雑誌『リンネル』2016年12月号(10月20日発売 掲載ページP144~147)

雑誌『リンネル』2016年12月号(10月20日発売 掲載ページP144~147)
特集「朝・昼・夜のケアで変わる!冬の美肌のヒント」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

乾燥しやすい過酷な環境でもゆらぎにくい肌を目指す
湿度や温度の急激な低下や暖房など、冬の肌は乾燥しやすい状態に。深刻なカサつきを感じる前に、肌荒れを招く仕組みを理解して最適なケアを心がけましょう。
人の肌はもともと水分を溜めておく機能が備わっています。その立役者となるのが肌の一番表面にある"角層"です。角層には、セラミドなどの角質細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂膜といった肌の保湿を担う3大要素がすべて存在していて、肌の潤いを保つ大切な場所です。この角層に保湿成分をしっかり届けることで、みずみずしい潤い肌をキープすることができるのです。

つまり、肌の乾燥を感じたら、角層に水分が不足しているサインといえます。角層は外部からアレルゲンなど異物の侵入を防ぎ、同時に内部の水分の蒸発を防ぐという役割を担っています。健康な肌は、肌の表面にある角層に必要な水分がたっぷりあるため、外からの刺戟を跳ね返す力を持っています。ところが、角層の状態が悪いと、乾燥やアレルギーなど肌を外的刺激から守る"バリア機能"が弱くなり、カサツキなど肌荒れが起こりやすくなってしまいます。
朝晩のスキンケアで、セラミドやヒアルロン酸など水分保持機能のある保湿成分を角層に浸透させ、水分を肌に閉じ込めることを心がけましょう。1日を通して冬の乾燥から肌を守るケアを意識して過ごすと、ゆらぎにくい肌を育むことができます。

〈 冬のスキンケア、ここに注意〉
冬の乾燥、ポイントは角層にあり!
肌の"角層"にしっかり水分を溜めておくことができれば、冬でも乾燥知らずの肌が叶います。セラミドなど保湿成分たっぷりの使い心地のよいアイテムを1品揃えましょう。

年中同じは✕!気候や肌状態に合わせて使い分けを!
夏に比べて大気の湿度が下がり、ぐんと寒くなる冬は、冷えから肌の循環も悪くなります。肌にゆらぎを感じたら、低刺激のケアに変えるなど使うアイテムを見直しましょう。

10年後の美肌のために、冬もUVケアを!
1年中降り注ぐ紫外線は、肌老化の原因の80%を占めるほど肌にとっては大敵。夏のように日差しが強くなくても、曇りの日でもUVケアをして過ごしましょう。

〈朝のケア〉
洗顔からスタートする朝のスキンケア。1日中、潤い肌をキープしながら過ごすには、朝の保湿ケアがカギになるといえます。
Q.乾燥肌なので、洗顔はお湯だけ。これってOKですか?
A.ぬるま湯だけの洗顔は乾燥の原因に!
肌質にもよりますが、寝ている間に出る皮脂や化粧品の油脂が残ると酸化して、乾燥や肌荒れの原因になることも。油分はぬるま湯で流すだけでは落ちません。こすらず、もこもこに泡立てた洗顔料を肌にやさしくすべらせて洗いましょう。

Q.冬の朝は顔色が悪い気が...。冷えとくすみって関係あるの?
A.冷えによる循環の悪さでくすむことも!
くすみはメラニンなどの影響もありますが、冷えによる循環の悪さが原因になることも考えられます。マフラーなどで防寒するなどして肌の寒暖差をなくす工夫や、肌色を補正する下地クリームの活用もおすすめです。

Q.絶対に乾燥しないようにするには、朝のケアはどうすればいい?
A.乾燥しやすい肌には、保湿成分の中でも特に保湿力が高いセラミドを補うケアをこころがけましょう。セラミドを補うことで、外的刺激から肌を守るバリア機能の改善にもつながります。

Q.部屋が乾燥しているせいか、朝起きると顔がカサカサ...。
A.加湿器で室内を60~65%の湿度をキープするのが理想です。
湿度が下がると、角層から水分が蒸発しやすくなります。室内温度を適温にして60~65%の湿度が肌にとって理想といえます。湿度が50%を下回るようなら、加湿器を使って調節をしましょう。加湿器がない場合は、部屋に濡れたバスタオルをかけるだけでも効果的です。

◎マスク女子は要注意。毎日のマスクが肌トラブルの原因に!?
風邪の予防のほか、スッピンを隠すためなど、何かと便利なマスク。冬になると1日中着けている人も多いはず。使い方によっては、肌トラブルが起こりやすくなるのをご存じですか?
一番多いのが、皮膚の表面にマスクのひもや生地がこすれて刺激になり、角層の状態が悪くなりキメが乱れ、ニキビができやすくなることです。また、マスク内部が蒸れてニキビの原因となるアクネ菌が増殖してしまうことも。風邪予防の場合でも、1日中マスクを着用せず、部屋の中では適度に外して加湿器で調節するなどの対処を。マスクは毎日新しいものを使用し、肌あたりが良い素材を選ぶことも、美肌をキープする秘訣です。


