ヒアルロン酸注入、ヒアルロン酸注射 

ヒアルロン酸(hyaluronic acid)はグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種で、牛の硝子体(hyaloid)から見つけられ、学術的にはヒアルロナンと呼ばれます。また、ヒアルロン酸はその科学的な結合構造の特徴から、ヒアルロニダーゼによって加水分解されます。粘液性の液体で保水性が高く、生体内では皮膚、関節、硝子体、脳などに多くみられます。人体の水分維持を担い、もともとは人の身体の中に多く含まれている物質ですが、幼少期をピークに段々と失われていきます。そのため美容や健康増進の目的として、経口からサプリメントとして摂取したり、皮膚・関節への注入、化粧品保湿剤として補充されますが、真皮には届きません。

「ヒアルロン酸注入」は、美容目的の皮膚への注入療法と、関節痛の改善目的で直接関節内に注射する方法があります。美容分野における注入療法は、肌のしわや凹み、ボリュームが不足している部分に注入することで、ふくらみを持たせ、若返りをはかります。ほうれい線、ゴルゴライン、頬のこけ、目周りや口周りなどのしわ、凹みや影を改善させるほか、顎や鼻隆などの形成も可能で、その手軽さから「プチ整形」と呼ばれることもあります。またバストアップ・ヒップアップ目的でボディへ注入されることもあります。針を使った治療のため、痛みや内出血のリスクを伴いますが、痛みに関しては注入前の高機能麻酔クリームの外用や、キシロカイン液による局所・ブロック麻酔注射を施すことでかなり軽減できます。内出血に関しては、赤外線と可視光線により血管の走行が目視できる機器「スタットベイン StatVein」を用いたり、あらかじめ止血目的の内服、点滴の併用でリスクを最小限にすることが可能です。

また、特殊なロングカニューラ針(先端がとがっていない針、鈍針)を用いることで血管や神経を傷付けず、皮膚組織の損傷を最小限にし、内出血のリスクも軽減されます。ロングカニューラ針の使用は、頻度は低いものの生じた場合、組織の壊死という重篤な問題となるヒアルロン酸の血管塞栓(つまること)の予防にもなり、安全性に役立ちます。さらにヒアルロン酸注入後の持続期間は、分子量により異なりますが、通常半年~1年、長いもので2年程度で吸収され、その間にヒアルロン酸を核として周囲に自己のコラーゲン線維の新生が行われます。注入したヒアルロン酸そのものは体内に残存しないため安全性が認められており、若返り効果が高い「切らないハッピーリバースエイジング(銀座ケイスキンクリニック商標登録済み)」治療の一つと言えます。 

関連治療

・ヒアルロン酸注入(美人顔デザイン注入)

ボトックス、A型ボツリヌス製剤、ボトックス注射

ボツリヌス菌の有害毒素成分を失活化させたA型ボツリヌス製剤がボトックス注用という製剤で、美容目的で行う注射を「ボトックス注射」と呼びます。一般的にボトックス製剤といわれている商品にはいくつか種類がありますが、「ボトックス」はアラガン社が商標登録をしており、日本の厚生労働省の承認が下りているのはアラガン社の「ボトックスビスタ®」のみです。最近では化粧品として「塗るボトックス」がありますが、しわに効果があるとされるアルジルリンを使用しており、ボトックスは含まれていません。

ボトックス製剤は、もともと神経麻痺などに伴う痙攣の治療薬として古くから使用されていましたが、近年では美容目的としても皮膚に注射されるようになりました。筋弛緩作用を応用し、筋肉の収縮によってできる表情じわ(額の横じわ、眉間の縦じわ、目尻のしわ、スモーカーズライン)を伸ばす効果があります。また、笑った時に歯ぐきが見えるガミースマイルを改善するハッピースマイルボトックスや、小顔や歯ぎしりの改善目的にエラの発達した筋肉(咬筋)を小さくする、小顔ボトックス治療もあります。さらに、毛穴を引き締める作用があるため、肌のきめ・はりを整えます。注入方法によってリフトアップ効果も得られるので、ボトックスリフト治療も人気です。神経伝達物質の放出を抑制することで発汗を抑えるため、脇や手掌(てのひら)・足底などの多汗症の治療としても用いられています。また、皮膚への注射以外に鼻に点鼻することで、花粉症による鼻汁や目のかゆみに対して即時的な効果が得られます。

しわの治療でボトックス注射を行った場合、通常3日後くらいからはっきりした効果があらわれ、3~4ヶ月間持続します。効果が出現している間に、しわの原因となる筋肉が使われなくなり徐々に縮小するため、一般的に2回目以降の注射では持続期間が長くなっていきます。表情の癖を取ることで、しわの治療と予防の両方に役立ちます。ボトックス注射は注入量が比較的少なく、極細針を使用することで痛みや内出血のリスクが低い治療です。

そのため外用麻酔クリームの塗布だけで注射ができ、短時間の施術で高い効果が得られる治療法の一つです。

関連治療

ボトックス注射(表情ジワ)ボトックス注射(ガミースマイル)ボトックス注射(アーモンドアイ)

皮膚線維腫・軟線維腫  

共に良性の間葉系腫瘍です。皮膚線維腫は、線維芽細胞や膠原線維、マクロファージが真皮内で限局性に増殖した硬い腫瘍で、虫刺症などの外傷に反応して発生する場合があります。
成人の四肢に好発し、直径数㎜~2㎝程度の半球性に隆起した結節で、表皮は常色~褐色調を呈します。まれに圧痛がみられますが、通常は症状がほとんどなく、大きくなって支障が生じなければ治療しなくても問題ありません。ただし硬くて黒色調の強いものや成長の早いものは、悪性腫瘍との鑑別を要するため、皮膚科専門医の受診をおすすめします。治療は手術による切除縫合術を行います。

