口唇ヘルペス、単純疱疹、単純ヘルペスウイルス感染症

口唇ヘルペスは、口周りに痛みを伴う紅斑と小水疱が出現する皮膚病で、単純ヘルペスウイルスが原因で起こります。はじめ口唇や口の周りなどの一部が赤くなり、しばらくするとその上に小さな水ぶくれができます。患部には軽いかゆみやほてり、痛みなどを感じます。普通は、水ぶくれがかさぶたとなって、10日~2週間くらいで治ります。また、同じヘルペスウイルスが原因で、口内炎の症状が出る場合もあります。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、直接的な接触のほかにウイルスがついたタオルやグラスなどを介しても感染します。したがって親子、夫婦など親密な間柄で感染することが多いのです。このウイルスの特徴は最初に感染(初感染)して免疫を獲得して(抗体ができても)再感染や再発を繰り返します。大人にみられる口唇ヘルペスのほとんどが再発型で、年に1~2回の再発が多いようです。風邪で熱が出た後にみられるので"風邪の華"とも呼ばれる口唇ヘルペス。他にも疲労、紫外線、月経前、外傷、ストレス、時差、抗がん剤・免疫抑制剤などで免疫機能が低下することも再発の誘因となります。

症状が出ている時期はウイルスを大量に排出しています。以前にヘルペスにかかったことがなくヘルペスウイルスに免疫がない人や、免疫があっても抵抗力が落ちている人は、この時期の患者に接触すると、ヘルペスに感染する率が高くなります。感染した場合、接触した日から3~7日目に発症します。口唇ヘルペスの大人が乳幼児にキスすることによって乳幼児にヘルペス性歯肉口内炎や口唇ヘルペスが発症することがあります。また、自分自身の患部に触れて他の部位に感染する場合もあり、患部に指で触れた場合、きちんと手洗いをしなければ、数時間は感染する可能性があります。なお、アトピー性皮膚炎の人では皮膚のバリア機能が低下しているので、皮膚から感染して皮膚の広範囲にひどい症状が出ること(カポジ水痘様発疹症)があり、注意が必要です。ヘルペスの症状が出ているときは、マスクをする、患部に触らないようにする、タオルや食器を共有しないなどの感染を広げない工夫が必要です。

単純ヘルペスウイルスには1型と2型の2つのタイプがあります。
1型は口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、カポジ水痘様発疹症、
性器ヘルペス、ヘルペス性脳炎などを、2型は性器ヘルペス、臀部ヘルペス、ヘルペス性髄膜炎を引き起こします。1型は上半身、2型は性器を中心とする下半身というのが基本ですが、オーラルセックスなどが原因で、1型も性器ヘルペスの原因となります。

以前はほとんどの人が、乳幼児期に周囲の人々との接触により1型に感染して抗体を持っていましたが、衛生状態の改善や核家族化などの影響で、最近では20~30代でも半数ぐらいの人しか抗体を持っていません。乳幼児期の初感染は症状がないか、あっても軽いのに対し、大人の初感染は症状が重くなりがちです。なお1型に対する抗体を持っていると、1型だけでなく2型にも感染しにくく、発症しても軽症です。
口唇ヘルペスの治療には、ウイルスが増えるのを抑える働きがある「抗ヘルペスウイルス薬」を使用します。口唇ヘルペスの治療に用いられる抗ヘルペスウイルス薬には、飲み薬(錠剤または顆粒)、塗り薬(軟膏またはクリーム)があり、症状のある部位や程度等により使い分けます。神経節に潜伏するヘルペスウイルスまでは完全に退治することはできませんが、適切な処置をするのが早ければ早いほど、症状はそれだけ軽くすみますし、回復も早くなります。再発を繰り返す方、旅行に出かける予定がある方などは内服薬を2~3日分持ち歩いておくことをお勧めします。

陥入爪(ingrown nail)、巻き爪

爪を短く切りすぎると、爪の端の部分がトゲ状に皮膚に食い込むことがあり、これを「陥入爪」と呼びます。足の親指に多く、足に合わない靴を履く・つま先をぶつける・つま先に力がかかる・深爪・体重増加などが原因になります。初めは痛みを感じる程度ですが、進行すると、さらに深く爪が食い込み、赤く腫れあがったり、二次感染を起こして膿をもったり、化膿性の肉芽腫を併発したりすることもあるので注意が必要です。

緊急的な処置としては、食い込んだ爪を部分的に切除し、機械的な刺激を避け、炎症症状があれば抗生剤を内服いただきます。セルフケアとしては、深爪にならないように気をつけて爪を伸ばしていただき、爪の長さは指の先端より少し出るくらいとし、スクエアシェイプに整えることがポイントです。伸ばしている途中で痛みが出てくるようであれば、アクリル樹脂のつけ爪をつけるという選択肢もあります。爪にかぶさっている皮膚を外側に引っ張るようにテーピング固定することも効果的で、このように対処をしながら頑張って伸ばしていただきます。

両端がくるっと巻き込んでいる「巻き爪」タイプの場合には、爪の両端に形状記憶ワイヤー(超弾性ワイヤー)を通したり、形状記憶合金プレートを固定したりして巻き爪を矯正することが可能です。根治術として、巻き込んでしまう部分や食い込んでしまう部分を端から数mm程度切り取り、爪の根元を処置して爪が生えないようにする方法「フェノール法」もありますが、爪の幅が細くなることと、再発する可能性も高いことから最近ではあまり行われなくなっています。

銀座ケイスキンクリニックでは直線記憶の超弾性ワイヤーを通して巻き爪を治す「ワイヤー法」を行っています。麻酔不要、短時間処理、2~3日で効果が実感できることから人気の方法です。
ワイヤーを通す幅が必要なため、爪の先端の白い部分を5mm以上伸ばしていただく必要があります。挿入したワイヤーは医療用アロンアルファで固定します。爪が薄過ぎる、厚すぎる、脆い場合はワイヤーが固定できないこともあるのでご了承ください。治療後は、ワイヤーの弾性で食い込みが改善します。1~2か月で爪が伸びるたら、ワイヤーごと爪をカットします。改善していない場合は、もう一度同じ処置をすることがあります。


関連治療


陥入爪(巻き爪)超弾性ワイヤー

基底細胞癌(basal cell carcinoma)、基底細胞上皮腫(basal cell epithelioma)、基底細胞腫(basalioma)

