肩こり・美肩ボトックス注射の効果と特徴

肩こりの緩和・痛みの改善 肩こりは、今や現代日本人の国民病と言われています。肩こりの主な原因は、僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる首から背中にかけてある大きな筋肉にあります。パソコンなどを扱うデスクワークやスマホ操作などで、長時間同じ姿勢を取ることを日常的に続けると、過緊張を繰り返した僧帽筋が拘縮して強張ってきます。硬くなった筋肉によって血管が圧迫され血流が悪くなると、血液が巡らないので酸素や栄養分が筋肉まで充分に運ばれなくなり、乳酸などの疲労物質が蓄積して肩の張りや重だるさ、痛みなどが引き起こされるのです。姿勢の悪さ(猫背)、運動不足、ストレス、冷え、眼精疲労なども肩こりが発症、悪化する原因です。肩こりが酷くなってくると、筋緊張性頭痛と呼ばれる頭痛の原因にもなり、日常生活に支障がでることもあります。

『肩こり・美肩ボトックス注射』は、ボツリヌストキシンのもつ筋弛緩作用を利用して、肩の筋肉の緊張を和らげることで、こり・張りなど、肩こりからくるさまざまな症状を緩和する治療です。注射のみという手軽な治療ながら、痛みも少なく、傷跡が残るなどの心配もありません。施術から1週間程で筋肉の緊張が緩み、肩の軽さが実感され始めます。また、個人差はありますが、一度のボトックス注射で4~5ヶ月程度効果が持続します。効果が薄くなってきたタイミングで再度ボトックスを注射していくと、筋肉があまり収縮しなくなるので、効果の持続期間が徐々に長くなり肩こりを感じにくくなります。重い肩こりでお悩みの方、マッサージなどの施術を頻繁に受けられない方、一度で長期間の効果を感じたい方などにおすすめです。

肩のシルエットをすっきりさせ首を長く見せる効果 肩こりで筋肉が張り出していると、いかつい印象に見えるばかりか、首も短くなり、顔も大きく見えがちです。プロレスラーや格闘家の肩をイメージしていただければ分かりやすいかもしれません。もちろん、アスリートは目的があって筋肉量を増やしているので仕方ありませんが、誤った姿勢で筋肉の付き方が悪くなって見た目にも影響している場合はこちらの治療の適応があります。 『肩こり・美肩ボトックス注射』で過発達した僧帽筋の動きを弱め休ませることで、盛り上がっていた筋肉が徐々に小さくなり、肩のラインがスッキリと美しくなります。肩の位置が下がると相対的に首が長く見え、全体のバランスも良くなるため、小顔効果も期待できます。肩が大きく肩が大きく開いたドレスをきれいに着こなすことができるので、結婚式や前撮りを控えた方、また水着などで肩を出す機会がある方にもおすすめです。簡単な施術で長期間効果を発揮するため、忙しい方でも気軽にお受けいただけます。筋肉が小さくなるには時間が必要で、視覚的に効果を実感できるまでに1~2ヶ月程かかるため余裕を持って施術を受けることをおすすめします。

肩こりによって引き起こされる頭痛の緩和 側頭筋や後頚筋群、僧帽筋などの頭から首、背中にかけての筋肉のコリや張りによって、痛みを感じる神経が刺激されることで、頭痛を生じることがあります。そのような頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれ、頭全体が何かで締め付けられるような痛みが特徴です。 『肩こり・美肩ボトックス注射』で筋肉の緊張を緩和すると、血流が改善して老廃物などが流れるので、酸素や栄養が効率よく届くようになり、肩こりと同時に頭痛の改善も期待できます。側頭部や眉間への注射との併用が効果的な場合もありますのでご相談下さい。

肩こり・美肩ボトックス注射の注意点

正しく薬剤を使い、適切な量を正確に効かせるべき筋肉に注射し、適切な間隔で施術を行えば副作用の心配はありませんが、患者様に適応が無くても治療を勧める医師や、ボトックス注射の経験が浅く解剖の知識に乏しい医師が施術すると、「肩が動かしにくい」「腕が上がりにくい」「首がグラグラする」といった運動障害・機能障害を来すリスクがあります。実際に他院で僧帽筋に対するボトックス治療を漫然と受け続け、筋肉がぺらぺらに薄くなってしまった症例もあります。当院では、他院でボトックス後に表情に支障がでた、顔面が麻痺した、失敗したという方からの相談を毎日のように承っております。一度注入してしまったボトックスを後から修正することは非常に難しいので、確かな技術と豊富な経験を持つドクターが在籍するクリニックを選びましょう。

