雑誌『美ST』2021年2月号(12月17日発売)

本誌では2つの記事に慶田院長の監修・取材記事が掲載されています。

■■1つ目の特集は、『マスクの刺激+花粉+大気汚染まで守って攻めるバランスの正解は?365日マスク時代の、敏感肌3.0会議』です。(掲載ページP164)

"敏感肌"という言葉が使われだしてから約20年。日常的にマスクを使うようになってからは、自称敏感肌の方も激増中。40代からは敏感になりがちな肌をいかにコントロールしながら一刻一刻と進むエイジングをケアするかが課題です。2021年の敏感肌ケアを考えていきます。

【敏感肌は治すより"コントロールする"つもりで向き合って!】
実は生後6か月にはアトピー性皮膚炎の症状があったという慶田院長。40年以上試行錯誤してきたからわかる、敏感肌のコントロール方法を解説しています。

「バリア疾患であるアトピー性皮膚炎とは0歳からの付き合いです。学生時代は苦労しましたが、今は知識と経験を得て、スキンケアだけでコントロールしています。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーは、乳幼児からの保湿を完璧にすれば症状が出にくくなると分かってきており、スキンケアは極めて重要です。さらに、敏感肌でも肌状態を観察し、適切な選択をすれば、エイジングケアにタブーはありません。
例えば、肌の代謝を高め、自ら潤う力を育むレチノール。反応の強さが心配な人も多いと思いますが、濃度と頻度を少なく調整すれば敏感肌でも使えます。美容医療も可能で、フォトフェイシャルは表皮内に伸びてしまった感覚神経のc線維を壊すことで肌のかゆみをコントロールするのに良く、湿疹症状が出にくくなってくると好評です。また、ピコレーザーによるピコトーニング+ピコフラクショナル照射はアトピー性皮膚炎後に生じる、首や四肢の難治な色素沈着(真皮内にメラニンが入り込んでしまった入れ墨に似た症状)の美白にオススメです。使用できる化粧品のストライクゾーンが狭いので注意が必要。小さなプツプツができたら、湿疹初期であることが多いので、使っていたものを即中止。不調は早い段階での消火が大事です。炎症=老化の加速なので注意しましょう」。

●湿疹のサインが出たら抗炎症系スキンケアに切り替え
肌荒れのサインを感じたら、高い鎮静効果を持つトラネキサム酸が配合されたものにスイッチ。当院で患者様にご使用いただいている『ナビジョン TAホワイトエマルジョンⅠ』(銀座ケイスキンクリニック取り扱い 120ml¥8,500)はアレルギーテスト済みで安心です。トラネキサム酸は美白効果も期待でき、シミ・ソバカスを防ぎながら、みずみずしい潤いに満ちた素肌に導きます。
●レチノールは徐々に濃度を上げながら様子見で
 エビデンスを持っている会社のものを信頼しましょう。肌状態を見ながら少しずつ濃度、塗布する頻度を上げていくのが良いでしょう。当院では、医療機関ならではの高濃度純粋レチノール含有の「ナノメッドVAエッセンス」(銀座ケイスキンクリニック取扱い16g ¥6,500)が人気です。市販品より高濃度なので、敏感肌なら保湿クリームと1:1で混ぜて、1~2日おきの使用でも十分な効果が。

●インナーケアも大事。コラーゲンは規定量の3倍を
 経口コラーゲン摂取に疑問を持っていましたが、最近は臨床試験のエビデンスを持っているメーカーも多く、実際に効果を感じます。自分で飲むときは推奨の2~3倍飲んでいます。食品なので問題なし。

◆そもそも「敏感肌」と「ゆらぎ肌」は何が違うの?
 「アトピー性皮膚炎」は、遺伝的にアトピー素因がある人が小児期から発症する皮膚病です。大人になって急になる人はいません。一方「敏感肌」は、様々な刺激に弱い状態の肌を指し、アトピー性皮膚炎も含む大きなカテゴリー、肌の傾向で医学用語ではありません。刺激に弱い状態が常態化したのが「敏感肌」で、季節や生理周期などで一時的になるのが「ゆらぎ肌」です。