色素性母斑(ほくろ)に似ている腫瘍の中に、「基底細胞癌」と呼ばれる皮膚の悪性腫瘍があります。80%以上がお顔にみられ、その中でも特に鼻周りなど、顔の中央に多く、紫外線の関与が推測されています。上皮系細胞のもとになる細胞が異常増殖したものと考えられており、組織学的には表皮の基底細胞に似た細胞が、胞巣(かたまり)を作りながら増殖しています。日本人(有色人種)の場合、腫瘍細胞がメラニン色素を産生し、黒色調のものがほとんどであり、色素性母斑(ほくろ)との鑑別が必要になります。逆に白人ではメラニン色素を作らないので、皮膚と同じ色か、血管拡張を伴って少しピンク色であり見逃されやすいので、皮膚科医は常に基底細胞癌も念頭に置いて診察に当たっています。

この腫瘍は放置すると潰瘍化したり、局所で無制限に増殖して骨まで深く入りこんだりすることもありますが、癌という名前にそぐわず、滅多に転移することはありません。そのような背景をふまえ、「基底細胞腫(上皮腫)」と呼ぶ人も少なくありません。腫瘍からある程度の安全域を含めて完全にメスで切除し、組織学的に取りきれていることを確認できれば予後の良い疾患です。
銀座ケイスキンクリニックでは皮膚科専門医が特殊な拡大鏡である「ダーモスコピー」を使用してきちんと基底細胞癌を除外した上で、ホクロと診断したものだけを炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で除去しています。

関連治療

CO2レーザー手術(炭酸ガスレーザー手術)

緑色爪・グリーンネイル

緑色爪は、爪甲が緑色に染まっている状態で原因は、細菌の一種である緑膿菌の感染によるものです。緑膿菌性急性爪囲炎に伴う場合と、変性した爪に緑膿菌が増殖して着色する場合があります。緑膿菌は腸内細菌の一つで、湿った環境を好む色素産生菌で、水回りに常在しています。爪甲剥離症(爪と皮膚の間に隙間が出来る)などがあると、爪甲の下に侵入し、繁殖することがあります。爪甲が緑色~褐色調を示すようになりますが、自覚症状はありません。白癬菌やカンジタなどの真菌症(カビ)との合併例もあるため、念のため顕微鏡検査で確認します。

治療方法としては、浮き上がっている爪甲を出来るだけ爪切りやメスで取り除いて、患部を乾燥させ、抗菌薬の外用を行います。真菌症の合併があれば、抗真菌薬の内服や外用薬を併用します。近年、多発しているのは爪甲の上に付け爪(スカルプチュア・ネイルやジェル・ネイル)をしたことが原因で発症するグリーンネイルです。ジェルネイルは紫外線による「光重合」を応用して硬化させます。ジェルは硬化するとわずかに縮み、爪のカーブが広がります。ところが新しく伸びた爪は変形していないので、付け爪が自爪から浮いてくるのです。
付け爪と自身の爪甲との間にできた隙間に湿潤した環境ができると緑膿菌感染を生じて変色することになります。まず付け爪を取り除いて患部の乾燥化を計り、自身の爪甲表面が変色していればヤスリで変色部分をけずります。そして、抗菌薬の外用剤を1日2~3回塗布します。付け爪はネイルサロンで外してもらってから皮膚科を受診しましょう。

高周波RF(ラジオ波)

高周波RF(ラジオ波)とは波動や振動電流の周波数が高い電流のことで、3MHzを超えるものが分類されます。

波は電磁波(光)の一種で、電気工学分野では、無線通信用に利用される電波(10kHz〜100GHz)を指しますが、医学分野で利用されている波は、300kHz〜6MHzの高周波のことを言います。

高周波RF(ラジオ波)は一種の波であり照射した部分の奥底の分子が振動し、この分子同士が擦りあうことで熱が発生します。水よりもコラーゲンや脂肪に対して働きかけ、火傷のような症状は起こりにくく、その波長はDNAの分子に入り込む事ができないので、DNAを破損することはなく安全と言えます。

人間の体温は運動することによってじわじわと上昇していくのですが、この高周波RF(ラジオ波)は、照射部分の皮膚の奥にある脂肪まで届き、これを活性化させて熱を生み出し、体の表面ではなく奥深いところから体温を上昇させることができます。その特徴をいかし、高周波RF(ラジオ波)痩身法は深部温度を41度~43度に上昇させ脂肪の燃焼によりスリミング効果を発揮する治療法です。

リンパや血液の流れが改善することによる代謝促進、美肌効果、フリーラジカルを減少させることによるアンチエイジング効果も特記するメリットです。また、高周波が真皮においてコラーゲン線維の産生を促すため、肌の弾力が向上し、シワやたるみの減少、改善による美肌効果も同時に期待できます。

スマスアップやテノールは、高周波RF(ラジオ波)によって生じる熱の作用によって、痩身及びしわ、たるみの改善をもたらす今までに類をみない最先端のアンチエイジング療法です。効果は周波数の高さに比例します。周波数の高さに水分子の震動数が比例しているため、発生熱量が多く、より深部に到達しやすいためです。テノールの周波数は40.68MHZ(エステサロンで使われている機器の約100倍)で、この周波数は医療機関にしか取扱いができないことからもその効果と信頼性が高いことが分かります。

銀座ケイスキンクリニックで使用する高周波治療機『スマスアップ』は周波数1.0MHZの三電極RF(トリポーラ)システムで、しわ・たるみ・部分痩身にスピーディかつ、即時的アプローチを行うアンチエイジングトリートメントです。皮膚の深部に有効な高周波RF(ラジオ波)に加えて筋膜への局所電気刺激(DMA)を同時に用いて、コラーゲン線維の生成や筋肉を最大限に活性化させ、基礎代謝をアップします。外的作用(ハンドピースを押し付ける圧力)と内的作用(熱エネルギーと電気刺激)から脂肪層に対し圧力を同時にかけることで老廃物や脂肪の除去作用を促進します。また、内的作用により直下の筋肉層に作用し筋肉を隆起させ、これにより皮下組織も上部へ引き上げられ、デトックス効果が生じます。

関連治療

スマスアップ(SMAS-UP)

基礎代謝

基礎代謝とは、快適な環境温下で、まったく体を動かしていなくても、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすなどさまざまな生命活動のための消費エネルギーのことをいいます。