軟線維腫は軟性線維腫とも呼ばれ、主に30代以降の成人にみられる常色~褐色調のやわらかい腫瘍です。肥満体型の人や女性に多く、一種の加齢変化と考えられます。2~3㎜大で頚部や腋窩に多発する小さなものを「アクロコルドン」、1㎝大で体幹に単発するやや大きなものを「軟線維腫」、さらに大きくなり皮膚面から垂れ下がるようになったものを「懸垂性線維腫」と区別することもあります。また、見た目では脂漏性角化症などと区別しにくい場合もあり、総称して「スキンタッグ」と呼ばれる場合もあります。炭酸ガスレーザー手術、窒素による凍結凝固、医療用ハサミによる切除などで治療ができます。

関連治療

CO₂レーザー手術(炭酸ガスレーザー手術)

稗粒種(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ) 

皮膚の表面付近にできる直径1〜2mm以内の角質(かくしつ)が入った袋状の良性腫瘍で女性に多く見られます。

眼瞼についで、頬、額、陰部に発生し、白色の小さな粒のように見えます。原発性のものは軟毛の深部にある毛漏斗部の母斑性過誤腫(良性の増殖)と言われています。

また、続発性のものは、水疱症などの皮膚がはがれるような疾患や傷の治ったあとにできることがあります。これらの疾患により、汗を出す管や、毛穴の奥にある毛包(もうほう)という袋、皮脂をつくる腺が破壊された後、治癒する過程で表皮が袋状に増殖し生じると言われています。

稗粒腫は皮膚の浅い所にできた角質の塊ですので、その白い塊を取り出してしまえば綺麗になります。通常は、注射針やCO2レーザーを用いて小さな穴を開け、内容物を圧出することで比較的簡単に取ることができます。

小さいものなら傷は1~2日で閉じ、軽い赤みが2~4週間続きます。

関連治療

CO2レーザー

プラセンタ

プラセンタとは、胎盤(placenta)の意味です。胎盤は、哺乳類の妊娠時に子宮で形成される円盤状の組織塊で、胎児との物質交換や妊娠の維持など重要な役割を担っており、分娩時に後産として娩出(べんしゅつ)されます。

「プラセンタ」とは、胎盤そのものというよりも、胎盤から抽出した成分をエキス化した胎盤由来物質を示します。

出産後は不要になるこの胎盤ですが、実はこの中には人の成長を促進させる成分が、多く含まれている事が判明していて、美容だけではなく更年期障害や肝障害の薬としても使われています。

プラセンタには、美肌、美白、疲労回復、血行促進による冷え、肩凝り、腰痛の改善、抗アレルギー作用、免疫力強化など様々な効果があり、医薬品や化粧品、健康食品など多岐にわたる領域で利用されています。美容医療の現場では、アンチエイジングを目的としたプラセンタ注入や点滴、メソセラピー、内服などの治療があり、個人のライフスタイルに合わせた治療法が選択できます。

表皮

表皮とは、厚さが平均約0.2ミリのとても薄い膜です。皮膚の最上部表面にあり、上から角層(角質層)、 顆粒層、有棘層、基底層の4つの層から成っており、その大部分を「ケラチノサイト(角化細胞、かくかさいぼう)」と、それが変化した細胞が占めています。

表皮は外部からの異物の侵入や体の水分の蒸散を防ぐバリアとなって、内部を保護し肌を守る役割をしています。角質層(角層)は、表皮の最も外側にある層で、扁平な核のない角化細胞が重なってできています。

角質層にある天然保湿因子は水分を保持し、角質細胞間脂質は角質層から水分が失われていくのを防ぐ働きをもっており、正常状態では10~20%の水分を含んでいます。顆粒層は、扁平・紡錘形をした1〜2層の顆粒細胞からできています。

顆粒層では細胞質中にケラトヒラリン顆粒という顆粒を含み、紫外線が肌深部に浸透するのを防ぐ役割をしています。有棘層は表皮の中で最も厚い層です。有棘細胞は互いに棘のような形をした細胞間橋でつながっていて、細胞同士がしっかりと結びつき表皮の強度を保っています。これらの細胞と細胞の隙間にはリンパ液が流れており、栄養を運び老廃物の交換などを行う役割を担っています。

基底層は表皮の最下層にあり、真皮と接しています。円柱状の基底細胞が1列に並び、新しい細胞が次々に産生されています。基底細胞の間にはメラニン色素を生成するメラノサイトが点在していて、紫外線が当たることでメラニン色素が産生されます。メラノサイトが周囲の基底細胞にメラニンを分配し、私たちの肌は核を有害な紫外線から守っているのです。

関連治療

ケミカルピーリング

鼻唇溝(法令線)、ゴルゴライン、マリオネットライン 

鼻唇溝とは、小鼻の両脇から口元にかけてできるハの字形のしわのことです。人相学的な呼び名で法令線(ほうれい線)と言います。

ゴルゴラインとは、目の下から頬の真ん中を斜めに横断するラインのしわのことです。「ゴルゴ13」の主人公に深く刻まれていることから、日本で好んで呼ばれていますが、正式には「ミッドチークライン」や「インディアンライン」と呼びます。

