2022年3月10日

雑誌『ハルメク』2022年4月号(2022年3月10日発売)

特集〝ムダなケアはもうしなくていい!皮膚科医と化粧品研究者が教える美容の常識ウソ?ホント?16″(P24~27掲載)に慶田院長の監修記事が掲載されました。

■思い込みケアでかえって肌に負担をかけていませんか?!
「化粧水はとにかくたっぷりと」「キュキュっとするまでしっかり洗顔」無意識のうちに続けているその習慣が、実は間違いということもあります。顔・手・首の簡単ケアで元気に若々しく!最新の科学的根拠から、本当に正しい美容法をご紹介します。

効果がないばかりか、逆に肌に悪い"やってはいけない"美容法を続けている人は少なくありません。肌の潤いを保つのは誰もが持っている自前の保湿成分で、化粧品はあくまでサポートです。マッサージと称して強くこすったり、洗い過ぎたりすると保湿成分が失われ、何を塗っても乾燥するばかりか、肌が固くゴワつく原因にもなります。皮脂量が減ってきたのに若い頃と同じ強いクレンジング剤を使用。昔言われた化粧水はたっぷり使用することが正解と信じている方は多いかと思います。そんな思い込みや習慣をできるだけ早く改めることが大切です。よく言われる美容の常識が正しいかどうか、クイズ形式でご紹介します。今日から本当に正しいケアと習慣で、若々しく元気な肌を取り戻しましょう。

■スキンケア編Q&A
Q.クレンジングしながらマッサージするとよい?
A.NO!肌は刺激を与えるほど、防御反応で角質を厚くし、ごわついてしまいます。また、クレンジング剤に含まれる界面活性剤は、長時間すり込むと肌の汚れだけでなく、潤い成分まで溶かしてしまう可能性があるので、顔にのせメイクと馴染ませてから1分以内に洗い流すのが正解です。

Q.化粧水はたっぷりつけるほど良い?
A.NO!化粧水に含まれる保湿成分はごくわずかです。主に肌の角層を保水し、柔らかくすることで、後につけるクリームや美容液などのなじみをよくするためのものです。たっぷりつけたからといって、保湿効果が期待以上に高まるわけではありません。適量をつけた上で、クリーム、美容液といった次のケアを行いましょう。

Q.化粧水はコットンでしっかりたたき込む?
A.NO!コットンでパッティングすることで毛穴が引き締まると言われていた時期もありますが、実は間違いです。どんなに高級なコットンでも繊維が肌にすりつくことになるので、肌には負担になります。化粧水は手のひらで人肌に温めてそっと押し込むように肌になじませましょう。

Q.かさつきやヒリヒリが気になったら皮膚科に相談する?
A.YES!肌が少しかさついている、ちょっとヒリヒリすると感じたら、それは炎症が起きているサインです。放置すると、老化を進行させてしまうので、とにかく保湿を心掛けましょう。それでも収まらない場合は早めに皮膚科医に相談ください。

Q.顔はキュキュっとするまで洗顔料でしっかり洗う?
A.NO!キュキュッと感じるのは潤い成分まで奪われてしまった証拠で、洗い過ぎの可能性もあります。よい洗顔料の見分け方は、洗った後、つっぱらないかどうかです。常に肌に潤いをキープすることを心掛けましょう。

Q.ローションパックは長めにおくほど肌が潤う?
A.NO!ローションパックは、保湿成分の浸透が良くなり一時的に肌が潤って感じますが、保湿対策にはクリームの塗り重ねが必須です。また、肌は過剰に湿らせると潤い成分が漏出する性質があります。長時間置くと逆効果になることもあるので、表示の時間内で使用しましょう。

Q.化粧水やクリームは首もつけるべき?
A.YES!首は顔同様に皮膚が薄く、乾燥しやすい部位です。また服でカバーされず紫外線の影響も大きいので、顔と同じようにケアが必要です。化粧水やクリームを顔につける際は、首までつけるようにして、ケアをしましょう。

■生活習慣編Q&A
Q.脂っぽい食事は肌に悪い?
A.NO!ダイエットやコレステロールの影響を考えて脂を避ける人は多いのですが、肌の保湿成分をつくるために、適度な脂は必要です。青魚やナッツ類などは積極的に摂ってくださいね。

Q.ときにはノーメイクで肌を休ませるとよい?
A.NO!たるみの原因になる「近赤外線」は、日焼け止めだけでは防げません。ファンデーションなどの顔料(おしろいや色のついた粉類)ならカットできるので、お出掛けしない日も薄化粧するとよいでしょう。

