WEB『gooヘルスケア』 2016年11月2日

「唇がカサカサになるのはなぜ?対策や予防は?医師に聞いてみた」

湿度が低い季節になると、肌の乾燥に悩まされることも多いことでしょう。手はもちろん、体全体がカサカサになり困っている人も。今回は女性のチャームポイントでもある「唇」の乾燥について解説しています。唇が乾燥する原因やリップクリームの選び方、乾燥対策について、慶田院長が皮膚科専門医の立場からお話ししています。

なぜ、唇は乾燥しやすいのか? 唇自体が乾燥しやすい構造
唇は粘膜移行部といって、顔や体の皮膚とは構造が異なります。角層が非常に薄く皮脂腺がないので、バリアが脆弱です。皮膚の水分を保持するためには皮脂膜、角質細胞間脂質、天然保湿因子の三要素が必要ですが、皮脂膜以外の二つが特に重要です。これらは表皮細胞がターンオーバーの過程で自ら作り出すのですが、唇のように角層が薄い部分は不十分になりやすいため、そもそもとても乾燥しやすいのです。
加えて唇は、露出部であり、息や食べ物など外部からの影響を非常に受けやすいく、湿度が低くなる秋冬には乾燥が進んでしまうのです。
また、唇が乾燥する原因は寒気や大気の乾燥だけではありません。唇が唾液で濡れた後に水分が蒸発すると過乾燥になりやすくなります。唇が乾いたと感じた時、舌で唇をぺろっと舐める癖がある人は乾燥がさらに進んでしまうので要注意です。

覚えておきたい「リップクリームの選び方」
唇の乾燥対策でまず思い浮かぶものは、手軽なリップクリームですね。数多くの市販リップクリームの中から、どのようなものを選べばよいのでしょうか。
刺激が少なく、皮脂膜の代わりに蒸発を防ぐワセリンやオイルなどのエモリエント(油分)だけでなく、天然保湿因子やヒアルロン酸など、水分を抱え込む性質のある保湿成分(モイスチャライザー)を含むものがよいでしょう。もしも、リップクリームを塗っても改善しないならば、口唇炎を生じている可能性があるので皮膚科を受診してください。

食事・呼吸の仕方も大切
最後にリップクリームで保湿する以外で注意すべき点です。
唇を舐めず、無理に皮をむかないようにしましょう。また、唇は食べ物の刺激を受けやすいため、食事の際は塩分などの刺激物が唇に付かないように食べてください。そして普段から鼻で呼吸をするよう心がけましょう。

これを機に日頃の唇のケアを今一度見直してみてはいかがでしょうか。
ぜひ、参考になさってください。

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