雑誌『CHANTO/ちゃんと』2018年9月号(8月7日発売 掲載ページP100~105)

特集:日常生活からアウトドアまでおまかせ!「夏のうっかり日焼けレスキュー講座」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

レジャーの多い夏は、ついついうっかり日焼けが増える時期です!そこで、日焼け肌を上手にレスキューする手軽な対処法をご紹介いたします。

≪浴びてしまった紫外線は"なかったこと"にはできない≫
いきなり残念なお知らせですが、紫外線を浴びてしまったら、そのダメージを全くなかったことにはできません。美白剤を塗れば大丈夫というのは勘違いです。肌を老化させない正しい対処法を覚えておきましょう。

●老化の約8割が紫外線によるものって知ってた!?
紫外線は、波長の長いものからUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分類されます。このうちUV-Cはオゾン層で吸収されるため地上には届かず、地上に届いて肌に影響を与える紫外線は、UV-AとUV-B、の2種類で、シミや老人性イボ、皮膚癌など表皮の光老化は主にUVBが、シワや毛穴開きなど真皮の光老化を促進するのはUV-Aです。

【波長が長いUV-A】
地上の紫外線の約95%を占めるのがUV-Aです。波長が長く、浴びることでもともと肌にあるメラニン色素を酸化させて肌を黒くします。肌に急激な変化をもたらすことはありませんが、波長が長いので真皮層にまで届き、コラーゲンやエラスチンを変性させ、時間をかけて皮膚の弾力を失わせ、「たるみ」や「シワ」の原因になります。一年を通してガラスを通過して降り注ぐので注意が必要です。

【波長が短いUV-B】
日焼けを起こす力がUV-Aの600~1000倍強いと言われています。波長が短い紫外線で、表皮を中心に作用し、浴びると肌が赤くなってヒリヒリ痛む日焼けを起こします。メラノサイトを活性化させ、シミやソバカス、乾燥などを引き起こします。また、細胞のDNAが損傷され、長期的には皮膚がんを引き起こすリスクもあります。

肌老化は加齢も原因ですが、80%は紫外線の影響とも言われています。紫外線をたくさん浴びる人と浴びない人では、肌老化の速度が大きく変わってしまいます。具体的には、シミやくすみが発生し、肌が乾燥してキメが悪くなり肌荒れが起こるという、まさに美肌とは真逆の状態になるのです。

●7月~8月がピーク!日焼けのしくみをおさらい!
紫外線を浴びる

活性酸素が発生する

炎症が起こる

細胞が傷つけられる

角質が乾燥する

肌荒れやゴワつきが起こる

赤くなる人、黒くなる人と黒くならない人に分かれる

少量でも紫外線を浴びると、それが積もり積もって肌に炎症が起こり、細胞が傷ついてしまいます。さらに角質が乾燥して、肌タイプによって、赤くなってヒリヒリしたり、すぐに黒くなったりします。

●日本人の肌パターンは3つに分けられます!
(肌タイプは遺伝子で決まっているため変えられません)
① 赤くならずに、黒くなる人⇒実は一番丈夫な肌はコレ
② 赤くなったあと、黒くなる人⇒日本人に多いのはコレ
③ 赤くなったあと、黒くならない人⇒一番危険なのがコレ

<黒くなる人の特徴>
➡メラニンが多い
➡髪が真っ黒
➡こんがり小麦色になる
紫外線を浴びると黒くなるジャパニーズスキンタイプ②、③!特に少し赤くなってから黒くなる②は、日本人に多いタイプです紫外線ダメージには強いものの、色素沈着しやすいので、油断せずに紫外線対策を心がけましょう。

<赤くなって黒くならない人の特徴>
➡メラニンが少なく、色白が多い
➡髪がやや茶色がかっている
➡シミ・シワができやすい
すぐに赤くなり、黒くはならないジャパニーズスキンタイプ①!色白の場合が多く、紫外線の影響を受けやすいタイプです。日焼けによるシミやソバカス、シワなどになりやすいので、帽子や日傘などで普段からしっかり紫外線対策をしましょう。

紫外線に対する反応は、その人の皮膚の色によって異なります。メラニン色素が少ない白人はすぐに赤くなりますが、どれだけ紫外線にあたってもあまり黒くなりません。反対に黒人はメラニン色素が多く、まっ赤になる日焼けはしません。日本人は大きく3タイプに分かれます。まずは、自分のスキンタイプを見極めてみましょう。紫外線を浴びるとすぐに肌が赤くなりほとんど黒くならない人、赤くなったあと黒くなる人、赤くならずに黒くなる人、それぞれスキンタイプが分かっていれば、その後の自分に合ったケア方法も明確になります。

●日常生活でのうっかり日焼けレスキュー
紫外線量がピークに達しているこの時期は、日焼け止めを塗っていても、ちょっとした外出でうっかり日焼けしやすいものです。肌が黒くなる人も、黒くならない人も、ほてりを感じたときは要注意です!その日のうちに炎症をおさえるケアこそが肌あれを防いで、未来の美肌につながります。

<冷やして炎症をおさえて肌老化を食い止める>
一度焼けてしまった肌は、簡単にはリセットできません!コラーゲンやエラスチンの変化が始まり、シミやシワ、たるみなど肌老化が進行します。ちょっとした外出でも、肌が赤くほてってしまっている時は、紫外線ダメージを受けたことを意味します。できるだけ日焼けを未然に防ぐことが大切でが、紫外線を浴びてしまった...そんな時は、メラノサイトが活性化している72時間(3日)以内のお手入れが、美肌を取り戻すカギです

