2023年7月 2日

ベビーコラーゲン注入の効果と特徴

ハリや弾力の源となる真皮の約70%を占めるコラーゲン コラーゲンは、人の身体に存在するタンパク質の一種で、皮膚や関節、血管など体内のあらゆる組織や臓器を構成しています。人の体内に存在するコラーゲンのうち約40%は皮膚に存在し、特に肌のハリを保つ働きのある真皮層の約70%がコラーゲンによって構成されています。健康敵な身体や美肌を保つために欠かせない成分なのです。

コラーゲンは、「ポリペプチド鎖」という、ペプチド結合によってアミノ酸が直鎖状につながっています。現在までに約30種類ほど発見され、鎖の組み合わせによって19種類の型が存在し、発見された順にⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型というように分類されています。

Ⅰ型 体内に最も多く存在し、皮膚や骨を形成し、弾力性を持たせる働きがある。皮膚のコラーゲンの約90%を占める。
Ⅱ型 関節、軟骨に主に含まれているコラーゲンで、眼の角膜や硝子体にも含まれる。
Ⅲ型 血管壁や赤ちゃんの皮膚に多く含まれている。肌のダメージを回復したり、血管の弾性を高めたりする。
Ⅳ型 皮膚の表皮と真皮の間に存在する基底膜に存在し、細胞を繋ぎ合わせたり、成長を促したりする。
Ⅴ型 血管や胎盤に多く含まれている

ベビーコラーゲンに含まれるⅠ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンの働きbaby_c_image002.jpg~減少するⅢ型コラーゲンは美肌に必要不可欠~
Ⅰ型コラーゲンは、皮膚、内臓、骨、筋肉などあらゆる部位に存在し、肌のハリを保ち、骨や筋肉、腱を丈夫にするために欠かせない成分です。一般的にコラーゲンというと、このⅠ型を指しています。そして、このⅠ型コラーゲンをサポートしているのがⅢ型コラーゲンで、細胞のターンオーバーを促し、組織に瑞々しさや柔軟性を与えています。赤ちゃんの肌に多く含まれることから「ベビーコラーゲン」とも言われています。

近年、Ⅲ型コラーゲンの持つ「組織再生能力」が注目されています。2011年の東京大学での産学共同研究の結果から、傷が修復する創傷治癒の初期段階では、まずⅢ型コラーゲンが増殖して土台として働き、その後Ⅰ型コラーゲンに置き換わっていくことで治癒が進行していくことがわかりました。つまり、Ⅲ型コラーゲンは、潤いやハリなどの美容効果のみならず、組織再生においても非常に重要なコラーゲンなのです。

しかし、このⅢ型コラーゲンは、加齢とともに減少していきます。生まれた時のⅠ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンの割合は1:1ですが、25歳前後から急激に減り始め、老年期には10:1まで変化します。赤ちゃんや小さい子供の傷の治りが早いのに対して、加齢とともに傷の治りが遅くなるのはこのためです。若々しいお肌を取り戻すには、減少したⅢ型コラーゲンの補充が重要です。

べビ―コラーゲン注入の優れたポイント 安全性が高く、アレルギーテスト不要 かつて使用されていたコラーゲン注入剤のほとんどが牛や豚などの動物由来で、まずはアレルギーテストを行い、結果を待ってから注入するという手間がありました。『ベビーコラーゲン(ヒューマラジェン®)』は、ヒト胎盤由来の注入剤で、アレルギーテストが必要ないレベルの安全性が確保された製剤です。

美肌効果&組織再生に優れたⅢ型コラーゲンが豊富な世界初の注入剤baby_c_image003.jpg これまで使用されてきたコラーゲン製剤は、動物由来によるアレルギーの問題や人由来でもⅠ型コラーゲンとⅢ型コラーゲンの割合が95:5となっており、アンチエイジングに重要なⅢ型コラーゲンの割合が少ないものでした。近年、Ⅲ型コラーゲンの持つ組織再生力が注目され始め、新しく誕生したのが、世界初Ⅰ型とⅢ型が赤ちゃんの肌に近い50:50の割合で配合された『ベビーコラーゲン(ヒューマラジェン®)』です。

