2019年8月 3日

WEB『美的.com』2019年4月24日更新

特集「女医に訊く!美的保健室へようこそ」で慶田院長監修の記事が掲載されました。

妊娠中はシミが濃くなる...?妊娠するとシミが濃くなったり増えたりするのはなぜ?
【女医に訊く#58】
前回、妊娠すると肝斑ができたり乳首やわきの下が黒ずんだりする原因ついてお話ししました。これらの肝斑や体の黒ずみは、自然に薄くなるのか?妊娠中も治療かのうか?などお答えします。

Q、妊娠したら肝斑ができた!妊娠中にフォトフェイシャルやレーザー治療できるの?
A、妊娠中はメラニン活性が高くなっている状態ですから、レーザーを強く照射すると、かえって肝斑が悪化するということもあります。治療を受ける場合は、皮膚科専門医に相談したほういいでしょう。
一般的に肝斑の治療には、光治療(フォトフェイシャル照射)やピコレーザートーニング照射(低出力レーザー照射)の照射を行います。ただし、老人性色素斑治療などで用いるレーザーの高出力治療は、肝斑へは禁忌もしくは要注意とされています。通常のシミと違い、肝斑はメラニンを作るメラノサイトがちょっとした刺激で活性化しやすい状態になっているため、誤った治療を行うとむしろ悪化する可能性があります。
また、肝斑はピコレーザートーニング照射1回で完治するものではありません。トラネキサム酸やビタミンC(のみ薬やぬり薬)、ケミカルピーリング、医療機関専用の美白剤外用などを組み合わせ、よい状態を保ちながら長くつき合っていくことが必要になります。
肝斑などの治療は、出産が終わってからでも十分間に合います。フォトフェイシャルM22照射とピコレーザーを使ってのピコトーニングがおすすめです。ただし、ピコレーザーはまだ新しい機械なので、さじ加減を誤ると、肝斑が悪化する可能性もあります。

Q、妊娠中や授乳中のシミとりは...肝斑の治療薬を飲める?
A、肝斑にはトラネキサム酸がよく効きます。トラネキサム酸は赤ちゃんも飲めるものなのですが、肝斑くらいで敢えて飲むかという問題もありますので、当院では、妊娠中や授乳中は、美白剤の外用とビタミンCを内服してもらい、日焼け止め対策を徹底していただきます。
ほかにも、イオン導入やプラズマ照射による導入など、局所だけにトラネキサム酸やトランサミンを浸透させる方法もおすすめです。トラネキサム酸の内服薬は、離乳食が始まっておっぱいの間隔が空いてきたら、授乳直後に飲むようにするといいでしょう。例えば、寝る前におっぱいをあげて夜中はミルクにしている方の場合、授乳直後に薬を飲めば、次の授乳にはほとんど影響がなくなるので、赤ちゃんも飲めるけど敢えて飲ませたくないという薬を出す場合は、そのように指示しています。1日1回だけでも飲むと、ぐんぐん良くなるのでおすすめです。ただし、どうしても心配な方は、授乳中はビタミンCとビタミンEだけにして、美白剤の外用と軽くフォトフェイシャルを当てる程度でも効果はあると思います。気になる方は皮膚科専門医に相談してみましょう。

Q、妊娠性肝斑や濃くなった体の黒ずみは消える?
A、妊娠中に濃くなった乳輪の黒ずみやわきの下の黒ずみは、出産後、ある程度は自然に薄くなります。ただし、そのスピードは人それぞれです。薄くなるまでに1年かかる人もいれば、ある程度残ってしまう人もいます。
慶田院長自身、二人目を妊娠したときに、わきの下がさざ波状に黒くなって、気持ち悪いと感じていました。レーザー脱毛済みで、毛はなかったが、ジェントルレーズ照射をしたら、さざ波の形に薄くかさぶたになってペロンと取れ、一発で薄くなりました。地道に美白剤を塗るようなケアがスキップできるので、忙しい方は、1回レーザー施術を受けてしまうのも、時短になりおすすめです。レーザー照射は顔だけではなく、鼠径部やVライン、大陰唇などにも可能とのこと。なかでも、ピコレーザーのピコトーニングとピコフラクショナルを同時に受けると、より美白効果が高まります。
黒ずみの程度にもよりますから、自然に薄くなりそうであれば美白剤だけでの治療も、濃い場合はレーザー照射をおすすめすることもあります。黒ずみを薄くする手立てはいろいろあるので、気になる方は、ぜひご相談ください。

当院の医師は、妊娠中の皮膚変化とその治療にも経験がありますので、お気軽にご相談ください。

是非、ご一読ください。


2019年8月 2日

雑誌『オレンジページ』2019年8月2日号(7月17日発売 掲載ページP100~101)

特集「高カカオチョコレートで、肌の光老化の予防に期待!」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

夏本番!外出するたびに気になるのは、やはり紫外線です。日焼け止めなど外側からの対策を行っている人は多いと思いますが、じつは、体の中からのケアも大切というのはご存知でしようか?身近なあのおやつを食べることで、肌の光老化の予防が期待できるかもしれません。