◆摩擦、ムレ、皮脂吸収...マスク生活でゆらぐ人激増!
 5月くらいから、マスクで肌が荒れたと受診される方が激増しました。マスクに皮脂や保湿成分を奪われ、摩擦により角質が肥厚。さらに毛穴が詰まってニキビができやすくなったり、ヒリヒリしたり。それまでそういった症状がなかったのに、マスクをつけ始めてからかゆみ、赤み、ピリピリ感が出てきた場合、いわゆるゆらぎ肌に陥っている可能性があります。
 肌荒れが続く時は美容医療の力を取り入れるのも良いでしょう。マスクによる肌荒れにお悩みの方には、炎症を鎮めて肌の再生を促す『プラズマシャワー』が人気です。強力な滅菌作用でニキビをはじめとするさまざまな皮膚トラブルを引き起こす細菌やウイルスを死滅させることができます。悪玉菌がいなくなった後は、もともと表皮内に住んでいる美肌菌が急速に増えて肌フローラが健康な状態に整うのでご安心ください。悪い子が減ると良い子が育ちやすくなるのです。
 また、プラズマ照射後30分以内は、薬剤の浸透を高めるので、お悩みに合わせて薬剤を選択します。マスク皮膚炎やマスクニキビにお悩みの方には抗炎症と肌再生作用が高い『サイトプロMD』(骨髄幹細胞培養上清エキス)の導入がおすすめです。


■■2つ目の特集は、『美と健康と介護のためにツルっと自分で解決おうちでVIO脱毛』です。(掲載ページP220~P221)

40代はVIO脱毛の谷間世代。ツルツルが当たり前でもないし、ボサボサのまま開き直るのもちょっと...。今こそ自分の美と健康と老後のために、脱毛を始めましょう。

【みんな脱毛しているの?】
18歳~34歳の女性の約4割がアンダーヘアをすべて脱毛しているというデータがあります。ちょっと驚異的ですよね。これに「なんらかのお手入れをしている人」を足すとその割合は90%以上。40代より下の世代にとって、アンダーヘアの処理は常識なのです。

【そもそもVIO脱毛って?】
デリケートゾーンの脱毛を「VIO脱毛」といいます。第二次性徴期の副腎皮質ホルモンの分泌に従い発毛する毛で太く脱毛しにくいのが特徴です。
V:ビキニラインの部分。指2本分ほどの幅デザインで残す人もいますが、最近の主流は無           
 毛のハイジ―ナ脱毛です。
I:脚の付け根に沿った女性器の両サイド。大陰唇全体の毛も含まれます。下着や水着から
 はみ毛が気になる部分です。
O:肛門周辺のゾーン。排泄物が付着したりトイレで拭く際に巻き込まれたりしやすい部分
 です。脱毛で清潔を保てます。

【40代で脱毛するといいことある?】
閉経後のデリケートゾーンは乾燥ケアが必須です。脱毛しておくとケアが格段に楽ですし、更年期の量の多い生理も安心です。この先、介護される側に回ったときのことを考えて脱毛する方が多くいらっしゃいます。
✓デリケートゾーンのケアが楽に
✓閉経間際の生理トラブルを軽減
✓年をとってから介護脱毛しなくてOK

◆40代は最後の未処理世代。「今」が脱毛適齢期です。
30代より若い世代にとってVIO脱毛は当たり前の身だしなみとして定着してきています。一方で40代より上の世代は未処理であったり、クリニックの脱毛経験があっても整える程度という方が多い印象です。仮にパートナーの目を気にする必要がなくなったという人でも、自分の美容と健康のためにも脱毛をするのがおすすめです。デリケートゾーンは60代以降になると膣粘膜の乾燥(萎縮性膣炎)を生じ、歩くだけで痛みがでたり、子宮脱などの病気のリスクが増えます。予防のためのケア意識を持つためにもまずは脱毛をしましょう。委縮性膣炎や子宮脱の予防には、女性器と膣の若返り治療『ヴィーナスハイフ』がおすすめ。軽い尿漏れの改善、膣の引き締まりによる性交満足度の向上など30代以降にうれしい効果があり人気が高まっています。