当院のタッチアップ制度

過剰な治療は行わないので、コリや重みが部分的に残ることがあります。そのため、1ヵ月以内に再度ご来院いただき、状態を確認して、必要な場合は再診料でタッチアップする保障制度を設けております。この一手間で満足度が上がり、数ヶ月間、快適にお過ごし頂けます。骨格筋は姿勢保持と運動機能という重要な役割を担っています。そのため、当院では、審美目的でも肩こり改善目的でも過剰な僧帽筋委縮は行いません。症状ピラティス、トレーニング、ストレッチ、鍼灸治療、カイロプラクティックなど総合的にメンテナンスを行う一つの手立てとお考えください。が残っていても医師が「追加適応無し」と判断することはありますのでご了承ください。肩こりは姿勢の悪さ、体幹の筋肉不足などで複合的に生じます。

肩こり・美肩ボトックスに使用する製剤

当院では高品質で安全性の高い2種類のボツリヌストキシン製剤をご用意しています。患者様がどちらの製剤を希望されるか、また治療頻度などよって選択いたします。尚、手技やダウンタイムのリスク、痛みなどは全く変わりません。

ボトックスビスタ®(アラガン・ジャパン社/日本) botox.jpg「ボトックスビスタ®」は、アメリカの製薬会社であるアラガン社が製造・販売しているボツリヌストキシン製剤です。2002年にアメリカのFDA(米国食品医薬品局:日本の厚労省に相当)で承認され、現在世界80ヵ国以上でシワ治療への適応が承認されています。日本でも2009年に65歳未満の成人における眉間への表情ジワの治療、2015年には目尻への表情ジワの治療に対して、厚生労働省から承認を得ています。

日本の基準での有用性・安全性が評価され、「ボトックスビスタ®」は、徹底した品質管理と統制下にて製造や輸送・保管が行われています。当院では、日本向けの正規品を販売しているアラガン・ジャパン株式会社より直接購入しています。尚、「ボトックスビスタ®」を使用するには、アラガン社の講習・実技セミナーを受講し、施術資格を取得する必要があります。

■アラガン社の認定を受けた医師が施術を担当
ボトックスビスタを用いる治療には正しい知識と注入技術が必要なことから、アラガン社が主催するトレーニングを受け、認定を受けた医師のみが施術を行います。また、定期的に学会や研修会に参加し、知識と技術の更新に努めております。

ターゲットとする表情筋の機能を解剖学的にしっかりと理解し、「表情の使い方(癖)」「皮膚たるみの程度」「肌年齢」「眼瞼下垂の有無」など、様々な点を考慮してボトックス注射を行っています。

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CORETOX® コアトックス(メディトックス社/韓国) coretox2020.jpg「コアトックス®」は、韓国のメディトックス社が開発した抗体産生リスクの低い高純度のボツリヌストキシン製剤です。2016年に韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁:日本の厚労省に相当)によって承認され、有効性と安全性が確認されています。アラガン社のボトックスと同じ菌株を起源に開発され、製造工程で動物性由来物質、人血清アルブミンを完全に排除した安全性の高い製剤です。

従来のボツリヌストキシンは、短期間に繰り返し治療を受けたり、肩やふくらはぎなど大きな筋肉に高用量で繰り返し投与されたりしていると、体内に中和抗体※が産生されて、治療効果が減弱してしまうことがあります。これは、ボツリヌストキシン製剤に含まれる「複合タンパク質」が原因であるとされています。

「コアトックス®」は、複合タンパク質を完全に排除しているので、繰り返し使用しても、本来の優れた効果を長く維持することができます。そのため、継続的に治療を受けられる方やエラや多汗症(ワキ)、肩こりなど投与量が多い複数部位を治療したい方におすすめです。尚、アラガン社の「ボトックスビスタ®」は全世界で最も多く使用されている製剤で、美容領域の治療で中和抗体が発生するリスクはほとんどありません。

