2015年4月 6日

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)の効果と特徴

水光注射は、シワを持ち上げるジェル状のヒアルロン酸フィラー製剤と異なり、非架橋の柔らかい製剤を、表皮直下のごく浅い層に一滴ずつ注入します。ヒアルロン酸には自身の分子量の200倍もの水分を引き寄せる力があり、シワに沿って細かく浅く注入されたヒアルロン酸が水を抱え込むので、真珠のような艶が出ます。また、注入したヒアルロン酸製剤が刺激となって、真皮再生を促すので、浅いシワ、ちりめんジワ、ニキビ跡などの瘢痕を徐々に目立たなくすることが出来ます。

シワ【 笑った時に現れる浅いほうれい線・眉間のたてジワ・額の浅い横ジワ・首の縦ジワ・横ジワ 】

ほとんどすべてのシワに、ヒアルロン酸注入は絶大な効果をもたらします。施術に必要なのは、医師の美的感覚と適切な層に注入する技術です。深いシワを、ヒアルロン酸フィラー(架橋あり)注入で改善した後に気になる線状の折りジワは、水光注射が適しています。笑った時に現れる目尻のシワや浅いほうれい線、鼻の下の細かい縦ジワ(スモーカーズライン)も、実は老けて見えるポイントであり、水光注射がおすすめの部位です。また、眼瞼下垂(40代以降に少しずつ出現)があって、額の横ジワにボトックスを注射できない方もご安心ください。シワに沿って一滴ずつ、丁寧に浅く注入し、徐々に目立たなくしていくことが出来ます。

瘢痕【ニキビ跡・傷跡・水疱瘡後の凹み】
激しい炎症の後は、コラーゲン線維が委縮し、クレーター状の凹みが出来てしまうことがあります。治療が難渋するトラブルですが、水光注射で少しずつ浅くすることが出来ます。

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)に使用する製剤

ヒアルロン酸&グリセロール 『ベロテロ・ハイドロ』
通常のヒアルロン酸フィラーは、シワを持ち上げる効果を10~12カ月持続させるため、架橋されています。『ベロテロ・ハイドロ』は、非架橋のヒアルロン酸製剤でありながら、ヒアルロン酸密度が高く、浅い折りジワを少しずつ浅くする効果があります。また、保湿効果に優れたグリセロールを組み合わせた独自の処方により、赤ちゃんのような肌質に変えていきます。
『ベロテロ・ハイドロ』は、組織への浸潤性と安全性の高さから全世界の医師に評価されています。

hikeika002.png

(注)旧『エセリスシリーズ』は製造メーカーの移行により『ベロテロシリーズ』にリニューアルされ、『メソリスプラス』は『ベロテロ・ハイドロ』名称変更されました。製剤の特性はそのままに、FDA(米国食品医薬品局)の承認も取得。安全性への裏付けが強固になりました。

ベロテロシリーズは安全性試験を実施し、米国FDA(Belotero Soft:08-1114  Belotero Balance:08-977  Belotero Lido (Belotero Soft lido, Belotero intense lido, Belotero volume lido) 16-31  Belotero balance lido:17-546)の承認を受けております

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)のリスクとダウンタイム
<痛み>注入時のみ少し<腫れ>プツプツした膨らみ(個人差あり)<内出血> ほとんど無し
shutterstock_1019073862.jpg外用麻酔を塗ると15分ほどで表面の感覚がほとんどなくなります。刺入部位を冷却後、34Gの極細ナノニードルを使用し、非常に浅い層に注入するため内出血は起こしにくい治療です。

また、ごく浅い層に、あえて軽く隆起させるように、高保水作用を持つヒアルロン酸を注入するテクニックを用いるため、注入部のシワに沿ってミミズ腫れのような隆起が出現します。特に皮膚の薄い目周りや口周りなどは目立ちやすいので、ご予定の調整をお願いしています。額の横ジワやニキビ跡などは比較的目立ちにくいです。製剤は非架橋ですので、3~4日間かけて徐々に平らになり完全になじみます。1度でもシワの軽減効果はありますが、1回毎に注入できる量が微量のため1~2か月後にタッチアップが必要です。
メイクはパウダーファンデーションをご使用いただければ、直後から可能です。また洗顔、軽い入浴、食事、接触も当日から制限はありません。飲酒、サウナ、長風呂、激しい運動は内出血のリスクを高めるので、当日のみお避け下さい。

