雑誌『クロワッサン 962 2017年12月10日号』(11月25日発売 掲載ページP62~65)

特集「消去したい!冬の乾きジワ。」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

【油断大敵、入浴後の肌はむしろ乾燥するのです。】
代謝がアップするバスタイムは、美容を意識する女性にとっては特に欠かせない時間。ところが、そこに思わぬ落とし穴が。
入浴後は肌が潤っている?シートマスクは長いほどいい?など、よくある勘違いを正して、適切なケアをしましょう。

お風呂上りの肌は、実は入浴前よりも乾燥するもの。すぐに保湿ケアをしないと、肌の過乾燥やシワなどにつながります。確かに、お風呂上りに肌がつっぱったり、カサカサ感を感じたりしたことがある人は多いではないでしょうか?皮脂が流れ落ちて乾燥した肌は、バリア機能が弱くなるので、少しの刺激で傷がつきやすい状態。この状態で長く放置せず、摩擦を与えない丁寧なスキンケアを施すことが大切です。
シワをつくらないためのお風呂前後のケア、もう一度、見直してみよう。

●高温のお湯で長風呂、半身浴はNG。
「ぬるめで15分まで」が肌には最適。
入浴後の乾燥を防ぐため、熱過ぎる湯や長風呂は厳禁。湯舟に浸かるとき、できるだけ肌の乾燥を防ぐには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
お湯に浸かった肌からは、皮脂やNMF(天然保湿因子)、角質細胞間脂質など、本来肌に備わっている保湿物質が一時的に流出するため、肌の水分を保てなくなって、乾燥につながりやすくなります。乾燥をできる限り軽減する入り方がお湯の温度は38〜40℃くらいが最適。42℃以上になると、保湿物質が流れ出しやすくなり、肌のバリア機能が低下します。また、時間は長くても10~15分で十分。保湿成分の入った入浴剤を入れるのも、乾燥を防ぐ効果があります。

<入浴による皮膚の変化>
入浴すると、本来肌に備わっている皮脂やNMF(天然保湿因子)、角質細胞間脂質などが一時的に流出。肌の水分が保てなくなり、過乾燥が起こります。

<保湿リミット実験結果>
皮膚の水分量を示す縦軸が時間とともに下降。お風呂から出て入浴前よりも水分量が高いのは角質が水を吸ってふやけている10分後まで、それ以降は低下し続けることがわかっています。

●クレンジングは入浴中ではなく、しっかり落とすには乾いた肌で行うべき
クレンジングのタイミングは、お風呂に入る前が正解。
メイクや汚れをしっかり落とすため、クレンジング剤をつけるときは、顔も手も乾いた状態が基本。顔全体に指の腹を使ってやさしくなじませ、メイク汚れなどの油分が浮いてきたら、乳化した証。その後、ぬるま湯で、十分に洗い流すのがポイントです。ダブル洗顔をするのは、バスルームの中でも大丈夫。クレンジングの後にすぐに洗顔してしまうと、より乾燥が進むのでおすすめしません。湯舟で体を温め、いちばん最後に顔を洗って出ましょう。

●お風呂から出たら、何はともあれ保湿。
インバス用のマスクも活用して。
入浴後の肌を乾燥から守るためには、とにかくすぐに保湿すること。
入浴後の皮膚は、何もしなければどんどん水分量が低下していきます。水分量が入浴前より高く保たれている10分以内に保湿をしましょう。
お風呂から出てすぐ手の届くところに、肌にいちばん最初につけるブースターや化粧水を置いておくと便利です。
でも、お風呂上りの汗をかいた状態に化粧水などをつけても、流れてしまうのでは?というご質問もよくいただきます。汗で流れたら、化粧水を足せば大丈夫。とりあえず、最初の保湿は早いに越したことはありません。

