雑誌「からだにいいこと」2020年5月号(3月16日発売 掲載ページP41~P45 )

特集『あなたが一生懸命やっているケアは、効果がない!?脱「ざんねんなスキンケア」
皮膚科医の正解付』に慶田院長の監修記事が掲載されました。

一生懸命ケアしても「効果がない」「肌のトラブルになった」という経験はありませんか?良かれと思ってしていたケアが、実は間違っていたのかも。やりがちな「ざんねん」を見直して、輝く素肌を手に入れましょう!

正しいスキンケアで肌の力は取り戻せる!
スキンケアに励むのはステキなことです。しかし、やっても意味がなかったり、肌をいためつけたりするような美容法も‶常識〟として広まっています。時間もお金も無駄になるので、正しく、意味のある本当のスキンケアを知っていただきたいと思います。
スキンケアの基本は「やさしく洗う」「保湿」「日焼け対策」の3つです。本来であれば、基本を正しく行うだけで肌を美しく保つことができます。
ケアをしているつもりでも、肌が突っ張って粉がふいたり、小ジワがあったりする人は、肌が乾燥しているサイン。これは‶ざんねんなスキンケア〟が原因で、老化が加速しているのかもしれません。正しい知識を得て、間違いを正せば、肌の力がよみがえって若返った印象になりますよ。
無意識のうちにやっていた間違いに気づくことが、美肌作りへの第一歩です。正しい方法を取り入れて、肌本来の力を取り戻していきましょう!

●間違いだらけの洗い方

✕:乾燥肌なので朝の洗顔はお湯だけ
お湯だけの洗顔では、就寝中に分泌された皮脂や化粧品は落とせません。皮脂は空気に触れて酸化すると、表皮の一番外側にある角層が炎症を起こし、肌が本来持つバリア機能が低下することも。逆に乾燥肌の原因になるので、朝も洗顔料を使って洗いましょう。
〇:朝も泡立てた洗顔料で優しくなで洗い
泡立てた洗顔料をなでるように動かして20秒ほど洗い、ぬるま湯でしっかりすすぐのが、正しい洗顔法。その後はタオルでやさしく水分を吸い取り、クリームで保湿をしましょう。
当院オリジナルの『セラミドバリアクリーム』(銀座ケイスキンクリニック取扱い 30g ¥5,000)は、天然セラミドが主成分で、水分保持力・抗炎症作用が高く、季節の変わり目のざわつきやすいお肌や、敏感に傾きやすいお肌をやさしく守ります。

✕:しっかり時間をかけてクレンジング
メイクや油汚れを落とすほど、強い除去力があるクレンジング料。洗浄力が強い分、長い時間をかけて必要以上に行うと、角層の隙間の潤い因子「セラミド」なども一緒に奪われてしまい、肌は乾燥のリスクが高まります。短時間でサッと終わらせてダメージは最小限にするとよいでしょう。
〇:クレンジングは1分以内に
クレンジング料を、肌をなでるように顔全体になじませて。落とすまで30秒~1分程度で十分。メイクが乳化したら、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。ダブル洗顔不要な商品以外は、その後に洗顔をしましょう。

✕:毛穴詰まりにスクラブ洗顔料
細かい粒子を含むスクラブ洗顔料。毛穴に詰まった皮脂や角栓がすっきりするイメージがありますが、粒子で取れるのは古い角質のみです。洗い上がりの肌は粒子の摩擦で傷つき、角層の潤いが流れ出すため、肌荒れや乾燥肌の原因になります。使わないほうが無難です。
〇:クレンジングオイルで角質除去
角栓や毛穴の黒ずみが気になる部分を、クレンジングオイルで20秒ほど軽くマッサージ。その後しっかりすすぎましょう。不要な角質を溶かす酵素洗顔料を使ってもOKです。

