ハンセン病の1小児例

ハンセン病の1小児例

慶田 朋子・神田 憲子・ 檜垣 祐子 
川島 眞・杉田 泰之

10歳,女児.マダガスカル人.5年前に来日.半年前より左手背に皮疹が出現し,1ヶ月前より左肘部の疼痛を生じたため当科を受診した.初診時,左手背から前腕に知覚鈍麻を伴う環状から弧状の紅褐色結節と,左尺骨神経の肥厚,圧痛を認めた.組織像では真皮全層に類上皮細胞肉芽腫を多数認めた.Ziehl-Neelsen染色,皮膚スメアで抗酸菌は陰性であったが,生検組織を用いたPCR法ではらい菌徳異的DNAが証明された.DDS,リファンピシンによる6ヶ月間の多剤併用療法と,神経症状に対するプレドニゾロンの併用にて症状は軽快したが,治療開始9ヶ月後,左肘に有痛性の皮下結節が出現し,DDSの内服を再開し,3か月で結節は縮小した.
(キーワード)ハンセン病,小児,類上皮細胞肉芽腫,PCR法
                                   
慶田朋子,他:臨皮56:912-915,2002