WEB『Woman's Health』2020年2月17日掲載

特集「実は老け顔&肌荒れの元!? やってはいけないNG美容習慣8」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

新型コロナウィルスの蔓延で、StayHomeが続き、おこもり美容に励んでいる方が多いのではないでしょうか?でも、良かれと思って頑張っている、あの美容法が、あのスキンケアの習慣が、実は老け顔や肌荒れを助長しているかもしれません。そこで今回、慶田院長が皮膚科専門医の視点で、やってはいけないNG習慣や、スキンケアにメスを入れ、食事の正しい方法などインナーケアについても解説いたします。

①オーガニックコスメ信者になってない?
植物性由来のオーガニックコスメは、ナチュラルだから肌に優しいと思っている女性は多いのではないでしょうか。しかし、植物性由来=優しいというわけではありません。
 そもそも、植物のエキスが全て優しいわけではなく、アレルギー性接触皮膚炎(狭義のかぶれ)や、刺激性皮膚炎(化学的刺激反応で生じ、広義にはかぶれと呼びます)、光接触皮膚炎(成分を塗った部位が光に当たると生じるかぶれ)など、植物による接触皮膚炎は皮膚科医が日常的に遭遇する皮膚病です。漆(うるし)やアロエ、エッセンシャルオイルなどでかぶれると、激しい炎症が生じ水疱ができることもあります。
 肌が弱く敏感な人ほど、薬事法で承認された合成成分が安全ですし、臨床試験で安全性を担保しているコスメを使うべきです。手作りの化粧水や、エッセンシャルオイル配合のマッサージオイルなども、かぶれの原因になりやすいので気を付けましょう。また手作り品は、成分の安定性や、カビや細菌の繁殖も心配です。市販の一般的なコスメには安定剤が入っており、常温で3年間は腐らないようになっています。しかし手作りコスメには安定剤が入っていないですよね。 刺身と同じで、安定剤が入っていないものは腐ります。オーガニックコスメへの過度な信仰はやめて、自分に本当に合うコスメを使うようにしましょう。

②油をカットしすぎるのはNG

油はダイエットの大敵と考えがちですが、油を極端にカットしてしまうとさまざまな弊害を引き起こしてしまいます。
 油は1gで9kcal、炭水化物とたんぱく質は1gで4kcalです。ダイエットをするなら、高たんぱく・低脂質のささみなどを野菜と一緒に食べ、オイルを適度にカットするのは良いことです。しかし、オイルをカットしすぎると、肌のバリア機能が低下し、肌は乾燥してカサカサになってしまいます。なぜなら、バリア機能の要である細胞間脂質は、摂取した油を原料にして皮膚で合成しているからです。乾燥肌をそのままにしておくと、ちりめんジワの原因にもなります。ですから、油は過度にカットしすぎないで、適度に摂取するようにしてください。加熱用には安定性が高く、酸化しにくいオリーブオイルがおすすめです。生食ならオメガ3系脂肪酸の亜麻仁油やエゴマ油を使うと良いでしょう。

③短期間でのボディメイクは危険

よく1ヵ月に―2kgが目安と言われますが、私はせいぜい1ヵ月で−1kgまでがいいと考えています。1kgの脂肪=9,000kcal。これを1ヵ月(30日)で割ると、1日300kcal分の栄養を取らないようにすることになります。ですが、現代の日本ではもともと栄養不足な人が多いためこれを実行するのは難しいです。それなら、ジャンクフードやショートニングたっぷりの菓子パンなどを玄米食やソバなどに置き換えて、300kcal分のカロリー消費をすべく、運動をするのがおすすめです。ゆるジョギングや一駅分歩くなどは、日常の中で行いやすいと思いますので取り入れてみてはいかがでしょう。 これが1か月に−2kgだと1日600kcalの栄養を取らないようにするか、毎日運動して600Kcalを消費しなくてはならず、これはとても大変なことです。5Kg落としたいならば、半年間くらいかけるのが理想です。1ヵ月に1kgなんて少ない、もっと早く痩せたいと焦る人もいるかもしれませんが、1ヵ月に1kgでも半年で6kg、1年で12kgです。無理して急いで痩せても、リバウンドしたら無意味ですので長い目で考えることが大切です。もう一つ、ダイエットの落とし穴として、カロリー制限をすると一番エネルギーを消費してくれる筋肉が細くなってしまうという事があります。ダイエット終了後、筋肉量が減り、代謝が低下した体で元の食事に戻すとどうなるでしょう?脂肪がぐんぐん増えてダイエット前より太ってしまうのです。
 体重に関して言うと、日頃から適正体重の上下幅2kgで推移させることを意識してみてください。うっかり太ったなと思ってもすぐに戻せますし、老けにくくなります。将来のためにも、短期間でのダイエットや減量の繰り返しはやめ、適正体重をキープすることを意識しましょう」