加齢により失われたⅢ型コラーゲンを直接注入して補うことで、衰えた組織の再生を強力に促し、自らの力で潤いとハリのある健康的な「ベビースキン」に導きます。

繰り返しの注入により組織が再生され効果の持続期間が延長 Ⅲ型コラーゲンは、脂肪細胞の新生・再生を促して、皮膚そのもののボリュームを高める効果もあります。ベビーコラーゲン注入の効果の持続期間は、初回は3ヶ月~1年ですが、定期的に補充すると持ちが良くなり、長くて2年持続するようになると言われています。

ヒアルロン酸注入ではリスクが高まる目周りのシワ・クマ・くぼみに最適 『ベビーコラーゲン注入(ヒューマラジェン®)』は、浅く刻まれたシワや皮膚の薄い部分のボリュームアップに適しているため、特に目周りのお悩み改善におすすめの治療です。

『ヒアルロン酸注入』は、水を吸収して膨らむ特性から、皮膚が薄い繊細な目周りにおいては美しく仕上げるのが難しく、凸凹したり、チンダル現象(ヒアルロン酸が透けて青く見える)が生じたりするなどの失敗も少なくありません。そのため当院では、ヒアルロン酸製剤は眼の下の脂肪萎縮のボリュームアップと靭帯を支える目的で深部に注入し、アイホールへ浅層の注入は行っていません。一方、ベビーコラーゲンは、膨らむことがなく、周囲の組織と非常によく馴染むので、より自然な仕上がりが期待できます。真皮浅~中層に注入可能なため、目周りの小ジワや目の上の窪み、クマの改善に適しています。また、製剤が乳白色のため、目元に注入するとまるでハイライトをのせたようにワントーン明るくなり、目の下のクマの色味を自然にカバーする効果もあります。

ベビーコラーゲン注入 ヒアルロン酸注入
浅いシワ
深いシワ ×
目の下のクマ改善
ボリュームアップ
リフトアップ
造形 ×
持続性 ◎~○
組織再生力

※表情を作る時の筋肉の収縮によってできる「表情ジワ」には、『ボトックス注射』、顔全体のリフトアップや深いシワやくぼみ改善には『ヒアルロン酸注入』が適しています。

ベビーコラーゲン注入で改善できるお悩み 小ジワ(目周り・口周り・額・眉間・鼻根部・首など) ベビーコラーゲンは、皮膚の薄い部分でも非常に馴染みが良いので、目周りや口周りの細かいシワ1本1本に注入していくことができます。また、適応部位は幅広く、眉間、額、首のシワにもおすすめです。製剤自体の半分を占めるⅢ型コラーゲンが、肌質自体も改善していくので、繰り返し注入することで、徐々にハリが高まり小ジワが入りにくい肌に近づけます。

目の上のくぼみ 加齢に伴い、上まぶたを持ち上げる筋肉の低下(眼瞼下垂)、上まぶたの脂肪の萎縮、土台となる眼窩骨が小さくなることなどが原因で起こります。影ができて落ち窪むため、疲れた印象を与えたり、年齢よりも老けて見られたりします。また、皮膚の黒ずみがあると、さらに窪んで見えてしまいます。ベビーコラーゲン注入は膨らみすぎることがないので、自然なボリュームで目の上の窪みを改善することができます。皮内の移動が少ないので、ヒアルロン酸注入のように、一時的にまぶたが重くなったり、モタッとした浮腫みが出ない点が魅力です。さらに、乳白色の製剤によるハイライト効果でくすみが改善され、顔全体が明るく見えます。
青グマ 青グマは、目の下の皮膚が薄くて下層の静脈血や筋肉の青黒さが透けている状態です。寝不足などで血行不良が重なると目元の血液がうっ滞してさらに青く見えます。ベビーコラーゲン注入で目の下に自然な厚みが出ると透けにくくなるのでクマが目立ちにくくなります。また、製剤が乳白色をしているので、注入することでクマの黒さや青さを目立たなくし、ワントーン明るい目元にすることができます。
黒クマ 加齢に伴い目立ってくる目の下のクマは、「目袋」と呼ばれる、眼窩内脂肪の突出が原因です。目の下の皮膚、眼輪筋、眼窩下靭帯の緩み、骨の萎縮によって眼窩内脂肪が手前に突出し、下方にずり落ち、目の下に溜まる一種のヘルニアのようなものです。また、加齢によるクマは単に眼窩内脂肪の膨らみによる段差だけではなく、頬も脂肪の萎縮と下垂が生じ扁平化していることで、一層目袋の膨らみが目立つ場合があります。この飛び出た部分は、手術で取る選択肢もありますが、メスを使う手術に抵抗のある方、ダウンタイムが気になるという方は注入治療がおすすめです。目袋の上下の凹みだけに繊細に注入することで、自然な若返り効果を得ることができます。乳白色をしたコラーゲンにより、黒っぽい影も目立たなくなり明るい目元を取り戻すことができます。目の下の頬のボリュームロスが大きい場合は、ヒアルロン酸注入でベースを作った後に、表面の段差を埋めるようにベビーコラーゲンを注入するのがおすすめです。