■中和抗体のリスクとは
抗体とは、体外から細菌や有害物質、毒物などが体内に侵入した時、異物として攻撃したり体外に排出したりする役割を担うタンパク質で、人間の体に備わった自己防御機能です。ボトックス注射は、ボツリヌス菌から人体への有用性を認められたA型ボツリヌス菌毒素を抽出したもので、これには抗原という免疫応答と引き起こすものがあります。高頻度、高用量でボトックス注射をしていると、体内に「中和抗体」が産生されて、再びボトックス注射をした時に、抗体がボトックスを異物として攻撃し、思ったような効果が得られなくなることがあります。

ボトックス注射は、美容医療以外にも眼瞼痙攣や、痙性斜頚、尖足など神経内科領域の疾患治療に用いられる安心な施術です。下肢など骨格筋の収縮を抑える際は、大量のボトックスを注射する必要がありますが、美容医療では主に顔の小さな筋肉に用いるため、1/10程度の少量ずつしか使用しません。肩こり・美肩ボトックスの場合も、正確に拘縮が強い筋線維に狙って注射するため、使用量はネフェルティティリフトやボトックスリフトと同程度です。異物タンパク含有量の少ない薬剤を用いて、同じクリニックで使用量を考えながら施術する限り、肩への治療でボトックス注射が効かなくなるという「中和抗体」の発生は極めて稀です。

肩こり・美肩ボトックス注射の痛み

注射の施術なので無痛ではありませんが、顔のボトックス注射に比べて痛みを感じにくいという方が多いです。外用麻酔クリームの効果が十分に効いてから、冷却した上で極細針を使用して注射しますので、痛みは最小限に抑えられほとんどの方がご辛抱いただける程度です。

肩こり・美肩ボトックス注射のリスクとダウンタイム<痛み>軽度 <腫れ> 軽度(約1時間)<内出血> 全く無い~小さく1週間程度
shutterstock_1019073862.jpg施術後、赤みや腫れが出る場合がありますが、数時間で治まります。また、一時的に筋肉痛やだるさを感じる場合がありますが、3~4日で徐々にひいていき、日常生活に影響することはありません。また、注入治療のため、内出血が起こる可能性はありますが、針の周りに小さな青あざが出るぐらいで、1週間程度で目立たなくなります。当日から、洗髪、入浴は可能ですが、長風呂、激しい運動や飲酒はお控えください。ボトックスの過剰な拡散を防ぐため、施術後から数日間はマッサージやストレッチなど治療部位を刺激しないようにご注意ください。

肩こり・美肩ボトックス注射の持続と頻度 肩こりボトックスは、1回の施術でも効果を実感できます。しかし効果に即効性はなく、注射後1週間程で筋肉の緊張が緩み、肩の軽さが実感され始めます。また、視覚的に効果を実感できるまでには1~2ヶ月程かかります。持続期間としては、個人差はありますが、一度のボトックス注射で約4~5ヶ月程度です。重度の肩こりの場合は、早く効果が薄れる可能性もあります。効果が薄くなってきたタイミングで再度ボトックスを注射していくと、筋肉があまり収縮しなくなるので、効果の持続期間が徐々に長くなり肩こりを感じにくくなります。ただし、効果には個人差があり、一度に多量の注射をしても効果が長くなる事はなく、拡散して副作用が出現するリスクが高まるので推奨できません。追加を希望される場合も症状が安定するまで2週間はお待ちください。

肩こり・美肩ボトックス注射の禁忌事項について 下記の方は治療を受けられないことがありますので、ご相談下さい。
・過去にボトックス注射治療で異常反応があった方
・妊娠中や授乳中の女性
・子供を作る計画があり避妊していない夫婦(女性ですと、ボトックスを受けてから少なくとも2回生理がくるまでは避妊する、男性ですとその期間が3ヶ月になります)
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方
・脊髄、末梢神経の病気に罹患している場合
※筋萎縮性側索硬化症、運動性ニューロパチー、重症筋無力症、ランバート・イートン症候群といわれる全身性の神経筋接合部の障害を持っている方。