④ジョギング=ヘルシーは間違い
体形維持はもちろん、リフレッシュのためにもジョギングを日課にしている女性は多いでしょう。しかし、ジョギングは単体で行うと、脂肪は燃焼しやすいものの、筋肉がつきにくいというデメリットがあります。燃費を上げつつ、筋肉をつけるためには、筋トレと有酸素運動を上手に混ぜることが大切です。筋トレは自重を使ってコア(姿勢保持筋)を強化するピラティスや、大きい筋肉(ハムストリングや僧帽筋、大胸筋など)を鍛えるのが良いでしょう。そして、ジョギングよりも、ゆるジョギングや早歩きのウォーキングをするのがおすすめです。なぜなら、長時間のジョギングは関節に負担をかけてしまうからです。どんなに体重が軽い人でも、毎日十数㎞の距離をジョギングしていると、関節に悪影響が出てしまいます。また、関節を傷める以外にも、老けやすくなるリスクもあります。具体的には、『日焼けしやすい』『脂肪がなくなり、鶏ガラのようにやせる』『揺れることによって肌やバストが垂れる』のトリプルパンチを受けてしまいます。ですから、おすすめは、日が当たらない時間帯にゆるジョギング、早歩きです。

⑤睡眠時間を削っての自分磨きは本末転倒
どんな美容法よりも、一番大切なのは睡眠です。健やかな肌をキープするには、睡眠をしっかりとって、肌のターンオーバーを活発化させる必要があります。疲れて夜遅く帰ってきたときはどうしたら?睡眠と同様に大切なのは、化粧を落とし、保湿をすることです。どうしても眠い時は、お風呂は後回しにしてもよいので、化粧だけは落として、保湿クリームを塗るようにしましょう。

化粧を落とすのがなぜ重要なのでしょうか?それは、顔には花粉やホコリ、大気汚染物質など外来の様々な物質が付着します。また、メイクの油分と皮脂は酸化して刺激物質に変わっています。例えば、朝7時にメイクをして夜21時に帰宅した場合、14時間もメイクをした状態になります。万が一、メイク落としをせずに寝てしまったら、翌朝7時の時点で24時間経っていることになってしまうのです。ですから、帰宅したらすぐにでもメイク落としと保湿をするようにしましょう。
 疲れすぎて今すぐ寝たいという状況以外は、お風呂にも入るのがもちろんベストです。髪を洗うのが難しい場合は、湯船にだけは浸かりましょう。眠いのに無理してメイク落とし前にスチーマーを当てる必要もありません。まずはメイク落としと保湿を心がけてください。保湿も美容液を塗るまでいけたら完璧です。余裕があれば、体にボディクリームを塗るようにしましょう。

⑥間違った「顔筋トレ」で老け顔に
最近人気の顔ヨガはどうでしょうか?一人暮らしの高齢者で、何日も誰とも話をしないというような方が筋肉をリバイタライズ(活性化)するのには良いと思います。しかし、やりすぎると、かえって表情ジワや折りジワが深くなったり輪郭が崩れたりすることがあるのです。顔には小さな筋肉がたくさんあり、多彩な表情を作っています。たとえば、笑筋(口角を横に上げる筋肉)、大頬骨筋(斜め上に引き上げる筋肉)を鍛えすぎると、皮膚を強く引っ張ってしまい、ほうれい線が深くることもあるのです。また、口角下制筋(口角を下げる筋肉)を鍛えすぎると、への字口になり、マリオネットラインが深くなることがあります。実は、顔の筋肉は加齢とともに、拘縮(強くなって固まる)するため、緩めるほうが若々しくなります。人は年齢を重ねると共に皮膚にゆるみができ、顔面筋の動きが大きくなることで、表情が豊かになり円熟味が増していきます。このような理由で、無理に顔筋トレをする必要はありません。ただし、無表情でいる時間が多いと、顔の動きは錆びつきますから、日頃からよく笑ったり、会話をしたりするといいでしょう。

⑦筋トレしすぎて、老け促進
適度な体の筋トレは、もちろんメリットがあります。成長ホルモンが出て、若々しい印象になり、しない人よりも肌が断然キレイになります。運動習慣のある人は、美容治療のリターンも早く表れます。
一方で、筋トレをしている人は、広頚筋が過発達して、縦スジとなる『広頚筋バンド』が目立ちがちです。広頚筋とはフェイスラインから頸部に広がる薄い膜状の筋肉ですが、フェイスラインを下方向に引き下げる力があります。ここを鍛えすぎると、フェイスラインのたるみの原因になりかえって老け顔になってしまうのです。当院ではフェイスライン~首、広頚筋バンドにボトックスを細かく注射して、筋肉を緩める治療もしています。『ボトックス注射』を打つと、リフトアップして顔が一気に若々しくなります。

⑧プロテインに頼りすぎはNG

ダイエットや筋トレをしている方のなかには、プロテインを飲んでいる方も多いと思います。 プロテインはあくまでも補食として、適量を摂取するようにしましょう。 プロテインだけに頼ると、ビタミンやミネラル、食物繊維などが不足しがちです。また、肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも増し、内臓疲労を起こすこともありますから、食事代わりにそっくり置き換えたり、プロテインを飲んでいるから朝昼の食事を抜くなどは厳禁です。

当院には、ボディラインを整えるメニューもあります。なかでも、強制的に2万回腹筋やヒップアップ運動をさせる医療痩身機器『エムスカルプトα』は人気ですが、施術直後の患者さまには必ずプロテインをご用意し、その場で飲んでいただいています。運動後30分以内のプロテイン摂取は"ゴールデンタイム"とも呼ばれ、吸収率が高く、筋肉にタンパク質が届きやすいのです。
 
皆様の習慣はいかがでしたか。
健康や美容に良いと思ってやっていた習慣が、むしろ逆効果をだったなんて、とショックを受けた方もいらっしゃるかもしれません。この機会に習慣を見直していただき、正しい習慣を身につけてくださいね。


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