マリオネッオラインとは、「よだれじわ」とも呼ばれ、口角の両脇から顎の横にかけて伸びる縦方向のしわのことです。これらは、骨格が影響し若い時から目立つ場合や、中年期になっても目立たない場合まで個人差がありますが、通常は加齢と共にコラーゲン線維の減少や筋肉の衰えと共に目立ってくる場合が多く、老け顔の象徴とも言われます。

熱を加えることでコラーゲン線維の増生を促すリフトアップ系照射治療が効果的であるほか、ヒアルロン酸の注射でボリュームを足したり、ショッピングスレッドリフトによるリフトアップ治療も非常に有効です。

関連治療

シワ(ヒアルロン酸注入)

皮膚線維腫・軟線維腫 

共に良性の間葉系腫瘍です。皮膚線維腫は、線維芽細胞や膠原線維、マクロファージが真皮内で限局性に増殖した硬い腫瘍で、虫刺症などの外傷に反応して発生する場合があります。

成人の四肢に好発し、直径数㎜~2㎝程度の半球性に隆起した結節で、表皮は常色~褐色調を呈します。まれに圧痛がみられますが、通常は症状がほとんどなく、大きくなって支障が生じなければ治療しなくても問題ありません。ただし硬くて黒色調の強いものや成長の早いものは、悪性腫瘍との鑑別を要するため、皮膚科専門医の受診をおすすめします。治療は手術による切除縫合術を行います。

軟線維腫は軟性線維腫とも呼ばれ、主に30代以降の成人にみられる常色~褐色調のやわらかい腫瘍です。肥満体型の人や女性に多く、一種の加齢変化と考えられます。2~3㎜大で頚部や腋窩に多発する小さなものを「アクロコルドン」、1㎝大で体幹に単発するやや大きなものを「軟線維腫」、さらに大きくなり皮膚面から垂れ下がるようになったものを「懸垂性線維腫」と区別することもあります。

また、見た目では脂漏性角化症などと区別しにくい場合もあり、総称して「スキンタッグ」と呼ばれる場合もあります。炭酸ガスレーザー手術、窒素による凍結凝固、医療用ハサミによる切除などで治療ができます。

関連治療

CO2レーザー

針脱毛・ニードル脱毛

針脱毛・ニードル脱毛とは、先の丸い5mm~10mmの細い針(ニードル)を使用した脱毛法です。レーザーでの脱毛が開発される前は針(ニードル)が主流でした。

細い針(ニードル)を毛穴の一つ一つに挿入し、微弱電気や高周波を流して熱によって毛根を破壊していきます。

針(ニードル)は金属アレルギーを防ぐため、チタンやゴールドで加工されています。現在は医療行為に当たるため、エステでの治療は違法であり、医療機関でのみ施術が可能です。かなりの痛みを伴い、時間がかかるため、ほとんど用いられなくなりました。

しかし、レーザー脱毛とは異なり、黒以外の毛(白髪やブラウン、金髪など)でも理論的には脱毛ができること、肌の色も関与しないため、日焼け後も可能であることなどがメリットです。

エステでの光脱毛や、そのスピードと安全性から、現在は医療機関でのレーザー脱毛が主流となっており、痛みの軽減が進んでいるため、全身脱毛や乳輪、外陰部などデリケートゾーンの脱毛も人気となりました。

エステでの光脱毛は厚生労働省の指導で認められていません。針(ニードル)、光、レーザー等の脱毛行為は医師の管理が必要な治療です。

関連治療

脱毛

ヒアルロン酸・ヒアルロン酸フィラー 

ヒアルロン酸とは、お肌のはりと弾力を保つコラーゲン線維やエラスチン線維によってつくられる網目状構造の隙間を埋めているムコ多糖体成分の一種で、皮膚や目、関節など、人間の体に広く存在する保湿成分です。ヒアルロン酸は保水性が高く、1グラムで6リットルもの水分を保持することができ、皮膚のはりや潤いを保つためには不可欠なものです。

しかし、コラーゲン線維と同じく赤ちゃんの頃は豊富にあったヒアルロン酸も、加齢と共に産生量が減り20歳頃から急速に減少していくため、お肌のはりや潤いが失われ、しわやたるみが目立つようになります。ヒアルロン酸フィラーとは、加齢により失われたボリュームを補うために合成された注入剤です。

しわの凹みやボリュームの減った部分にヒアルロン酸フィラーを注入すると、自己のヒアルロン酸と融合し、自然なふくらみをもたらします。個人差はありますが、ヒアルロン酸注入後半年〜1年間効果が持続します。お顔では、眉間、額の深く刻まれたしわ、ほうれい線(法令線、鼻唇溝のしわ)、マリオネットライン(よだれジワ、口角下のしわ)を改善し、若返りをはかります。また、目の下のたるみ、深い影、ゴルゴ線の改善にも効果的です。鼻根部や唇にヒアルロン酸を注入して、顔の印象をほんの少し魅力的に変えることも出来ます。ボディでは、バストやヒップのボリュームアップで魅力的なボディメイクが可能です。最近の報告では、注入したヒアルロン酸フィラーの周りに自己のコラーゲンが新生することが確認され、くり返しヒアルロン酸注入を行っている方が若々しいことが科学的にも証明されています。

銀座ケイスキンクリニックでは、美の黄金比を目指した、ナチュラルでバランスのとれたお顔立ちにするヒアルロン酸の注入方法を取り入れています。ヒアルロン酸注入は、しわや影、凹みを線で消すのではなく、骨格を考慮し、面で消す時代を迎えました。美術と医術を融合させた「美医術アーティスティックメニュー」として、若々しく魅力的なフェイスラインを作ります。内出血や腫れなど、ダウンタイムが出やすい患者様に関しては、尖端の丸いロングカニューラ針、ナノニードル(極細針)の使用、刺入時に血管の走行を確認するStatVein(スタットべイン)の使用により、ダウンタイムを最小限にする努力を行っております。