つまり、人間が生きていくのに最低限必要な機能を維持するためのエネルギーのことです。筋肉量が多いと基礎代謝量が高くなるため、消費エネルギー量も多くなります。

基礎代謝は年齢とともに減少しますが、筋肉を鍛えることでキープすることができます。相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、一日に女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリー(kcal)とされています。

年齢・性別毎の標準的な一日あたりの基礎代謝量は基礎代謝基準値×体重で求めることができます。

基礎代謝基準値とは体重1kgあたりの基礎代謝量(kcal)を示す数値のことで、男女と
も1~2歳で最高値の約60kcal/kgを示します。年齢と共に低下し、成人では20.7kcal/kg
~24.0kcal/kgとほとんど変化しません。

関連治療

痩身

下肢静脈瘤 (かしじょうみゃくりゅう)

下肢(脚・足)の静脈が拡張して瘤(こぶ)のように膨らんだ状態を下肢静脈瘤と呼び、
拡張した静脈の多くは屈曲・蛇行しています。血管疾患の中で最も発生頻度が高く、軽
度のものを含めると成人女性の40%以上に認められたとの報告もあります。

下肢の静脈は解剖学的に筋肉内にある深部静脈、皮下を走る表在静脈(大・小伏在静脈)
ならびに深部静脈と表在静脈を連絡する交通枝(穿通枝〈せんつうし〉)で構成され、各
静脈には血液を重力に逆らって心臓に戻すための逆流防止弁があります。

この静脈弁が障害されると血液の逆流が起きて、静脈圧が高くなり、静脈が拡張して本症が発症します。

静脈弁の障害(弁不全)は先天的に弁が脆弱(ぜいじゃく)な遺伝的素因に妊娠、立ち仕事、加齢などの誘因が加わり生じます。また、深部静脈血栓症や先天性静脈形成異常などに合併して2次性に発症する場合もあります。治療としては、弾性包帯や弾性靴下の着用により進行を予防しながら、症状に応じて、硬化療法、ストリッピング手術、レーザー治療などを選択します。


面皰、コメド、白にきび、黒にきび 

面皰(コメド)とはにきびの初期症状で、毛穴の出口が閉塞することで皮脂が貯留してできた、小型の丘疹のことを言います。

通常肉眼的にみられない、病理学的変化(顕微鏡レベル)の段階である微小面皰から、肉眼的に見られる面皰に進展します。主に男性ホルモンにより皮脂腺は活性化され、皮脂分泌が亢進します。さらに毛包漏斗部(毛穴入り口部分)の角化が亢進することで、毛包内に皮脂が貯留して、アクネ菌(にきびの原因菌)が増殖します。面皰には閉鎖性面皰と開放性面皰の2種類があります。

閉鎖性面皰はいわゆる白にきびのことで、毛孔が角質により閉じて、毛包内に皮脂の充満とアクネ菌のかたまりがみられます。

白にきびは開放性面皰に移行するものと、炎症性皮疹(赤にきび)に移行するものがあります。開放性面皰はいわゆる黒にきびのことで、毛孔が開大し、毛包漏斗部とその周辺の表皮メラノサイトより産生されたメラニンや過酸化された皮脂により黒くみえます。面皰が炎症を伴わないのに対し、炎症性皮疹とは赤にきび(紅色丘疹、膿疱)のことを指します。

赤にきびからさらに炎症が深部に進行していくと、囊腫・結節となり瘢痕(にきび跡)を残すことになるため、早めの段階での適切な処置・治療が重要です。面皰の主な治療法は、炭酸ガスレーザーや針で穴を開け、清潔な操作で脂を取り出す面皰圧出法、ケミカルピーリング、レチノイン酸やアダパレン(ディフェリンゲル®)などの外用治療、肌の代謝を整え皮脂の分泌を抑えるビタミンC、B₂、B₆などの内服などが有効です。

関連治療

ニキビ・ニキビ跡

高濃度ビタミンC点滴 

高濃度ビタミンC点滴は、サプリメントや内服薬では絶対に摂ることのできない大量のビタミンCを血液中に直接投与することで血中濃度を急激に上げ、抗がん作用のみならず、美肌・美白、アンチエイジングなどの美容効果、さまざまな疾患の予防や改善が期待できます。同じビタミンCを摂る場合でもサプリメントなどで内服するのと、血管内に点滴するのとでは、およそ100倍の血中濃度の差があり点滴によるビタミンC摂取量は実にレモン1200個以上分に相当します。

高濃度ビタミンC点滴は、メラニンの生成を抑制することで、シミやくすみを改善し、美白・美肌に効果があります。またコラーゲンをいくら食べても体内で増えるということは実証されていませんが、ビタミンCを高濃度で体内(血管内)にとりこむと、コラーゲン線維の増殖作用があることが実証されており、肌弾力を高め、しわ・たるみを予防します。

さらに、リンパ球の働きを高めることで免疫力を増強させ、ニキビ肌の改善や風邪やウイルスによる感染症を予防する効果があります。その他強い抗酸化作用により有害な活性酸素を除去し、全身の倦怠感や疲労の回復を早めます。高濃度ビタミンC点滴は回数を重ね、血液中のビタミンC濃度を安定させることで、美容と健康の維持に繋がります。週2回~月1回の頻度で定期的に継続することをおすすめします。

関連治療

高濃度ビタミンC点滴

肝斑

肝斑(かんぱん)とは、特に30~40代の女性に多くみられるシミの一種で、目の下や両頬、額、顎、鼻下に左右対称にジワジワと広がるのが特徴です。

更年期やピルの内服、妊娠、出産期に出現しやすいことから、女性ホルモン(卵胞ホルモンのエストロゲンや黄体ホルモンのプロゲステロンなど)によるメラノサイトの活性化の影響が指摘されています。その他、紫外線や過度のマッサージによる摩擦など外部からの物理的な刺激も肝斑ができる原因と考えられています。一度できてしまった肝斑は完治が難しく、再発も多いため、予防が肝心です。

一年を通して徹底した紫外線対策の徹底を行いましょう。また、ストレスによって女性ホルモンのバランスが乱れると、肝斑が濃くなるといわれているので、上手なストレス解消法を見つけて溜めこまない工夫と、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけることも大切です。

