に代謝・分解されていきます。製剤の持続期間は1年半ですが、注入したヒアルロン酸製剤が足場となって、自己のコラーゲン線維やヒアルロン酸などが新生するため、臨床的効果持続期間は1年半~2年程度です。減りきる前にタッチアップをしたり、繰り返し治療したりすると、効果の持続期間は延長していきます。※効果の持続期間には個人差があります。

ヒアルロン酸注入(大陰唇)の禁忌事項

ヒアルロン酸自体は体内にも存在する成分なので、アレルギーの心配はありません。また、注入された純粋なヒアルロン酸は水に分解されて100%体内で吸収されます。真性ケロイドの方など、異物反応を生じやすい体質の方はヒアルロン酸が馴染まず、シコリのようになる人がいます。 ヒアルロン酸は体内にある成分なので副作用が起きることはまれですが、約数千人に1人の割合で架橋剤などの添加成分にアレルギーを起こす人もいるので過去にトラブルのご経験がある場合などは事前にご相談下さい。

●下記に該当される方は、この治療を受けられないことがあるのでご相談ください。
・過去にヒアルロン酸注入治療で異常反応があった方
・妊娠中の女性
・真性ケロイドの方、異物反応を生じやすい体質の方
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方
*安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
*麻酔薬や内服薬に対してアレルギーのある方、喘息の既往がある方は事前にお申し出下
さい。但し、今までにそのような経験がなくても、麻酔薬に対するアナフィラキシーショ
ック(呼吸が苦しくなる、血圧が下がるなど)を生じることは極めてまれに起こりえます
。その場合は、速やかに適切な処置を致します。


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