情報誌『生活の木 ライフウェアブック』2021春夏号(2021年2月1日発行 掲載P11~P16)

特集『美肌を育てるこれからのスキンケア習慣』に慶田院長の監修記事が掲載されました。

春の目覚めが待ち遠しい今日この頃です。新しい季節の始まりは、まぶしい太陽の光を携えやってきます。心の解放感とは裏腹に、肌を無防備にできないこの時季、正しい保湿・UVケアを身につけ、美しい肌を育んでいきましょう。

【日焼け対策編】
肌老化の原因は光老化にあり。
肌老化の原因は、8割太陽光によるものだとご存知でしょうか。思い浮かべてみてください。年配の方のお尻にはシミがないのに、顔にはシミやしわがある。つまり、肌老化は加齢だけでなく、太陽光も原因であるということです。太陽光線は、紫外線、可視光線、赤外線の3つに分けられます。防ぐべきは、UV-A(波)とUV-B(波)。UV-Aは、蓄積することでシワやたるみなどの原因に、UV-Bは、シミ、そばかすなどの原因になるとされています。そして、UV-Aの隣に位置する可視光線の「ブルーライト」。これは私たちの身近にあるパソコンやスマートフォンなどからも発せられ、目と体内のリズムに大きな影響を与えます。太陽光線のブルーライトは、肌の酸化ストレスを引き起こすこと、さらには、一部の近赤外線がたるみや赤ら顔などの誘因となることがわかっています。
*ブルーライトは可視光線の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持ち、目の角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイには、このブルーライトが多く含まれています。
*UV-Bは中波長で皮膚の表皮まで、UV-Aは長波長で真皮にまで到達。紫外線は、屋内にも降り注ぐため、屋内外に関わらずUVケアが必要です。

《目からウロコ?UVケアのホントのところ》
■日焼け止めは2割しか効果を発揮しない?
 日焼け止めのSPF数値は2㎎/㎠を塗ることで得られます。この量は、顔にドーランを塗るようなもの。普通に顔に塗る程度では、効果の2割、つまりSPF10程度しか効果を発揮しません。そのため、正しい日焼け止めの塗り方を知る必要があります。
■日焼け止めスプレーは効果がない!?
スプレータイプの日焼け止めは、軽くスプレーしただけでは、量が不十分な場合があります。何度か重ね付けしましょう。髪などの部分使いや、日中の塗り直し、動きが活発で日焼け止めを塗りづらい子どもには、スプレーが便利です。用途に合わせて使い分けるとよいでしょう。
■子どもへのUVケアって必要?
 子どもの表皮分裂は大人以上に盛んです。そのため、紫外線によるダメージを受けた情報が、細胞の核内にあるDNAに吸収され、修復がなされないままコピーを続け、最悪の場合、皮膚の癌化に繋がってしまう可能性もあります。低年齢(3歳未満)の子どもにこそUVケアを行いましょう。大人には正しいUVケアのリテラシ―が必要です。
< MEMO >今さら聞けない!SPFとPAって何?
 SPFは、UV-Bの防御効果を示す指標です。例えば、SPF50なら、肌に何も塗らない場合に比べて、肌が赤くなるまでの時間を50倍に延ばすことができます。PAは、UV-Aの防御効果を示す指標です。「+」が多くなるほど、肌に何も塗らない場合と比べて、肌が黒くなるまでの時間を2倍~16倍以上に延ばすことができます。

《今日からはじめる正しいUVケア》
 敏感肌だから、室内だから、マスクをしているから、UVケアをしなくても大丈夫...、
 それは美肌キープのルール違反です。光老化は美肌を侵す最大の敵です。今こそ、正しいUVケアを身につけ、肌老化を遅らせましょう。
■POINT①:日焼け止めはミルフィーユ塗りを心がけよ
 ドーラン塗りはできなくても、日焼け止めを重ねて塗ることで、効果を高めることができます。下地クリーム、ファンデーション、パウダーなどを重ねていきます。
■POINT②:手のひらスタンプで肌に密着させよ
 日焼け止めは、額、あご、両頬、鼻に5点置きし、顔の中心から外側に向けて伸ばして塗ります。力を入れて塗りこむ必要はありません。仕上げは、日焼け止めを肌に密着させるイメージで、やさしく手のひらで押さえます。首やデコルテもお忘れなく。
■POINT③:マスクの下もUVケアを
 「マスクをしているからUVケアはしなくて大丈夫」は妄信です。マスク越しでも紫外線
  は肌に届き、気づいたら"マスク焼け"なんてことも。マスクへの色移りが気になる場合
  は、ノンカラータイプの下地クリームを。マスクと肌が触れる部分(頬、鼻やあごなど)
  は、こすれて落ちやすいので重点的に塗りましょう。
■POINT④:2時間ごとに塗り直しを
 日焼け止めは、汗やマスクによる摩擦などで簡単に落ちてしまいます。「朝つけたからOK」
 ではなく、2時間ごとに塗り直しを心がけましょう。また、できるだけ紫外線があたらな
 いような服装(黒い服、帽子や日傘など)を心がけるのも良いでしょう。

