ヒアルロン酸注入(隆鼻術)の効果と特徴

日本人の顔が平面的に見える一つの要因が、鼻の低さです。鼻根部(目と目の間)が低いと、左右の目が離れているように見えるため、顔が平面的で間延びしたような印象になります。ヒアルロン酸注入で、ほんの少し鼻筋を通して、お顔のセンターラインを際立たせると小顔に見える効果もあります。施術直後からすぐに効果がわかり、ダウンタイムが短いことも特長です。「少しだけ鼻を高くしたい」「メスを入れる手術には抵抗がある」「周囲に気づかれたくない」人におすすめの施術です。

ヒアルロン酸(隆鼻術)の効果

鼻根に高さを出し鼻筋を通す効果鼻根とは、両目の間にある鼻の付け根部分のことです。鼻尖(鼻の先端)が高くて、鼻根が低いとバランスが悪いですし、鼻根から鼻尖までの高低差が少ないと平面的な顔に見えてしまいます。

ヒアルロン酸注入で、鼻根を少し高くして鼻筋を通すと、メリハリが出てグッとお顔のバランスが良くなり、男女問わず洗練された印象になります。また、鼻全体のバランスが整うので、鼻先の形が目立ちにくくなる効果もあります。さらに、目が離れ気味の人には、鼻筋が通ると、視覚的に目が近く見える効果も期待できます。

ただし、付け根を額から連続して横幅まで太く注入してしまうと映画『アバター』のようになってしまうので、位置と注入量を細かく調整することがポイントです。

鼻根の横ジワを目立たなくさせる効果怒っている時、考え事をしている時、まぶしい時は、無意識のうちに眉間や鼻根にシワが寄っていることがあります。鼻の横ジワは、眉根を下げる作用のある『鼻根筋』が収縮することで生じる表情ジワです。最初は浅いシワであっても、頻繁にシワを寄せていると、表情を作らなくてもシワが残るようになります。また、年齢とともに、肌の弾力成分のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が減少してハリが低下することで、さらに皮膚に折り目や溝がつきやすくなります。

表情ジワの改善には、『ボトックス注射』で筋肉の過剰な収縮を弱めることが最も効果的ですが、常に、鼻根周辺にシワがある場合は、『ヒアルロン酸注入』を併用すると改善効果が上がります。自己のヒアルロン酸と融合し、自然なふくらみをもたらし、シワが目立たなくなります。

ヒアルロン酸(隆鼻術)の他院での失敗、リスク

ヒアルロン酸注入による隆鼻術は、プロテーゼなどに比べれば、短時間かつ、お手頃価格で受けられる施術ではありますが、滑らかで、高品質な製剤を使用しないと、凸凹したりゴツゴツした感触になったりすることもあります。ヒアルロン酸製剤は、ヒアルロン酸溶解酵素(ヒレネックス・ヒアルロニダーゼ)注射で簡単に溶かせます。ただし、長期間放置すると、一部にしこりが残ったり、過剰注入で伸展してしまった皮膚がたるんでシワシワになったりします。また、クリニックによっては、溶けない製剤を使うところもあり非常にハイリスクです。

プチ整形だからといってNOリスクではありませんし、異物を入れることで後々反応(遅延型異物肉芽腫)が出る体質の方もいます。ですから、そんな時でも最適な対処ができる専門医を慎重に選ぶことが大切です。そして、血管の走行など解剖学的知識が少ないと、頻度は少ないものの、血流障害の報告があります。血流障害が発生した場合、ゴールデンタイム(動脈塞栓は1~数時間以内、静脈の血流障害なら半日~3日間以内)に溶解すれば後遺障害なく回復しますが、ヒアルロン酸溶解酵素製剤の用意や経験が無く、治療が遅れると皮膚壊死になります。

当院では、全ての医師、スタッフがヒアルロン酸注入後の血流障害に関して深く学んでおり、定期的に勉強会を行っています。解剖学的な血管の走行を熟知した医師が先端の丸いカニューラ針を使用し、少量ずつ、滑らかで良質なヒアルロン酸製剤を使用することで、安心安全な治療を心がけております。さらに、万が一のケースに備え、緊急時に必要な薬剤はまとめて保管し、『ヒアルロン酸注入』をした方には、翌日の経過(痛み・腫れ・色調・その他の症状)をご報告いただくなどのアフターフォローで手厚いサポート体制をとっています。

