フラクセル

波長1,550nmのエルビウム・グラス・ファイバー・レーザーで、面ではなく極小のドット(点状)にレーザーを照射する、第一世代のフラクショナルレーザーです。ドットの直径は約0.08ミリメートル、1平方センチメートルあたり125ショットまたは250ショットのレーザー光が出ます。レーザーを照射し真皮をドット(点状)に熱凝固させることでコラーゲン線維に変性が起こります。通常8パスを行うので1平方センチメートルあたり1,000~2,000個の熱凝固点ができ、熱損傷(ダメージ)を受けた皮膚が創傷治癒の過程でコラーゲン線維を作り出し、結果的に皮膚の入れ替えを行います。ドットの一つ一つはマイクロ単位の小さなダメージなので、すぐに再生し始めます。熱によるダメージを受けた組織は排出され、新しい皮膚の新生を促進することで皮膚の入れ替え(スキンリプレイスメント)ができる仕組みです。皮膚を蒸散(穴を開ける)・熱凝固させるアブレイティブ・フラクショナルレーザーと異なり、フラクセルは皮膚を蒸散する事なく熱凝固のみを利用したノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーです。

CO2レーザーの様な皮膚全体を面で剥離して再生する治療は1回で広範囲を入れ替えする事が出来ますが、表皮全体を剥離する為に長期のダウンタイムや感染、色素沈着などの副作用が起こります。それに対し、フラクセルの様な点での治療は、周囲に正常組織を残すため副作用が少ないという利点があります。また、蒸散しないノンアブレイティブ治療のため、バリア機能をもつ表皮・角質層を完全に温存して真皮を熱凝固するので、感染などのリスクを回避し、アブレイティブなタイプに比べて2、3日の赤みや1週間程度のざらつき等のミニマム・ダウンタイムで治療が可能です。1回の治療により12~20%の皮膚の入れ替えを行うことができます。

ハンドピースの先端がローラー状になっており、転がしながらレーザーを照射します。照射密度と強度を変えることが出来、たるみやシミ、ニキビ跡など肌トラブルに合わせた照射設定が可能です。その後、同じ1550nmの波長ながらレーザーの深達度を可変でき(最深深達度は30%増)、ヒートショックゾーン(レーザーによる熱ダメージを受ける領域)を少なくしたフラクセル2や、1550nmの波長と同時に、表皮へ作用する1927nmの波長を照射する事が可能になったフラクセル3、その他フラクセル・リペアやフラクセル・リファインなど、進化を遂げています。

銀座ケイスキンクリニックが導入しているのは、CO2レーザーで定評のあるレザック社製の国産機種【ユニクセル】という、アブレイティブタイプのCO2フラクショナルレーザーです。CO2レーザーは組織の水分に反応し、蒸散(アブレーション(皮膚を削る))と凝固を同時にできる波長10,640㎚のレーザーです。このCO2レーザーを利用したCO2フラクショナルレーザーは、熱凝固のみを行うノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーに対し、ドット状に皮膚をアブレーションし肌の入れ替えを行う事と、熱凝固による止血作用およびコラーゲン線維の生成効果を得る事の両方ができるため、より肌質改善やたるみのタイトニングに効果的です。

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