雑誌「MAQUIA」2020年3月号(1月22日発売 掲載ページP170~P175)

特集「カサカサ、チクチク、ヒリヒリ "ざわつく肌"を落ち着かせる100問100答」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

季節の変わり目や月経前などに感じる、いつもとは違う肌の不調。ヒリヒリしたり赤み、かゆみが出たり、肌も心もざわざわするのはなぜでしょうか!?ざわつきの原因を見極めて、早めに対策し、どんなときでもゆらがない美肌を目指しましょう。

Q.ざわつく肌ってどういう状態?
A 赤みやかゆみ、炎症などが起こっている肌のこと。
このような状態を、ここ数年は「ゆらぎ肌」とも言いますね。いつも使っている化粧品なのにピリピリした刺激を感じたり、かゆみや赤みなどを感じたり、吹き出物が出やすくなるなどトラブルを起こしやすい不安定な状態になっている肌のことをいいます。誰でもざわつき肌になる可能性はあります。

Q.なんで肌がヒリつくの?
A 肌のバリア機能が低下していることが原因です。
表皮のいちばん外側で外界と接している角層のもつ「バリア機能」の働きが低下している可能性が考えられます。少しの刺激で炎症などのトラブルを起こしやすくなります。また、肌内部から水分が逃げやすくなって乾燥を引き起こします。

Q.敏感肌とざわつき肌は同じこと?
A 症状的には同じです。
どちらもバリア機能が低下しているという点では同じです。ただし、敏感肌は慢性的に低下している肌ですが、ざわつき肌は一時的なものです。

Q.ピリピリ予防するには?
A とにかく保湿をして肌を乾燥させないことが重要です。
化粧水だけで済ませたりせずに、肌内部の水分を保持する働きのあるヒアルロン酸、セラミド、グリセリン、アミノ酸、多糖類、多価アルコール類、加水分解コラーゲンといった真の保湿成分を含むモイスチャライザーを取り入れましょう。効果を得るには、肌がべたべたするくらいしっかり量を塗るくらいがベストです。それによってニキビができることはありません。肌が十分潤っていると、バリア機能も正常に働きます。

Q.肌がざわつくのは遺伝?
A 遺伝と生活環境、どちらも影響します。
アトピー体質など遺伝的にバリア機能が低い人もいますが、睡眠不足や食生活の乱れなどの生活環境によってもバリア機能は低下しますので、現代では誰にでも生じうる症状と言えるでしょう。

Q.ストレスで肌がざわつくのはなぜ?
A 交感神経が優位になり、代謝が悪くなるからです。
ストレスがかかると交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮し、消化吸収も悪化します。すると肌の代謝が悪くなり、バリア機能が低下します。

Q.温度も肌のひりつきに影響する?
A 湿度が50%を切ると要注意!
湿度50%くらいになると、一気に乾燥状態になります。乾燥する時期は洗濯物が乾きやすいのと同じ仕組みです。冬は暖房器具を使用して部屋の温度を上げてから加湿器をつけ、湿度50~60%ぐらいにキープしておくのが理想です。
空気が冷たいといくら加湿しても結露するだけです。また、電気毛布や床暖房も、ずっと触れたままでいると肌は確実に乾燥します。こたつも入りっぱなしはダメです。

Q.寒暖差でも肌がピリピリするって本当?
A 本当です。
最新の研究から寒暖差によりバリア機能と潤いに重要な酵素カスパーゼ14が減少し、直接的に肌荒れに影響することが判明しました。

Q.肌フローラと肌のざわつきも関係ある?
A バランスが崩れると肌もざわつきます。
肌フローラの乱れはバリア機能の低下を招くので、洗いすぎ、こすりすぎ、保湿不足には要注意です。頻繁な顔剃りも肌フローラを乱す原因になります。

Q.いちばん肌が刺激を感じる季節は?
A 年中刺激を感じる可能性あり。
季節の変わり目や寒暖差、花粉、大気汚染など、肌をざわつかせる要因はさまざまです。そのため1年中いつでも肌がざわつく危険性があります。

Q. 肌がざわざわしやすい地域ってある?
A 湿度が低く、日照時間の長い地域にはざわつく傾向があります。
統計的なデータがある訳ではないのですが、湿度が低くて日照時間が長い地域は、肌のバリア機能が低下しやすいので、ざわつきやすいと言えそうです。

Q.肌がピリついているときは、何を使えばOK?
A モイスチャライザーでしっかり保湿を
クリームなどの水分保持力のある成分を含むモイスチャライザーで保湿を。潤いで満たすことでざわつく肌をスッと鎮め、硬くなった肌が柔らかくほぐれていきます。
当院オリジナルの『セラミドバリアクリーム』は、天然セラミドが主成分で、水分保持力・抗炎症作用が高く、季節の変わり目のざわつきやすいお肌や、敏感に傾きやすいお肌をやさしく守ります。