●スキンケアは刺激を与えないのが鉄則。
特に目元は皮膚を動かさないように。
血行が良くなるお風呂上りは、スキンケアの効果もアップするタイミング。このとき、シワをつくらないために気をつけるべきは、肌に刺激を与えないこと。
よく化粧水をパンパンと手で叩き込むようにしてつける人がいますが、叩くことによる浸透効果はなく、肌を傷付ける原因になります。さらに、バリア機能が低下して、炎症を招く恐れもあります。やさしく、ゆっくり、丁寧に、を心がけましょう。 
ナイトクリームなどを塗るときに、「マッサージも兼ねて...」などと、指先に力を入れて、適当な方向に引き上げるようにするのも避けるべき。頬など広い面は、内から外に向かって一気に塗り広げるようにしましょう。人差し指、中指、薬指の三本をつけて広い面にし、頬に沿うようにあて、皮膚を動かさないようにしながら塗ると、肌に負担がかかりません。
目元は、最も皮膚が薄く、シワになりやすい部位。また、敏感な部位でもあるので、専用のクリームがおすすめです。アイクリームを塗るときは、できるだけ皮膚が動かないよう、目尻のあたりを片手の指でやさしくおさえながら、上まぶたは内から外、下側は外から内へ、別の手の薬指の腹でのばして付けましょう。
また、目元や口元、頬などの乾燥しやすいところは、一度にたくさん塗らず、少しずつ重ね塗りをしたほうが効果的。
首やデコルテも、年齢が出やすい部分なので、お風呂上りにしっかり保湿したいところです。化粧水、美容液、クリームなど、顔につけるものはすべて、首やデコルテまでのばしましょう。このときも、力を入れるのはシワの原因になるのでNG。頬にのばすときと同じように、指三本をつけて面にして塗り広げるようにしてください。

<HOW TO>
1クリームなどを頬のように広い面に塗るときは人差し指、中指、薬指をつけて「面」にして。
2アイクリームをつけるときは、片手で目尻を押さえながら皮膚を動かさないように薬指を用いて。

●長時間のシートマスクは老化のもと。
説明書の適正時間は必ず守って。
顔に貼っておくだけで潤いをチャージできるシートマスク。適正時間が10~15分と書いてあっても、ついもったいなくて、長時間貼ったままにしてしまいがちではないでしょうか?
シートマスクは、適正時間で使ってこそ、効果が得られるもの。美容液などがしっかり肌に浸透するように設計されているので、必要以上に貼っておくと刺激になって、炎症を起こす場合もあります。炎症はシワやシミなど老化につながるので注意を。お風呂上りに貼って、そのまま寝てしまうのはもってのほかです。
正しい使用法さえ守れば、美容液成分を密閉して浸透させることができるシートマスクは、お風呂上りにスペシャルケアとしてぜひ取り入れたいもの。
ただし、毎日使えば効果が上がるというわけでもありません。適正時間同様、使用頻度も守って使いましょう。

●40代以上の肌のキメを整えるには、定期的な角質ケアが鍵に。
角質ケアというと、「乾燥してしまうのでは?」と敬遠されがちですが...。
実際は、ピーリングなどの角質ケアは40代以上の人にこそおすすめ。
年齢を重ねるにつれ、ターンオーバーの周期が乱れ、古い角質が剥がれにくくなってきます。定期的なピーリングをすることで、不要な角質をオフでき、新しい皮膚の生まれ変わりを促すことができます。
肌表面の触り心地がツルンとするのはもちろん、キメも整うため、メイクのりも良くなります。自宅でケアするなら、お風呂でも手軽に使えるフルーツ酸などが配合された洗顔料などを取り入れるのも良いでしょう。ターンオーバーが順調になると、バリア機能も高まります。

●うろ覚えの自己流顔マッサージより、首や肩まわりのマッサージやストレッチを。
クレンジングやクリームをつけるときに、ついやってしまいがちな自己流のフェイスマッサージ。
やり方によってはシワのもとになる可能性があります。顔ではなく、むしろ首や肩などのマッサージやストレッチを行ったほうが、血行が良くなってスキンケア効果が期待できます。
行うのは、体が温まっている状態が効果的なので、湯舟の中やお風呂上りがおすすめ。
首を左右に回したときに、耳下から肩に向かって浮き出る、胸鎖乳突筋を指で挟み、上から下に向かって少しずつ指圧しましょう。さらに、肩の大きな筋肉、僧帽筋がある首の付け根を下から上に引きはがすように掴んでマッサージ。
PCやスマホの画面を見る時間が長いと首や肩がこり、顔の血行も悪くなっていきます。解消するには、うなじにあるツボ、"ぼんのくぼ"を両手の親指で指圧してほぐすと、首のこりにも効果的です。

<HOW TO>
首を左右どちらかに回し、首から肩に向かって浮き出た胸鎖乳突筋を親指とそのほかの四本指で上から順に掴んでいく。
うなじのくぼみにあるツボ"ぼんのくぼ"を両手の親指で指圧すると首こり解消効果が。気持ちいいと感じる強さで行いましょう。

冬の乾燥ジワをつくらないために、摩擦刺激を与えない丁寧なスキンケアを心がけましょう。

是非、ご一読ください。

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