肝斑の治療法ですが、一般に高出力のレーザー治療は逆効果であり、禁忌とされています。銀座ケイスキンクリニックでは、トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンE・ハイチオールなどの内服に加え、ハイドロキノンクリーム・ルミキシルクリーム・レチノイン酸クリーム(トレチノインナノエッグ)などの外用治療、さらに、ケミカルピーリングと光治療のフォトセラピーやジェネシスの照射も併用するコンビネーション治療をご提案しています。

関連治療

フォトフェイシャル ジェネシス 院内化粧品

キレート・キレーション・キレート療法

キレーション(キレート療法)とは、本来、キレート剤(合成アミノ酸の一種)を点滴 等によって体内に取り入れ、体内に蓄積された重金属・有害金属(鉛や水銀、カドミウム、アルミニウム、ニッケルなど)を排出する治療です。 これらの重金属・有害金属は、魚介類の摂取、野菜や果物に残る農薬、水道水、排気ガス、タバコなどによって体内に蓄積されていきます。

その結果、細胞の老化、慢性疲労、アレルギー、アトピー性皮膚炎、頭痛、動脈硬化、高血圧、高脂血症など身体の不調の原因となると言われてます。 重金属・有害金属を体内から排出(デトックス)することで、身体機能を正常化し、代謝の回復、美肌効果、細胞の老化防止などのアンチエイジング効果が期待できます。

経口薬での治療方法もありますが、キレート剤の消化管からの吸収量は点滴の場合に比べて約1/20であり、点滴での治療が最適です。

キレーションは、ギリシャ語で 「カニのはさみ」を意味する"chele"を語源とし、キレート剤が目的の金属と結合するときに金属をがっちり挟み込むイメージから作られた造語です。キレート剤は、環境汚染などの影響で知らず知らずのうちに体内に蓄積された有害金属をつかまえて、尿と共に体外へ排出し、血液浄化と、血流アップから代謝機能を回復させ、さまざまな皮膚トラブルの解消が期待されています。

毛穴、たるみ毛穴

毛穴は皮膚表面の皮溝の交点に存在し、付属器官として皮脂腺を伴っています。ここから体毛が生えていることから、毛穴と呼ばれています。恒温動物では体温の調節のために汗腺から分泌させた体液を、毛穴から汗として発散させます。毛穴は皮膚呼吸により水蒸気を発散させたり、皮脂の分泌を行ったりします。

頬や額、顎の毛穴は、出口部分だけではなく、周囲もすり鉢状に窪んだ構造をしていて影となって目立ちやすい特徴があり、若年層では皮脂分泌量が多い場合に目立つのに対し、30代以降では加齢に伴うたるみにより、特に頬部がたるみ毛穴として目立ちます。たるみ毛穴は老化によって真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維の合成力が衰え、毛穴を土台から支える力が低下することで起こり、老けた印象を与えます。皮膚のたるみと共に毛穴も下に引き伸ばされるため、本来丸い形の毛穴が、縦長に伸びて楕円や涙滴型になっている状態です。

たるみで広がった毛穴は皮脂やほこりが混ざった汚れがつまりやすく、皮脂は空気に触れることで黒く酸化するため、これによりダメージを負った肌はターンオーバーが乱れ、さらに凸凹が目立ってきます。凸凹はメイクでは隠しきれず、無理に隠そうとすると毛穴に老廃物がたまり、さらに悪影響となる可能性もあります。対策として、まずケミカルピーリングなどで毛穴を清潔に保ち、肌のターンオーバーを整え、はりや弾力を回復させます。特にダーマローラー、スカーレットRF(スカーレットS)照射、CO2フラクショナルレーザー照射、ダーマシャイン®®による水光プラスなど、皮膚に小さな傷をつけ、成長因子を導入、増加させる治療は、新しい皮膚の再生を促し、肌の弾力と保湿力をアップさせ、たるみ毛穴に効果的に作用します。また抗酸化作用を持つビタミンCは、肌のはりや弾力を保つコラーゲン合成に関わっており、土台となる肌の回復に役立つため、内服や外用で積極的に取り入れたい成分の一つです。

関連治療

毛穴・毛穴たるみ

毛周期

毛周期とは、毛が伸びては抜け落ち、また生えてくるという過程を繰り返すサイクルのことで、「成長期」「退行期」「休止期」の3期に分かれています。部位によって期間が異なり、ワキの場合は1.5ヶ月~2ヶ月、女性の頭髪では約3~6年で一周します。

「成長期」は毛が成長している時期で、栄養素を吸収した毛母細胞が分裂して毛を成長させ、さらに細胞分裂が活発になると毛が皮膚の表面から出て、伸びてきます。この時期はメラニン色素が多く含まれ、レーザー脱毛には最も適しています。「退行期」は毛の成長が止まっている時期で、細胞分裂が止まるため毛の成長も止まります。「休止期」は毛が抜け落ち、毛乳頭が栄養を送らず休んでいる状態で、この時期にはレーザーを照射しても作用しません。その後、再び成長期に入るというサイクルを繰り返します。

レーザー脱毛の確実な効果を得るためには、毛周期に合わせて複数回照射することが大切です。

関連治療

レーザー脱毛

汗腺

汗腺(かんせん)とは、汗を作って皮膚の表面に分泌する腺のことで、真皮深部~皮下組織に脂肪細胞に囲まれて存在し、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類が存在します。
エクリン汗腺は口唇や亀頭、包皮内板、陰核、小陰唇を除く全身の皮膚に分布し、場所によって密集度が異なり、手掌・足底・腋窩に多く存在します。いわゆる私達が汗と呼ぶのはエクリン汗腺からのもので、ヒトにおいては主に体温調節に関与しています。

アポクリン汗腺は、思春期以降に発達し腋窩や鼻翼、鼻前庭、乳輪、臍周囲、肛囲、陰嚢、包皮、小陰唇に存在します。エクリン汗腺よりも大きく、その分泌様式も異なり、アポクリン汗腺から分泌されるアポクリン汗は、エクリン汗と比べると、分泌量が少なく、脂肪・タンパク質・鉄分・アンモニアなどの成分を含み、乳白色で少し粘り気があるのが特徴です。

この分泌物が皮膚表面の細菌によって分解されると、独特な臭いを発します。適量であれば、フェロモンの本態とも言われており、魅力の一つでもありますが過剰の場合はわきがと呼ばれます。