【紫外線は肌の光老化の大敵!】
「光老化」とは、紫外線などの太陽光線を長期間浴び続けることにより、皮膚に「シミ」「シワ」「たるみ」などが現れる老化現象のことです。
肌の老化は年齢を重ねることでも進みますが、実は加齢による影響は2割程度に過ぎず、なんと太陽光の影響で生じる光老化が8割を占めるといわれています。
紫外線を浴びることでメラニンが過剰生成され、「シミ・そばかす」の原因になります。さらに、波長が長い紫外線A波は、真皮層まで届き、コラーゲンやエラスチンを変性させ、時間をかけて皮膚の弾力を失わせ、「シワ」や「たるみ」の原因になります。また、肌表面では角層が乱れ、水分が蒸発しやすくなるので、かさつき、くすみ、小ジワの原因にもなります。
光老化対策で最も大切なことは、日焼け止めや日傘、帽子などでしっかりと肌をガードすることです!外出する・しない、メークする・しないに関わらず、朝のスキンケアの最後には日やけ止めを塗ると決めてしまいましょう。紫外線の強い夏は、日焼け止めは二度塗りをし、 その上にファンデーションを重ねる「ミルフィーユ 塗り」がおすすめです。外にいる時間が長いときや、汗をかいたときなどは、2~3時間おきに塗り直すといいでしょう。

【外側からと内側から 両方のケアが大切!】
肌の光老化対策には、実は食品による「食べる予防」も効果的です。体の内側から、 紫外線に対する防御力を高め、光老化を予防することが期待できます。
元々肌が白く、日に当たっても赤くなるだけで黒くならない人は、紫外線によるダメージを受けやすいといえます。外側だけでなく、内側からのケアをより積極的に取り入れるようにしましょう。

【内側からのケアは 抗酸化物質がカギに!】
光老化を予防する内側からのケアにおすすめの食品は、抗酸化成分が豊富に含まれる食品です。とくにビタミンA・C・Eは、「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、積極的にとりたい成分です。また、高い抗酸化作用を持つ成分としてポリフェノールも注目されています。もちろん、皮膚のターンオーバーを整えるビタミンB群や、腸内環境を整える食物繊維など、他の食品もバランスよく摂ることも大切です。

≪代表的な抗酸化食品≫
ビタミンA...鶏や豚のレバー ・ほうれん草・にんじん・ブロッコリー
ビタミンC...レモン・イチゴ・ジャガイモ・パプリカ
ビタミンE...ナッツや卵
ポリフェノール...トマト、パプリカ、ブロッコリー、ブルー ベリーやぶどうなど色の濃い野菜や果物の色素。お茶や高カカオチョコレートなどの苦味成分など

【高カカオチョコレートなら手軽にポリフェノールがとれる!】
意外な紫外線対策として、高カカオチョコレート(カカオ70%以上のチョコレート)が注目されています。紫外線による肌の赤みを抑えるなど、海外の研究結果もあります。
日焼けによる肌の赤くなりやすさ(最小紅斑紫外線量)を測定した海外の研究結果で30名の男女を、高カカオチョコレートまたは低カカオチョコレートを食べる群の15名ずつに振り分け、午前中のおやつとしてそれぞれ毎日20gずつ高カカオチョコレートを食べるを実施しました。低カカオチョコレートを食べた人たちには変化はありませんでしたが、高カカオチョコレートを食べた人たちは、チョコレートを食べる前と12週間後を比較して、『最小紅斑量』=『紫外線が照射されて微かな赤みが出現するまでの時間(分)』が2倍長くなりました。
つまり、紫外線への防御力が高まったということです。また、皮膚のキメが整うという結果も出ているので、紫外線による皮膚中のコラーゲンの断裂や分解が抑制される可能性が示唆されます。
さらに、別の研究では、1日当たり、カカオフラバノールが326 mg入った高カカオドリンクを12週間摂取したことで、水分量・バリア機能・皮膚の厚み・血流量が改善し、紫外線防御効果が高まったという報告もあります。

チョコレートは、常温で保存でき、そのまま食べればいいので、手軽にポリフェノールを摂れるのが魅力です。高カカオチョコレートは、苦みが強めなので、苦手な方はココアやコー ヒーなどに混ぜたり、刻んでアイスクリームのトッピングにするとおいしく食べることができます。

≪高カカオチョコは、毎日継続して食べることが大切!!≫
カカオポリフェノールは、体にとどめておくことはできません。たくさん食べても、体から排出されてしまいます。肌の光老化予防のためには、毎日、継続して食べることが大切です。
カカオ70%以上のチョコレートを1日25gほど、個包装になっているものなら3~5個程度を目安に摂るのがおすすめです。もちろん食べ過ぎはNGです。
かばんの中に入れておき、おやつとしてこまめに食べる習慣をつけましょう。

是非、ご参考になさってください。

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