雑誌『大人のおしゃれ手帳』2017年7月号(6月7日発売 掲載ページP92~95)

特集「大人のテカリに注意を!インナードライ肌 徹底メンテナンス」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

【症状・原因】40代、50代の肌は乾燥が加速、うるおって見えても実は乾燥肌!?
女性の40代、50代は体調と同様、肌にも変化が訪れる時期です。更年期を迎えて女性ホルモンであるエストロゲンが減ること、加齢により抗酸化力が弱まることが原因で肌の乾燥が加速します。エストロゲンは、肌にうるおいを与える役割があります。抗酸化力は、紫外線やストレスにより発生する活性酸素を無害化する力ですが、この抗酸化力が低下すると、肌に炎症が起きやすくなり、角層が乱れお肌は水分を抱えにくくなるため、乾燥が進みます。この世代は、肌が脂っぽくても、実は肌の内側が乾燥する"インナードライ肌"という状態に注意が必要です。皮脂が肌の保湿を担う割合はたったの3%です。肌がうるおうには、皮脂膜の内側にある角質細胞間脂質と天然保湿因子が水分を抱え込み、角層が密に積み重なった状態であることが大切なのです。
≪乾燥で角層のバリア機能が弱まる≫
さまざまな刺激から皮膚の働きを保つバリア機能の主役となるのが角層です。角層に水分を保つ働きを持つ成分がたっぷりあると、乾燥、刺激、アレルゲンなどを跳ね返しますが、成分が不足するとバリア機能が弱まり、ターンオーバーが乱れてシミ、シワなどのトラブルの原因にもなります。

【セルフチェック】「紫外線対策」「正しい皮脂ケア」が、乾燥を加速させないカギ!
◎生活習慣
肌の大敵は、肌を紫外線やストレスなどで酸化させる習慣です。酸化は炎症をきっかけに活性酸素が発生することから始まります。活性酸素を無害化する力は年齢ともに衰えてくるので、紫外線の浴びすぎのほか、ストレスの高い生活、喫煙習慣、大気汚染物質の付着などにはよりいっそう注意が必要です。また、体の内側からのケアも大切で、肌を作る栄養素、抗酸化力の高い食材を選ぶ意識を持つようにしましょう。角層が乱れる原因となる睡眠不足も厳禁です。

◎スキンケア
肌が部分的に脂っぽくなるのも、インナードライ肌の特徴のひとつです。脂っぽいからといってごしごし洗ってうるおいまで落とし、保湿ケアを控えめにするというのはNGです。洗顔後にしっかり保湿をしないとかえって乾燥し、ニキビが増えることもあります。また、大人世代は、家にいるときや曇り、雨の日などにも日焼け止めを塗るなど、UV対策は一年中するのが鉄則です。

≪インナードライ肌チェックリスト≫
当てはまるものがひとつでもあれば乾燥肌の始まり。3つ以上あればインナードライ肌といえます。
□肌表面に皮脂は出るのに顔がシワっぽい
□化粧ノリが悪い
□毛穴が目立つ
□肌がテカるのにつっぱった感じがする
□夏でもかさつく感覚がある
□時々ニキビができる
□肌が敏感で肌トラブルがおきやすい
□肌の状態が不安定な"ゆらぎ肌"である

≪インナードライ肌を招く間違いケア≫
・クレンジングは熱めのお湯で洗い流している。
⇒メイクや汚れ残りを気にして、熱い湯ですすいだり、肌を強くこすりがちですが、汚れとともに角質細胞間脂質も失うことになり、バリア機能が乱れます。

・脂っぽい部分を洗顔する際、洗顔ブラシを使っている。
⇒洗顔ブラシでごしごし洗うなど、誤った洗顔方法で肌の角層に傷をつけてしまうことがあります。水分がうまく保有できなくなるので、肌の乾燥を加速させます。

・化粧水、乳液、美容液は控えめに使っている。
⇒保湿効果をきちんと得るためには、たっぷりの量を使うことが大切です。また、水溶性の化粧水だけでは保湿は不完全、油溶性の乳液やクリームの併用をしましょう。

・シートパックは30分以上使っている。
⇒長時間使用してシートマスクが乾燥すると、角層の水分を奪ってかえって乾燥を招いたり、肌が炎症を起こすこともあります。適正時間を守ることが大切です。

・家で過ごす日は日焼け止め塗らない。
⇒洗濯物を干すとき、日ざしの入る部屋で過ごすなど、家の中にいても実は紫外線はけっこう浴びています。外出しない日でもUV対策は必須です。


【ケア】朝・昼・夜のメンテナンス習慣で 脱・インナードライ肌!
◎朝のスキンケア
脂っぽい部分もちゃんと保湿、紫外線対策も十分にしましょう。
一日の始まりである朝は、保湿と紫外線対策の鍵となります。洗顔から基本のスキンケアまで乾燥を加速させないケアを身につけたうえで、しっかりUV対策をしましょう。
1、洗顔料をたっぷり泡立て優しく洗う
朝は洗顔料を使わずにぬるま湯でさっと流すだけはNGです。夜の間に出た皮脂や汗、肌に塗ったクリームなどが酸化するため、洗顔料で優しく洗うことが大切です。洗顔料は洗った後につっぱり感がないものや敏感肌用を使い、しっかり泡立て、肌への摩擦を極力少なくして優しく汚れだけを落とします。