関連治療

多汗症

活性酸素

活性酸素は、活性度が高く攻撃的な性質を持つため、本来は体内に侵入した異物や病原菌を退治するという働きをしますが、過剰に発生すると必要な細胞までも攻撃してしまいます。鉄が酸素によってサビつくことと同じように、細胞も酸化すると傷んでしまうのです。

例えば、切ったまま放っておくと錆色に変色するリンゴも酸化現象の一つです。活性酸素(フリーラジカル)が体内で大量に発生すると、これと同様のことが人体でも起こり、細胞や遺伝子を傷つけ、老化を引き起こします。私たちの体内には、活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの活性酸素除去酵素類が備わっているため、健康のバランスを維持しています。しかし、これらの活性酸素除去酵素は加齢により生成力が減少し、活性酸素を除去しにくくなり、老化症状が顕在化してきます。

活性酸素を大量に発生させる主な原因として、紫外線や大気汚染物質、喫煙、ストレス、激しい運動、食品添加物や残留農薬に含まれる化合物などがあげられます。活性酸素は体の脂と結びつき、過酸化脂質となり、それによって、シミ、しわ、ニキビ、くすみ、乾燥と言ったような女性の大敵"老化"の原因のひとつになります。

人体に備わっている抗酸化力は加齢と共に衰えるので、活性酸素を除去しサビ止めの役割を果たす抗酸化物質を取り入れることで補うことが大切です。代表的なものに、種々のポリフェノール、ビタミンC、E、βカロチン(体内でビタミンAに変化)などがあります。ポリフェノールは植物の苦みや渋み、色系の成分となる化合物の総称で、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンや大豆に含まれるイソフラボン、お茶に含まれるカテキンなどがあります。美肌作りのために積極的に取り入れましょう。

銀座ケイスキンクリニックでも高濃度ビタミンC点滴を導入しており、発生した活性酸素を効率的に除去することが可能です。アンチエイジング効果も期待できるので、継続してお受けいただくことをおすすめしています。

関連治療

高濃度ビタミンC点滴(メガビタミン点滴)

角質

肌は表面から表皮、真皮、皮下組織の3つの層から構成されます。表皮の一番上を角質層(角層)と呼び、ケラチンというタンパク質で構成されています。

角質層は、「死んだ細胞」と言われていますが、外からの刺激から生体を保護する壁(バリア)として大切な役割があります。角質層の隙間を埋めるセラミドなどの角質細胞間脂質と共に、体内から水分蒸発を防ぎ、保湿の要となっています。基底層で作られた細胞が角質層まで押し上げられることにより、古い角質が外から順番に剥がれ落ちるのが肌本来のリズムですが、角質が剥がれにくくなり、余分な角質が蓄積して厚くなるとターンオバーが乱れます。

通常のターンオーバーが行われている場合には、メラニン色素を含んだ角質は、新陳代謝により剥がれ落ち、新しい角質になります。しかし年齢とともに、肌の代謝が落ちターンオーバーが乱れると、溜まったメラニン色素により、透明感が失われ、シミやくすみとなります。メラニン色素を含んだ角質は、そのままにせず、医師の行うケミカルピーリングなどで優しく取り除きターンオーバーを整えるのが望ましいでしょう。

関連治療

ケミカルピーリング

乾燥肌

水分が不足して乾いた状態になっていること、あるいは乾いた状態にすることを乾燥と呼び、空気中の湿度が低い場合にも使われる言葉です。

肌における乾燥は「ドライスキン」と呼ばれ、皮脂分泌量と角質の水分含有量が低下している状態です。原因として加齢による変化、体質、気候、環境、ライフスタイルなどが関与し、痒みを伴ったり、肌のしわの原因となることがあります。皮膚のうるおいは皮脂、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質の3つの物質によって一定に保たれていますが、特に温度、湿度の低下や加齢などが原因でうるおいが減少すると乾燥状態を引き起こしやすくなります。

皮膚が乾燥しているとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすく、物理的な刺激にも敏感になります。乾燥による皮膚疾患でよくみられるものには、かさかさする「皮脂欠乏症」、赤みを帯び白く粉をふく発疹ができる「皮脂欠乏性湿疹」、むずむずするかゆみがある「皮膚掻痒症」などがあります。

皮膚のトラブルや痒みなどはストレスを増やし、さらに掻いてしまうことで炎症が重症化する可能性があります。アトピー性皮膚炎患者では、角質細胞間脂質であるセラミドが健常人の3分の1程度しかないことが報告されており、乾燥肌、ドライスキンと湿疹の原因にもなっています。乾燥肌の一因としては、洗いすぎ、こすりすぎ、長時間の入浴といった生活習慣もあります。特に小児、女性、50代以降はドライスキンになりやすいので、皮脂膜を守るスキンケアが重要です。肌の乾燥には保湿剤の外用が有効ですが、湿疹化している場合には皮膚科専門医の指導の上、ステロイド外用治療を要します。

銀座ケイスキンクリニックでは正しいスキンケア指導と、ダーマシャイン®®による極水光プラスなど、真皮のヒアルロン酸を増やす治療で、潤いのある美肌作りをご提案しています。

関連治療

肌質改善

コラーゲン・コラーゲン線維・膠原線維

コラーゲンとは、人間をはじめとする動物の体内に最も多く含まれるタンパク質の一種で、皮膚や筋肉、内臓、骨、関節、目、髪などあらゆる組織に存在し、主に細胞をつなぎ、支える役割を持っています。人間の体は約20%がタンパク質でできており、その1/3はコラーゲンが占めています。

コラーゲンはそれだけ、人間の体になくてはならないものですが、その量は10代後半をピークにして加齢とともに減少していきます。皮膚の真皮では、水分を除けばコラーゲン線維は約70%を占める主要成分で、網目状のネットワークをつくることで、細胞を規則正しく整列させて、皮膚をしっかりと支え弾力を保持しています。

ですから、加齢や紫外線、喫煙、過労などの酸化ストレスの影響によりコラーゲン線維が変性、減少するとお肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因となります。では、不足したコラーゲンを補うため経口で摂取するとお肌にも効果があるのでしょうか?残念ながら口から入れたコラーゲンは、胃腸でアミノ酸に分解され、その時点でコラーゲンではなくなってしまいます。

