2018年3月12日

ピコレーザー(ピコセカンドレーザー・ピコウエイ)の効果と特徴

レーザーを1兆分の1秒で照射
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『ピコレーザー』は、パルス幅が「ピコ秒」単位のレーザーです。パルス幅とは、レーザーを一発発振した時の「照射時間」を表しています。「ピコ秒」がどれくらいの速さなのかというと、1秒の1000分の1が1ミリ秒で、その1000分の1がマイクロ秒、そしてその1000分の1がナノ秒で、さらにその1000分の1がピコ秒です。つまり「1ピコ秒は1兆分の1秒」になります。

従来、シミ治療に使用されてきたQスイッチレーザーのパルス幅が「ナノ秒(10億分の1秒)」に対して、『ピコレーザー』は実にその1000倍の速さ「ピコ秒(1兆分の1秒)」で照射できる画期的なレーザーです。その中でも当院が採用するシネロン・キャンデラ社製のピコレーザー『PicoWay(ピコウェイ)』は、世界最短のパルス幅を誇る切れ味抜群の最上位機種です。

ピコレーザー(ピコウェイ)が、「痛みが少なく」「短期間で」「キレイに」シミを除去できる理由

パルス幅(照射時間)が世界最短、痛みや照射後のダメージ(炎症後色素沈着)が最小限
レーザーは、照射時間(パルス幅)によって熱の広がり方やターゲットとなるメラニン色素を破壊するメカニズムが異なります。
照射時間が長いと‟光熱作用(光が熱に変わる作用) "の影響が強く出て、照射時間が短いと‟光機械的作用"が主となりメラニンを破壊します。従来、色素治療で使用されてきたナノ秒発振の『Qスイッチスイッチレーザー』(ルビーレーザー/アレキサンドライトレーザー/ヤグレーザー)は、光熱作用と光機械的作用の両方でメラニン色素を破壊していました。そのため熱による痛みや、強く照射するとそれに伴う熱傷や炎症後色素沈着(黒ずみ)のリスクがありました。

一方『ピコレーザー』は、「ピコ秒(1兆分の1秒)」単位の超高速照射によって、光機械的作用が主となり、衝撃波(光音響効果)が生まれ一瞬にしてメラニンを細かく砕くことができます。つまり、周囲へのダメージを最小限にした治療が可能となったのです。さらに数あるピコレーザーの中でも、当院の『ピコウェイ』は世界最短のパルス幅(730nm/246ピコ秒)を誇ります。小さなメラニン顆粒でも、確実にターゲットだけを狙い撃ちできる破壊力を持ちながら、皮膚に余計なダメージを与えないので、従来の光治療(IPL)やレーザーでは、照射によるリスク(炎症後色素沈着)があった薄いシミや肝斑合併のシミにも効果的です。照射後の痂皮は薄くて目立たず、テープによる保護は不要です。また、日本人で問題となる照射後半年続く色素沈着が圧倒的に生じにくくなり、出たとしても軽く短期間で消失します。

肌が浅黒い方、肝斑がある方、軽めのダウンタイムを希望される方のシミ治療としても有効
新たに搭載した最新の730nm波長は、現行のシミのスポット照射で使用していた波長532nm(294ピコ秒)よりもパルス幅が短く(246ピコ秒)、照射によって発生する熱がほぼ無いので、さらにダメージの少ない治療が可能です。そのため、肌が浅黒い方や肝斑のある方のシミ治療としても適しています。ダウンタイムの軽いマイルドな治療を希望される方にもおすすめです。

衝撃波でメラニン色素をパウダー状に粉砕!光(IPL)治療や従来レーザーで取り切れなかったシミにも有効
レーザーによるシミ治療は、シミの原因となるメラニン色素を砕くことで除去します。『ピコレーザー』は、光機械的作用が主となり、衝撃波(光音響効果)によって一瞬にしてメラニンを細かく粉砕します。シミを大きな岩と例えるなら、小石くらいの大きさに砕くのが限界だった従来のナノ秒発振の『Qスイッチレーザー』に対して、『ピコレーザー』は「パウダー状」の微粒子サイズまで細かく砕くことができます。細かく粉砕された色素は、マイクロファージと呼ばれるお掃除役の細胞に貪食され、体の代謝によってリンパ管を通して体外へと排出されます。メラニン色素は細かく粉砕されるほど代謝排泄されやすくなる上、パウダー状に砕かれた色素は目にも認識されにくくなるので、これまでのどのレーザーよりも短期間でキレイに色素を除去することができるのです。