ガルデルマ社 ヒアルロン酸注入トレーナー医師

GAL.png当院の慶田院長は、厚生労働省認可のヒアルロン酸製剤『レスチレン』を販売する製薬会社ガルデルマ社の認定するトレーナー医師です。日本国内の美容医療分野でエキスパートとして活躍し、ガルデルマ製品に関する深い知識と高度な注入スキルを持っている医師がガルデルマファカルティメンバーであり、GAIN※(ガルデルマ社が世界規模で提供する医師向け美容医療教育システム)をはじめとする医師向け研修を提供しています。注入治療に関わる医師への技術指導や安全教育、トレーニングマニュアルの作成や指標づくりなどに関わることで、日本国内でヒアルロン酸注入に関わる医師の技術向上と、不幸な事故ゼロを目指しています。さらに2022年から、慶田院長はGalderma JPAC Faculty Member※(ガルデルマJPACファカルティメンバー)にも選出され、海外のドクターとの情報交換や会議を通じて国内のみならず、アジアパシフィック地域における美容医療界の発展にも貢献しています。

※GAIN (Galderma Aesthetic Injector Network:ゲイン) ガルデルマ・エステティック・インジェクション・ネットワークは、ガルデルマ社のレスチレン注入剤などに関するトレーニングを提供する医師向けの美容医療教育システムで、美容医療界のリーダーである全世界のファカルティメンバーが支えている。患者様のニーズに基づいた治療を提供するため、正しい製品知識や臨床科学に基づいた教育研修の徹底により、医師の技術や施術結果の向上を図り、安全性の追求を通じて患者様の満足度をあげることを目標にしている。

※Galderma JPAC Faculty Member ガルデルマJPACファカルティメンバーとは、各国のファカルティメンバーからガルデルマ社が2~3人を選出した医師陣で、国内にとどまらず、アジアパシフィック地域における美容医療界の発展に貢献している。

顔面解剖学マスタークラス履修

img016_000001.jpg私たちは定期的に受講と実習を繰り返し、患者様の安全のために身を引き締めて診療にあたっております。

【慶田院長】
・2015年4月25~26日に韓国で開催された、ヒアルロン酸フィラー注入経験豊富な医師のための『顔面解剖学マスタークラス』で、講義と実習を受けました。日本国内では法律上叶わない、冷凍保存のご遺体での実習はその後の注入治療の糧となっています。

・2016年10月15日に日本で開催された『GALAA』にて、顔面解剖学をスライド講義と3D動画で深く学びました。

・2017年10月22日に日本で開催された『アラガン社のセミナー』で、解剖とヒアルロン酸注入の実技を学びました。

・2018年3月24~25日にタイで開催された『顔面解剖学マスタークラス』で、講義と実習を受けました。注入治療を熟知した解剖学の教授が、顔面の美容医療に関わる医師向けに作成した動画やスライドは何度見ても勉強になります。

・2019年~Sim HOLLYという3D解剖トレーニングソフトにて定期的に解剖学を復習しつつ、院内の医師に技術指導を行っています。

【服部医師】
・2017年10月22日に日本で開催された『アラガン社のセミナー』で、解剖とヒアルロン酸注入の実技を学びました。


ヒアルロン酸注入(隆鼻術)に使用する製剤

ヒアルロン酸製剤には、様々なブランドや種類が存在します。現在、当院では品質と安全性の高さを最優先し、有架橋のヒアルロン酸フィラー製剤はGALDERMA社(ガルデルマ社)とMERZ社(メルツ社)を、浅いシワに用いる非架橋のヒアルロン酸製剤はTEOXAN(テオキサン社)の製剤を取り扱っています。多彩なラインナップから、シワ、たるみ、凹みの状態、肌年齢、注入部位に最適な製剤を担当医が選んで治療を行っています。

メルツ社の『ベロテロ インテンス』
●FDA(米国の厚労省に相当するもの)の承認を取得(2014年)

intense_img01.jpegドイツのMERZ(メルツ)社とスイスのANTEIS(アンティース)社が合併したことを機に、製品名が『エセリス』から『ベロテロ』に名称変更され、パッケージも変わりました。製剤の特性はそのままに、FDA(米国食品医薬品局)の承認も取得して、安全性への裏付けが強固になりました。

『ベロテロシリーズ』は、他のヒアルロン酸製剤と比べて微粒子のない滑らかな製剤です。pH(酸性度)と浸透圧が皮膚に近く、注入時の痛みが少ない点も優れています。非常に馴染みやすく、皮膚の薄い部位でも凹凸や、チンダル現象(ヒアルロン酸製剤が青く透けてしまう現象)を起こしにくい製剤のため、より自然な仕上がりが期待できます。

鼻根には、ベロテロシリーズの中でも、やや硬めリフト力のある製剤『ベロテロインテンス』を使用します。注入箇所にきっちり留まって広がりにくいのも特徴です。

※ベロテロシリーズは安全性試験を実施し、米国FDA(Belotero Balance:08-977  Belotero Lido (Belotero Soft lido, Belotero intense lido, Belotero volume lido) 16-31  Belotero balance lido:17-546)の承認を受けております。