●丁寧すぎるスキンケア

✕:保湿クリームはしっかり肌に塗り込む
保湿クリームは肌の角層を潤わせて油分の膜で覆い、水分や潤いを守るのが役目です。クリームを強く塗り込んでも肌の奥深くまで入りません。それどころか強く肌を押したり、こすったりすることが、肌を刺激してシミを作る原因になってしまいます。
〇:内側から外側にスッとのばす程度でOK
顔の内側から外側に向けて、指の腹を使いやさしくクリームを塗り広げます。皮膚の薄い目の周りなどは薬指を使うと、肌に負担がかかりません。頬は3~4回、額やあごは1~2回なでるのが目安です。

△:コラーゲン入り化粧品でシワ改善
〇:化粧品でシワは消えない
シワは、皮膚の形状を保つ真皮や皮下組織の構造の変化によるものです。高級なコラーゲン入り化粧品を使っても、表皮の下にある真皮までは浸透しないので、深いシワは消えません。期待できるのは、小ジワが目立たなくなる程度の効果でしょう。
根本的なシワ改善は、美容医療の力に頼りましょう。
当院では、担当医が、患者様のお肌状態やお悩みにより、最も効果的な治療をオーダーメイドでご提案させていただきます。シワのタイプやお悩みの箇所に合わせて最適な治療を選択しましょう。
ほんの一部ではありますが、今回は2つの治療をご紹介いたします。

◆こけた部分にふっくら感を与える『ヒアルロン酸注入』
ボリュームが不足している部分にヒアルロン酸を注入することで、ふくらみを持たせ、若返りを図る治療法です。ほうれい線や、ゴルゴライン、頬のこけ、目まわりや口まわりなどのシワ、へこみや影を改善します。
また、たるんだ顔面靭帯を補給するように注入する『True Lift Methodトゥルーリフト注入法』は、皮膚と脂肪組織を骨につなぎとめる杭(くい)のような役割を果たす靭帯の補強し、リフトアップを図るとともに、顏揺れを抑えます。

◆筋肉の過剰な収縮による表情ジワを改善『ボトックス注射』
過剰な筋肉の収縮によってできる表情ジワ(額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻のシワなど)をのばす効果があります。
目尻や額など表情を大きく左右する場所は、筋肉より浅い部分にある真皮内に少量ずつ点状にボトックス注射を行うテクニック『メソボトックス(マイクロボトックス)』で、筋肉の動きを大きく止めすぎることなく、筋肉の表面繊維だけの働きを弱めることによって、自然にシワを改善し、肌を引き締めることができます。
さらに、首の全面にひろがる広頚筋の収縮が強く、首の筋張りが目立つ方には、顎下~首全体に『メソボトックス(マイクロボトックス)』行うのがオススメ。広頚筋はフェイスラインを引き下げるので、これを緩めるとスジっぽさと横ジワが解消され、さらには日に日にフェイスラインのたるみが改善されます。

✕:シートマスクを長時間貼りっぱなし
〇:長時間貼ると乾燥の原因に
シートマスクを貼って、肌が長時間濡れたままの状態にしていると、角層の潤い物質が流れ出し、水分が蒸発。かえって肌の乾燥を招く原因になります。シートマスクを使うのなら、5~15分以内がベストです。

✕:化粧水が浸透するようしっかりパッティング
化粧水を含ませたコットンでパッティングしても、毛穴は引き締まらないし、肌の奥には浸透しません。かえってコットンの表面の細かな線維が肌を強くこすることになるので、刺激による炎症やシミなどを引き起こすこともあります。
〇:化粧水は手でやさしくなじませて
化粧水は手のひら全体を使って、やさしく押し込むようになじませましょう。肌をこすらないよう注意して。肌がしっとりしたら、乳液やクリームをつけて潤いをキープしましょう。

●やってはいけない!?美容習慣
△:ハンドクリームを手の甲でこすり合わせる
手荒れをしやすいのは、手の甲よりも指や爪周り。ハンドクリームを手の甲でこすり合わせるだけでは、手全体になじみません。手荒れ予防には、指の間や指先までしっかり塗るようにしましょう。
〇:指の間や爪周りまでしっかりなじませて
ハンドクリームを手全体になじませたら、反対の手で指1本1本を軽く包み込むようにしてクリームをのばしましょう。最後に指先や爪周りまで塗り込むように、しっかりなじませます。

