2014年5月13日

腋臭症(わきが・ワキガ)

腋臭症(わきが・ワキガ)は、汗腺の「アポクリン腺」から出る汗が原因です。

エクリン腺は全身にあるのに対して、アポクリン腺は脇の下や外耳道・外陰部など体毛が生えている部位に限られ、汗自体は無臭ですが、皮脂や細菌、エクリン腺から出た汗などと絡み合い不快な特有の臭いを発します。遺伝傾向がみられ、しばしば軟耳垢が認められます。

また夏季、運動時、不潔時などに症状著明となり、黄菌毛(多汗で不潔にしている人の腋毛・陰毛に、菌塊が固着して全体が黄色の粉末をまぶしたような外観)を合併することもあります。発汗量が多いと増悪するため、治療としてはまずエクリン腺からの発汗量を抑え、表面の細菌を抑えることが大切です。

発汗抑制については多汗症の治療(塩化アルミニウム液、抗コリン剤、精神安定剤、漢方、イオントフォレーシス、ボトックス注射、交感神経ブロック、手術など)を行い、剃毛、レーザー脱毛による常在細菌の培地の減少、アルコール消毒・制汗剤による殺菌で細菌を抑えます。

ただし、これらは保存的な治療であり、永続的な治療では手術によるアポクリン腺の破壊・除去があります。日本人の腋臭症(ワキガ)は本人が思うよりも軽症例が多く、レーザー脱毛とボトックス注射で充分満足なさる場合がほとんどです。

関連治療

多汗症

老人性血管腫(cherry angioma)

老人性血管腫とは、皮下の毛細血管が拡張、増殖することによってできる1~4mm程度の赤色の良性腫瘍で、赤あざの一つです。平らなものから隆起したものもあり、ホクロが赤くなったような外観を呈します。

「老人性血管腫」とありますが、思春期頃から発現するようになり、年齢とともに増加していきます。また、女性ホルモンの影響でも毛細血管は増えるため、妊娠中に老人性血管腫が増えることもあります。毛細血管の増殖といっても病気ではなく、加齢により誰にでも発現するため積極的な治療は必要ありません。

しかし、老人性血管腫は顔や胸元・腕や足などに出来やすく、審美的に気になります。美容皮膚科や形成外科などで主にNd:YAGレーザー、ダイレーザー、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)を使用した治療が可能で、小さいものは簡単に取れるため、銀座ケイスキンクリニックでも人気の施術となっています。

関連治療

ロングパルスNd:YAGレーザー

葉酸 

葉酸はビタミンB群の一種で、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。ビタミンB12と共に赤血球の合成に関与するため、造血のビタミンとも呼ばれます。そのほか核酸やタンパク質の合成時に補酵素として重要な役割を担っています。

核酸とは遺伝情報を有するDNAやRNAの総称で、この合成が正常に行われることで、体の成長や新陳代謝が促されます。また、タンパク質の合成を促進することで皮膚・口腔粘膜を強化する役割があります。

そのほか、動脈硬化の危険因子であるホモシステインの産生を抑制することで、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病予防をします。葉酸が不足すると、悪性貧血(巨赤芽球性貧血:DNAの合成障害が原因で起こる)、口腔粘膜障害による口内炎や舌炎、腸粘膜障害による下痢、肌のターンオーバーが滞ることでシミ、くすみなどの症状が現れます。最近では、食品から葉酸を摂取することで、特定の癌のリスクの減少に関連していることが認められていますが、サプリメントなどによる過剰な摂取は、前立腺癌などのリスクを高めるともされ、正確なメカニズムは明らかではありません。

厚生労働省によると葉酸の1日の必要摂取量は成人で1日240㎍、妊婦で400㎍、授乳婦で280㎍で、妊婦に必要な400㎍とは、ほうれん草200g(1把分)に相当します。特に妊娠初期(4~12週)は胎児の細胞分裂が盛んな時期であり、この時期に葉酸不足を起こすと、胎児に神経障害が起こりやすくなるといわれているため注意が必要です。葉酸はレバーや野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの緑黄色野菜)豆類や藻類に多く含まれますが、水・熱・光に弱いため、調理方法を工夫するなどして毎日意識的に摂取することが大切です。