【医療脱毛でセルフケアから卒業】
『医療レーザー脱毛』は少ない回数で肌質を選ばず効果を発揮するので、費用対効果も高くおすすめです。エステで行われているのはマイルドな光で毛量を整える光減毛です。使用するマシンの出力も医療用のレーザーと比較して格段に低いので、効果が出るまでに数年かかることもあります。また、デリケートゾーンの皮膚色は浅黒いので、ヤケドのリスクもあります。安全なレーザー照射を行うためには看護師の高いテクニックも必要になります。デリケートゾーンだからこそ、トラブルが起きたときにすぐに対処できる医療クリニックでの脱毛が安心です。医療レーザーは出力が高いため、脇やVIOなら3回で毛量と毛の太さが半分になり、6回程度でほとんど剃らないでよい状態になります。(肌の色と毛量で必要な回数は異なります。)Vの部分を残すかどうかはお好みになりますが、IとOは衛生的にも全て脱毛するのがおすすめです。
当院で使用する『ジェントルレーズ・プロ』は日本で初めて『医療レーザー脱毛』の効能で薬事承認を受けた医療機器で、デリケートゾーンなど、生理的に色素の濃い部位の脱毛も安全に短時間で照射できます。強い熱エネルギーによって毛と毛を作る器官(毛母)を壊すため、半永久的に毛が生えてこなくなります。さらに、レーザーの美白作用に加え、熱作用で皮膚も引き締まるので、継続すると肌のハリと透明感が高まります。
痛みを心配される方も多いですが、『ジェントルレーズ・プロ』は、照射と同時に冷却ガスが噴射されるため、痛みが格段に軽減されます。さらに、VIOに関しては、事前に麻酔クリームも塗るので、部分的にほんの少しだけ熱く感じる程度で恐れることはありません。

【医療脱毛前にも必要!VIO剃毛テクニック】
脱毛前にまず必要になるのが今ある毛をツルツルにするステップ。肌を傷つけたり、剃り残しがあったりと簡単そうで意外と難しいその手順をじっくりご紹介します。

V:脚を広げて片足を椅子にのせ上から下に、外から内に
 椅子に浅く腰かけ片足を椅子の上に。皮膚をおへその方向や斜め上方向に引き上げてピ
 ンと張った状態にするのが綺麗に剃るコツです。毛流れに沿ってシェーバーを動かし、少
 しずつ剃るのが基本です。逆剃りは流血の事態を招くので厳禁です。
I:さらに椅子の浅く腰かけてIゾーンを姿見で見やすく
 大陰唇周辺は上から下に、毛流れに沿って剃ります。粘膜やヒダの部分は剃りにくいので、
 人差し指と中指でVの字を作るように広げながらやりましょう。意外と粘膜のキワまで
 毛が生えているので、脱毛前は丁寧に行いましょう。
O:クリニックでも苦戦するVIOの最難関部位
  肛門周囲の背中側半分は、片足を上げて、上げた側のお尻の肉をぐっと押し広げ、手を
  後ろから回して剃ります。目視はできないので手触りを頼りに。お腹側はIゾーンの体
  勢からさらに腰を後傾して、脚を大きく広げて行うとやりやすいです。

POINT
① 下向きの毛穴を引き上げて毛を垂直に
アンダーヘアは上から下へ、外から中心に向けて生えているので、まずは皮膚を引き上げ、毛が肌に対して直角になるようにセットします。
② 粘膜部分の毛は指をVにして引っ張る
若い頃と違ってしぼんでたるみがちな大人の女性器付近は指をVの字の形にして、皮膚をしっかり引き伸ばすのが早く美しくケアするコツです。剃刀でのうっかり流血も防げます。
③ 女性器から肛門までの♡は剃り残し多発地帯
クリニックで医療脱毛を受ける方で、剃り残しが多い部分です。粘膜のキワや皮膚が重なっている部分はシェーバーの歯を小刻みに動かして丁寧に剃りましょう。

是非、ご参考になさって下さい。