しかし、アミノ酸の血中濃度が上昇することで、コラーゲン線維をつくる線維芽細胞を刺激し、生成を促進させる可能性が報告されています。コラーゲンの摂取量は1日に約3~10gが望ましいとされています。魚の頭や鶏の皮などは20~80%程度がコラーゲンです。また、お肌のためのコラーゲンの摂取量は1日3~5gの摂取量が理想とされています。コラーゲンとビタミンCを一緒に摂ることで正常なコラーゲン線維がつくられやすくなります。1日に必要なコラーゲンの摂取量を考え、意識してコラーゲンを多く含む食品を摂取していきましょう。

関連治療

たるみ

ケミカルピーリング 

ケミカルピーリングとは、酸をお肌に塗ることにより、古くなった角質層を取り除き、肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促す若返り治療です。ケミカルピーリングに用いる薬液は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸などのアルファヒドロキシ酸(AHA)、サリチル酸に代表されるベータヒドロキシ酸(BHA)などがあります。
銀座ケイスキンクリニックでは、安全性と安定性のバランスに優れたグリコール酸を用いています。

グリコール酸によるケミカルピーリングは、角質層の細胞と細胞の結びつきであるデスモゾームを壊し角質細胞の結合を緩め、ターンオーバーを促進させてシミ、くすみを改善します。また、ケミカルピーリングにより角層のセラミドが増え、グリコサミノグリカン、特にヒアルロン酸産生が亢進し肌の水分保持力を高めます。メラノサイトのメラニン産生能を抑制する効果もあるといわれています。皮脂腺に対しては皮脂を除去し、開大した毛穴にも浸透して毛穴を収縮させる効果もあり、活動性のニキビ、ニキビ跡にも適した治療です。さらに、グリコール酸には、コラーゲン線維、エラスチンなどの真皮成分の産生を促進させて、真皮を肥厚させる働きがあり、新しく生まれ変わった皮膚は、みずみずしくはりがアップします。

ケミカルピーリングは使用する薬剤の種類や濃度、施術時間によってその効果は違ってきますので、皮膚のタイプや状態に適した方法で行うことが大切です。顔だけでなく、背中や腕、ヒップ、バストといったボディーへのトリートメントも可能です。銀座ケイスキンクリニックでは、敏感肌の方にも安心して施術を受けていただけるよう、医師の手できめ細かな調整を行って施術しています。銀座ケイスキンクリニックでは施術の効果を高めるためフォトセラピー、ジェントルレーズ照射の前処置としてケミカルピーリングをサービスさせていただいております。

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ケミカルピーリング

ケナコルト注射

ケナコルトとは副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)の1つで、抗炎症作用や抗アレルギー作用などがあり、関節腔内注射や軟組織内注射として使用されるお薬です。

最近では花粉症の症状を抑えるのに使用することもありますが、美容皮膚科ではケロイドや、炎症が強く固くしこったニキビ治療に極少量のケナコルトを注射します。しこったニキビには大きく分けて二つの状態があります。

一つ目は炎症が強く、皮下で大きな袋状になった嚢腫性ざ瘡で、中に膿がたまっていることが多く排膿が必要となります。二つ目は、ニキビの炎症が長期にわたって続き、修復しようと出来た線維組織が過剰に産生され塊になっている状態です。ケロイドやしこったニキビ跡も、肌に大きなダメージを受けて皮膚の真皮にまで達しており、自然には治りにくいのが特徴です。

このような場合は早期にケナコルトを局所注射することで、線維化を抑制し、ニキビの炎症を抑えます。ケナコルトの局所注射には、ニキビの状態の正確な診断と適切な量、回数、適切な深さへの注射技術を要します。小さなニキビでは必要ないこともありますので、皮膚科専門医にご相談ください

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ニキビ、ニキビ跡 背中ニキビ、ニキビ跡

クロモライト

クロモライトはFDA(米国食品医薬品局)の認可を受けた、イギリス製の光治療(フォトセラピー)機器です。パルスライトという、黒い色素(メラニン)だけではなく、赤い色素(ヘモグロビン)や組織の水分にも反応する幅広い波長の光を照射することで、シミ、そばかす、肝斑、ニキビの改善、脱毛といったさまざまな美肌効果を得ることができます。

これまでのパルスライト機器に比べて、集光性が高く散乱光を抑えることにより、光の作用を無駄なく皮膚に届ける事ができます。そのため、低出力で効果があり痛みが少なく、火傷などの可能性も極めて低い、安全性の高い医療機器です。ニキビ治療にも効果があり、治りにくい炎症性のニキビに対して強い効果を発揮します。

炎症を起こしているニキビでは、毛包内でアクネ菌が増殖しています。このアクネ菌が出すポリフィリンという物質にクロモライトを当てると活性酸素を生じ、それが細菌を破壊することでニキビの赤みや炎症をスムーズに軽快させることが出来るのです。炎症性のニキビの治癒が早まるだけではなく新生も減らすことができ、気になるニキビ跡の赤みにも効果的です。また、真皮の線維芽細胞を刺激し、コラーゲン線維の生成を促すため、皮膚の光老化に対しての若返り作用もあります。
さらにヘモグロビンに反応することで赤ら顔やニキビ跡の赤みを軽減し、メラニンに反応することで、肝斑を含むシミやくすみを改善し、お顔の産毛の脱毛にも効果があります。銀座ケイスキンクリニックでは、肌質改善治療として3~4週間毎に数回繰り返しお受け頂くことをおすすめしています。そうすることで、肌全体の機能を改善し透明感のある肌質に変わるのを実感いただけます。

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クロモライト

グリコール酸

グリコール酸とはAHA(α-ヒドロキシ酸の略)の一種のピーリング剤です。AHAはフルーツによく含まれている事からフルーツ酸とも呼ばれます。

AHAにはグリコール酸の他にクエン酸・リンゴ酸・乳酸などがあり、クリニックでケミカルピーリングを施術する場合にはこれらのAHAが多く使われます。その中でもグリコール酸は分子量が小さく浸透率が際立って高い(皮膚への透過性が優れている)ため、クリニックの施術で最も多く使われています。