✕:足の爪は短くして丸くカット
爪は外的刺激から指先を守る役割があります。爪を丸く短く切ると、足指が靴の中で圧迫され、爪が皮膚に食い込む「嵌入爪(かんにゅうそう)」になるリスクが高まります。特にヒールを履く女性は、足の爪に負担をかけがち。細菌が入って化膿する可能性もあるので注意しましょう。
〇:爪の角を整えた四角形がベスト
足の爪は、四角く切る「スクエアカット」がおすすめ。まず、爪の先端を直線に切ります。このとき、深爪にならないように気をつけましょう。カットしたら爪の両サイドの角を、軽くヤスリや爪切りで整えましょう。角を残すことで、爪が皮膚に食い込むのを防げます。

✕:爪の甘皮はキレイに除去
〇:甘皮を切ると爪の成長の妨げに
甘皮には、爪の保護や成長を促す働きがあります。甘皮がない方が爪はキレイに見えますが、カットしすぎると爪の変形や爪囲炎(そういえん)などの原因に。甘皮はカットするより、ハンドクリームで保湿する方がベターです。

✕:美容情報は口コミやSNSから
〇:根拠のない情報に振り回されない
口コミやSNSなどで紹介されている美容法は医学的根拠のないものも多く、必ずしも正しいわけではありません。鵜呑みにするのは危険です。また、肌質は遺伝で決まっているもの。人に良い方法が自分にあうとは限りません。あふれる情報に惑わされないよう、ケアの3原則「やさしく洗う」「保湿」「日焼け対策」を念頭に置きましょう。

✕:日焼けをしても美白化粧品を使えば大丈夫
美白化粧品はシミを予防し、肌の透明感を高めますが、シミを消すことも、たるみを解消することもできません。紫外線による光老化はシミやシワ、イボの原因になるので、日焼け止めはかならず塗りましょう。
〇:日焼け止めは二度塗りがベスト
日焼け止めは薄くつけがちですが、しっかり二度塗りするくらいが良いです。
耳周り、首の側面や後ろなど塗りもれがないようにしましょう。汗をかいた時は2時間に一度は塗り直すようにして、紫外線をブロックしましょう。

✕:敏感肌には植物由来のコスメが安心
〇:刺激が強く肌トラブルの原因にも
化学成分不使用のオーガニックコスメというだけで、肌にやさしく安心安全というのは間違いです。中には品質が不安定で、刺激になるものもあります。また、植物エキスのかぶれは意外に多く、注意が必要です。さらに化学成分不使用だから美肌効果があるというようなデータもありません。

✕:イボ対策にはハトムギを使う
〇:効くのは一部のみ 皮膚科に行くべし
ハトムギエキスがイボに効果があるといわれるのは、ウイルス性のイボだけ。ハトムギエキスが含まれたお茶を飲んだり、化粧品を塗ったりしても、加齢や紫外線が原因でできるイボには効果はありません。イボは、皮膚科に行って治療しましょう。
スキンケアでは解決できず、放っておくと大きくなったり数が増えたりすることもあるため、見た目の若々しさ、美しさという点でも、小さなうちに取り除くことが賢明です。
当院で行っている『CO₂レーザー手術(炭酸ガスレーザー手術)』は脂漏性角化症を蒸散させ、皮膚表面からごく浅く削りとる方法です。出血もほとんどなく、小さいうちに治療すれば傷跡も目立たなく、1回で綺麗に除去することができます。局所麻酔をして行います。

✕:肌をいたわるために普段はノーメイク
〇:メイクした方が肌の乾燥や日焼け予防に
メイクには日焼けや肌の乾燥、花粉、大気汚染物質などの付着を防ぐ役割も。肌のためには、普段からメイクはした方がメリット大です!メイクが苦手という人は、家の中にいる時でも日焼け止めはしっかり塗り、紫外線から肌を守りましょう。屋内にも紫外線は届きます。

いかがでしたでしょうか?正しい知識に基づいた意味のあるスキンケアを心がけてくださいね。

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