稗粒種(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ) 

皮膚の表面付近にできる直径1〜2mm以内の角質(かくしつ)が入った袋状の良性腫瘍で女性に多く見られます。

眼瞼についで、頬、額、陰部に発生し、白色の小さな粒のように見えます。原発性のものは軟毛の深部にある毛漏斗部の母斑性過誤腫(良性の増殖)と言われています。

また、続発性のものは、水疱症などの皮膚がはがれるような疾患や傷の治ったあとにできることがあります。これらの疾患により、汗を出す管や、毛穴の奥にある毛包(もうほう)という袋、皮脂をつくる腺が破壊された後、治癒する過程で表皮が袋状に増殖し生じると言われています。

稗粒腫は皮膚の浅い所にできた角質の塊ですので、その白い塊を取り出してしまえば綺麗になります。通常は、注射針やCO2レーザーを用いて小さな穴を開け、内容物を圧出することで比較的簡単に取ることができます。

小さいものなら傷は1~2日で閉じ、軽い赤みが2~4週間続きます。

関連治療

CO2レーザー

蛋白質・タンパク質・たんぱく質      

蛋白質は、炭水化物、脂質とともに三大栄養素と呼ばれています。体の中の蛋白質の量は、体重の16.4%を占めると言われています。食事として口から摂取された蛋白質は、消化によってアミノ酸に分解された後小腸から吸収され、体の各組織の蛋白質に再合成されて、細胞の主な成分となります。

体の中では、筋肉・皮膚・毛・赤血球・心臓・胃腸などの臓器、そして体のバランスを保つホルモンや化学反応を助ける酵素、抵抗力をつける免疫体などほとんどすべての組織が蛋白質で構成されています。つまり、私たちの体は蛋白質で出来ており、その中でも体を主に構成しているのは、線維状の蛋白質であるコラーゲン線維です。 コラーゲン線維は、骨、皮膚、軟骨、血管壁などをつくり、体や内臓を支えています。

これらを合成するための良質な蛋白質の供給源は肉類、魚介類、卵、乳類、大豆製品です。食事からの蛋白質が不足すると、体力が低下し、感染に対する抵抗力が弱くなったり、傷の回復が遅くなったり、鉄分がうまく体で使われずに、貧血がおこりやすくなったりと、まざまな障害がおこります。

炭水化物

有機栄養素のうち炭水化物、蛋白質、脂肪は、多くの生物種が用いる栄養素であり、「三大栄養素」とも呼ばれています。その中でも、炭水化物は人間の主要なエネルギー源となる栄養素です。

炭水化物は糖質と食物繊維の総称で、非常に多様な種類があり、砂糖、穀類、芋類、根菜また、砂糖と穀類を使ったパンや麺類、お菓子に多く含まれ、天然に存在する有機化合物の中で最も多くを占めています。

成人1日あたりの摂取量の目安は男性300g前後、女性250g前後です。

これらの炭水化物に含まれている糖質は

単糖類〔グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース〕
二糖類〔スクロース(しょ糖(砂糖))、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)〕
多糖類(デンプン)

などに分けられます。

口から摂取された炭水化物は、消化器系(唾液、膵臓、小腸)からの消化酵素により、二糖類および多糖類から単糖類〔グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース〕にまで分解され、小腸から単糖類の形で吸収されます。その後血液によって、グルコース(ブドウ糖)が主なエネルギーとして全身に送られます。

このような血液中にあるグルコース(ブドウ糖)の濃度を血糖値といいますが、血糖値が増加すると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンには血中に過剰となったグルコース(ブドウ糖)をグリコーゲンと呼ばれる貯蔵型のエネルギー源に変えて肝臓や筋肉内に貯蓄したり、脂肪として蓄積させる働きがあり、体は必要に応じてグリコーゲンをグルコース(ブドウ糖)に分解してエネルギー源として使用します。さらにグルコース(ブドウ糖)が不足する状態が続くと、次は体内の蛋白質が分解されエネルギー源として使われてしまいます。