具体的には、段階を追ったお手入れがダメージを残さないポイントになります

【当日】ヒリヒリ感やほてり、赤みを感じたときはとにかく冷やして肌の炎症をおさえて!
①肌を冷やして鎮静化させる
そもそも日焼けとは、太陽光によって皮膚が炎症を起こしている状態です。いわば火傷をしている状態です。
慌てて美白剤でケアすると、刺激が強く、よけいに肌荒れしてしまう場合もあります。まずは、肌のほてりを冷やすケアを行いましょう。冷たい水で濡らしたタオルや冷たいシャワーで赤くなっている部分をしっかり冷やしましょう。

②ほてりが治まったらワセリンなどで保湿する
ほてりを感じるときは、刺激の強い化粧品を使ってケアするのは避けましょう。ローションやジェルなどの水分は染みることもあるので控えて、肌に浸透せず、皮膜効果のあるアイテムでしっかり保護するワセリンや軟膏など油性の保湿剤を使ったケアがおすすめです。
皮脂を油膜で覆うことで水分の蒸発を防いで、角層を柔らかくしてくれます。赤ちゃんから大人まで使えるワセリンを常備しておくとことをおすすめします。

※日焼け後、すぐに美白コスメでのケアはNG!!
炎症が起きている時は、保湿して肌を守りましょう。どんなに優秀な美白コスメを使っても、炎症が起きているときは肌に刺激になってしまいます。

【翌日】炎症が落ち着いたらシミの芽を増やさない美白ケアを!
①集中的に美肌してくれるアイテムでじっくりメラニン対策をしましょう。
ヒリヒリ感がおさまってもすぐに美白剤は塗らないでください。軟弱な状態でかぶれやすくなっています。必ず赤みが引いたのを確認できたら、使い始めましょう

②インナーケアでメラニンを排出!
紫外線の影響を受けやすい夏は、食事やサプリメントなどで事前に内側からの対策をしましょう。肌老化を防いで、免疫力と抵抗力を高めてくれるビタミンA・C・Eを積極的に摂りましょう。

●アウトドアでのうっかり日焼けレスキュー
夏は家族みんなで海や山など、太陽の下でレジャーを思いっきり楽しみたいものです。とはいえ、強い紫外線による肌への影響はかなりのものです。

<紫外線のリスクは高まるぶん、日焼け対策は念入りに!>
山では標高が高くなるほど紫外線量が増え、海では水面からの紫外線の反射が強力です。強い紫外線を浴びやすいアウトドアでは、徹底した日焼け対策を行いましょう。帽子やラッシュガード、通気性のよい長袖など、身に着けるもので日差しをさえぎるのも良い方法です。

※もし日焼けをしてしまった場合の対策もしっかり心得ておきましょう。

【現地】いつでもどこでもほてりを冷やして、紫外線ダメージを防ぐ工夫をしましょう。
①とにかく冷やす
ヒリヒリ感が強くて痛みを感じるときは、市販の消炎鎮痛剤を飲むのも一つの方法です。ただし、冷やしても炎症が治まらない、痛みがひかない、水疱ができている場合は、速やかに皮膚科医の診察を受けてください。

②こまめに日焼け止めを塗りなおす。
レジャー先では、定期的に休憩をとり、日焼け止めを塗り直しましょう。2時間おきを目安に、2度塗り、3度塗りしてたっぷりのばしましょう。

※海水浴行った際は、日焼け止めを塗り直すだけではなく、こまめにシャワーを浴びて塩分を流しましょう。塩分が肌に残ったままだと湿疹を生じやすく、そこに日焼けが加わるとダメージがより酷くなります。また、山は標高が100m上がるたびに1%紫外線量が増えると言われています。汗で日焼け止めが落ちやすくなるので、こまめに休憩をとって塗りなおす必要があります。

<アウトドア時のおすすめUV対策>
●長袖・長ズボンのラッシュガードを着用する
海では日焼け止めが落ちてしまうので、長袖・長ズボン(足首までの長さがベスト)のラッシュガードの着用がおすすめです。腕や脚をすっぽり隠してしまえば、クラゲなどの海洋生物から守り、ケガや肌荒れの予防にもなります。

●日焼け止めの前に抗酸化力の高い美容液を塗っておく
朝のスキンケア時に抗酸化力の高い美容液を塗ってから日焼け止めを重ねると紫外線ダメージを受けにくくなります。

【帰宅後】ほてりが治まったらクリームやバームで保護ケア
冷やしてほてりが治まったら、クリームやバームなど、肌に浸透せず、皮膜効果のあるアイテムで保護をローションやジェルなどの水分は染みることもあるので控えましょう。

【翌日以降】肌が落ち着いたら保湿&美白&エイジングケアをスタート
水分を抱え込む効果のある、セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸、加水分解コラーゲン、多糖類、グリセリンなどのモイスチャライザーでしっかり保湿していきましょう。


紫外線を浴びてしまった後の、シミや肌老化を食い止めるなら、積極的に美白やエイジングケアを始めましょう。
『シミ治療』

是非、ご一読下さい。

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