雑誌『日経ヘルス』2018年11月号 (10月2日発売 掲載ページP88~91)

特集「ゆらぎ肌を解決!アンチエイジングにも 肌バリアを整える新・美容習慣」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

敏感肌というほどではないけれど、一時的に肌の不調を感じる「ゆらぎ肌」が増えています。特に秋から冬は症状が悪化しやすい季節。乾燥や刺激に負けない、外と内からの美容習慣を始めましょう。

【女性の7割近くが季節の帰り目に肌のゆらぎを感じている】
30~40代女性480人を対象に行われた「秋のゆらぎ肌」に関するアンケート調査で、66%が夏から秋になる季節の変わり目に不調を感じていることが判明。どんな症状感じているかという質問では「乾燥」が最も多く、その他、「かゆみ」「吹き出物」「赤み」などが挙げられました。

【湿度が急激に下がる10月以降、肌の水分蒸散量は急増!バリア機能が低下】
10月から12月にかけて空気の湿度が急激に低下すると、それに反比例して、外気に水分が奪われやすくなり、肌の水分蒸散量は一気に増加します。結果、肌表面にある角質の水分量が不足し、肌の潤いもバリア機能も低下する要因に。

【秋〜冬のバリア機能の乱れがさまざまな肌トラブルを招く】
悪ノリの悪さや目元・口元の小じわなど顔だけでなく、ひじやすね、背中が粉を吹くほど乾燥するなど、この時期のバリア機能の乱れは、全身の肌に影響するので要注意!

●バリア機能が正常な肌
角層のバリア機能が整っていれば、外部からの刺激物質等の侵入を防ぎ、肌内部の水分の保持力も高まります。トラブルの起きにくい、健やかな肌をキープできる。
●バリア機能が乱れた肌
バリア機能が乱れると角質の隙間から刺激物質などが侵入しやすくなります。肌内部の水分も蒸散しやすい状態に。乾燥はもちろん、炎症による痒みや赤みなども招きます。

【こんな習慣に要注意!バリア機能を乱す3大チェックポイント】
気温や湿度の低下など秋~冬の環境因子に加えて、ぜひ見直したいのが普段のスキンケアや生活習慣。下の項目の中で、自分にあてはまる1つでもあればバリア機能が乱れている可能性あり。改善して潤い美肌に!

×間違ったスキンケア
洗顔や保湿ケアのときに無意識に力をいれすぎていないかということも、改めてセルフチェックしてみますしょう。
☑洗顔はとにかく汚れを落とすことが第一
☑秋~冬は日焼け止めを塗らなくなる
☑保湿は化粧水がメイン。つける量は控え目

肌に摩擦刺激を与えないことが鉄則
洗顔と保湿、そして通年の紫外線対策が、どんな肌質にも共通のスキンケアの3本柱。ただし、その際に肌をこすると角層の細胞間脂質(セラミドなど)や天然保湿因子が失われ、バリア機能を低下させる一因になる。やさしいタッチを心がけましょう。

×過度のストレス
仕事や育児、家事などで忙しく、なかなか自分の時間を確保できず、ストレスがたまる一方...。そんな状態にも要注意。
☑残業や家事などで夜遅くなることが多く、睡眠時間が十分にとれない
☑イライラ、落ち込みなど、気分が不安定になりやすい
☑忙しいので入浴はシャワーで済ませることがほとんど

オン・オフを上手に切り替えて睡眠や入浴の時間を確保して
過度のストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良や肌のターンオーバー(新陳代謝)の乱れを招く要因に。ダメージを受けた肌の回復に良質な睡眠をとることも重要。できるだけ心身をリラックスさせる時間を持てるように、うまく切り替えを。

×栄養不足
極端な糖質制限や油抜きなど、栄養バランスの偏った食生活も、実はバリア機能低下させる大きな要因の1つ。
☑ダイエットをしている
☑油を使った料理や肉料理は極力控えている
☑豆、魚、肉などあまり食べない
☑なかなか甘いものがやめられない

良質な脂質をとることがバリア機能を維持する必須条件
健やかな肌のためには、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をまんべんなくとることが不可欠。中でも角質の細胞間脂質の材料となる脂質は、バリア機能維持するうえで重要。ただし、とり過ぎは肥満を招くので適量が大切。