Q.運動している人は肌荒れしやすい?
A.NO!過度な紫外線はNGですが、日焼け止めを塗って行えば、運動は血液の循環がよくなり肌のターンオーバーを促すので、むしろおすすめです。コリ解消のストレッチも効果的です。

Q.日焼け止めは毎日塗るべき?
A.YES!まだ肌寒い春先でも紫外線はカットするに越したことはありません。普通の生活ならSPF30程度で十分ですが、ちょっとした摩擦で落ちやすいので、鼻やほお骨の高いところは重ね塗りをオススメします。乾燥が気になる方は、スキンケア効果のあるものがおすすめです。

Q.姿勢が悪いと肌がたるむ?
A.YES!猫背で顔が下を向いている時間が長いと、重力で肌はたるみやすくなります。特に、首が前に出ていると、首から鎖骨までつながっている広頚筋という薄い膜のような筋肉が引き伸ばされている状態になります。これが二重あごや首のたるみにつながるので要注意です。

Q.ストレスは肌の敵?
A.YES!過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管が収縮して栄養が届きにくくなったり、免疫機能が低下したりして、肌のターンオーバーが正常に行われにくくなることがあります。くよくよせず、ご機嫌でいることは肌の健康にとても大切です。

Q.ビタミンCをたっぷり摂取すると美白に良い?
A.YES!でありNO!ビタミンCは肌によいですが、大量にとっても一定量以上は吸収されません。緑黄色野菜に多く含まれているカロテノイドなど、他の栄養素も偏りなく摂ることが大切です。

Q.笑い過ぎるとしわになる?
A.YES!でありNO!目尻、口元などは、筋肉の動きによってしわができやすい場所(表情ジワ)ですが、無表情だと魅力的ではないですよね。表情筋を活発に動かすと血行がよくなり、肌に栄養が届きやすく、血色もよくなります。マスクの下でも表情豊かにしていましょう。

Q.手はマッサージできれいになる?
A.YES!特に爪のまわりをやさしくもみほほぐすと、血行がよくなります。摩擦を防ぐために必ずクリームをつけて行ってください。


コラム【シミに注意!老人性イボの可能性も!?】
悪性腫瘍は初めから悪性、良性の老人性イボはイボという考え方が主流です。(腫瘍の種類によっては、ある良性病変が悪性腫瘍の発生母地になる場合もあります)
最初はシミだと思ってそのまま放置していたら、だんだんと隆起して、イボと診断を受けたことはありませんか。皮膚腫瘍の診断は難しく、黒いシミかと放置していたら悪性の皮膚がんであったというケースもあるので、気になるシミは早めに皮膚科に相談をしましょう。
良性腫瘍の場合、美容医療なら、レーザーを用いれば、短時間で簡単に傷跡も目立たせずに除去することが可能です。老人性イボは、治療法は液体窒素での冷凍凝固法(保険適応)かCO2レーザー手術(自費診療)が用いられます。施術後にシミが残りやすい液体窒素での治療と比較して、『CO2レーザー手術』なら審美面も考慮して綺麗に治せます。銀座ケイスキンクリニックでも治療を行っていますのでお気軽にご相談下さい。

ぜひご参考になさってください。

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雑誌『クロワッサン』2022年No.1064(2022年3月10日発売)

特集〝シミ・シワ・たるみを解決!自信が持てる、肌ケアとメイク″(P12~15掲載)に皮膚科専門医の慶田院長の監修記事が掲載されました。

あまりにも長く続いた非日常から、マスクの下こそ、緊急事態宣言!この数年で加速したシミ、しわ、たるみ。放置していては、事態は一層深刻に。正しく守るスキンケア、効果的に攻めるメイクで、自信が持てる笑顔、取り戻しましょう。

■まだまだ続く肌の緊急事態、乗り切るための術を身につけよう。
コロナ禍でのマスク生活も早2年。こんなにマスク生活が続くのは今までになかったこと。エイジングの肌悩みとは別に、マスクによる肌トラブルが生じやすくなるのは当然だと思います。最初はマスクによる肌環境の変化に戸惑う声や内容が多かったのですが、今は経験値も上がり、ウィズマスクを模索する段階へ。
ただ、このコロナ禍を経て美容への意識がより高まりおこもり美容に励む人と、マスク姿に油断して日常のケアも疎かになりがちな人と2極化しているように感じます。