ヒアルロン酸注入(隆鼻術)の痛み表面麻酔のクリームを使用し、十分に冷却した上で、刺入点に針で小さな穴を開けてから、先端の丸いロングソフトカニューラ針でゆっくりと注入し、痛みを軽減させています。しかしながら、鼻はシワ治療など他部位へのヒアルロン酸注入と比較して少々強く感じます。痛みを感じるのは、治療中の5分程度だけですので、ほとんど全ての方がご辛抱頂ける程度です。注入後は麻酔と注入の刺激で腫れぼったい感じがしますが、数時間後には気にならなくなります。翌日から吸水期が始まると少し突っ張るような違和感や軽い痛みが出ることがありますが、数日~1週間程度で消えていきます。


ヒアルロン酸注入(隆鼻術)のリスクとダウンタイム
<痛み>注入時のみ少し<腫れ>  少し(個人差あり) <内出血> ほとんど無し

shutterstock_1019073862.jpg鼻に外用麻酔を塗ると5分ほどでしびれてきます。鼻は静脈が多いので、血管を避けるため、Stat Veinで肌を照らし、静脈の位置を事前に確認して、針を刺すポイントを決めます。刺入部位を冷却後、針孔をあけ、先端の丸いロングソフトカニューラ針で慎重に注入していきます。注入による内出血のリスクは少なく、出たとしても小さく青くなるだけで目立ちません。また、ヒアルロン酸は高保水成分のため、注入後1ヶ月程度水分を吸収して浮腫む経過が必発です。そのため、初回の注入量はそのため、初回の注入量はやや少なめ(1/2本程度)とし、水分が再吸収され馴染んでくる1~2ヶ月後に残りをタッチアップすると仕上がりが良くなります。

メイクはテープを貼った針孔を避けて頂ければ、直後から可能です。また洗顔、軽い入浴、食事、接触も当日から制限はありません。飲酒、サウナ、長風呂、激しい運動は内出血と腫れのリスクを高めるので、当日のみお避け下さい。医師が施術直後にマッサージをしてなじませますが、特に医師の指示がない限り定着するまでの約1ヶ月程度、マッサージは控え、眼鏡やサングラスなどが鼻根部に当たらないようにしてください。

鼻へのヒアルロン酸注入は特に、デザイン力と繊細な注入が重要です。滑らかで、高品質な製剤を使用しないと、ゴツゴツした感触になることもあります。また、血管の走行など解剖学的知識が少ないと、頻度は少ないものの、塞栓や壊死の報告があります。銀座ケイスキンクリニックでは、定期的に勉強会を開催し、常にリスクを避けるべく、最善の治療を心掛けています。

ヒアルロン酸注入(隆鼻術)の持続と頻度について効果は注入直後から鏡でご確認いただくことが出来ます。注入したヒアルロン酸は代謝・分解されてしまうことから、持続期間は約1~1年半ですが、周囲にコラーゲン線維が増えるため予想より長持ちする方がほとんどです。また、減りきる前にタッチアップをしたり、繰り返し治療したりすると、効果の持続期間は延長します。

ヒアルロン酸注入(隆鼻術)の禁忌事項についてヒアルロン酸自体は体内にも存在する成分なので、アレルギーの心配はありません。また、注入された純粋なヒアルロン酸は水に分解されて100%体内で吸収されます。真性ケロイドの方など、異物反応を生じやすい体質の方はヒアルロン酸が馴染まず、シコリのようになる人がいます。ヒアルロン酸は体内にある成分なので副作用が起きることはまれですが、約数千人に1人の割合で架橋剤などの添加成分にアレルギーを起こす人もいるので過去にトラブルのご経験がある場合などは事前にご相談下さい。

●下記に該当される方は、この治療を受けられないことがあるのでご相談ください。
・過去にヒアルロン酸注入治療で異常反応があった方
・妊娠中の女性
・真性ケロイドの方、異物反応を生じやすい体質の方
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方

*安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
*麻酔薬や内服薬に対してアレルギーのある方、喘息の既往がある方は事前にお申し出下さい。但し、今までにそのような経験がなくても、麻酔薬に対するアナフィラキシーショック(呼吸が苦しくなる、血圧が下がるなど)を生じることは極めてまれに起こりえます。その場合は、速やかに適切な処置を致します。

*麻酔薬にアレルギーがある方には麻酔薬を含まない製剤を取り寄せて注入いたします。製剤のラインナップが少ないため、適応等は診察してからお診立てします。

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