ケミカルピーリングには濃度だけでなくpH(酸性度)も大きく関与します。クリニックで施術するグリコール酸によるケミカルピーリングは20-80%の濃度、pH2.0前後と強酸性であるのに対し、家庭用スキンケアでは10%以下の濃度、pH3.0~7.0です。AHAの中でもグリコール酸に関しては、ピーリング直後から古い角質が表層から剥離する事で新しい皮膚が表に出るのではなく、表皮表層からグリコール酸が浸透し、表皮細胞の酸レセプターに結合することで間接的に表皮基底層に働きかけ、新しい表皮細胞の増殖と分化(ターンオーバー)を促進さます。この過程で古い角質を脱落させ、十分な厚みを持った新たな表皮と適切な角層を保ち、皮膚のバリア機能を高める作用がある事が分かってきています。
独特のピリピリとした感覚は、グリコール酸が肌の角質に浸透しているサインです。古い角質の除去に加え、グリコール酸にはコラーゲン線維の生成を促進させる作用があるため、小じわを改善したり、ニキビを出来にくくさせたり、古い角質が無くなる事でくすみを改善させたり出来ます。また、クリニックでの施術においてはレーザーや光治療のお肌への透過を良くし、治療効果を高めるための治療の前処置としても使用されます。

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ケミカルピーリング

くま

一般的に目の下の黒ずんだ部分を呼びます。加齢、遺伝、外部刺激、生活習慣、疲労、疾患(貧血、肝機能異常、アトピー性皮膚炎、内臓悪性腫瘍)など多くの原因があり、複合的な原因で発生していることが多い症状です。

美容分野では、「茶ぐま」「青ぐま」「たるみぐま」に分類しますが、これらのいくつかが併発している場合が多く見られます。

そもそも「アイホール」と呼ばれる眼窩周囲の皮膚は約0.5㎜と最も薄いため(他の部位の皮膚は厚さ約2㎜)下床の筋肉が透けてみえやすく、外部刺激の影響も受けやすくなっています。また、上下のまぶた(眼窩周囲)には、皮脂腺がないため乾燥しやすく、1日のうちに1万5千~2万回もまばたきをするために負担もかかります。一つ目の「茶ぐま」は紫外線の影響、アイメイクの刺激、クレンジングなどの摩擦による軽徴な炎症と、色素沈着が原因です。

治療には高濃度ハイドロキノンクリーム、レチノイン酸、ルミキシルクリームなどの美白剤や、「ジェントルレーズ」「フォトセラピーマルチエフェクト」などの美白効果があるレーザー、光治療をケミカルピーリングと併用して照射することが第一選択です。また、CO2フラクショナルレーザー治療により、色素沈着部の肌を白く新しい皮膚に入れかえるのも有効です。

二つ目の「青ぐま」で見られる青暗い影は、下まぶたの皮膚が薄いために、そのすぐ下にある眼輪筋の静脈血の色味が透けて見えることで起こります。寝不足やストレス、冷えなどの影響で目立ちやすく、若い人や子供にもみられます。一時的な症状は睡眠やマッサージなどで改善が期待できますが、加齢によるものは積極的な治療が必要です。人間の皮膚は加齢によりコラーゲン線維が劣化・変性し、薄くなってしまうため、PRP(多血小板血漿)注入療法や各種レーザー、リフトアップ治療器照射によるサーマルトリートメント(熱治療)などコラーゲン線維を増やし、厚くする治療が適しています。

三つ目の「たるみぐま」とは加齢と肌老化により、真皮のコラーゲン線維が細くなり、皮膚がたるむことで起こります。また、眼球を支える眼窩隔膜という支持組織が弱くなり、眼窩内脂肪が突出することにより目の下がぽっこりと突出して目立つこと(目袋)や、頬のたるみによるくぼみが陰影を作ることで、余計に「たるみぐま」は目立つようになります。治療法として外科手術で眼窩内脂肪を摘出し、伸びた皮膚を切除する方法がありますが、ダウンタイムが1~2カ月と長引くことが問題です。切らない治療として、やわらかいヒアルロン製剤を注入して影をつくるくぼみを消し、くまを目立たなくする方法が適しています。また「青ぐま」治療と同じく、PRP(多血小板血漿)注入療法やスカーレットRF(スカーレットS)照射、CO2フラクショナルレーザーによるアイリフトなどコラーゲン線維の増生をはかる治療を同時に行うことで、たるみの改善が期待できます。

関連情報

クマ治療

クールスカルプティング (クルスカ)

クールスカルプティングは、脂肪だけをシャーベット状に冷やすことで、それ以外の組織にはダメージを与えることなく、余分な脂肪だけを減らすことができる最新の部分痩せ治療で、FDAの承認を取得しています。痛みや違和感などはほとんどなく、麻酔も不要です。

ハーバード大学の研究によると、シャーベット状になった脂肪細胞は、アポトーシス(不要となった細胞が自ら死滅すること)を起こし、2~4ヶ月かけて徐々に体外へ排出されるとされています。

油は水より融点が低いことから、脂肪は他の組織に比べて高い温度で凍るという性質があります。クールスカルプティングは、この性質を活かし、脂肪だけを冷やして他の組織にはダメージを与えにくい温度設定となっています。また治療によって脂肪細胞の数が減少するため、リバウンドしにくいといわれています。

銀座ケイスキンクリニックでは脂肪層に直接薬液を注入するリバウンドしにくい脂肪溶解注射や、高周波(RF)治療機「スマスアップ」による部分痩身をご案内しています。

関連治療

脂肪溶解メソセラピー

くすみ・茶ぐすみ(メラニン代謝)

くすみとは、肌がなんとなく暗く見えたり、疲れたように見える状態のことで、肌に透明感や明るさ、つやがない状態を指すイメージが強いと思います。実はこのくすみは単一の要因によるものではなく、角層の水分量低下や肌荒れによる肌理の乱れ、角層の重層化、メラニン量の増加による明度の低下などの様々な要因が複雑に関連して引き起こされているのです。

さらに、肌のくすみには一時的な体調不良や精神的ストレスのほか、紫外線の蓄積による影響、加齢による機能低下や食生活・喫煙などの生活習慣なども複雑に関与しています。また、クレンジングや洗顔不足で化粧品や皮脂が十分に落とされずお肌に残ったままの状態や、軽微な刺激性・アレルギー性皮膚炎が慢性的に続くことで色素沈着を引き起こすこともあります。

特に紫外線は、メラニンを生成させ肌色を黒くしたり、シミを作るため、肌のくすみに大きく影響します。長い年月をかけ、年齢とともに少しずつ顔全体の肌色が暗くなったり、ハリがなくなったりした結果、『くすみ』が現れますが、生活習慣や間違ったスキンケアなどによっては20代半ばから感じ始める人もいます。