そのため基礎体力や基礎代謝が低下し、疲れやすくなるほか、肝臓の解毒作用の低下、肌荒れなどの症状を招きます。また、脳やその他の組織のほとんどはグルコース(ブドウ糖)だけをエネルギー源としており、極度に炭水化物が欠乏すると脳の働きにも支障が生じます。炭水化物からグルコース(ブドウ糖)への分解経路は簡便なため、すぐに利用できるエネルギー源として炭水化物は最も重要な栄養素なのです。

新陳代謝

新陳代謝とは、古い細胞から新しい細胞へと入れ代わることです。たとえば皮膚の場合は、文献、部位や年齢により異なりますが28~56日周期で古い細胞から新しい細胞に入れ代わります。

表皮の奥の基底層で新しい細胞が誕生し、これらが角化という分化をしながら上行することで、最終的には表層から垢となって剥がれ落ちます。つまり肌の機能を維持するために古い皮膚に替わって新しい皮膚が生まれる現象のことです。肌の新陳代謝のことをターンオーバーといい、ターンオーバーが正常な肌は、約14~42日で基底層から顆粒層へ分化し、更に約14日(顔で10日前後、前腕で20日前後)で角層を通過しながら脱核し、脱落します。

しかしながら、年齢と共にターンオーバーは徐々に遅れ、溜まったメラニンがシミやくすみの原因になります。
そのため、銀座ケイスキンクリニックでは主にレーザー治療の導入としてケミカルピーリングを行っております。 ケミカルピーリングはグリコール酸によって皮膚の角層をごく薄く溶かし、このとどこおったターンオーバーを正常に戻すことで透明感のあるみずみずしい肌を再生することができます。

ホームケアでは、トレチノインナノエッグ(レチノイン酸)やGAローション(グリコール酸)を使用して頂くことでターンオーバーを整えていくことが可能です。

関連治療

くすみ・ツヤ・はり

宿便 滞留便(たいりゅうべん)        

宿便(しゅくべん、Fecal impaction)とは、便秘により腸内に滞留している糞便のことです。滞留便(たいりゅうべん)とも呼ばれます。医学的には「数週間以上の長期にわたり、腸壁に大量に残存する」といったような一般的によく言われる「宿便」は存在しません。

宿便(滞留便)の原因としては、先天的に便秘傾向にある体質、無理なダイエットによる生活習慣、下剤(便秘薬、浣腸、センナ茶など)の連用障害、加齢による排便反射機能の低下、ストレスによる神経症、血流の低下、他疾患の薬剤の副作用(静穏剤、睡眠薬、トランキライザーなどの筋弛緩効果薬など)などが考えられます。 

便秘は病気ではなく、身体的に排便反射機能が低下したためにおこる症状ですが、器質的な疾患が潜んでいる可能性もあり、高度な場合には消化器専門医の診察・精査が必要となります。

脂質 

脂質は生体中に存在する水に溶けない(溶けにくい)有機化合物です。脂質については、一般の消費者では、太るものというような認識しかしていない方も多いようですが、炭水化物、蛋白質などと並んで生命にとっては不可欠な栄養成分であり、その構造や生物学的な役割が多様であることが特徴のひとつです。

脂質は生体膜の成分、貯蔵エネルギー源、動物の体温を保つ断熱材、皮膚を保護するバリア、脂溶性ビタミン、代謝活性をコントロールするホルモン、血圧、体温、筋肉のはたらきをコントロールするものとして体内で様々な重要な働きをしています。

従って、食事制限をする際でも、上手に補給していく必要があります。エネルギー計算などだけで摂取する脂質量を単純に減らしてしまうと、その他の大切な機能まで低下させてしまうことになります。

関連治療

痩身

高周波RF(ラジオ波)

高周波RF(ラジオ波)とは波動や振動電流の周波数が高い電流のことで、3MHzを超えるものが分類されます。

波は電磁波(光)の一種で、電気工学分野では、無線通信用に利用される電波(10kHz〜100GHz)を指しますが、医学分野で利用されている波は、300kHz〜6MHzの高周波のことを言います。

