ボトックス注射(表情ジワ)の効果と特徴
表情ジワができる原因とメカニズム
人の顔には30種類以上にも及ぶ表情筋があり、それらを細かく動かすことで多彩な表情を作っています。表情ジワとは、笑った時の目尻のシワのように、表情を作る際に使う筋肉によってできるシワのことです。若い頃は、シワを元に戻す皮膚の弾力がありますが、年齢を重ねるにつれてコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚のたるみや脂肪の減少、骨の萎縮などが生じると、繰り返しシワを寄せた部位にプリーツ加工のようにシワが刻まれ、少しずつ深くなり目立つようになります。
また、大きく目を見開いたりする表情が豊かな方や、無意識に眉間や額にシワを寄せる癖のある方は、若くてもシワが定着してしまいます。年齢相応のシワは人間味があり魅力的ではありますが、部位によっては老けて見えたり、不機嫌に見えたりと、マイナスな印象になることがあります。
表情ジワの改善・予防ができるボトックス注射とは
『ボトックス』という名前は、アメリカの製薬会社であるアラガン社が製造・販売しているボツリヌストキシン製剤の商品名「ボトックスビスタ」が由来です。ボツリヌス菌から人体への有用性を認められたA型ボツリヌス菌毒素(天然のタンパク質の一種)だけを抽出し薄めたもので、筋肉を動かす指令を脳から筋肉へ伝達する神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑えることで、局所的に筋肉の動きを抑制する作用があります。そのため『ボトックス注射』をすると、筋肉の過剰な収縮を弱め、表情ジワや筋肉の発達によるエラ張りなどのお悩みを改善することができます。
皮膚は動かせば動かすほどシワが深く刻まれていきます。表情の癖によって眉間やあご、額や目尻などにシワができるという人はプリーツ加工のようにシワが刻まれる前に予防として『ボトックス注射』を打つことをおすすめします。実際、30代前半から定期的にボトックスしている方は、圧倒的に表情ジワが少ないです。気になりだす前にスタートし、継続してメンテナンスを続けることをおすすめしています。ボトックス注射の効果は、個人差はありますが施術から2~3日で徐々に現れ、約2週間で効果が安定します。持続期間は、4~6ヶ月程度で効果は徐々に弱まりますが、一般的に2回目以降からはシワの原因となる筋肉が使われなくなるので、持続期間が長くなります。
「ボトックスビスタ®」は、アメリカの製薬会社であるアラガン社が製造・販売しているボツリヌストキシン製剤です。2002年にアメリカのFDA(米国食品医薬品局:日本の厚労省に相当)で承認され、現在世界80ヵ国以上でシワ治療への適応が承認されています。日本でも2009年に65歳未満の成人における眉間への表情ジワの治療、2015年には目尻への表情ジワの治療に対して、厚生労働省から承認を得ています。
日本の基準での有用性・安全性が評価され、「ボトックスビスタ®」は、徹底した品質管理と統制下にて製造や輸送・保管が行われています。当院では、日本向けの正規品を販売しているアラガン・ジャパン株式会社より直接購入しています。尚、「ボトックスビスタ®」を使用するには、アラガン社の講習・実技セミナーを受講し、施術資格を取得する必要があります。
■アラガン社の認定を受けた医師が施術を担当
ボトックスビスタを用いる治療には正しい知識と注入技術が必要なことから、アラガン社が主催するトレーニングを受け、認定を受けた医師のみが施術を行います。また、定期的に学会や研修会に参加し、知識と技術の更新に努めております。
ターゲットとする表情筋の機能を解剖学的にしっかりと理解し、「表情の使い方(癖)」「皮膚たるみの程度」「肌年齢」「眼瞼下垂の有無」など、様々な点を考慮してボトックス注射を行っています。
CORETOX® コアトックス(メディトックス社/韓国)
「コアトックス®」は、韓国のメディトックス社が開発した抗体産生リスクの低い高純度のボツリヌストキシン製剤です。2016年に韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁:日本の厚労省に相当)によって承認され、有効性と安全性が確認されています。アラガン社のボトックスと同じ菌株を起源に開発され、製造工程で動物性由来物質、人血清アルブミンを完全に排除した安全性の高い製剤です。
従来のボツリヌストキシンは、短期間に繰り返し治療を受けたり、肩やふくらはぎなど大きな筋肉に高用量で繰り返し投与されたりしていると、体内に中和抗体※が産生されて、治療効果が減弱してしまうことがあります。これは、ボツリヌストキシン製剤に含まれる「複合タンパク質」が原因であるとされています。