銀座ケイスキンクリニック取扱い 30g ¥5,000(税別)

ただし、肌が荒れている時、美容治療後で肌が敏感になっている時は、化粧水などの水性コスメはしみやすいものです。異変を感じたら皮膚科へ行くのがベストですが、セルフケアなら撥水・角層軟化機能に優れたバームやオイル状のアイテムで、刺激が中に入るのを防いでください。肌に浸透せず、表面でピッタリと膜を作って保護してくれます。

Q.ざわざわする肌質を改善することはできる?
A 保湿と生活習慣の見直しで改善できます。
刺激を出来るだけ避けてしっかりと保湿することが基本になりますが、生活習慣を整えてからだの内側から肌を立て直すことも大切です。
慶田院長が提唱する健康的で美しい皮膚と身体のために欠かせない『生活の5本柱』は、「バランスのよい食事」、「良質な睡眠」、「腸内環境を整える(排泄)」、「運動習慣」、「ストレスコントロール」です。肌はからだの内側を映す鏡であり、生活習慣と心の状態に大きく影響を受けます。

Q.肌がチクチクしているときに特に気をつけるべきことは?
A 最低でも6時間程度の睡眠を心がけて。
睡眠=肌を作る工場の稼働時間です。稼働時間が少ないと健やかな肌の産生量も減ってしまいます。新しい肌をスムーズに作るためには、少なくとも6時間の睡眠が必須です。 理想的には7時間半から8時間です。
睡眠不足が続くと、角層のキメが悪くなり、角層水分量が低下し、ニキビや肌荒れが生じます。時間が短いと粗悪な角層ができるからです。
なかなか寝付けない人は入浴でリラックスしたり、好きな香りで気持ちを和ませたりしましょう。

Q.ざわついているときはメイクをしないほうがいい?
A そうとも限りません!
メイクが膜となって肌を守るので、一概にノーメイクがいいとは言えません。肌を刺激しないよう、低刺激処方のものを手で優しく塗るのがオススメです。

Q.顔だけでなく体にもかゆみが出る?
A すね、腕、腰回りは乾燥要注意!
肌が露出しているすねや腕は乾燥しやすく、もともと皮脂量も少ないのでざわつき注意です。そのほか、腰回りも皮脂が出にくいので保湿するのを忘れずに。

Q.インナーケアで肌のざわつきを保湿することはできる?
A 腸内環境を整えましょう!
腸内フローラの全身への影響が解明されつつあります。便秘で腸内フローラが悪化すると、悪玉菌がつくる腐敗産物が血液中に吸収され、皮膚に悪影響を及ぼすと考えられています。また、便秘の人はそうでない人よりも、角層水分量が少なく乾燥しやすい傾向にあるという調査結果もあります。
〝腸美活〟に欠かせない乳酸菌の代表格「ヨーグルト」の中でも、高たんぱくながら、脂肪分もゼロである「ギリシャヨーグルト」はおすすめです。
また、乳酸菌を摂るときは、腸内細菌の餌になる食物繊維も一緒に摂りましょう。おすすめは、食物繊維が豊富な青汁や野菜サラダ、きなこ、もずくスープなど。
また、油を抜く食事は細胞間脂質の原料不足となるので肌の乾燥を引き起こします。

Q.肌に赤みがあるときはシャワーよりお風呂に入ったほうがケアできる?
A 長風呂や湿度の高いお風呂はNG
体を温めるお風呂はおすすめですが、長風呂や42℃以上の入浴は角層の皮脂膜や細胞間脂質が流れ出やすくなるのでNGです。保湿効果のある入浴剤を使うなどして、15分程度を目安にしましょう。

Q.ざわついて肌がゴワつくときの洗顔は?
A 酵素洗顔を取り入れてみて
古い角質が残っている肌はゴワつくだけでなく、バリア機能も低下して肌を乾燥させることに。週1~2回の酵素洗顔で角質ケアを取り入れてみて下さい。
また、代謝が落ち始める30代以降には、普段のケアとプラスして「ケミカルピーリング」や「アクアフェイシャル」など、ターンオーバーを高める美容皮膚科でのケアも取り入れるのも良いでしょう。
バリア機能の低下による微弱炎症は、敏感肌とは異なり一時的なものですが、そのまま放置して乾燥が悪化したり、間違ったケアで炎症を長引かせてしまうと、エイジングの引き金になり、シワやくすみにつながるので、「ざわつく肌」を侮ってはいけません。

【花粉、PM2.5、ほこり...浮遊する刺激から守る】

Q.肌をざわつかせる外的刺激って?
A 花粉やPM2.5大気汚染などです。
花粉や黄砂、PM2.5、タバコの煙、大気汚染物質など、あらゆるものが外的刺激となって肌や人体に影響を与えます。紫外線やブルーライトなどの光もそのひとつです!