〈昼のケア〉
日中、意識すべきは、紫外線と保湿。肌老化につながる紫外線から肌を守り、カサツキを回復させるケアを。
Q.冬もSPFの高いUVクリームは必要?
A.UVクリームはスキンケアの1つと捉えましょう。
紫外線は室外でも室内でも1年中浴びています。SPF50でも薄く塗っているだけでは、SPF10程度の効果しか得られません。日焼け止め、下地、ファンデとミルフィーユのように重ねてカバーすることで、UVカット効果を高めることができます。

Q.気づけばいつも唇がガサガサです(泣)
A.なめないこととリップクリームを塗ることが基本です。
唇の皮膚は薄く、そもそもバリアが脆弱な部位。皮脂も出ないのでこまめにリップクリームを塗って保湿することで改善します。乾燥しやすい時期は、口紅を塗る前もリップクリームをしっかり塗っておくと安心。塗る際は、「い」を発音するときの唇の形にして、縦ジワを防ぎましょう。

Q.オフィスの乾燥対策を教えて!
A.ジェルかクリームをメイクの上から塗る!
手軽な保湿スプレーは、すぐに水分が蒸発し、かえって乾燥が進むことも。薄めのメイクなら、普段使っている軽めのジェルかクリームをメイク直し前に塗るだけでも保湿することができます。

Q.冬の吹き出物って治りが悪い気がします。日中できることってある?
A.「ベジタブルファースト」で身体と肌にストレスをかけない。
いわゆる大人ニキビはストレスやホルモンの乱れ、過剰な皮脂、摩擦、乾燥などさまざまな要因が考えられます。食事のとき最初に野菜を食べ(「ベジタブルファースト」)、発酵食品を取り入れて腸内環境を整える食生活を心がけましょう 。

◎冬もケアは必須!「光老化」対策って?
紫外線をたくさん浴びている人とほとんど浴びてない人では、肌老化の速度が変わるのを知っていますか? 肌老化は加齢変化も一因ですが、80%はなんと紫外線など太陽光の影響によるもの。太陽光による皮膚の障害を「光老化」と呼び、シミやシワ、たるみに加え、皮膚がんの原因になってしまいます。1年中、目に見えない紫外線の影響を受けていることを自覚し、徹底したUVケアを心がけて。近頃は、光老化を予防するための日中用クリームも登場。スキンケアの最後に塗って、日中に受ける肌ダメージを最小限に食い止めましょう。

〈夜のケア〉
翌朝の肌の調子を決めるのは、夜のスキンケア次第。肌状態を確かめて、ときにはプラスのケアをとり入れて。
Q.寝る前の乾燥対策は?
A.クリームやバームを重ねて角層を柔らかくして潤いを。
化粧水だけで終わらせず、重めのクリームや硬くなった肌を柔らかくするバームやオイルをプラスして。目や口の周りなど、とくに乾燥が気になる部分は重ね塗りをしましょう。

Q.冬も角質ケアはしたほうがいいの?
A.2週間に1度程度の酵素洗顔で角質をオフ。
肌がかたいと感じるときは角質が溜まっているのかも。定期的な角質ケアは必要です。こすり過ぎに注意して酵素洗顔でやさしくオフ。バリア機能が整い、水分量もアップします。

Q.夏より冬のほうが美白効果が高いってホント?
A.年間を通してスキンケアに1品プラス。
美白化粧品は夏から秋にかけて使うものではありません。シミは長年のメラニン生成の蓄積によるもの。とくに夏のつけを払うためにも、これからの時季のケアはおすすめ。数年先の美肌のために、1品ケアにプラスして1年間使い続けるのが賢い。

Q.コンディションを整えたいときのスペシャルケアが知りたい!
A.シンプルなケアで肌の休息を心がけて。
肌が不調なときほど、過剰なケアは控えましょう。とくにバリア機能が弱った状態で、肌を密封するようなマスクをすると、かぶれるリスクが高まることも。これなら絶対に大丈夫というお守りのようなアイテムを見つけて、シンプルなケアをしましょう。

◎寝る前のブルーライトは美と健康の敵!
ブルーライトは可視光線(目に見える光)のうち、380~500nmと最も波長が短く、強いエネルギーを持つ光のこと。太陽光の可視光線は400~420nmのブルーライトで、シミや酸化ストレスを増強させる作用があるので光対策は必須。PCやスマートフォンから出るブルーライトは450nm前後の波長が主体ですので、シミを誘発する作用は少ないものの、眼の障害や体内リズムの変動などの影響が出ることがわかっています。睡眠不足は美肌の敵! 就寝30分前にはスマホを控えるなど、少し意識をしてみましょう。

朝、夜はぐっと冷え、本格的な冬の到来は目の前です。来るべく冬に負けない肌をつくるには、一日を通してのちょっとした心がけが大切です。
意識を変えるヒントに是非、ご一読ください。


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