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幅広い波長域のレーザーで、一人ひとりに合わせてオーダーメイド照射

波長とは光の長さのことです。波長が短いほど皮膚表面に作用して、波長が長いほど皮膚の奥深くまで到達します。当院の『ピコウェイ』は、532nm、730nm、1064nmの3つの波長を搭載しています。狙ったターゲットに最適な波長を使い分けることで、肌の浅い層(シミ・そばかす・初期のイボ)から、深い層(あざ・ホクロ・アトピー性皮膚炎のダーティーネック)まで幅広いお悩みを解決することができます。

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ピコレーザー(ピコウェイ)は3つの照射モードで様々なお悩みを解決

ピコスポット照射
【シミ(体も可)・そばかす・唇のシミ・ニキビ跡の色素沈着・あざ(ADM)・小さなホクロ・初期の脂漏性角化症(イボ)】

ターゲットに最適な3波長(532nm・730nm・1064nm)を使い分け、日光性色素斑(シミ)、そばかす、唇のシミ、あざ(遅発性両側性太田母斑=ADM)を除去するオーソドックスな部分照射です。また、初期の脂漏性角化症(老人性イボ)や1~2mmの小さなホクロは、1~2回で消せる可能性が高いので、皮膚を削りたくない方、ホクロやイボの数が多い方にもおすすめです。スポットサイズは最小2mmまで小さく設定できるので、いびつな形のシミや小さなホクロも、正確に狙い撃ちできます。

『ピコレーザー』は、衝撃波(光音響効果)で従来機よりもメラニン色素を細かく粉砕できます。メラニン色素は細かく粉砕されるほど代謝排出されやすくなる上、パウダー状に砕かれた色素は目にも認識されにくくなるので、これまでのどのレーザーよりも短期間でキレイに除去することができます。さらに当院の『ピコウェイ』は、世界最短の照射時間を誇り、光治療(IPL)や従来レーザーでは、取り切れなかった薄いシミにも切れ味よく反応します。熱によるダメージが少ないので、痛みや照射後のかさぶた、炎症後色素沈着などの副反応を最小限に抑えながら、効率的に色素治療を行うことができます。テープによる保護は不要で、照射後のカサブタは薄く3~6日で剥がれ落ちます。また、日本人で問題となる照射後半年続く色素沈着が圧倒的に生じにくくなり、出たとしても軽く短期間で消失します。

新たに搭載した730nm波長は、パルス幅(照射時間)が最も短く(246ピコ秒)、照射によって発生する熱がほぼ無いので、さらにダメージの少ない治療が可能です。そのため、肌が浅黒い方や肝斑合併のシミ治療としても適しています。照射後は痂皮が出来ないことも多く、膜状で極めて薄くほとんど目立たないので、ダウンタイムの軽いマイルドな治療を希望される方にもおすすめです。

※ピコスポット照射は、肌質改善治療(①ピコトーニング照射②ピコトーニング照射&ピコフラクショナル照射③フォトフェイシャルM22④ジェントルレーズプロ)のいずれかを1回以上受けていただくことが条件のオプションメニューです。ただし、同日に30ショット以上(シミ・ほくろの合算で可)の照射を行う場合は、スポット照射のみの単体治療も承ります。

ピコトーニング照射(トラネキサム酸導入込み)
【シミ・そばかす・肝斑・くすみ・ボディの黒ずみ・色素沈着・ダーティネック・赤み】

レーザートーニングの進化版『ピコトーニング』は、波長1064㎚のNd:YAGレーザーを、顔全体に低出力で照射していく治療です。メラニン色素を少しずつ分解・排出して、シミや肝斑を薄くしていく他、くすみや色ムラを取り除いて肌全体のトーンアップも図れます。従来のQスイッチレーザーによるトーニングでは効果を感じられなかった方にもおすすめです。深達性にすぐれた波長1064nmYAGレーザーは、アトピー性皮膚炎の患者様に見られる色素沈着やダーティーネック、お尻の黒ずみのような肌の深部に滞留しているメラニン色素に対しても優れた効果を発揮します。また、ヘモグロビン(赤)に吸収される特性も持つので、真皮内の過剰な毛細血管を収縮・破壊して、赤ら顔やニキビ跡の赤みも改善します。