「コアトックス®」は、複合タンパク質を完全に排除しているので、繰り返し使用しても、本来の優れた効果を長く維持することができます。そのため、継続的に治療を受けられる方やエラや多汗症(ワキ)、肩こりなど投与量が多い複数部位を治療したい方におすすめです。尚、アラガン社の「ボトックスビスタ®」は全世界で最も多く使用されている製剤で、美容領域の治療で中和抗体が発生するリスクはほとんどありません。
■中和抗体のリスクとは
抗体とは、体外から細菌や有害物質、毒物などが体内に侵入した時、異物として攻撃したり体外に排出したりする役割を担うタンパク質で、人間の体に備わった自己防御機能です。ボトックス注射は、ボツリヌス菌から人体への有用性を認められたA型ボツリヌス菌毒素を抽出したもので、これには抗原という免疫応答と引き起こすものがあります。高頻度、高用量でボトックス注射をしていると、体内に「中和抗体」が産生されて、再びボトックス注射をした時に、抗体がボトックスを異物として攻撃し、思ったような効果が得られなくなることがあります。
ボトックス注射は、美容医療以外にも眼瞼痙攣や、痙性斜頚、尖足など神経内科領域の疾患治療に用いられる安心な施術です。首や下肢など骨格筋の収縮を抑える際は、大量のボトックスを注射する必要がありますが、美容医療では主に顔の小さな筋肉に用いるため、1/10程度の少量ずつしか使用しません。異物タンパク含有量の少ない薬剤を用いて、同じクリニックで使用量を考えながら施術する限り、顔への治療でボトックス注射が効かなくなるという「中和抗体」の発生は極めて稀です。
ボトックス注射で改善できる表情ジワ
ボトックス注射に使用する製剤
当院では高品質で安全性の高い2種類のボツリヌストキシン製剤をご用意しています。患者様がどちらの製剤を希望されるか、また治療頻度などよって選択いたします。尚、手技やダウンタイムのリスク、痛みなどは全く変わりません。 ボトックスビスタ®(アラガン・ジャパン社/日本)
「コアトックス®」は、韓国のメディトックス社が開発した抗体産生リスクの低い高純度のボツリヌストキシン製剤です。2016年に韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁:日本の厚労省に相当)によって承認され、有効性と安全性が確認されています。アラガン社のボトックスと同じ菌株を起源に開発され、製造工程で動物性由来物質、人血清アルブミンを完全に排除した安全性の高い製剤です。
従来のボツリヌストキシンは、短期間に繰り返し治療を受けたり、肩やふくらはぎなど大きな筋肉に高用量で繰り返し投与されたりしていると、体内に中和抗体※が産生されて、治療効果が減弱してしまうことがあります。これは、ボツリヌストキシン製剤に含まれる「複合タンパク質」が原因であるとされています。
「コアトックス®」は、複合タンパク質を完全に排除しているので、繰り返し使用しても、本来の優れた効果を長く維持することができます。そのため、継続的に治療を受けられる方やエラや多汗症(ワキ)、肩こりなど投与量が多い複数部位を治療したい方におすすめです。尚、アラガン社の「ボトックスビスタ®」は全世界で最も多く使用されている製剤で、美容領域の治療で中和抗体が発生するリスクはほとんどありません。
■中和抗体のリスクとは
抗体とは、体外から細菌や有害物質、毒物などが体内に侵入した時、異物として攻撃したり体外に排出したりする役割を担うタンパク質で、人間の体に備わった自己防御機能です。ボトックス注射は、ボツリヌス菌から人体への有用性を認められたA型ボツリヌス菌毒素を抽出したもので、これには抗原という免疫応答と引き起こすものがあります。高頻度、高用量でボトックス注射をしていると、体内に「中和抗体」が産生されて、再びボトックス注射をした時に、抗体がボトックスを異物として攻撃し、思ったような効果が得られなくなることがあります。
ボトックス注射は、美容医療以外にも眼瞼痙攣や、痙性斜頚、尖足など神経内科領域の疾患治療に用いられる安心な施術です。首や下肢など骨格筋の収縮を抑える際は、大量のボトックスを注射する必要がありますが、美容医療では主に顔の小さな筋肉に用いるため、1/10程度の少量ずつしか使用しません。異物タンパク含有量の少ない薬剤を用いて、同じクリニックで使用量を考えながら施術する限り、顔への治療でボトックス注射が効かなくなるという「中和抗体」の発生は極めて稀です。
ボトックス注射で改善できる表情ジワ