Q.いまさらだけど、PM2.5 って何?
A 直径が2.5マイクロメートル以下の超微粒子のこと。
大気中に浮遊している直径2.5μm以下の微粒子のことで、毛穴より小さく、肺や肌の奥深くにまで入り込みます。排気ガスなど人為的に排出された物質と、黄砂など自然由来の物質が、大気中で太陽光線などと化学反応を起こして生成されます。休日もすっぴんは避け、BBクリームなどで肌に膜を作っておきましょう。

Q.タバコの煙は吸い込まなければ問題ナシ?
A 肌に触れるだけでも影響大
タバコは煙を吸い込まなくても、肌に触れるだけでも角層の炎症を引き起こし、シミの原因になることがわかっています。発ガンや妊孕率の低下、肺気腫、脳血管障害など、人体に悪影響しか与えません。

Q.目の周りだけかゆみが出る......
A 粘膜周囲はざわつきやすい要注意ゾーンです!
目や鼻などの粘膜部分は花粉などが付着して、アレルギー反応が出やすい要注意部分です。こするとさらに皮膚炎が悪化し、そこに花粉が付着すると悪循環になるのでメガネなどで事前の対策を。

Q.外的刺激をブロックするにはどうすれば?
A トラネキサム酸やレチノール配合のコスメで肌に膜を!
抗炎症作用のあるトラネキサム酸や抗酸化作用のあるレチノールなどが配合されたものを塗って膜を作っておくと、刺激物を防御しつつ炎症も抑えてくれるので一石二鳥です。

Q.花粉などをオフするにはW洗顔必須?
A そうとは限りません!
花粉などがメイクと混ざっている可能性があるのでクレンジングは必須です!洗いすぎを防ぐためにも、W洗顔不要のもので短時間でサッと落とすのが良いでしょう。

Q.外的刺激から肌を守る食べ物ってある?
A 生芋こんにゃくやほうれん草などがおすすめです!
セラミドが含まれている生芋こんにゃくや、抗酸化成分のあるほうれん草や長ネギ、小松菜などが良いです。ビタミンB₂、B₆、タンパク質もおすすめです。
最近はカラダにいい食事やサプリメントなどから、「自活力」を引き出すことが注目されています。ここ10年ほどの研究で、セラミドを経口摂取すると、角層の水分量などの改善効果あり、肌のバリア機能が高まることがわかってきました。

Q.オイルを使うと、花粉などが肌に貼りつきそう......
A ベタつきが気になる人は夜だけの使用に
浸透力のあるさらりとした使い心地のオイルもありますが、花粉などの付着が気になるようなら朝は使わず、夜だけの使用にするといいでしょう。

Q.花粉などが付着している肌のメイク直しはどうすれば?
A 肌表面をブラシで軽く払ってからメイク直しを
肌への付着物が気になるなら、チークブラシなどで軽く払ってからメイク直しをしてください。化粧水を含ませたティッシュなどでスタンプ式にオフするのもいいでしょう。

Q.花粉やPM2.5 対策のマスクが刺激になりそう
A 肌に直接花粉がつくよりはマシ
肌に直接花粉がつくよりは、マスクの方がマシです。肌にやさしい素材のものを選びましょう。どうしてもマスクの刺激が気になるなら、外的刺激をブロックするスプレーなどを使用するのも良いでしょう。

Q.角質ケアは花粉などをオフするのにも効果的?
A 花粉ケアにはなりませんが、2週間に1度を目安に取り入れてみて
角質ケアをするとターンオーバーが高まり、肌の水分量がアップするというデータがあります。2週間に1度くらいを目安に取り入れてみましょう。

Q.肌がざわついているときはスキンケアも休止したほうがいい?
A ざわついているときこそ保湿が肝心
肌が荒れているからと何もしないと、ますます不安定な状態になってしまいます。ざわついているときこそ保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を回復させましょう。

Q.保湿しているのに肌がざわつきます。
A 保湿が足りていない可能性があります。
クリームを省いたり使う量が少なかったり、保湿が足りていない人が多くいます。肌がペタペタするくらい、クリームはたっぷり使いましょう。日中は、メイクの上からでも保湿できるようなコスメで乾燥対策すれば、バリア機能の低下防止になります。