高周波RF(ラジオ波)は一種の波であり照射した部分の奥底の分子が振動し、この分子同士が擦りあうことで熱が発生します。水よりもコラーゲンや脂肪に対して働きかけ、火傷のような症状は起こりにくく、その波長はDNAの分子に入り込む事ができないので、DNAを破損することはなく安全と言えます。

人間の体温は運動することによってじわじわと上昇していくのですが、この高周波RF(ラジオ波)は、照射部分の皮膚の奥にある脂肪まで届き、これを活性化させて熱を生み出し、体の表面ではなく奥深いところから体温を上昇させることができます。その特徴をいかし、高周波RF(ラジオ波)痩身法は深部温度を41度~43度に上昇させ脂肪の燃焼によりスリミング効果を発揮する治療法です。

リンパや血液の流れが改善することによる代謝促進、美肌効果、フリーラジカルを減少させることによるアンチエイジング効果も特記するメリットです。また、高周波が真皮においてコラーゲン線維の産生を促すため、肌の弾力が向上し、シワやたるみの減少、改善による美肌効果も同時に期待できます。

スマスアップやテノールは、高周波RF(ラジオ波)によって生じる熱の作用によって、痩身及びしわ、たるみの改善をもたらす今までに類をみない最先端のアンチエイジング療法です。効果は周波数の高さに比例します。周波数の高さに水分子の震動数が比例しているため、発生熱量が多く、より深部に到達しやすいためです。テノールの周波数は40.68MHZ(エステサロンで使われている機器の約100倍)で、この周波数は医療機関にしか取扱いができないことからもその効果と信頼性が高いことが分かります。

銀座ケイスキンクリニックで使用する高周波治療機『スマスアップ』は周波数1.0MHZの三電極RF(トリポーラ)システムで、しわ・たるみ・部分痩身にスピーディかつ、即時的アプローチを行うアンチエイジングトリートメントです。皮膚の深部に有効な高周波RF(ラジオ波)に加えて筋膜への局所電気刺激(DMA)を同時に用いて、コラーゲン線維の生成や筋肉を最大限に活性化させ、基礎代謝をアップします。外的作用(ハンドピースを押し付ける圧力)と内的作用(熱エネルギーと電気刺激)から脂肪層に対し圧力を同時にかけることで老廃物や脂肪の除去作用を促進します。また、内的作用により直下の筋肉層に作用し筋肉を隆起させ、これにより皮下組織も上部へ引き上げられ、デトックス効果が生じます。

関連治療

スマスアップ(SMAS-UP)

基礎代謝

基礎代謝とは、快適な環境温下で、まったく体を動かしていなくても、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすなどさまざまな生命活動のための消費エネルギーのことをいいます。

つまり、人間が生きていくのに最低限必要な機能を維持するためのエネルギーのことです。筋肉量が多いと基礎代謝量が高くなるため、消費エネルギー量も多くなります。

基礎代謝は年齢とともに減少しますが、筋肉を鍛えることでキープすることができます。相当するエネルギー量(熱量)は、成長期が終了して代謝が安定した一般成人で、一日に女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリー(kcal)とされています。

年齢・性別毎の標準的な一日あたりの基礎代謝量は基礎代謝基準値×体重で求めることができます。

基礎代謝基準値とは体重1kgあたりの基礎代謝量(kcal)を示す数値のことで、男女と
も1~2歳で最高値の約60kcal/kgを示します。年齢と共に低下し、成人では20.7kcal/kg
~24.0kcal/kgとほとんど変化しません。

関連治療

痩身

下肢静脈瘤 (かしじょうみゃくりゅう)

下肢(脚・足)の静脈が拡張して瘤(こぶ)のように膨らんだ状態を下肢静脈瘤と呼び、
拡張した静脈の多くは屈曲・蛇行しています。血管疾患の中で最も発生頻度が高く、軽
度のものを含めると成人女性の40%以上に認められたとの報告もあります。

