雑誌『MORE』2022年3月号(2022年1月28日発売) 

特集「冬→春にかけてのタフ肌づくりPLAN」〈タフ肌づくりPLAN2"ドクター&トラブル克服美肌賢者はどうしてる?花粉とゆらぎ回避!先行肌管理&メイクTIPS"〉(P102掲載)に慶田院長の監修記事が掲載されています。

花粉の飛散や日々の激しい気温の変化に肌のゆらぎが気になるこの季節。なぜ肌が荒れるのか、そしてその肌荒れ別の原因について、自身も肌荒れに悩み&克服した経験のある皮膚科専門医の慶田院長が回答しています。

Q.そもそも花粉荒れとゆらぎ肌、敏感肌の違いって?

A.花粉荒れはアレルギー症状、ゆらぎ肌は生活環境や体調由来の症状、敏感肌は遺伝由来が多い症状です。

【花粉症荒れ】とは、アレルギー反応による肌荒れ
これからの花粉が多く飛散する時期に、肌が赤くなったりする症状は花粉に対する肌のアレルギー反応の可能性が高いです。アレルギー症状は、目のかゆみ・流涙や鼻づまり、くしゃみ等とともに皮膚の症状としても現れます。通常、肌には角層による強固なバリア機能があるため、花粉が付着してもブロックしてくれます。しかし、かさつきや摩擦、乾燥などによって肌のバリア機能が低下していると、花粉を防ぎきれずにかぶれや炎症、しっしんなどを引き起こす「花粉症皮膚炎」になってしまうケースが。花粉の飛散時期に肌が赤くなったり、肌の調子が悪くなるのはこれが原因です。特にスギ花粉が飛び始める1〜2月は、大気が乾燥しているため、肌も乾燥してバリア機能が衰えやすいです。今のうちに、肌のバリア機能を立て直すお手入れを行いましょう。

【ゆらぎ肌】は基本的な生活環境の乱れに原因が
ゆらぎ肌は基本的な生活環境の乱れによって、一時的にバリア機能が低下し引き起こる症状です。乾燥肌の人だけでなく、オイリー肌や混合肌も酸化した皮脂の刺激で炎症を起こしてしまう場合もあり、誰でもいつでもゆらぐ可能性があります。もともとの肌質よりも"現在"のバリア機能の低下が原因のため、自らゆらぎやすい環境にしてしまっているという人が、若年層の間で多いのも実状です。特に間違ったスキンケアや食事、睡眠や運動不足、腸内環境、ストレスなど、日々何気ない生活習慣によって肌の状態をこじらせてしまうことがあります。季節の変わり目などに肌がムズムズしたり、乾燥や大人ニキビが気になるなど肌の不調を感じたら注意が必要です。

【敏感肌】は遺伝性に見られる症状
一時的な肌の不調であるゆらぎ肌に対し、体質などで慢性的に肌機能が低下している状態のことを敏感肌と言います。アトピー性皮膚炎などがその代表格で、遺伝的に、もともと水分保持力が低いためバリアが脆弱で様々な軽い刺激で「湿疹(しっしん)」を発症しがちな体質です。見た目の症状としては、炎症の最初の段階である「赤み」→「触るとザラザラ」→「粉をふいたようにカサカサ」→「グジュグジュ」→「ゴワゴワ」という順に出るケースが多いですが、いくつかの症状が混在するのが湿疹の特徴です。また自覚症状としては、「違和感・ツッパリ感」→「ムズムズ」→「かゆみ」→「痛み」に変化することも。悪化すると皮膚が硬くなってゴワゴワになり、慢性湿疹の状態になってしまうこともあり、難治となります。セルフケアだけでなく、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を受診し、正しい治療方法を見極めることも大切です。

■ゆらぎ肌や花粉荒れは早めのケアで予防できますか?
症状が出ると、対処法が限られてしまいます。何も出ていない時期からの先手の対策が重要です。また肌がゆらぐとメイクもスキンケアも怖くなりますが、肌に合うものならむしろしたほうがベターです。肌が弱っている状態を放っておくと、老化が一気に加速することもあるからです。とにかく保湿第一です。また、無防備な肌は花粉などの刺激物に反応しやすいので、敏感肌対応のべースメイクでガードして下さい。さらにちょっとでも肌がゆらいでいるなと感じたら、そこを見逃さないことも大切です。トラネキサム酸含有など抗炎症作用のあるスキンケア用品にスイッチしておくなど、素早くアクションを起こすことが大切です。特に重要なのがゆらがないための日々の予防策。「食事」、「睡眠」、「腸内環境」、「運動習慣」、「ストレスコントロール」という生活の5本柱が重要で、これらのうちの2〜3本が崩れると肌はゆらいでしまいます。当然、油を抜きすぎる過剰なダイエットなどは言語道断です! 正しいスキンケアや生活習慣で、肌の調子を高いレベルで保つようなコントロールを心がけましょう。

同じ内容で、WEB版『Daily MORE』(2022年2月1日掲載)記事も同時にアップされていますので是非ご参考になさってください。


more220301.jpgmore220302.jpgmore220303.jpg