2、化粧水は保湿タイプを選ぶ
化粧水は、皮脂が気になっても、さっぱりする収れんタイプではなく保湿タイプを選びます。うっかりこすったりしないように素手がおすすめです。小鼻など細かい部分は薬指の腹を使って優しく塗ります。首、デコルテも忘れずに塗りましょう。

3、クリームや乳液はたっぷり塗る
中指と薬指の2本か人差し指の腹を使って、肌をこすらないように、顔の内側から外側へと広げていきます。首からデコルテにかけては指四本を使って塗ります。最後に手の平で顔を包み込み肌になじませましょう。

4、日焼け止めはSPF30~50のものを
SPFは紫外線B波の防御の強さを意味し、数字が大きいほど効果が高くなります。外出時はSPF50、室内で過ごす場合もSPF30を目安に選び、頬骨、鼻、額は厚めに塗ってしっかりカバーをしましょう。

5、ファンデーションは大きめパフに変えてみる
おすすめは、クリームファンデーションを塗った後、テカリが気になる部分に白粉を重ねる方法です。大きなパフで押さえてスタンプを押すように優しく肌になじませます。目の下、小鼻はパフを半分に折って使います。

≪食≫一日一回は発酵食品を!
腸内の善玉菌が減ると、老廃物が血中に移行しやすくなり、それが乾燥を加速させる原因になります。腸内環境を整える食品を積極的に摂るように意識しましょう。ヨーグルトや納豆などの発酵食品がおすすめです。

◎昼
皮脂ケアをこまめにして乾燥を防ぐケアを実践!
外では汗をかいたり紫外線を浴び、室内ではエアコンで肌を冷やしたり、肌にとっては過酷な環境です。ちょっとしたケアが乾燥から肌を守ります。
・メイク直しはランチ前がおすすめ
日焼け止めは、最低一日に一回塗り直しをしましょう。午前中の活動で効果が半減するお昼頃、ちょうどランチで外出する前がおすすめです。ティッシュペーパーで軽く皮脂を押さえて乾燥している部分には保湿クリームを重ね塗りし、日焼け止めとファンデーションで仕上げましょう。

・外出時は日傘で紫外線対策
外出時は、日傘を差すことも忘れないようにしましょう。紫外線は頭上から降り注ぐだけでなく、地面からの照り返しもあるので、日傘の内側は紫外線を吸収してくれる黒っぽい色を選ぶとよいでしょう。

・水スプレーでの保湿はNG
保湿目的で水だけのスプレーを顔やボディにかけたり、水蒸気を顔に当てたりするのは、かえって逆効果です。水分が蒸発するときに、肌のバリアが壊れ、乾燥が進む可能性があります。濡らしたらすばやくタオルなどで押さえます。

・冷え対策で乾燥防止
カラダが冷えることによって血流が悪くなると、肌温度が下がったり、栄養成分が隅々まで行き届かなくなったりするため乾燥の一因になります。カーディガンなどの上着やひざかけなどでカラダの冷え防止しましょう。

≪食≫レインボー野菜を摂りましょう。
トマトやパプリカ、小松菜、キャベツなどカラフルな野菜は抗酸化力が強いのでおすすめです。ただし朝は、柑橘類やキウイ、セロリ、きゅうりなど、紫外線の感受性を高める「ソラレン」が含まれているものは避けて下さい。

◎夜
肌を清潔にして保湿ケアをしっかりと!
夜は一日外気にさらされてきた肌を丁寧にいたわる時間です。しっかり保湿することが、翌朝までうるおい、化粧のりのいい肌へと導いてくれます。
・クレンジングにかける時間は1分
クレンジングは時間をかけすぎると大切な皮脂まで落とします。顔全体に塗り広げて乳化したらさっとぬるま湯で洗い流し、1分程度を目安にします。

・シートマスクは時間通りに
長時間の使用でかえって乾燥を招くこともあります。シートマスクは説明書通りの時間を守りましょう。

・ニキビがあってもクリームを
大人のニキビは、肌の乾燥が進むことで角質が厚くなり、毛穴に皮脂が溜まることも原因です。保湿ケアは欠かさずにしましょう。

・理想の湿度は60~65%
空気が乾燥していると角層から水分が蒸発し、乾燥を加速させます。肌にとって理想的な湿度は60~65%、低いときは加湿器を使用しましょう。

・お風呂上がりはすぐスキンケア
入浴後、浴室から出ると肌は一気に乾燥し始めます。その前に肌ケアを始めて保湿しましょう。また、熱すぎる湯船につかると皮脂や保湿成分を必要以上にとってしまうので、40℃くらいを目安にしましょう。

≪食≫肌作りに必須のたんぱく質
肌の再生に不可欠なたんぱく質を摂ることで、角層の乱れを防いで、肌が生まれ変わるターンオーバーを正しいサイクルへと導いてくれます。1日に必要なたんぱく質は体重50㎏の女性でおよそ60g、卵・マグロ・豚もも肉などに含まれます。

汗や皮脂が気になる季節になり、特に気づきにくくなるのが肌の乾燥です。特に大人世代は、"肌の内側"の乾きに注意が必要です。エイジングを加速させる「インナードライ肌」をきちんとケアしましょう。

是非、ご一読ください。

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