■マスクによる肌トラブルは、基本のケアが何よりも大切?
マスクによる肌トラブルは、肌荒れ、乾燥、ニキビのほかにも、マスクで皮膚が擦れることによる赤み、かゆみや湿疹などを伴うマスク皮膚炎、シミや肝斑の悪化などが見られます。肌が刺激に敏感になっていますから、基本の丁寧かつ低刺激なスキンケアで肌をいたわることが急務です。さらに美肌作りの土台となる生活習慣をより丁寧に気遣い、肌と体の両方の健康を保つことが大切です。

■正しく対処するためにも、今あるリスクを把握しよう。
◇リスク1 1日中マスク生活
マスクを長時間つけることで生じやすい肌トラブルは「蒸れ」と「擦れ」が二大原因。特に冬の間は湿度の低下や暖房による室内外の寒暖差も加わり、肌の乾燥が加速しがちです。肌は乾燥するとバリア機能が低下して少しの刺激でも炎症を起こしやすくなるため、マスク内で肌が蒸れ、擦れると赤みやかゆみや湿疹なども生じやすくなるのです。
これから春にかけて、スギやヒノキの花粉の季節が到来しますが、四六時中マスクをしている分、アレルギー性鼻炎は軽く済むかもしれませんが、マスクによるダメージで肌のバリア機能が弱まっている今は、外からの刺激を跳ね返すことができません。少量の花粉にも反応して、肌荒れや湿疹が広範囲に生じる可能性もあります。
外出先でもできる防止法が、濡らしたハンカチなどで蒸れによる汗を優しく拭き取ること。汗はマスク荒れの原因のひとつといわれているので、押さえるように拭きとったら、乾燥しないよう保湿乳液やクリームの重ねづけをしてください。毎年花粉症の症状がひどい人は、室内でも窓は開けず空気清浄機を回す。帰宅したら玄関先で服をブラシで払い、リビングや寝室に花粉などを絶対に持ち込まないことが大切です。

◇リスク2 外出控え。
顔の筋肉は激しく動かしすぎると表情ジワを深くする一因になりますが、動かさないのも重力に負ける一方に。外出控えで人と会って話したり笑ったり、表情筋を動かす機会が減ると筋肉が硬く縮こまって鈍麻します。意識して滑舌良く喋り、口角を上斜め方向に引き上げて美しい笑顔を作るように動かしましょう。

◇リスク3  パソコン・スマホ時間の急増
目を酷使することで起こる筋肉疲労も、目元のハリを失わせる原因になります。パソコンやスマホを長時間使うときは合間に目を休める習慣を作りましょう。姿勢の悪さも見過ごせません。パソコンやスマホの長時間利用で、下向きの姿勢がクセになると重力で顔の皮膚が下がり、たるみや二重顎が進みます。顔を上げて目線の高さで見るように心掛けてください。

◇リスク4 生活習慣の乱れ
いくらスキンケアをしっかり行っても、生活習慣が乱れると肌トラブルが生じやすく、しかも治りにくくなります。中でも食事は重要。弾力のある肌を守るためにはたくさんの栄養素が必要です。特に肌の構成要素を再生させるために積極的に摂りたいのがタンパク質、ミネラル、ビタミンなど。脂質を避ける人もいますが、肌のバリア成分で要となる細胞間脂質(その半数はセラミド)やホルモンの原料となるので、肉や乳製品、油などもバランスよく摂取してください。食事は食べる美容液と考えてみてくださいね。
また、コロナ禍の運動不足も大敵。日常の活動量が減ると筋肉量が落ちて代謝も体の循環も低下するため、適度に体を動かして汗をかくことが大切です。ちなみに女性も筋トレをすると代謝が上がり冷え知らずの太りにくい体質になりますし、成長ホルモンの分泌効率がよくなるので皮膚などの再生力も高まります。

◇リスク5 メンタルダウン
強いストレスがかかると血液の巡りが悪くなり便秘や睡眠不足をはじめ体にさまざま変化が起きます。すると肌のバリア機能も低下。さらにコロナ禍で不安感が強くなっている人も増えています。マスクをつけっぱなしだと息苦しいだけではなく呼吸が浅くなりがちなので、周りに人がいないときは一度外して深呼吸をして肺の奥まで空気を入れ、幸せだなとつぶやくとストレスコントロールにもつながります。人はどんな状況でも、幸せだなと自ら思うことで幸せに感じる瞬間が得られるものですし、それは健康にも大きく影響します。

是非ご参考になさってください。


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