さらに、肌の深部に作用しコラーゲン生成も促進されるので、毛穴の開き、キメの乱れなどを改善し肌を滑らかに整えます。照射後は、美白効果を高めるトラネキサム酸のイオン導入がサービスで付いています。ノーダウンタイムな治療なので、人前に出るお仕事の方にも安心してお受けいただけます。


ピコフラクショナル照射(BENEV導入込み)

【シミ・そばかす・肝斑・くすみ・キメの粗さ・毛穴の開き・小ジワ・ニキビ跡・老化肌】

専用のハンドピース「1064nm Resolve(リゾルブ)」装着して、ピコレーザーをフラクショナル状(小さな点状)に照射し、肌の再生を促す治療です。肌を入れ替える治療法で代表的なのは『フラクショナルCO2レーザー』がですが、効果が高い反面、微細な穴をあけ意図的に傷を作るため、照射中の痛みやダウンタイムが目立つ (強い赤みと小さなかさぶたが1週間程度)という欠点がありました。

『ピコフラクショナル照射』は、皮膚表面は傷つけずに真皮内に空胞を形成します。この空胞を修復しようとする皮膚の自己再生機能により、真皮のコラーゲンやエラスチンが増生され、毛穴の引き締まりとハリの高まりを実感できます。繰り返しの照射でちりめんジワやニキビ跡の凹凸など難治性のダメージも改善させる効果があります。鼻や目周りなど、毛細血管の弱いエリアを中心に、点状の赤み(微小点状出血)が1~数日間生じる場合がありますが、皮膚表面には目に見える傷がつきません。そのため、痛みが少なく、かさぶたにもならないのですぐに日常生活に戻ることが可能です。

新たに導入した「532nm Fusion(フュージョン)」は、フラクショナル特有の強い反応を抑えるため、Axiconと呼ばれる特殊なレンズを使用しレーザー光を弱めたフラクショナル用のハンドピースです。「1064nm Resolve(リゾルブ)」よりもメラニンへの吸収率が高く色素の破壊力が高いので、肌全体に散在するシミやそばかすの改善に効果的です。当院では『ピコトーニング』との同時施術ですので、表皮~真皮まで幅広い層のメラニンを減少させ、くすみや色ムラを取り除いて明るく透き通るような肌へと導きます。また、色調の改善のみならず、「1064nm Resolve(リゾルブ)」同様に真皮にも作用して毛穴の開きやニキビ跡など加齢に伴う複合的なトラブルを改善し、肌全体を若返らせます。

「532nm Fusion(フュージョン)」と「1064nm Resolve(リゾルブ)」いずれのハンドピースを用いるかは、診察時に医師が判断いたします。「532nm Fusion(フュージョン)」は表層に衝撃波が作用するため、照射から数時間、膨疹(蕁麻疹反応)、赤みが半日~2日残ります。「1064nm Resolve(リゾルブ)」は肝斑があっても照射可能で、赤みが出ることがありますが、膨疹は出ません。ダウンタイムや肝斑の有無によって選択します。照射後は、成長因子やヒアルロン酸など数十種の有効成分を配合した『BENEV』の導入がサービスで付いています。自己再生機能に拍車をかけ、お肌を若返らせます。


ピコレーザー(ピコウェイ)の痛み


ピコスポット照射 <痛み>軽度
ピコレーザーは熱影響が少ないので、輪ゴムでパチっと弾かれる感覚で痛みはわずかです。痛みに弱い方、10ショット以上の照射の方には外用麻酔を併用しますので、よりストレスなく治療できます。麻酔のアレルギーがある方は、必ずお申し出ください。


ピコトーニング照射 <痛み>ほとんど無し
パチパチと弾かれるような刺激で痛みはほとんどありません。


ピコフラクショナル照射 <痛み>軽度
肌の奥でチクチクするような軽い痛みがあります。麻酔なしでご辛抱いただける程度ですが、痛みに敏感な方は麻酔クリームを併用いたします。 麻酔のアレルギーがある方は、必ずお申し出ください。


