雑誌『プレジデントウーマン』2016年6月号 (5月7日発売)

特集「つまるところ女は"白肌"を目指す」
今回の特集で、2つのコーナーに慶田院長の監修記事が掲載されました。

「‶紫外線ケアの新常識〟」(掲載ページP66~67)
ここ数年、「光老化」という言葉が注目されています。肌の老化は加齢によるものと思われがちですが、老化原因の80%は紫外線など太陽光の影響によるという研究結果があります。最近では紫外線だけでなく、太陽のさまざまな光が肌にダメージを与える可能性が報告されています。
太陽光の中で地表に届くのは、紫外線、可視光線、赤外線。さらに紫外線には長波長のUV-Aと短波長のUV-Bがあります。
なかでも紫外線UV-Bは肌への作用が強く、赤くヒリヒリした炎症を引き起こすほか、メラニン色素の生成を促し、シミやくすみの原因に。皮膚がんのリスクも高めます。
日焼け止めに表示される「SPF」は、紫外線UV-Bを防ぐ効果を表しています。一方、紫外線UV-Aは地表に降り注ぐ量が多く、肌の深部の真皮層まで届くもの。肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを変性させ、シワやたるみを引き起こします。日焼け止めの「PA」という表示は、紫外線UV-Aを防ぐ効果の指標です。
こうした紫外線の影響に加え、最近では可視光線に含まれるブルーライトが肌をくすませ、シミをつくることがわかっていますし、近赤外線一部もたるみや赤ら顔の原因になることが明らかになっています。つまり、光老化を防ぐには、紫外線以外の太陽光からも肌を守る必要があるのです。
紫外線量が増え始めるのは3月頃からで、ピークを迎えるのは7月頃。10月上旬までは強い日差しが続きます。木々の緑や花の色が、いつも以上に鮮やかに見えたら、紫外線が強いサイン。しっかりと日差しをガードしましょう。また、紫外線UV-A、可視光線、赤外線の3つは窓ガラスを通り抜けます。家の中で過ごすときも、光対策を忘れずに。
紫外線から肌を守るには、日焼け止めを塗るのが基本。しかし、ほとんどの人は日焼け止めを塗る量が少ないようです。顔に塗る日焼け止めの量は、500円玉ふたつ分が目安。一度塗ったあと、全体に重ね塗りをするのがポイントです。その上にファンデーションやパウダーをのせ、光を乱反射させるといいでしょう。
ただ、日焼け止めやファンデーションは時間が経つと凝集したり流れたりして効果が落ちてしまうため、こまめに日焼け止めを塗りなおしましょう。日常の軽いメイクなら、落とさずそのまま、日焼け止めをやさしく塗り重ねればOK。なじんだところで、パウダーを押さえるようにのせてください。
また、髪も日焼けしますから、髪にも使えるUVケアスプレーを使い、日傘や帽子で物理的に光を遮るのが効果的です。目から入った紫外線も、角膜に炎症を起こすことで全身のメラニンの活性を高める可能性があります。外出の際は日焼け止めをしっかり塗り、サングラスと日傘を持ち歩く習慣をつけましょう。
さらに、体の中からも紫外線対策を。抗酸化作用をもつビタミンA、C、Eを積極的に摂るよう心がければ、肌の老化原因となる酸化ストレスへの抵抗力が高まります。
ビタミンA、C、E配合のクリームなどを塗ることも肌老化の予防に役立ちます。ただし、メラニンの生成を活性化させる「ソラレン」という物質を含む柑橘類や一部の野菜には注意が必要。朝に食べたり、柑橘系のエッセンシャルオイルを昼間に塗ったりするのは避けてください。
このように、体の内側と外側から正しい紫外線ケアを行うことで、白肌をキープすることができますよ。

紫外線ケアの基本3原則
1 日焼け止めまでがスキンケア
朝の洗顔後は、日焼け止めを塗るまでが一連のスキンケア。家の中で過ごす日も、日焼け止めは必ず塗るようにして。また、ボディは裸の状態で日焼け止めを塗るのが○。塗り漏れが防げるうえ、服も汚れない。
2 外出時は日傘・帽子を
日焼け止めにプラスして、日傘と帽子はマストアイテム。日傘は色の濃い、完全遮光のものがベスト。晴雨兼用の折り畳み傘を、バッグに常備して。
3 サングラスは薄めの色を
目から入る紫外線をカットし、シミなどを防ぐにはUV加工のサングラスがマストアイテム。レンズの色は薄茶やグレーを選んで。色が濃いと瞳孔が開き、目に入ると紫外線の量が増えて逆効果に。