【菌バランスや炎症をケア】

Q.そもそも、肌にはどんな菌がいるの?
A 表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌など
肌には多数の常在菌がいますが、特に代表的なものとしては汗や皮脂をエサにしてバリア機能に役立つグリセリンを作り出す美肌菌『表皮ブドウ球菌』、同様の作用を持つ『アクネ桿菌』も増えすぎるとニキビを引き起こしますが、本来は美肌菌です。一方、肌がアルカリ性に傾き、炎症を生じると、黄色ブドウ球菌が増えてきます。

Q.肌にいいといわれる菌は?
A 表皮ブドウ球菌です。
表皮ブドウ球菌は皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解します。脂肪酸は肌のPH値を弱酸性に保つのに役立ち、グリセリンは保温剤となってバリア機能をサポートするので美肌菌とも呼ばれます。

Q.肌をざわつかせるのはどんな菌?
A 黄色ブドウ球菌です。
黄色ブドウ球菌は、肌フローラが乱れると増殖してかゆみや赤みといった肌トラブルを引き起こします。アトピー性皮膚炎の悪化も、黄色ブドウ球菌の増殖が一因といわれていますくるくる
当院で大人気の『プラズマシャワー』は、強力な殺菌力で肌トラブルの元凶となる細菌を一撃します!!増えすぎた黄色ブドウ球菌やアクネ菌を殺菌し、炎症を早期に鎮静化させます。

Q.美肌菌が増えれば肌はざわつかなくなる?
A 美肌菌が多い肌は丈夫な傾向があります!
美肌菌といわれる表皮ブドウ球菌がきちんと働いているバランスのとれた肌はバリア機能が高まるので、ざわつきにくい肌になるといえます。

Q.美肌菌オンリーの肌は最強の美肌?
A 肌の菌も腸内同様バランスが大事です!
肌の常在菌をどれかひとつだけにするなんてナンセンス。いろんな菌がいて、それぞれの菌バランスが整っている状態が最強の美肌といえます。

Q.肌の菌と水分量や油分量って関係ある?
A 関係があると思います。
まだ詳しいことは分かっていないのですが、皮脂膜の合成などと関係があると思います。また皮脂が多いと毛穴が詰まりやすく、好脂性のアクネ桿菌を増殖させる危険もあります。

Q.美肌菌を育てるスキンケア法が知りたい
A 洗いすぎない&乾燥させないことがいちばん!
洗顔のしすぎは表皮ブドウ球菌などの美肌菌を減らし、悪玉菌を増やし、肌フローラを乱すので厳禁です!また、肌が乾燥していると表皮ブドウ球菌がすみにくくなってしまいます。

Q.化粧水がしみる!これって炎症?
A 微細な炎症が起きている可能性大
目には見えなくても、化粧品がしみるという自党症状があるなら肌に炎症が起こっている可能性があります。微弱炎症は放置すると老化にもつながるので早めのケアが必要です。

Q.赤みを抑えるにはどうすれば?
A トラネキサム酸などで抗炎症ケアを
トラネキサム酸やグリチルリチン酸2Kなど抗炎症作用のあるものを使ってみて。炎症が長引くようなら、そのままにせず皮膚科医に相談をおすすめします!

Q.いわゆる「赤ら顔」は炎症が起きている肌と同じこと?
A 同じではないですが、関係はあります。
本来"赤ら顔"とは毛細血管拡張による赤みをいいますが、それだけでなく脂漏性皮膚炎のような湿疹系の赤みを併発している場合もあります。

Q.炎症は自然に治るもの?
A 軽いものなら自然に治ることもあります。
軽微な炎症なら保湿ケアを見直すことで自然に治ることもあります。ひどい赤みや湿疹などが出ているようなら皮膚科医に相談してください。

【女性ホルモン】
PMSなど心身の不調を引き起こす女性ホルモン。上手な付き合い方を覚えて、毎日を快適に過ごしましょう!

Q.大豆類を摂っても、エクオールが作れないと意味がないって聞いたけど......
A ソイチェックで検査できます
体内でエクオールを産生できるかどうかには個人差があります。ソイチェックという尿検査法で自分に産生能力があるか簡単に調べられます。

Q.月経前に皮脂が多くなるなら、さっぱりケアにすればOK?
A さっぱりケアでも保湿は忘れずに
ベタつきが気になる人は乳液やクリームを省きがちですが、化粧水だけでは保湿したとはいえません!さっぱりでもいいのでしっかり保湿をしてください。
2月~5月は肌も心もとても不安定になりやすい時期です。スキンケアと生活習慣の両面から、肌の防御力を上げましょう!

肌を不安定にさせている原因を見極め、早めに対策をし、どんなときでもざわつかない美肌を目指したいものです。
ご参考になさってください。

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