下肢の静脈は解剖学的に筋肉内にある深部静脈、皮下を走る表在静脈(大・小伏在静脈)
ならびに深部静脈と表在静脈を連絡する交通枝(穿通枝〈せんつうし〉)で構成され、各
静脈には血液を重力に逆らって心臓に戻すための逆流防止弁があります。

この静脈弁が障害されると血液の逆流が起きて、静脈圧が高くなり、静脈が拡張して本症が発症します。

静脈弁の障害(弁不全)は先天的に弁が脆弱(ぜいじゃく)な遺伝的素因に妊娠、立ち仕事、加齢などの誘因が加わり生じます。また、深部静脈血栓症や先天性静脈形成異常などに合併して2次性に発症する場合もあります。治療としては、弾性包帯や弾性靴下の着用により進行を予防しながら、症状に応じて、硬化療法、ストリッピング手術、レーザー治療などを選択します。


ロングパルスNd:YAGレーザー

Nd:YAGレーザーはヘモグロビン(血液の赤い色素)に吸収されやすい波長のレーザーです。

審美的に気になる老人性血管腫(cherry angioma)や、赤い糸みみず状の毛細血管(毛細血管拡張症)を安全に壊して改善します。レーザーに反応させる血管は異常に拡大・増殖しているものなので、消えても機能上問題ありません。小さな血管は照射直後に消えてなくなります。太い血管は2~3回のくり返し治療が必要です。2~3mm程度の小さな老人性血管腫は、直後に色が黒ずみ縮小し、1~2週間で少しずつ吸収されます。

照射数日後に小さな痂疲(かさぶた)になる場合もあり、1週間程度で脱落しピンク色の新しい皮膚が現れます。大きなものは1度で取れませんので1~2ヶ月後に追加照射が必要です。治療回数はお肌の色や血管の太さ、腫瘍の形状により異なります。ダウンタイムが少なく人気の治療法です。

<毛細血管拡張・毛細血管拡張症>
炎症のない持続的な毛細血管の拡張であり、線状、分岐状、網目状を呈する毛細血管をいいます。(拍動は触れません)

<血管腫>
血管が拡張したり増殖することによってできる皮膚の良性腫瘍です。加齢に伴って出現する老人性血管腫(cherry angioma)や生直後より見られる苺状血管腫、毛細血管の奇形による単純性血管腫などがありますが、老人性血管腫の治療が特に人気があります。

関連治療

ロングパルスNd:YAGレーザー(血管腫治療)

プラセンタ

プラセンタとは、胎盤(placenta)の意味です。胎盤は、哺乳類の妊娠時に子宮で形成される円盤状の組織塊で、胎児との物質交換や妊娠の維持など重要な役割を担っており、分娩時に後産として娩出(べんしゅつ)されます。

「プラセンタ」とは、胎盤そのものというよりも、胎盤から抽出した成分をエキス化した胎盤由来物質を示します。

出産後は不要になるこの胎盤ですが、実はこの中には人の成長を促進させる成分が、多く含まれている事が判明していて、美容だけではなく更年期障害や肝障害の薬としても使われています。

プラセンタには、美肌、美白、疲労回復、血行促進による冷え、肩凝り、腰痛の改善、抗アレルギー作用、免疫力強化など様々な効果があり、医薬品や化粧品、健康食品など多岐にわたる領域で利用されています。美容医療の現場では、アンチエイジングを目的としたプラセンタ注入や点滴、メソセラピー、内服などの治療があり、個人のライフスタイルに合わせた治療法が選択できます。

面皰、コメド、白にきび、黒にきび 

面皰(コメド)とはにきびの初期症状で、毛穴の出口が閉塞することで皮脂が貯留してできた、小型の丘疹のことを言います。

通常肉眼的にみられない、病理学的変化(顕微鏡レベル)の段階である微小面皰から、肉眼的に見られる面皰に進展します。主に男性ホルモンにより皮脂腺は活性化され、皮脂分泌が亢進します。さらに毛包漏斗部(毛穴入り口部分)の角化が亢進することで、毛包内に皮脂が貯留して、アクネ菌(にきびの原因菌)が増殖します。面皰には閉鎖性面皰と開放性面皰の2種類があります。

