雑誌『日経ヘルス』2017年12月号 (11月2日発売 掲載ページP70~75)

特集「35歳以降の乾燥、かゆみ、シミ、たるみ...肌老化を防ぐ正しいケアはクレンジングの見直しから!ゆるクレンジングで大人敏感肌を解決!」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

肌のバリア機能が低下すると、"大人敏感肌"につながりやすくなります。その原因のひとつはクレンジングによる「落とし過ぎ」、「こすりすぎ」。"大人敏感肌"にならないためにも、"ゆるめ"クレンジングに切りかえましょう。

「落とし過ぎ」
肌の保湿機能が流出して肌のバリア機能が落ち、肌荒れに
洗浄力の強すぎるクレンジング剤や洗顔料は、肌の潤いを保つのに不可欠な表皮のNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質を流出させ、バリア機能低下させ一因になってしまいます。その結果、皮膚は乾燥し、花粉などのアレルゲン、紫外線や大気汚染などの外部刺激を受けやすくなり、微弱炎症が起きて肌荒れにつながります。

こんな心当たりがあれば...落としすぎ!
☑ダブル洗顔は欠かさない
☑乾燥で粉を吹くことがある
☑赤みやかゆみが出やすい

落としすぎを防ぐ"ゆる"クレンジング選びをしましょう。

「こすりすぎ」
微弱炎症で弱くなった肌の土台がこすり刺激により傷つき、たるみ
バリア機能が低下した肌内部で微弱炎症が続くと、やがて真皮のコラーゲンが切断されるなど肌の構造自体が弱くなっていきます。そこにこすり刺激が加わることで、顔の皮膚や筋肉、脂肪、骨をつなぎ止める靱帯などの軟部組織が傷つき、たるみやシワの原因に。

こんな心当たりがあれば...こすりすぎ!
☑クレンジング時にマッサージをしている
☑ふきとり用クレンジング剤を愛用している
☑角質や毛穴ケアでスクラブ剤をよく使う

こすりすぎを防ぐ"ゆる"クレンジング洗いに切りかえましょう

ある日急に赤みやピリピリ、むずむずを感じやすくなったという、"大人敏感肌"の人が35歳以降増えています。大気汚染やストレスなどバリア機能を低下させる原因はさまざまですが、クレンジングなど日々のケアでの"落としすぎ"や"こすりすぎ"も大きな要因。
とはいえ、落としすぎやこすりすぎの自覚がない場合も多いのです。
洗った後に肌が乾燥するなら、クレンジング剤などの洗浄力が強く、落としすぎの可能性があります。また、クレンジングをしながらのマッサージは、こすりすぎのもと。頬のまわりへの刺激は、たるみを助長する原因にもなりまねません。
まずは、メイクや肌に合った洗浄力が「ゆるめ」のクレンジング剤を選ぶことが、落としすぎ、こすりすぎを防ぐ第一歩です。
当院では、こすらなくてもメイクの油分をなじませて(乳化)、しっかり落とすことができるオイルクレンジングをおすすめしています。ダブル洗顔は必ずしもしなくてOKですが、使用時は低刺激のアミノ酸系で泡で出るタイプを活用すれば、肌への刺激を最小限にとどめることができます。

クレンジング選びの次は使い方の見直し
<こすりすぎないクレンジング法 「メイク汚れは浮かせて1分なで洗い」>
汚れをしっかり落とそうと思うと、つい力を入れてゴシゴシ洗いをしてしまいがちですが、使う量と洗い方を改めることで、こすらなくても確実に汚れが落ち、バリアを守ります。

クレンジングとマッサージを兼ねれば一石二鳥!そう考えているなら要注意。こすりすぎを起こしやすい大きな要因だからです。
皮膚を摩擦し続けるとシワや頬のたるみの一因になります。クレンジング剤を長い時間肌にのせていることになるため、必要は皮脂やNMF(天然保湿因子)の落としすぎにもなりやすいのです。なじませるのは手早く、長くても1分以内にとどめましょう。
クレンジングの後にベタつきが気になる場合は、ダブル洗顔を。洗顔で大切なのは、濃密な泡で洗うこと。指で直接肌をこすらないように、泡の弾力を利用してなでるように洗うのがコツです。
洗顔ネットを使用すると簡単に泡立てることができますが使用後はきちんとすすいで乾かし、清潔に保つことも忘れないようにしましょう。

