ニキビ・ざ瘡・尋常性痤瘡・膿疱性痤瘡・ニキビ跡(ニキビ痕)

ニキビとは、毛穴に皮脂が詰まり細菌(アクネ桿菌)が繁殖し炎症が起きた状態で、医学的には面皰、尋常性痤瘡、または痤瘡と呼ばれる皮膚の炎症性疾患です。
4つの種類(段階)があり、毛穴に白濁色の皮脂の塊が詰まっている状態を白ニキビ(コメド・閉鎖面皰)、毛穴に詰まった皮脂の表側が紫外線や酸素の影響で酸化し黒くなった状態を黒ニキビ(ブラックコメド・開放面皰)、毛穴に炎症を起こし赤く腫れ痛みを伴う状態を赤ニキビ(紅色丘疹)、さらに炎症が進み化膿し黄色い膿を持った状態を黄ニキビ(膿疱)と言います。

肌表面の角質が正常に排泄されず毛穴を塞いだり、皮脂が過剰に出ることで、皮脂が毛穴にたまります。この状態が白ニキビや黒ニキビです。この詰まった皮脂を餌とし、嫌気性(酸素が苦手)の皮膚常在菌であるアクネ菌が増殖します。アクネ菌が皮脂を過酸化脂質に変化させ、遊走した好中球が活性酸素を放出する事で炎症が起こり、赤く腫れ痛みを伴う赤ニキビが出来ます。さらに炎症が進むと、白血球の死がいが黄色い膿となった黄ニキビ(膿疱)へと悪化します。

思春期に発生するニキビは、第二次性徴による男性ホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になり出来るため、多くは20代前半頃までに改善、もしくは軽快します。昨今では化粧品によって毛穴が詰まったり、ストレスや睡眠不足、偏食などの不摂生によりホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が多くなる事でニキビが多発している、青年期以降のニキビ(思春期後ざ瘡)が増えています。

炎症がひどい状態のニキビを放っておいたり繰り返すことで、毛穴だけでなく肌組織自体を傷つけ破壊してしまい、クレーターと言われる、陥没や凹凸したニキビ跡(ニキビ痕)が残ってしまう事もあります。

当院のニキビ治療は、それぞれの患者様の状態に合わせた効果的な外用と内服の処方や、ケミカルピーリングやフォトセラピー、ジェントルレーズ、ジェネシスなどのレーザー・光治療を行っています。

フォトセラピーで照射する医療用パルスライトは、ニキビの原因菌であるアクネ桿菌の生成するポリフィリンに作用し殺菌するため、ニキビを減らし出来にくくする効果があります。また、黒色だけでなく茶色や赤色にも作用するため、ニキビやニキビ跡(ニキビ痕)の赤みを薄くすることもできます。ジェントルレーズは産毛を減らし毛穴を引き締める事で皮脂分泌を抑制しニキビを出来にくくさせます。フォトセラピーやジェントルレーズのプレ処置にグリコール酸によるケミカルピーリングがサービスでついています。このグリコール酸の作用でターンオーバーを促進させニキビが出来にくい肌質へ導くとともに、レーザーや光治療のお肌への透過を良くし、治療効果を高めます。
また、クレーターと言われる陥没したニキビ跡(ニキビ痕)の治療には、肌をドット状に入れ替え、コラーゲン線維の生成を促進させるCO2フラクショナルレーザーやダーマローラー、肌理を整え全体的にふっくらさせる水光プラスが効果的です。

20代女性 膿疱性ざ瘡(ニキビ)へのケナコルト注射

部位:右頬、右顎

ニキビ炎症は出来る限り早急に鎮静化しないと、酷いニキビ跡になってしまいます。小さなニキビはフォトフェイシャルM22のアクネフィルターで高出力部分照射すれば改善しますが、深く大きくしこっている場合は、ケナコルトの局所注射を行います。こちらの患者様には、フォトフェイシャルM22のオプションとして、大きなニキビにのみ、ケナコルトの注射を行ったところ、2日後には炎症がおさまり紅斑を伴う結節が平らになりました。できるだけ早期に治療し炎症をおさえることで、線維組織の過剰な増殖や萎縮を抑制し、クレーター状のニキビ跡やしこり、炎症後の赤みを早く消し、色素沈着を予防する効果があります。ケナコルトは脂肪組織に拡散すると凹みを生じるリスクがあるので、小豆大以上の大きなしこりや嚢腫にだけ、正確に注射する必要があります。

kenakoruto_001.jpg

カウンセリング予約

文字サイズの変更