雑誌『Domani/ドマーニ』2017年3月号(2月1日発売 掲載ページP54~63)

特集<エイジング=ほぼほぼ乾燥。STOP!老けない潤いケア>に慶田院長の監修記事が掲載されました。

お手入れしても肌が乾く...ドマーニ世代の多くが感じている悩みではないでしょう。赤ちゃんの体の水分量は75%以上なのに、老人になると50%まで減るといわれています。老化し、乾いてゆくのが人間の宿命。そして肌が乾くとさらに老けて見える...。この悪循環を断ち切るのは、年齢に合わせた保湿ケアです。
今回のドマーニは、働くアラフォー女子に向けた美容・健康の大特集。アラフォー世代が今始めるべきケアをたっぷり紹介しています。
慶田院長は皮膚科専門医として、乾きのメカニズムや潤いケアについて解説しました。

肌表面の角質には、セラミドやNMFといった潤いを抱え込む因子があり、乾燥を防ぎつつ、外部刺激からバリアする役目も果たしています。これらの保湿因子が少ない状態が乾燥肌ですが、同時にバリア機能も低下するので、外部刺激による小さな炎症が起こりやすくなります。これはいわゆる未病(注:病気の手前)。自覚症状がなくても、肌の組織を少しずつ傷つけてシワやたるみを悪化させたり、敏感肌の原因になったりします。
大人の肌には、十分な量の保湿剤を使用することに加え、その潤いをキープできるように、肌自身の基礎力を育てるアプローチなどが重要です。乾きを感じながらも、ただ漠然とお手入れを続けているだけでは、肌のエイジングが進行していきます。

老けない潤いケア1:【肌を乾燥させないために、とにかく優しく扱う】
大人の肌は少しずつ弱くなっていて、ちょっとした刺激がバリア機能を低下させがち。無意識の刺激をなくすだけで、肌の潤う力はぐんと高まります。

大人の肌は、常に炎症と隣り合わせ
昔は大丈夫だったのに、最近は春先になると肌がムズムズしたり、何となく肌の調子が悪かったり...ということはありませんか?それは、乾燥によってバリア機能が低下しているサインかもしれません。
角質の保湿因子が減っている大人の肌は、少しの刺激にも敏感に反応。それが〝ゆらぎ〟です。敏感肌とは異なり一時的なものですが、さらに乾燥が悪化したり、炎症によるエイジングにつながったりするので注意が必要です。
肌は摩擦に弱いので、力を入れずに優しく扱うようにしましょう。いつもより乾燥や不調を感じるときは、低刺激なコスメを使ったシンプルケアに切り替えるのもおすすめです。また、冬の終わり~春先は花粉やホコリなど刺激となりうる要因が多いので、肌に触れさせないことも意識しましょう。

●<ブラシやコットンより、基本は〝手〟を使う>
洗顔ブラシやコットンといったアイテムは、やみくもに使うと摩擦を起こして肌にダメージを与えがちです。すべて手で行うのがお手入れの基本。肌に負担をかけず、毎日手で自身の肌の状態を確認しながらお手入れすることもできます。

●<ゆらぐ肌のために、専用の美容液を用意する>
いつもより乾燥したり不調を感じたりするときは、低刺激なコスメに替えるとよいでしょう。肌がゆらいでいるときは、いつものお手入れを一旦中止。特に化粧水がしみたりして刺激になりやすいので、調子が戻るまでお休みしましょう。

●<目元エイジングの原因は乾燥!アイケアで優しく保湿を>
目周りは特に乾燥しやすく敏感です。目元専用のコスメでしっかり保湿するとよいでしょう。アイクリームを使うときは、十分な量をこすらないようにやさしく伸ばしましょう。

●<日中の肌は、マルチプロテクトが常識>
外出から戻ったら、その日のメイクや汚れは、早めにオフするようにこころがけて。
花粉や大気汚染物質から肌を守る機能を備えた日焼け止めやミストなどもでています。積極的に取り入れて、肌を刺激による乾燥から守るとよいでしょう。