ピコレーザー(ピコセカンドレーザー・ピコウエイ)のリスクとダウンタイム


ダウンタイムの期間と程度は照射出力や個人差がございますのであくまで目安となります。

ピコスポット照射
<腫れ・赤み> 数時間~半日程度 <痂疲化>薄い膜状のかさぶた 熱によるダメージが少ないので、痛みや照射後のかさぶた、炎症後色素沈着などの副反応を最小限に抑えながら、効率的に色素治療を行うことができます。施術当日から洗顔・洗髪・入浴も可能です。ピコスポット照射した患部へのテープ保護は不要で、1~2日の間炎症を止める軟膏を塗っていただき、その上からメイクも出来ます。カサブタは薄く3~6日で剥がれ落ちます。「波長730nm」の照射後は痂皮が出来ないことも多く、膜状で極めて薄くほとんど目立ちません。洗顔やメイクの際の強い摩擦は1~2週間は避けてください。


ピコトーニング照射

<腫れ・赤み> ほとんど無し <痂疲化>無し

施術直後はレーザー特有の赤みが出ますがしっかりクーリングし、トラネキサム酸のイオン導入を行うのですぐに引いていきます。治療直後からメイクや洗顔ができます。一時的に乾燥と紫外線の影響を受けやすくなるので、いつも以上に保湿とUV対策を心がけてください。肌質によっては、一過性にニキビが出ることがあります。対策として予めニキビ用抗生剤を処方いたします。


ピコフラクショナル照射

<腫れ>ほとんど無し <赤み> 1日~数日程度  <痂疲化>ほとんど無し
ピコフラクショナル照射には、2つのハンドピースがあります。「1064nm Resolve(リゾルブ)」は、鼻周り、目周りなど、毛細血管の弱いエリアを中心に、点状の赤み(微小点状出血)が1~数日間生じます。

「532nm Fusion(フュージョン)」は、表層に衝撃波が作用するため、照射から数時間、膨疹(蕁麻疹反応)、赤みが半日~2日残ります。いずれの場合も、照射後は一時的に乾燥と紫外線の影響を受けやすくなるので、いつも以上に保湿とUV対策を心がけてください。肌質によっては、一過性にニキビが出ることがあります。対策として予めニキビ用抗生剤を処方いたします。


ピコレーザー(ピコセカンドレーザー・ピコウエイ)の持続と頻度について

ピコスポット照射
ピコレーザーは皮膚へのダメージを最小限に抑えながら、メラニン色素を微粒子レベルに砕けるので、従来機よりも「早く」「キレイに」「確実に」シミを除去できる革新的なレーザーです。多くの場合1~2回の照射でシミを除去することができます。また、複数回治療が必要な場合(ほくろ・ADM)でも短い間隔で施術が可能なので、短期間でお悩み改善が目指せます。
ピコトーニング照射
症状や肌質にもよりますが、肝斑やシミの場合、複数回の治療で徐々に目立たなくさせるため、基本的には1ヶ月間隔で3~5回程度の照射が必要です。美白目的の場合は、1回でも効果を実感できますが、回数を重ねることで色ムラを改善し全体的なトーンアップも図れます。同時に肌質改善効果も得られ、毛穴が引き締まり、肌のキメが整います。お尻を含むボディは頑固な黒ずみが多いため、まずは1ヶ月毎に3~4回施術を受けて頂くと美白・肌質改善効果がはっきりしてきます。
ピコフラクショナル照射
当院では『ピコトーニング』との同時施術ですので、1回の施術でも肌色のトーンアップ効果や毛穴の引き締まりを実感できますが、1~2ヶ月間隔で3~5回程度繰り返し施術することで、ニキビ跡の凹凸など難治性のダメージや加齢に伴う複合的なトラブルを改善し、肌全体を若返らせます。


ピコレーザー(ピコセカンドレーザー・ピコウエイ)の禁忌事項について

■ピコレーザー(ピコウェイ)の禁忌事項について
下記に該当される方は、この治療を受けられないのでご了承ください。
・光線過敏症の方
・光感受性を高める薬を内服/外用している方(薬の添付文書の副作用に「光線過敏症」と記載あり)
・激しい日焼け直後の方
・真正ケロイドの方
・てんかん発作の既往がある方
・ご希望部位に無治療の皮膚炎や感染がある方
・重症の糖尿病・膠原病の方
・治療部位に金の糸を入れている方
・金製剤を内服中もしくは過去に金製剤を内服歴のある方
また、安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
詳細はお問い合わせ下さい。

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