閉鎖性面皰はいわゆる白にきびのことで、毛孔が角質により閉じて、毛包内に皮脂の充満とアクネ菌のかたまりがみられます。

白にきびは開放性面皰に移行するものと、炎症性皮疹(赤にきび)に移行するものがあります。開放性面皰はいわゆる黒にきびのことで、毛孔が開大し、毛包漏斗部とその周辺の表皮メラノサイトより産生されたメラニンや過酸化された皮脂により黒くみえます。面皰が炎症を伴わないのに対し、炎症性皮疹とは赤にきび(紅色丘疹、膿疱)のことを指します。

赤にきびからさらに炎症が深部に進行していくと、囊腫・結節となり瘢痕(にきび跡)を残すことになるため、早めの段階での適切な処置・治療が重要です。面皰の主な治療法は、炭酸ガスレーザーや針で穴を開け、清潔な操作で脂を取り出す面皰圧出法、ケミカルピーリング、レチノイン酸やアダパレン(ディフェリンゲル®)などの外用治療、肌の代謝を整え皮脂の分泌を抑えるビタミンC、B₂、B₆などの内服などが有効です。

関連治療

ニキビ・ニキビ跡

表皮

表皮とは、厚さが平均約0.2ミリのとても薄い膜です。皮膚の最上部表面にあり、上から角層(角質層)、 顆粒層、有棘層、基底層の4つの層から成っており、その大部分を「ケラチノサイト(角化細胞、かくかさいぼう)」と、それが変化した細胞が占めています。

表皮は外部からの異物の侵入や体の水分の蒸散を防ぐバリアとなって、内部を保護し肌を守る役割をしています。角質層(角層)は、表皮の最も外側にある層で、扁平な核のない角化細胞が重なってできています。

角質層にある天然保湿因子は水分を保持し、角質細胞間脂質は角質層から水分が失われていくのを防ぐ働きをもっており、正常状態では10~20%の水分を含んでいます。顆粒層は、扁平・紡錘形をした1〜2層の顆粒細胞からできています。

顆粒層では細胞質中にケラトヒラリン顆粒という顆粒を含み、紫外線が肌深部に浸透するのを防ぐ役割をしています。有棘層は表皮の中で最も厚い層です。有棘細胞は互いに棘のような形をした細胞間橋でつながっていて、細胞同士がしっかりと結びつき表皮の強度を保っています。これらの細胞と細胞の隙間にはリンパ液が流れており、栄養を運び老廃物の交換などを行う役割を担っています。

基底層は表皮の最下層にあり、真皮と接しています。円柱状の基底細胞が1列に並び、新しい細胞が次々に産生されています。基底細胞の間にはメラニン色素を生成するメラノサイトが点在していて、紫外線が当たることでメラニン色素が産生されます。メラノサイトが周囲の基底細胞にメラニンを分配し、私たちの肌は核を有害な紫外線から守っているのです。

関連治療

ケミカルピーリング

鼻唇溝(法令線)、ゴルゴライン、マリオネットライン 

鼻唇溝とは、小鼻の両脇から口元にかけてできるハの字形のしわのことです。人相学的な呼び名で法令線(ほうれい線)と言います。

ゴルゴラインとは、目の下から頬の真ん中を斜めに横断するラインのしわのことです。「ゴルゴ13」の主人公に深く刻まれていることから、日本で好んで呼ばれていますが、正式には「ミッドチークライン」や「インディアンライン」と呼びます。

マリオネッオラインとは、「よだれじわ」とも呼ばれ、口角の両脇から顎の横にかけて伸びる縦方向のしわのことです。これらは、骨格が影響し若い時から目立つ場合や、中年期になっても目立たない場合まで個人差がありますが、通常は加齢と共にコラーゲン線維の減少や筋肉の衰えと共に目立ってくる場合が多く、老け顔の象徴とも言われます。

熱を加えることでコラーゲン線維の増生を促すリフトアップ系照射治療が効果的であるほか、ヒアルロン酸の注射でボリュームを足したり、ショッピングスレッドリフトによるリフトアップ治療も非常に有効です。

関連治療

シワ(ヒアルロン酸注入)
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