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「夏本番、目前!‶いますぐやるべき10のケア〟」(掲載ページP80~83)
20代後半から、女性はどんどん乾燥肌が進みます。体は、手で洗うのが基本です。
汗とほこりはぬるま湯シャワーで落ちるため、皮脂汚れの出やすい顔、胸、背中を中心に石けんを使用。軟水だと石けんの泡立ちが格段にアップし、肌への摩擦も軽減されます。強くこすると必要以上に角質が取れてしまううえ、刺激ニキビなどの原因となります。特に前腕とすねは皮脂が少なく乾燥しやすいので、石けんを使うのは週2~3回にとどめても問題ありません。
ヒジ、ヒザ、かかとの角質ケアは、基本的にすべて同じです。硬くなった角質が気になる場合は、保湿クリームなどで充分な潤いを与えます。
硬くなってしましたかかとケアのおすすめは、尿素配合のクリーム。尿素にはたんぱく質を分解する働きがあります。角質はたんぱく質でできているので、尿素配合のクリームを1週間ほど塗ると、やわらかくなります。黒ずみ、角質化の3大原因は、圧迫、摩擦、乾燥です。
頬杖や立てヒザでヒジ・ヒザが圧迫されたり、体を洗うときに強くこすって摩擦が起きたりすると黒ずみの原因に。また、肌が乾燥した状態が続くと皮膚が厚くなり、くすんで見えます。忘れがちな部分だけに、角質が厚くならないよう、年間を通じて保湿などのお手入れをしましょう。
二の腕にできたボツボツは「毛孔性苔癬(毛孔性角化症)」かもしれません。見た目は黒から赤いブツブツで、二の腕のほか大腿部、臀部、背中などにもよくみられる症状です。これは毛穴入口の角質が厚くなることで起こります。40代になると自然に軽快することが多いのですが、肌に刺激を与えると悪化します。カミソリや電気シェーバーで脱毛をするときに誤った剃り方をしたり、体を洗うときにタオルで強くこすったりすると角質が厚くなって、毛穴をふさぐことにもなります。また、紫外線もボツボツを悪化させます。肌をやさしく洗ってしっかり保湿をすること、そして紫外線ケアを徹底し、脱毛の仕方に注意すると改善します。
背中の上部は皮脂の分泌が多く、詰まりやすいのでニキビができやすいゾーンです。でも、できてしまったニキビは、セルフケアで治すのは難しいもの。皮膚科専門医に相談し、ピーリングやレーザー治療を行うのがベターです。そのため、背中ニキビは予防がとても大切といえます。
対策として、まずはやさしく洗い、しっかりと保湿をすること。タオルでゴシゴシ擦ったり、ベタつくからといって保湿剤を塗らないのはNGです。逆に角質が厚くなって、ニキビの原因になります。
体のニキビ悩みで多いお尻ニキビは、皮脂ではなく下着のこすれが原因。チクチクする素材は避け、通気性のよいものを使用しましょう。また、座った時に負担を軽くするよう体重管理も大切です。紫外線もニキビを引き起こします。背中にも、しっかりと日焼け止めを塗りましょう。
また、カミソリでムダ毛のお手入れをする際に、どうしても肌の角質も一緒に削ってしまいます。カミソリを滑らす回数を最小限にするために、4枚刃以上のものを使うことがおすすめです。
皮膚が薄く粘膜に近いデリケートゾーンは、かゆみやかぶれが起きやすいため、専用の洗浄剤で洗うのが正解です。洗浄剤をよく泡立てて手でなでるように洗います。膣などの粘膜部分は洗浄剤を使わず、シャワーでやさしく流すだけで十分です。パンストを履く人は蒸れやすいので、下着は吸水性が高く汗が乾きやすい素材を選ぶといいでしょう。また、デリケートゾーンの肌トラブルやにおい対策には、アンダーヘアのお手入れをすると効果的です。毛があると蒸れやすく、経血や汚れもつきやすいため、Vライン(ビキニライン)は薄く残すにしても、Iライン(陰部両サイド)は脱毛がおすすめ。毛嚢炎を引き起こすこともあるブラジリアンワックスではなく、医師が施術するクリニックでのレーザー脱毛が安心です。3回くらいで太い毛が柔らかくなり、8回程度で軟毛が少し残る程度になり、お手入れがラクになります。
手足の露出が増える薄着の時期は、顔のケアは万全でも、ボディのお手入れが心配です。何年も習慣にしてきたケアが、実は逆効果ということもあります。間違ったケアは肌トラブルの原因に。正しいケアの方法を知れば、肌が見違えるように美しくなります。
是非、ご一読ください。

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