注入にはインジェクションシステムを用いることで、 電動で一定圧、一定量で注入出来るので、細く長いカニューラ針でもスムーズに注入することが出来ます。患者様にとっては、注入時の痛みの軽減と施術後の違和感や内出血がほとんど生じないというメリットがあります。

関連治療

下顎補正 デザイン注入 唇形成 くま・しわ(ヒアルロン酸注入)

ポリフェノール/リコピン

ポリフェノールは、糖分の一部が変化した植物の苦みや渋み、色素の成分となる化合物の総称で、活性酵素を分解する抗酸化能力に優れた水溶性の物質として注目されており、自然界に5000種類以上存在します。

ポリフェノール同様、活性酵素を分解する強い抗酸化能力を持つリコピンは、カロテノイドの一種で、脂溶性の赤色の色素です。活性酸素が増加すると、細胞のDNAが傷つき、肌が酸化し、シミ・しわ・肌荒れ・くすみなどの原因となります。強い抗酸化力を持つポリフェノールやリコピンを積極的に摂取することで、活性酸素を除去し、透明感のある健康的な肌を保つことができます。

また、ポリフェノール、リコピン共に抗酸化作用のほか、生活習慣病の予防・改善効果、脂肪燃焼を促進する効果、血流を改善し血栓を予防する効果など、さまざまな健康効果があり、どちらも積極的に摂取したい栄養素です。ポリフェノールが豊富に含まれているものの有名なものに赤ワインがあります。

タンニン、カテキン、ケルセチン、シンプルフェノール、アントシアニン、フラボノールなどの多くのポリフェノールが含まれています。赤ワインのほかには、バナナ、マンゴー、ブルーベリー、春菊にポリフェノールが多く含まれています。リコピンが豊富に含まれるものは、トマトが有名ですが、トマト以外にもスイカ,ピンクグレープフルーツなどがあります。

ポラリス

ポラリスは、たるみ治療に利用されていたダイオードレーザーと、高周波(RF:ラジオ波)を組み合わせた機器で、表層を冷却しながら効率よく真皮層に熱を加え、皮膚の若返りを図ります。

しわ・たるみ、そして毛穴が大きく開いていくのは、皮膚のたるみが大きな原因です。皮膚のたるみは、表皮の下にある真皮層のコラーゲン線維の劣化と減少、配列の乱れによって弾力がなくなり、重力に逆らえずに垂れ下がった結果として起こります。
ポラリスは光エネルギーであるダイオードレーザーと電気的エネルギーであるRF(高周波)のダブル作用により、真皮層に効率よくエネルギーが浸透し、線維芽細胞を刺激してコラーゲン線維の生成を促進させるため、お肌全体にハリと弾力が戻ります。また、真皮内のコラーゲン線維に熱を加えて収縮させるため、即時的なリフトアップ、タイトニング効果により、同時に毛穴の引き締めや肌のキメを整えるといった相乗効果も期待できます。

冷却システムにより表層は5℃で保護されているため、皮膚の表面を傷つけない治療法で、高いエネルギー照射にもかかわらずダウンタイムはありません。効果を術後すぐに実感できる即効性、施術時の痛みが少ない点がポラリスの特徴です。ポラリスと同様に電気的エネルギーを皮膚の深部に与えてたるみを解消する治療には「スマスアップ」、「スカーレットRF」、「サーマクールCPT」などがあります。

(詳しくは「スマスアップ」「スカーレットRF「サーマクール」の項目参照)

関連治療

スマスアップ(SMAS-UP)

プロペシア

プロペシアとは、男性型脱毛症(AGA)の進行を抑制するための経口薬、飲む育毛剤です。一般名ではフィナステリドと呼ばれています。本来は前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発された医薬品ですが、副作用として発毛をみたことから発毛剤として用途が広がりました。

すでに米食品医薬品局(FDA)では「飲む育毛剤」として認可されている医薬品で、日本でも2005年に厚生労働省の認可が下りました。男性型脱毛症は、男性ホルモンのテストステロンが5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変わり、このジヒドロテストステロンが、毛母細胞の働きを抑えるたんぱく質を作ることによっておこります。

プロペシアの薬用成分であるフィナステリドは、5αリダクターゼタイプⅡの働きを抑え、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを防ぐことによって、頭髪の脱毛と軟毛化、ミニチュア化を防ぐ働きがあります。プロペシアは医療用医薬品で、購入には医師の診断、処方が必要です。治療費は保険の対象とはならず、全額自己負担となります。プロペシアの服用は成人男性が対象となっており、女性は服用できません。

銀座ケイスキンクリニックでは、内服薬での治療の他に、薄毛の気になる頭皮にダーマローラーもしくはスカーレットRF(スカーレットS)にて細かい穴をあけ、育毛・発毛作用のある薬液(ダーマヒールやフィナステリド・ミノキシジル)を導入していく頭皮育毛メソセラピー療法や、ダーマシャイン®(自動式メソセラピー注入機)を使用し薄毛の気になる部分に育毛・発毛効果のある薬液を直接注入していく『育毛水光プラス』という治療方法もあり、確実な効果が得られる治療です。