若さと美しさのバロメーターでもある白く透明な肌をキープし、出来てしまったくすみを改善するには、保湿剤による角層の水分保持や、美白剤によるメラニン量の低減、日焼け止めによる紫外線対策、溜まってしまった角層・メラニンを排泄させる(メラニン代謝を上げる)ために、表皮の正常なターンオーバーを促すことなどが効果的です。

銀座ケイスキンクリニックでは、美白作用が非常に強いハイドロキノン、ルミキシルクリームやトレチノインナノエッグ(レチノイン酸)の外用薬に加え、内服薬の処方、ケミカルピーリングやフォトセラピー、ジェントルレーズを使用した肌質改善治療により、メラニン代謝アップをさせ、お肌のくすみ(茶ぐすみ)が治療できます。

関連治療

院内調合オリジナル化粧品

カーボンピーリング  

カーボンピーリングとは、気になる毛穴に、医療用の超微粒子カーボンクリーム塗り込み、レーザーを黒いカーボン粒子の色に反応させ、その熱の反応で毛穴を引き締める治療です。

お化粧でも隠せない大きく開いてしまった毛穴や、角栓による黒ずみ、ニキビ肌に効果的で、お肌の肌理を整えます。照射時に使用するレーザーはクリニックにより異なります。銀座ケイスキンクリニックでは黒い色に反応する、ロングパルスアレキサンドライトレーザーのジェトルレーズを使用します。

黒いカーボンがレーザーによって瞬時に蒸散すると同時に、熱エネルギーを発生させます。カーボン粒子とともに余分な角質や、角栓、老廃物を除去し毛穴の詰まりを解消します。
さらに熱作用により線維芽細胞を刺激しコラーゲン線維の生成を促しお肌にはりを与えるので、毛穴が引き締まります。カーボンピーリングには、皮脂分泌を調節し毛穴の過角質化を正常化させる効果がありますので、炎症性ニキビの炎症を解消し、新しく発生するニキビ数を減らす効果もあります。

施術後の肌の状態は、照射する出力により変わります。DCDシステム(冷却システム)を用いた低出力照射では、赤み、腫れなどはなく、直後からお化粧ができるので、ほぼノーダウンタイムといえます。高出力での照射時は施術後の皮膚はピンク色になり、軽いヒリヒリ感が出ます。翌日より軽い皮むけみられますが、ダウンタイムが高い分低出力照射に比べ効果が高いというメリットがあります。

カーボンピーリングはよく行われている美容皮膚科の治療法ですが、効果が弱いと感じた場合は、CO2フラクショナルレーザーによる肌の入れ替え治療を併用すると良いでしょう。

関連治療

ジェントルレーズ

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10(CoQ10)は、全身60兆個の細胞一つ一つに存在し、日常生活を送る上で必要な細胞エネルギーを作り出すために欠かすことのできない補酸素で、心臓・肝臓・腎臓に多く含まれます。またコエンザイムQ10(CoQ10)は、極めて強力な抗酸化物質です。

体内のコエンザイムQ10(CoQ10)量は、体内での生産(生合成)と食事からの補給の2種類の供給によって維持されています。このうち体内での生合成能力は20歳前後をピークに低下し始め、40歳前後からコエンザイムQ10(CoQ10)量の減少が急速に進みます。加齢と共に健康上の問題も増加するため、より多くのコエンザイムQ10(CoQ10)が必要となります。

近年、コエンザイムQ10のアンチエイジング効果が注目を集めており、コエンザイムQ10が配合された化粧品やサプリメントなどが販売されています。外用の効果としては、活性酸素による皮膚の老化を抑制するため、しわやシミの改善・予防に繋がります。

銀座ケイスキンクリニックオリジナルのホームケア化粧品では、お肌のバリア機能を高める「バリアクリーム」に高濃度コエンザイムQ10が配合されています。

関連治療


院内調合オリジナル化粧品

汗管腫

汗管腫とは、エクリン汗腺(汗を分泌する腺)の表皮内~真皮内汗管が、限局性に増殖してできる良性の腫瘍です。

直径1~3mmの正常皮膚色で扁平に隆起した結節で、多発することが多くあります。汗管腫はまぶた、特に下まぶたに好発し、額や頬、その他体幹に播種状にみられたり、集簇して融合したりすることもあります。
女性に多く、汗の分泌量が増加する思春期ごろから目立ちます。自覚症状はなく、痛や痒みはありません。また、自然に治癒することはなく、治療は手術での切除やレーザー治療が一般的です。

銀座ケイスキンクリニックでは炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による治療をおすすめしています。炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、水分に吸収される波長10,600nmの赤外線領域の光で、このレーザーを照射することによって、皮膚に熱を与えて蒸散し、ほくろやいぼ、汗管腫なのどの隆起性病変を除去することができます。

まぶたなどの皮膚のごく薄い部分でも切除でき、治療部位にピンポイントでレーザー照射ができるので、周辺組織への影響が少なく、メスで切除して線状に縫い合わせる手術に比べ、傷の治りも早く、傷跡が目立ちにくいという利点があります。汗管腫はまぶたの際にできることも多いのですが、銀座ケイスキンクリニックでは眼球保護のためコンタクトシェルを装着するので、安全に治療をお受けいただくことが可能です。

関連治療

CO2レーザー

Qスイッッチルビーレーザー

694nmの単一波長を出すレーザーで、浅い部分にあるシミの他、深い部位にあるシミやあざにも有効な治療器です。

顔面の殆どのシミが適応となりますが、肝斑と呼ばれるシミには適しません。 光治療では届かない、太田母斑や後天性真皮メラノサイトーシス、異所性蒙古斑などの深部にあるシミやあざはQスイッチモードの付いたルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーでなければ十分な効果が得られません。

また、浅い部分のあざである扁平母斑は、太田母斑や異所性蒙古斑と同じく保険適応となりますが、後二者に比べ効果にばらつきがあり再発も多く難治です。Qスイッチルビーレーザーは黒色への反応に優れ、皮膚内部のメラニン色素を効果的に破壊することに優れており、メラニン色素のみをターゲットとし傷痕を残さず安全に治療しますので、周囲の正常な皮膚を傷つけることがありません。

メラニン色素における吸収が高く、コラーゲン線維への吸収が低いことは、シミ以外の正常組織に対する損傷が少ないことを示し、またヘモグロビンへの吸収が低いため、血管への影響も最小限となります。