ベビーコラーゲン注入の痛み ベビーコラーゲンには局所麻酔が含まれていますので、痛みが少ない注入が可能です。また、効果の高い外用麻酔のクリームを使用し、十分に冷却した上で、細い針で施術を行うので、さらに痛みを軽減しています。

ベビーコラーゲン注入のリスクとダウンタイム 目周りや口周りにカニューレ針で注入した場合、テープ保護した針孔を除き、当日からメイクは可能ですが、患部を擦らないようにしてください。細い鋭針を用いて、浅いシワに点状に注入した場合は翌日までメイクは出来ません。いずれの注入法の場合も、洗顔、軽い入浴、食事、接触などは当日から制限はありません。ただし、飲酒、サウナ、長風呂、激しい運動は内出血と腫れのリスクを高めるので、当日のみお避け下さい。また、1か月半は、エステやマッサージ、他施設での施術を避けてください。

ベビーコラーゲンは、ヒアルロン酸注入と異なり水を吸収して膨らむことはありません。ただし、注入直後は針や製剤の刺激もあり、赤みや腫れ、部位によっては浮腫んだりすることもありますが、3日程度でほとんどひきます。上瞼は特に腫れやすい部位です。

また、当院では、極細の針を用いて、Stat Veinにて血管の走行を確認して出来るだけ血管を避けて注射し、内出血のリスクを最小限にしていますが、避けられない場合があります。内出血が出た場合は10日~2週間かけて消褪します。
目周りに関しては大切なイベントの直前3週間は治療を見合わせるべきですが、詳しくは担当医にご相談ください。

ベビーコラーゲン注入の施術頻度や持続について ベビーコラーゲン注入の持続期間は一般的に半年~1年程度と言われていますが、初回の方やご年齢を重ねてコラーゲン線維が減少している場合は、これよりも少し短く感じることがあります。そのため、3ヵ月以内に2回目の注入を行うことにより、効果の持続や肌質改善の向上がさらに得られます。施術開始年齢や肌年齢によりますので医師にご相談ください。注入を繰り返すごとに少しずつ効果の持続期間が長くなるのは、自分自身のコラーゲンが十分に生み出されているためだと考えています。このように、ベビーコラーゲン注入は繰り返していけばいくほど、仕上がり後の満足度が長持ちしやすくなる特徴があります。

ベビーコラーゲン注入の禁忌事項 下記に該当される方は、この治療を受けられないことがあるのでご相談ください。
・過去にベビーコラーゲン注入治療で異常反応があった方
・妊娠中の女性
・真性ケロイドの方、異物反応を生じやすい体質の方
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方
*安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
*麻酔薬や内服薬に対してアレルギーのある方、喘息の既往がある方は事前にお申し出下さい。但し、今までにそのような経験がなくても、麻酔薬に対するアナフィラキシーショック(呼吸が苦しくなる、血圧が下がるなど)を生じることは極めてまれに起こりえます。その場合は、速やかに適切な処置を致します。
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