医師が施術直後にマッサージをしてなじませますが、特に医師の指示がない限り定着するまでの約1か月程度、強いマッサージは控えてください。

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)の持続と頻度について
注入直後はプツプツと小さく蚊に刺されたような隆起が見られます。3~4日で平らになり、シワが浅くなったことをご確認いただけます。注入した非架橋のヒアルロン酸製剤は2か月ほどで代謝・分解されてしまいますが、約1か月後から自己のコラーゲン線維とヒアルロン酸が再生され始めます。1回に注入できる量が非常に少ないため、初期治療は1か月毎に2~3回繰り返す必要があります。その後は平均して4~6か月間効果が続きます。何回か定期的なメンテナンスを継続するうちに、注入したヒアルロン酸の周囲に自己のコラーゲン線維の増生が貯金効果を生むので、臨床的効果の持続時間は長くなっていきます。

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)の痛み
注入前に表面麻酔のクリームを使用し、十分に冷却した上で、34Gの極細針ナノニードルでごく少量ずつ注入し、痛みを軽減させています。痛みの感覚は個人差が大きく、緊張すると強く感じやすいという特徴もあります。2回目以降は楽に感じられる方が多いようです。チクチクした軽い痛みを感じるのは、治療中の5~10分程度だけですので、ほとんど全ての方がご辛抱頂けます。注入後は麻酔と注入の刺激で腫れぼったく、しこったような感じがしますが、数時間後には気にならなくなります。

ヒアルロン酸注入(非架橋製剤手打ち)の禁忌事項について
ヒアルロン酸自体は体内にも存在する成分なので、アレルギーの心配はありません。また、注入された純粋なヒアルロン酸は水に分解されて100%体内で吸収されます。
真性ケロイドの方など、異物反応を生じやすい体質の方は注入の刺激でシコリのように反応する場合があります。

また、水光注射に使用する製剤は、架橋剤も含まないため副作用が起きることはまれですが、約数千人に1人の割合で添加成分にアレルギーを起こすという報告もあるので、過去にトラブルのご経験がある場合などは事前にご相談下さい。

2015.03.23プレス向け特別講演「新常識?! 食品でカラダの中から肌ケア」

講演:プレス向けセミナー2015年3月23日(ANAインターコンチネンタルホテル東京 ギャラクシーIII)

「新常識?! 食品でカラダの中から肌ケア」-最新研究で新たに実証された、コラーゲンペプチド+ミルクセラミド入りヨーグルトの摂取で期待される肌への効果と作用-

当院の最高顧問であり、皮膚ウィルス感染症、アトピー性皮膚炎の権威でいらっしゃる東京女子医科大学皮膚学教室主任川島眞教授が『ヨーグルトが変える腸内環境と肌機能』という演題名で、コラーゲンペプチドとミルクセラミドが配合されたヨーグルトの摂取で、乾燥肌の改善とTARC値の軽減(炎症の改善)が認められたという臨床試験結果を発表されました。

今回、慶田院長は川島教授のご講演の前に『現代女性が抱える肌トラブルについて』という演題名で、皮膚の構造やバリア機能、保湿などの基礎知識についてご説明し、セミナーの理解を深めるものとなりました。また現代女性が抱える肌のお悩みの特徴として、乾燥状態にあるオフィス環境や、ストレスによる腸内環境の悪化があり、肌のバリア機能を低下させドライスキンをまねく要因となっている点も講演し、興味深く聞いていただきました。

これからは、保湿をこころがけるといった外側からのケアだけでなく、食生活を見直し、発酵食品や、ヨーグルトなど身近な発酵食品を毎日摂取して腸内環境を整えることで、内的な美肌ケアを推奨しておりましたが、今回の発表で、科学的な裏付けが一つ増えることになりました。

カウンセリング予約

文字サイズの変更