老けない潤いケア2:【基礎代謝を上げて、潤いが逃げていかない肌に】
アラフォーの肌を乾かさないために必要なのは、代謝を促すための<角質ケア>。
肌が乾燥しそう...というのは間違ったイメージ。むしろ乾燥肌こそ必要なお手入れなんです。

与えても乾くのは角層の代謝の遅れが原因
これは、水分や油分を与えて潤すケアとは異なり、肌自体の潤いを抱え込む力を育てるお手入れです。肌の表面にある角層は日々少しずつ、最も上にある細胞が自然に剥がれ落ちて下から新しい細胞が押し上げられるという代謝を繰り返しています。
この過程でセラミドやNMFといった潤いの元がつくられるのですが、加齢によって代謝が遅れると、それらの生産量も減ってしまいます。
そこでおすすめなのは、拭き取りなどの角質ケア。肌のターンオーバーを上げることで、みずみずしい肌を育みましょう。

●<洗顔後の「拭き取りケア」を朝晩のルーティーンに>
忙しいアラフォーが最も手軽に取り入れやすいのは、洗顔後の「拭き取りケア」。角質柔軟成分が配合された美容液などを、コットンに含ませて拭き取ります。量が少ないと摩擦を起こすので、たっぷり使うのがコツ。朝晩2回、もしくは夜のお手入れに組み込んで。

●<ほかに、こんな代謝アップケアを取り入れて>
拭き取りの代わりにプラス
・洗顔しながら角質ケアができる「酵素洗顔パウダー」
いつもの洗顔料に代えて、毎日もしくは週に数回取り入れて。たんぱく質に反応しても肌の潤いは奪わないので、洗い上りはしっとり。
・穏やかな効果で安心感あり「角質柔軟美容液」
古い角質が次の洗顔で剥がれやすくなるようにするもの。
・内からの巡りケアでくすみも晴れる!「炭酸ケア」
角質ケアとは異なりますが、肌の血行を促して、代謝を底上げするので、滞りがちな大人の肌におすすめ。

老けない潤いケア3:【水分は普段の3倍つけて、キメと透明感を復活】
化粧水、1か月に1本を使い切っていますか?答えがNOなら、つける量が少ないかも。水分をたっぷり補って、子供の〝キメふっくら肌〟を目ざして。

大人の肌はたっぷりの水分で見違える
理想の美肌は、キメがふっくらピチピチとした子供の肌。大人は皮膚内部の水分量が減っているので、その分だけ上から与えるケアは必要です。
化粧水はコットンよりも刺激の少ない手でつける方が肌に優しくておすすめですが、問題は量。少量をパパっと広げて終わりではなく、手のひらをくぼませてたっぷりの量をとり、2回重ねづけしましょう。
保湿成分がきちんと入った良質な化粧水をたっぷりつけ、さらに美容液などを重ねれば、肌の水分量はさらにアップするはずです。

老けない潤いケア4:【仕上げは必ず油分を仕込んで、やわツヤ肌に】
乾燥した大人の肌に艶やかな潤い感をくれるのは、油分の力。ゴワついた角質をしなやかにする効果もあるので、代謝アップにも効果的です。

皮脂の代わりにクリームでツヤを
大人の肌が乾燥して老けて見えるもうひとつの原因は、皮脂不足。
40代は閉経にむけて少しずつホルモンバランスが変化し、さらに皮脂腺の働きも衰えてくるので、皮脂の量が減ります。油分には潤いを守り、健康的なツヤを出す効果があるので、スキンケアで補いましょう。大人の肌には乳液よりも油分が多いクリームがおすすめです。
クリームをつけても乾いてしまう人は、さらにオイルなどをプラスすると良いでしょう。

スキンケアは、日々のお手入れですが、意外と思い込みケアが多いもの。今いちど保湿ケアを見直し、乾燥に負けない潤い美肌と自信をキープしましょう。

是非、ご一読ください。

domani20180301.jpgdomani20180302.jpgdomani20180303.jpgdomani20180304.jpg
domani20180305.jpgdomani20180306.jpgdomani20180307.jpgdomani20180308.jpg