【ゆらぎ肌対策編】
ゆらぎ肌って何ですか?
冬から春先にかけてもうひとつ気がかりなのは、「乾燥」です。この時季は乾燥シーズン
真っ只中です。乾燥は、肌のうるおいを容赦なく奪い、外的刺激から肌を守るバリア機能を
脆弱にします。普段は普通肌でも、乾燥、太陽光、タバコの煙、花粉、黄砂、微小粒子物質(PM2.5)といった大気汚染物質による刺激、加えて、マスクによる摩擦、着脱による蒸れや急激な乾燥などが原因で、肌がかぶれたり、アレルギー反応が起こったりします。こうした肌状態を、わかりやすく「ゆらぎ肌」を表現しています。肌のバリア機能を高めるには、日々の正しいスキンケアを行い、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
脱・ゆらぎ肌は、"保湿レンジャー"を味方に!
スキンケアの中でも特に大切なのは、うるおい成分である保湿剤(モイスチャライザー)を肌
に届けること。代表的なものに、セラミドなどの細胞間脂質、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)、グリセリン、ヒアルロン酸、加水分解コラーゲンなどがあります。これらが配合された基礎化粧品を使い、肌を乾燥から守ることで、肌のバリア機能を高め、外的刺激を跳ね返すことができるように、抜かりない保湿ケアで、「ゆらぎ肌」から解放されましょう。
< MEMO >オイルは保湿レンジャー?
実はオイルは保湿剤ではなく、エモリエント剤(皮膚を滑らかにする油溶性成分)。化粧水後
にオイルをつけるスキンケアもよいですが、保湿剤ではありません。特にゆらぎ肌、敏感肌
の方は、保湿剤配合の基礎化粧品と併用しましょう。

《今日から見直す&はじめる!正しいスキンケア》
美肌を育むスキンケアは、「汚れを落とす」「保湿する」「UVケア」の3つのプロセスを確実にこなすこと。こすりすぎ、洗いすぎ、過剰なケアを行わないことも念頭に置き、肌を育てるように、やさしい気持ちで日々のスキンケアを行いましょう。
1. クレンジング:メイク落としは60秒以内で!
まずはメイクを落とすことから。クレンジング剤を手に取り、肌表面をなでるように、やさしくなじませます。肌に負担をかけないように、こすらず、時間をかけずに手早く行うことがポイントです。
2. 洗顔:朝も泡洗顔をお忘れなく
「乾燥肌だから朝は洗顔ナシ!」という方は要注意です。皮脂は水やぬるま湯では落とせず、空気中の酸素に触れることで少しずつ酸化するため、朝も洗顔が必要です。洗顔は、しっかりと泡立てた泡で包み込み、なでるように行いましょう。よくすすぎ、タオルでそっと押さえます。こすらず、やさしく、洗顔の基本です。
3.保湿:化粧水、クリームはたっぷりと
  化粧水はコットンではなく、手で塗りましょう。手のひらに500円玉くらいの量をとり、両手でなじませてから肌に軽く押さえます。クリームなどはサクランボ大の量を、指の腹を使って、こすらないようにやさしく塗り、首やデコルテにも広げます。
< MEMO >メイク直しの正解はコレ!
 メイク直しをする際、ミストローションのみを使用してパッと済ませていませんか?その瞬間はうるおいますが、時間がたつと水分が蒸発してしまうので、クリームを重ねてからメイク直しをしましょう。マスクをしている場合は、マスクが油とり紙のように、必要な保湿成分まで吸い取ってしまうので、マスクを取った後も保湿を心がけましょう。保湿
 成分が含まれている下地クリームやBBクリームを使用すれば、乾燥対策や、バリア機能の低下防止に繋がります。

【インナーケア編】
美は一日にして成らず。美しい肌は、外側だけを塗り固めるだけでは成立しません。保湿やUVケアはもちろん、規則正しい生活習慣が伴ってこそ、美肌が築かれます。食事、腸内環境、睡眠、運動、ストレスコントロール、この5つの生活習慣が整っていることも大切です。
■腸内環境:腸内環境は美肌に大きく影響
 美肌を築く栄養素を肌に届けるためには、腸内環境が整っていることも大切です。肌の乾燥やニキビなどの肌のトラブルは、腸内環境が原因の場合もあります。乳酸菌を含むヨーグルトなどと共に、食物繊維やオリゴ糖などを摂取し、腸内環境を整えることで、肌の水分量が保たれることがわかっています。
■食事:おしゃれなカフェ飯より定食を
 野菜や炭水化物に偏ったカフェ飯ではなく、不足しがちなタンパク質、脂質などを含む栄養バランスのとれた定食が理想です。豆、卵、乳製品、魚肉などのタンパク質は体重1g量(1日当たり)を脂質はエゴマ、アマニオイル、チアシードなどのオメガ3脂肪酸を摂取しましょう。セラミドやコレストロールは脂質の一種。セラミドは神経細胞の維持や修復にも役立ちます。また、ビタミンACEも美肌作りの匠とも言うべき栄養素。色の濃い野菜、イチゴ、ナッツ、ゴジベリーなどを摂取しましょう。
■睡眠・運動・ストレスコントロール:ストレスコントロールは肌育の基本
 適度な運動や睡眠に加えて、ストレスコントロールも肌育には欠かせません。ストレスがかかると交感神経が優位になり、肌代謝が悪化。肌バリア機能の低下に繋がります。好きなアロマを嗅いだり、ノンカフェインのハーブティーを飲むなどして、ストレスを抱えないような工夫をしましょう。ラベンダーなどの好きなアロマを嗅ぎながら、カモマイルやルイボスなどのハーブティーでリラックスしてみてはいかがでしょうか。

是非、ご参考になさって下さい。

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