空気がさわやかだな、と感じ始めたら湿度が低下してきているサイン。夏の間よりもしっかり保湿ケアを行わないと、どんどん肌のバリア機能が低下して、乾燥や赤み、かゆみといった症状が現れやすくなります。
バリア機能とは、外界の大気汚染物質が花粉、細菌、ウィルス、化粧品類などさまざまな刺激から肌を守り、同時に肌の水分を内部に留める働きのこと。肌表面の角層に、皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質(セラミド、コレステロールなど)の保湿因子が十分にあり、キメが整っているときに正常に働きます。
湿度が急激に下がって、汗による肌の水分が減少し、外気に水分が奪われやすくなるこの季節は要注意。また、バリア機能は肌をこすることによっても低下します。特に気をつけたいのは洗顔時の摩擦。よく洗った手のひらでしっかり洗顔料泡立てて、手が肌に触れないように優しく洗うことが大切です。その上で十分な保湿ケアを心がけましょう。
乾燥して刺激を感じやすくなっている肌には、水分を挟み込んで保湿する特性を持つセラミドを配合したクリームなどがお薦めです。さらにセラミドには経口摂取でも保湿効果が得られると言う研究結果がでています。肌の内側と外側からのセラミドケアを始めましょう。

≪バリア機能アップのカギはセラミド≫
インナーケアを強化して肌のゆらぎをSTOP
加齢や乾燥などによって減少しやすいセラミドを補うことが、ゆらぎ肌を防ぐ秘訣。セラミド配合の保湿コスメだけでなく、機能性表示食品などで肌の内側から補給することで全身スベスベに!

【バリア機能の最前線・細胞間脂質の主役がセラミド】
角質には、肌の潤いを保つ3大要素「皮脂膜」「NMF細胞間脂質」があり、水分を保持する働きの約8割を細胞間脂質が担っています。この細胞間脂質の主成分がセラミドで、脂質全体の40〜60%を占めます。角質細胞の間で脂質の層と水分の層が交互に重なり合い、バリア機能支えているのです。

【バリア機能アップする2大セラミドケア】
●飲んで高める内からのセラミドケア
肌の乾燥状態に応じての飲む量を調節するのもOK
コンニャク芋や米由来のグルコシルセラミドは、少量の摂取で保湿効果が得られていることが様々な研究で確認されています。乾燥がひどい肌は症状が改善するまで量を増やすなど、適宜調整してもいいでしょう。

●守る・補う外からのセラミドケア
乾燥しやすい肌は秋口からクリームを
化粧水は規定量よりやや多めの量を、2回ぐらいに分けてそっとハンドプレスしてなじませます。その後、セラミドやアミノ酸、ヒアルロン酸など配合のクリームで蓋をすると潤いが逃げにくくなり、バリア機能の維持につながります。
コスメに配合されているセラミドは、体内にあるセラミドとほぼ同じ構造になるように、酵母などを利用して作られるヒト型セラミド、セラミドに類似した物質を化学的に合成し、比較的安価な疑似セラミドがあります。

肌のバリア機能を担う角層の厚さは、わずか0.02mmほど。その中でも何層にも重なった角質細胞の隙間を細胞間脂質が埋めることで、肌の水分が保たれ、外部刺激から肌を守るバリアが機能しています。細胞間脂質の40〜60%占めるのがセラミドで、角層の間に水分を抱え込みながら、細胞同士を密着させる中心的な役割を担っている。
肌に不可欠なセラミドを含む美容液やクリームなどの基礎化粧品は、不足しがちな潤いを補ったり、水分を逃さないように守るうえで効果的。ただし、コスメでケアできるのは基本的に顔など限られた部位だけ。手の届きにくい背中などは乾燥やかゆみが改善しにくいことも。
そこで、飲むだけで全身の保湿効果が期待できると注目されているのが、セラミド配合の機能性表示食品やサプリメント飲料。
コンニャク芋や米などの植物由来のセラミドは、セラミドにグルコース(糖)結合した、グルコシルセラミドが主体となります。このグルコシドセラミド摂取による皮膚の保水性向上効果が、近年様々な研究で示されています。ヒトにおいても、グルコシルセラミドを継続摂取した被験者へのアンケートでは、肌のキメが細かくなったなど多くの改善効果が確認されています。

【背中、ひじ、ひざ...全身のうるおいキープにはたっぷり保湿とインナーケアが不可欠】
●保湿ケア
お風呂上がりの全身保湿が決め手
衣類を着込む前に、浴室で全身にざっとボディークリームなどを塗っておく。その後乾燥が強いところだけ重ね塗りを。朝も重ね塗りするとさらに効果的。毎日続けることで乾燥の予防につながります。
●インナーケア
効率よく摂取できるサプリメントに注目
栄養バランスのとれた食事に加え、乾燥によって不足しがちなセラミドを補うことができる機能性表示食品などもプラス。肌の潤いを逃しにくくするため、乾燥対策として有効。

飲むセラミドサプリメントやドリンクが市販され、お手軽にインナー保湿ケアができるようになりました。体内でのセラミド合成のスイッチを活性化し、増やすことで皮膚の乾燥が改善するという報告が増えています。是非、ゆらぎ肌対策として取り入れてみましょう。


n_health20181101.jpgn_health201811011.jpgn_health201811012.jpg
n_health20181102.jpgn_health20181103.jpg

カウンセリング予約

文字サイズの変更