関連治療

育毛・発毛治療

フラクセル

波長1,550nmのエルビウム・グラス・ファイバー・レーザーで、面ではなく極小のドット(点状)にレーザーを照射する、第一世代のフラクショナルレーザーです。ドットの直径は約0.08ミリメートル、1平方センチメートルあたり125ショットまたは250ショットのレーザー光が出ます。レーザーを照射し真皮をドット(点状)に熱凝固させることでコラーゲン線維に変性が起こります。通常8パスを行うので1平方センチメートルあたり1,000~2,000個の熱凝固点ができ、熱損傷(ダメージ)を受けた皮膚が創傷治癒の過程でコラーゲン線維を作り出し、結果的に皮膚の入れ替えを行います。ドットの一つ一つはマイクロ単位の小さなダメージなので、すぐに再生し始めます。熱によるダメージを受けた組織は排出され、新しい皮膚の新生を促進することで皮膚の入れ替え(スキンリプレイスメント)ができる仕組みです。皮膚を蒸散(穴を開ける)・熱凝固させるアブレイティブ・フラクショナルレーザーと異なり、フラクセルは皮膚を蒸散する事なく熱凝固のみを利用したノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーです。

CO2レーザーの様な皮膚全体を面で剥離して再生する治療は1回で広範囲を入れ替えする事が出来ますが、表皮全体を剥離する為に長期のダウンタイムや感染、色素沈着などの副作用が起こります。それに対し、フラクセルの様な点での治療は、周囲に正常組織を残すため副作用が少ないという利点があります。また、蒸散しないノンアブレイティブ治療のため、バリア機能をもつ表皮・角質層を完全に温存して真皮を熱凝固するので、感染などのリスクを回避し、アブレイティブなタイプに比べて2、3日の赤みや1週間程度のざらつき等のミニマム・ダウンタイムで治療が可能です。1回の治療により12~20%の皮膚の入れ替えを行うことができます。

ハンドピースの先端がローラー状になっており、転がしながらレーザーを照射します。照射密度と強度を変えることが出来、たるみやシミ、ニキビ跡など肌トラブルに合わせた照射設定が可能です。その後、同じ1550nmの波長ながらレーザーの深達度を可変でき(最深深達度は30%増)、ヒートショックゾーン(レーザーによる熱ダメージを受ける領域)を少なくしたフラクセル2や、1550nmの波長と同時に、表皮へ作用する1927nmの波長を照射する事が可能になったフラクセル3、その他フラクセル・リペアやフラクセル・リファインなど、進化を遂げています。

銀座ケイスキンクリニックが導入しているのは、CO2レーザーで定評のあるレザック社製の国産機種【ユニクセル】という、アブレイティブタイプのCO2フラクショナルレーザーです。CO2レーザーは組織の水分に反応し、蒸散(アブレーション(皮膚を削る))と凝固を同時にできる波長10,640㎚のレーザーです。このCO2レーザーを利用したCO2フラクショナルレーザーは、熱凝固のみを行うノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーに対し、ドット状に皮膚をアブレーションし肌の入れ替えを行う事と、熱凝固による止血作用およびコラーゲン線維の生成効果を得る事の両方ができるため、より肌質改善やたるみのタイトニングに効果的です。

関連治療

CO2フラクショナルレーザー

フォトRF(オーロラ)

PL(パルスライト=光エネルギー)と高周波(RF)を同時に照射する治療機器。フォト(フォトセラピー)は肌に照射すると、シミの原因になるメラニンや赤ら顔の原因である毛細血管のヘモグロビンに吸収され、光のエネルギーを熱に変えて細胞を活性化し、肌の再生を促進させます。

そのため美白効果がありシミ・くすみの改善、血管拡張による赤みや、炎症性ニキビを改善します。高周波(RF)は皮膚の深部に熱を加え、線維芽細胞を増やし、コラーゲン線維やエラスチン線維の生成を促進するため、肌のはりが高まり、たるみや小じわ治療にも用いられています。

フォトフェイシャルはシミ、にきびなどの治療が中心でしたが、「フォトRF」は高周波のエネルギーを表皮から真皮浅層に伝えることで、同時に肌のはりにも効果が期待できます。しかし「フォトRF」に用いる高周波は2電極(バイポーラ)であり、たるみに有効とされる真皮中層には届きません。たるみ目的の高周波治療器としては、1電極(モノポーラ)のサーマクールや3電極(トリポーラ)のスマスアップ(SMAS-up)治療が挙げられます。

関連治療

スマスアップ(SMAS-up)

ビタミンP(フラボノイド化合物、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチン)

ビタミンPはビタミンに近い働きをするビタミン様物質で、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチンの総称です。

また、フラボノイド化合物、バイオフラボノイドと呼ばれることがあります。みかん由来のポリフェノールで、特に柑橘類に多く(その中でもスジの部分は実の300倍含有)、ほかにタマネギ、そばをはじめ様々な植物に含まれ、黄色い色素として古くから染料としても用いられています。

また、壊れやすいビタミンCを安定させて、優れた抗酸化作用の発揮を助けるほか、毛細血管の血管壁を緻密にする働きがあります。そのため栄養素や酸素が血管に出入りする機能(透過性)を適度に調整し、細菌が侵入しやすい状態や出血を予防する効果があります。
血管の収縮をコントロールする酸化窒素が活性酸素と結合して動けなくなると、血管が収縮したままになり、血圧が上昇する原因のひとつになりますが、ビタミンPはビタミンCと共に活性酸素を除去する働きがあり、高血圧予防に効果的です。

また、中性脂肪の増加は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増加させて動脈硬化を起こしますが、ビタミンPには中性脂肪を減らす効果があるため、脳出血などの出血性疾患を予防する作用も期待できます。

ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンの一つで、体内で発生する活性酸素から、体を守り老化を防ぎます。また、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすことでコレステロールを減少させるなど生活習慣病の予防にも効果があり、「サビ止めのビタミン」「若返りのビタミン」とも言われています。

ビタミンEは高い活性酸素除去力(抗酸化力)により、シミ、くすみ、そばかすを出来にくくする効果があります。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることにより、相乗効果で強い抗酸化作用を発揮します。

ビタミンCだけでなくビタミンEもしっかり摂ると血行が改善され肌の代謝が整うことで、メラニン色素を多く含んだ古い角質がスムースに脱落し、シミのない肌を得られます。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や、植物油に豊富に含まれています。その他には、うなぎ、たらこをはじめとした魚介類、かぼちゃ、アボカドなどにも多く含まれています。油と一緒に調理をすることでより吸収率が高まりますが、加熱や劣化でビタミンEが減少するため、新しい油を使うことが大切です。

また、ビタミンはEに溶ける脂溶性ビタミンのため、水洗いなどで失われる心配はありません。脂溶性ビタミンの場合、過剰症が気になるところですが、ビタミンEは体内で吸収量がコントロールされるため、とり過ぎになる心配は少なく、積極的にとりたい栄養素のひとつです。

ビタミンC

ビタミンCは、体を構成する重要なタンパク質の一つであるコラーゲン線維を合成する時に必要な補酵素として働きます。

コラーゲン線維は細胞と細胞をつなぐ接着剤のような働きをしており、肌に弾力やハリをもたらす美肌作りには必要不可欠な成分です。
また、ビタミンCは、抗酸化ビタミンとも呼ばれ、その強い抗酸化力により活性酸素の働きを抑え細胞や組織を守り老化を防止します。

さらに皮膚は、紫外線の刺激を受けると、アミノ酸のひとつであるチロシンがチロシナーゼという酵素の働きによってメラニンという黒い色素に変わります。シミ・そばかすは、このメラニンが沈着することによって起こりますが、ビタミンCは、チロシナーゼの働きを阻害することで、シミを防ぎ、透明感のある肌を維持する効果があるため美白剤として広く用いられています。

さらに、ビタミンCはリンパ球を活性化し、免疫力を高めることで、細菌やウイルスの働きを弱めるため、風邪の予防や治療にも有効です。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていますが、熱には弱く、水に溶けやすい性質があるため、生野菜を食べたり、加熱が必要な場合には煮汁ごと食べられるようにすると効率よく摂取できます。

ビタミンCが不足すると粘膜・血管壁、皮膚の弾力低下、骨や歯が弱くなる、免疫力低下などの症状が出やすくなります。ストレス時には特に多く消費されるので十分な補給が必要です。水溶性のため過剰症の心配もないため、ストレス社会に生きる私たちは積極的に摂りたいビタミンです。銀座ケイスキンクリニックでは、このようなビタミンCの有効性を効率よく発揮する高濃度ビタミンC点滴療法をお受け頂けます。

様々な美肌効果やアンチエイジング効果、疲労回復効果や免疫力アップにも役立つ月に1度のサビ止め点滴が賢い女性の常識となってきています。

関連治療

高濃度ビタミンC点滴

ビタミンB6

ビタミンB6には、ピリドキシン、ピリドキサ-ル、 およびピリドキサミンがあり、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。

1934年にドイツの研究者ジエルジーによって、ビタミンB欠乏食で飼育したラットに起こる皮膚炎を予防する物質として発見されました。

肉や魚、卵などのタンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、吸収されたのち人間の体に必要なたんぱく質に再合成されます。ビタミンB6はこのたんぱく質の分解(代謝)や結合に関わる酵素の働きを助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。また、たんぱく質の一種である神経伝達物質や病原菌と闘う抗体などの合成にも関わっています。

さらに、ビタミンB6は、脂質を効率よく分解させることで、過剰な皮脂が一つの原因である脂漏性皮膚炎やニキビを改善します。脂肪やたんぱく質を分解してエネルギーに変えてくれるので、体に余分な脂肪もつき難くなります。
その他、妊娠期のつわりにも効果があることが分かっています。アミノ酸の代謝障害によって増える、キサンツレン酸がつわりの原因と言われていますが、アミノ酸の代謝を正常にするビタミンB6を積極的に摂ることでつわりの症状が緩和されます。

他にもホルモンバランスの崩れが原因である月経前のイライラや吐き気、頭痛などの症状を抑えるなど、女性にはうれしい栄養素です。ビタミンB6が欠乏すると、様々な代謝異常が起こり、特にお肌や粘膜にトラブルが起きやすくなります。ビタミンB6は魚(まぐろ、かつお)や肉(レバー、ささみ)等の動物性の食品に豊富に含まれるほか、にんにく、ピスタチオ、豆類や穀物にも多く含まれています。

水溶性のため過剰症の心配もないビタミンB6をサプリメントなども利用して積極的に摂り入れてみてください。 

関連治療

院内処方薬・内服

ビタミンB2

ビタミンB2 は、ラクトフラビンとも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。美容ビタミンといわれる程、美容と関係が深く、健康的なお肌を作るのに欠かせない栄養素です。

皮膚や各器官の粘膜を正常に保ち健康な肌や髪、爪を作り成長を促します。生体内においてはエネルギー源(糖質・脂質・たんぱく質)の代謝に補酵素として関与し、特に脂質の代謝に深く関わるためダイエットの際にも欠かせない栄養素です。