【クレンジング】
5点置きクレンジングがおすすめ
こすりすぎを防ぐためには、必要十分な量を使って短時間で効率よく汚れを落とすことが大切です。
クレンジングは適量を5点置きにしてから行うと汚れ落ちがスムーズに。

① 表示通りの量を顔の5か所に置く
クレンジング剤を手のひらで軽くなじませてから、額、鼻、あご、両頬の5か所に置く。
皮脂の多い部分からムラなくスムーズに落とすことができます。
② 指の腹でやさしく広げる
中指と薬指の第2関節まで使って、顔の中心~外側へとクレンジング剤を伸ばします。
指を少し曲げると力が入りにくく、こすりすぎを防げます。マッサージは厳禁!
ここまで30秒~1分程度
③ 乳化したらすぐにぬるま湯ですすぐ
メイクとクレンジング剤が混ざり乳化したら、すぐに33~37℃程度のぬるま湯で洗い流します。
肌がつるんと滑らかになったらOKです。

【洗顔】
クレンジング後に、べたつきが残ったら...濃密泡 で1分なで洗いがおすすめ
① 濡らした手のひらに洗顔料を適量出し、水を加えながら広げます。
② 水に浸した泡立てネットに洗顔料を含ませ、空気を巻き込むように軽くもんで泡立てます。
ネットの端を持ち、泡を絞り取る。途中で水を足さないことで、きめ細かい泡が出来上がります。
③ TゾーンからUゾーンの順に泡をなでる
額、鼻、あごなど皮脂分泌の多い部分から泡をのせ、最後に頬にさっとのせる。
泡をクッションにして肌をなでるようにして洗いましょう。
④ ぬるめのお湯ですすいで、タオルは優しく
熱め湯気のお湯ですすぐと、必要な潤いまで落とす原因になるので注意。
33~37℃のぬるめのお湯で20回を目安にすすぎます。
④ スタンプふき
柔らかなタオルでぽんぽんとスタンプを押すように、肌を軽く押さえながら水分を吸収させます。
決してこすらないこと!

【ポイントメイクと角栓 こすらないためには】
Q.ポイントメイク落とし方は?
A.お湯で落ちるメイク品にするか、専用クレンジングを使ってやさしく落す
しっかりアイメイクをした日は先に専用のクレンジング剤で目元の汚れを落としてから、顔全体のクレンジングをしましょう。
おすすめは、コットンにたっぷりクレンジング剤を含ませ、優しく目元に滑らせるよう落とす方法。
2枚のコットンにクレンジング剤を含ませ、1枚は目の下、もう1枚はまぶたの上にのせ、10~15秒置き、まつ毛の先まで拭き取ります。
また、お湯で落ちるフィルムタイプのマスカラやアイライナーなどは、こすりを防ぐのに役立ちます。

Q.ガンコな毛穴の角栓は?
A.オイルを塗って5分放置。こするとかえって角栓ができやすくなります
角栓が気になる部分にクレンジングオイルをのせ、5分ほど置いて洗い流します。
これを週1~2回程度行うのが良いでしょう。角質が柔らかくなり、角栓の排出が促進されます。スクラブなどでこすりすぎると角質が硬くなり、かえって毛穴を詰まらせることがあるので注意しましょう。

「落としすぎケアによる」大人敏感肌の表皮では、肌のバリア機能が低下して外部刺激を受けやすくなり、乾燥・小じわ・かゆみ・赤みなどのトラブルを起こしやすくなっています。また、真皮では、過度なマッサージなど「こすりすぎ」により、シミやシワ、たるみも誘発します。
基本のクレンジングケアを見なおし、冬の敏感肌を予防しましょう。

是非、ご一読ください。

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