WEB『A-Beauty』2016年2月8日

『更年期相談室33 花粉症、今年の傾向と対策は?』に慶田院長の監修記事が掲載されまた。
『今年こそ治っているのでは...と花粉症の薬を我慢していませんか?』
花粉症の人にはつらい季節がやってきます。
悩ましい季節...進化している花粉症薬の情報とともに、薬は最小限に、症状は最大限に抑えたいものです。
「今年こそもしかしたら治っているかも...」と淡い期待を抱き、薬を飲まずギリギリまで我慢している...という方もいらっしゃるのでは。残念ながら、花粉症をはじめ、アレルギーの病気は、発症すると治療しない限り、放っておいて治ることはほとんどありません。

『処方薬と市販薬の違いは?』
まず治療をするうえで、病院の処方薬と市販薬とでは違いがあるのでしょうか?
薬の成分は同じものが多いのですが、数多くの薬の中から副作用を最小限にし、症状を最大限に抑えるためには、自分に合った薬を選択することが重要です。そのために、まず病院で診断を受け、症状の度合いや出方、生活習慣を総合的に判断し、最適な薬を処方しもらいましょう。
花粉症治療薬は、近年かなりの進化を遂げています。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」は、以前はよく効く半面、のどの渇きや眠気の副作用がありました。しかし、「第2世代」の抗ヒスタミン薬が出て副作用がかなり軽減しています。また、「遊離抑制薬」というヒスタミンを出にくくする薬は、副作用がさらに少なく、くしゃみ、鼻水に効果的です。ただし、飲み始めるタイミングが重要で、それこそが症状撃退のキメ手です。

『花粉が飛ぶ前に、薬を飲み始めるのがポイント』
これらの副作用の少ない薬は、効果が現れるのに2週間程度かかり、ひどい症状が出てからでは効果が出にくい薬です。
そこで花粉が大量に飛ぶ前(まさに今)から薬を飲み始める「初期療法」が有効。
症状を軽くし、さらに症状が出る時期も先延ばしにできるため、薬の量も減らせます。

『薬以外の新しい治療法も!』
ほかに治療法としては、アレルゲンそのものをごく少量ずつ注射などで投与し、抗原に対する反応を弱めて根治を目ざしていく「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」や、鼻の粘膜をレーザー照射して、1シーズンだけ症状を抑える「レーザー手術」などもあります。これらは、花粉が飛び始める前に行うと、効果的な治療です。さらにボツリヌス療法という飛び始めてからでも効果がある新しい治療法もあります。
また基本ですが、外出時のマスク、メガネや、花粉を家の中に入れない対策は想像以上に有効です。
ボツリヌス療法については、VOL34で詳しく紹介します。

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