また、老化を促進させる過酸化脂質の分解を促進し、生活習慣病の予防・改善に役立ちます。ビタミンB2が不足すると、脂質の代謝が滞り、皮膚の場合は、脂性肌、ニキビ、脂漏性皮膚炎などの症状が現れ、舌炎や口唇炎、口角炎など粘膜のトラブルも生じやすくなります。また、結膜炎、目の充血、眼精疲労などの眼症状が現れます。過度な運動などエネルギーをたくさん使ったときや、夜更かしや飲酒、ストレス、日焼けしたときは普段よりも多量に消費されるため、注意が必要です。

ビタミンB2は、腸内細菌によって体内でも合成されますが、水溶性のため体内に蓄積しておくことができませんので、毎日摂取することが大切です。主に動物性の食品(レバーやうなぎに多い)に多く含まれますが、植物性食品の納豆にも多く含まれています。これは、納豆菌がビタミンB2を作り出しているからです。また、牛乳や乳製品、卵も効率の良い摂取源です。

美容のビタミンといわれるビタミンB2は、よくお酒を飲む方やストレスの多い生活をしている人はサプリメントなどを利用して積極的に摂り入れるようにしましょう。

関連治療

院内処方薬・内服

ビタミンA・レチノール・レチナール・レチノイン酸・プロビタミンA

ビタミンA(レチノール)とは、脂溶性ビタミンの一つで、肝油や卵黄、バターなどの動物性食品に多く含まれています。体内ではレチノール・レチナール・レチノイン酸といった3種の活性型で作用しています。

また、プロビタミンAというビタミンAの前駆体があり、プロビタミンAは主に緑黄色野菜に含まれ、赤や黄色の色素であるカロテノイドがよく知られています。 この植物中のカロテノイドは、体内でビタミンAに置き換わります。

ビタミンAは「目のビタミン」とも言われ、視力を保ちドライアイを改善するなど目の健康に深く関わっています。その他、皮膚や粘膜を正常に保ち、成長や細胞の分化に関与し、これにより免疫力を保つことが出来るため、不足すると皮膚や粘膜の乾燥・口内炎・夜盲症・成長障害などを引き起こす恐れがあります 。また、強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の発生を抑え取り除くため、体の酸化を防止する作用もあります。

レチノールは油脂に溶けやすく、光や酸素、熱、酸によって壊れやすい性質がありますが、代表的なプロビタミンAであるβ-カロテンは、熱や酸には比較的強い性質があります。食材では特にレバーやうなぎ、緑黄色野菜(かぼちゃ、春菊、ほうれん草、にんじんなど) に多く含まれており、食事から摂取する際は様々な食材をバランスよく摂る事で、より効率良くビタミンAを体内に補う事が出来ます。

銀座ケイスキンクリニックではビタミンAの一つである、レチノイン酸の外用治療を行っております。従来のレチノイン酸の反応(紅斑や鱗屑など)を格段に軽減した、トレチノインナノエッグを導入しており、日光性色素斑、肝斑、そばかす(雀卵斑)などのシミやニキビ治療、小じわの改善にとても高い効果があります。

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院内調合オリジナル化粧品

パントガール

パントガールは、女性の薄毛や抜け毛を改善し、発毛を促す内服薬として世界で初めて効果と安全性が認められた薄毛治療薬(医薬品)です。

ドイツで開発され、びまん性脱毛症や毛髪構造退行性変化に対して非常に有効な治療薬です。これまで、薄毛治療の内服薬は、男性対象の製品(プロペシア・ミノキシジルタブレット等)しかなく、女性の薄毛治療薬としては外用薬や頭皮への注入法しか選択肢がありませんでした。

パントガールは、細胞代謝を通して堅固で弾力性に富む毛髪構築に必要なアミノ酸、たんぱく質、ビタミンB群などを特別に組み合わせた栄養成分を含み、健康な毛髪成長を刺激し、女性の脱毛症の減少、健全な発毛促進、髪質や抵抗力の改善に効果的に働きます。これまで副作用の報告も無く、安全性が高い薬のため、継続的・長期的にご使用いただけます。

銀座ケイスキンクリニックでは、内服薬での治療の他に、ホームケアとして薄毛の気になる部分に直接塗布する抜け毛抑制剤の『パントスチン』の併用治療をおすすめしています。
パントスチンの有効成分アルファトラジオールは、5αリダクターゼの活動を阻害し、脱毛因子ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制するため、遺伝性脱毛と加齢による抜け毛・薄毛を改善します。

また、薄毛の気になる頭皮にダーマローラーもしくはスカーレットRF(スカーレットS)にて細かい穴をあけ、育毛・発毛作用のある薬液(ダーマヒールやミノキシジル)を導入していく頭皮療法や、『育毛水光プラス』というダーマシャイン®(自動式メソセラピー注入機)を使用し薄毛の気になる部分に育毛・発毛効果のある薬液を直接注入していく治療方法もあり、確実な効果が得られる治療です。

関連治療

育毛、発毛


ハイドロキノン

「お肌の漂白剤」とも言われる程、美白効果の強い成分です。その効果は他の美白成分であるアルブチンやコウジ酸の100倍とも言われています。日本では2001年の薬事法改正まで皮膚科の医師だけが取り扱っていましたが、薬事法の改正により一般の化粧品への配合が認められるようになりました。

ハイドロキノンの美白効果は5%程度で発揮されますが、厚生省に認可されている化粧品類はハイドロキノンの濃度が2%程度に抑えられており、2%以上の濃度のものが欲しい場合は医師の処方が必要になります。

ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素を合成するチロシナーゼの活性阻害作用とメラノサイトに対する細胞毒性により強い美白効果を発揮し、お肌にあるシミを薄くするだけでなく、これから出来るシミも予防する効果があります。

その他、肝斑や雀卵斑、炎症後の色素沈着にも有効です。ただし、ハイドロキノンのみでは皮膚への浸透率が低いため、ビタミンAの一種であるトレチノインナノエッグ(レチノイン酸)の併用や、定期的なピーリングを行うことで浸透率がアップし、より効果が期待できます。

関連治療

院内調合オリジナル化粧品

フェイスリフト

フェイスリフトとは、加齢により皮膚の柔軟性や筋肉の張りが弱まり、しわやたるみが増える変化を修正し、若かった頃のフェイスラインを取り戻す手術です。

フェイスリフトにはさまざまな種類があり、手術の範囲や切開位置は執刀医により異なります。一般的な手術は、髪の生え際や耳の周りなどの傷が目立たないところを切開し、緩んだ皮膚や筋肉、筋腱膜(SMAS筋層)を一緒に引っ張り上げて固定します。
もともと、顔の皮膚は、顔の靭帯であるリガメントという強固な線維組織により固定されています。リガメント(靭帯)とは、顔の皮膚を骨に固定している線維組織で、耳下腺の前縁と咬筋の前縁、頬骨の前方外側の限られた部分にあります。

リガメントのある部分は、リガメントが骨に皮膚を強く固定しているためたるみにくく、リガメントのない部分の皮膚は土台となる組織との癒着が弱く、垂れ下がりやすくなります。リガメントを切断し、顔の皮膚や筋膜(SMAS)を引き上げて行うフェイスリフトをリガメント法といい、リガメントを引き上げた後、リガメントをアンカーとして皮膚、筋膜(SMAS)を固定する方法です。

このとき、皮膚の土台となっている筋肉や筋膜(SMAS)まで引き上げ、余った皮膚を切除して縫い合わせます。フェイスリフトの手術は非常に効果が高いですが、術後のダウンタイムや、瘢痕形成、顔面神経麻痺など合併症のリスクもあり、手術を検討する際に不安も生まれてしまいます。

そのため最近では、切らないリフトアップ治療が注目されおり、スマスアップやショッピングスレッドリフトはその中でも代表的な治療の一つです。スマスアップは、今までメスなしにケア出来なかったSMAS筋を刺激し、痛みなく安全かつ効果的なリフトアップ照射器です。更に、高周波(RF)による皮膚深部の加熱によりコラーゲン線維が再生成され、はりのある美肌へと導きます。局所電気刺激(DMA)を同時に用いて、筋肉を最大限に活性化させ、基礎代謝をアップします。

ショッピングスレッドリフトは髪の毛よりも細い極細吸収糸が装着された特殊な針を皮下に挿入し、糸のみを皮下に残します。吸収性の糸は少しずつ吸収される過程で、結果的に糸の形状でコラーゲン線維に置き換わっていきます。挿入した糸が溶けてなくなるまで皮下組織に刺激を与え続け長期的なコラーゲン線維生成によるたるみ、はり、肌質改善も期待できます。

関連治療

スマスアップ ショッピングスレッドリフト

扁平母斑

扁平母斑とは、皮膚にできる茶色のあざです。ホクロのように皮膚から盛り上がることがないあざのため、扁平母斑と呼ばれています。出生時~生後まもなく生じる0.2~20cmほどの境界明瞭で均一な色調の色素斑で、ミルクコーヒーに似た色をしていることから、カフェオレ斑とも呼ばれます。

単発のものは10~20%の人に存在しますが、径1.5cm以上のものが6個以上あれば、フォン・レックリングハウゼン病を疑います。
日本では主に、この単発のカフェオレ斑を扁平母斑と呼んでいますが、淡い褐色斑内に、濃い褐色斑が点状に存在するものもあり、欧米では主にこのタイプを扁平母斑と呼んでいます。

それとは別に、思春期前後に生じる遅発性扁平母斑はベッカー母斑とも呼ばれ、辺縁がギザギザの大きな(平均125㎠程度)褐色斑で、表面はいぼの様にぼこぼこしていて、約半数に多毛を伴っています。特に男子の前胸部、肩部、背部に好発しますが、腹部や四肢に生じることもあります。

色調の淡い扁平母斑であれば、カバーマークなどの専用のメイク用品でカバーすることができます。過去には、ドライアイスや液体窒素による皮膚凍結療法、削皮術、手術切除などの治療が行われていましたが、炎症後色素沈着や瘢痕などのリスクもあり、現在ではQスイッチ付レーザーが主流です。

また、組織学的には表皮基底層のメラニン沈着が主体であることから、トレチノイン(トレチノインナノエッグ)と美白剤(ハイドロキノンクリーム)の外用療法も有効で、とくに顔面にある扁平母斑には良く反応しますが、長期的にはほぼ再発してしまうため、再発予防に活性の高いメラノサイトを減らす目的で、Qスイッチ付ルビーレーザーを使用します。また、多毛を伴うものには脱毛用レーザー(『ジェントルレーズ(ロングパルスアレキサンドライトレーザー)』など)の併用も試みられています。それでも、一部の症例には有効ですが、更に色調が濃くなるケースや毛孔部からの再発が見られるケースも多く、満足のいく結果が得られるものが少ないというのが現状です。

関連治療

ジェントルレーズ 院内化粧品 トレチノインナノエッグ(レチノイン酸)、ハイドロキノンクリーム