女性の薄毛(女性型脱毛症・女性男性型脱毛症(female androgenic alopecia(FAGA))・びまん性脱毛症・産後脱毛症(分娩後脱毛症))

そもそも毛髪には、毛周期(ヘアサイクル)と呼ばれる成長の周期があります。成長期 → 退行期 → 休止期 → 自然脱毛と進み、一定の期間をおいて、再び成長期に変わります。つまり、永遠に伸び続ける毛髪というのは存在せず、健康な毛髪であっても必ず数年ごとに生え変わっているのです。

女性の薄毛は、円形脱毛症や放射線や抗がん剤による医原性脱毛を除外すると、「加齢変化」「女性の男性型脱毛症(FAGA)」「休止期脱毛」の3つに分類できます。いずれも、女性の薄毛はびまん性に毛が薄くなるので、「びまん性脱毛症」と呼ばれることもあります。

まず、「加齢変化」では、頭部全体の毛が透けて地肌が目立ち、一本一本が細く短くなります。更年期前後に始まることが多く閉経後に目立ってきます。「FAGA」、「休止期脱毛」と併存することもあります。

2つ目の、「女性男性型脱毛症(FAGA)」は、男性に生じる壮年性脱毛(男性型脱毛症AGA)の女性タイプです。男性ホルモンに感受性の高い体質の人に生じやすいと言われています。更年期に女性ホルモンが減ってくると相対的に男性ホルモンの影響が出やすくなり加速することがあります。AGAと同様、男性ホルモンの影響で、成長期が短くなり、毛が細く短い毛に変化します(軟毛化、毛のミニチュア化)。しかし、生え際のラインにはあまり変化がなく、頭頂部から前頭部にかけてびまん性に薄くなる傾向にあります。多くは三十代前半から始まりますが、更年期前後からは加齢影響も加わってくるため、よりはっきりとしてきます。

3つ目の「休止期脱毛」は、本来10%の休止期毛が20%に増加してしまうことで生じる脱毛です。軟毛化は少なく、毛密度の低下が頭部全体に生じます。「急性休止期脱毛」と「慢性休止期脱毛」の2つのタイプに分かれます。
「急性休止期脱毛」は、精神的ストレスや高熱、外科手術、急激な栄養障害、大量出血、出産(分娩後脱毛症)、ホルモンの変化(ピルの内服や中止)、などで起こる急性の脱毛です。太い毛が抜けやすく、数か月で急激に頭部全域の毛髪が薄くなります。ほとんどの場合、原因を取り除くと改善します。
「慢性休止期脱毛」は半年以上のゆっくりした期間で、頭部全域の毛髪密度が徐々に低下します。慢性の全身疾患や鉄欠乏性貧血・極度のダイエット・内分泌疾患・膠原病、薬剤など原因がはっきりしている物は取り除けば回復します。原因不明のものは若年女性に多く難治性の場合もあります。

「産後脱毛症(分娩脱毛症)」は、「急性休止期脱毛」の一つで、出産後2~3ヶ月で抜け毛が始まり、産後半年頃にピークを迎えます。その後は徐々に回復していき、10ヵ月~1年半で自然に治ります。個人差はありますが、出産経験のある女性ならほぼすべての人が経験すると言われています。原因は妊娠・出産に伴うホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンにはプロゲステロンとエストロゲンがあり、2週間ごとに規則的に増減していますが、妊娠初期はプロゲステロンが優位に、後期はエストロゲンが優位に働きます。妊娠中はエストロゲンの作用で成長期を維持していた毛髪が、出産後急激にエストロゲンが減少し、一斉に休止期に入るため大量の抜け毛が発生します。また、産後の育児による過労や睡眠不足も影響します。抜け毛の程度は元の髪の長さや量、ヘアケアの状況でも差が出ます。


治療方法としては、まず原因がはっきりしている物はそれを取り除き、栄養状態など生活習慣を改善します。
女性男性型脱毛症(FAGA)の場合、男性同様、プロペシアの内服を考えたいところですが、女性型脱毛症には有効性が認められておらず適用がありません。そこで、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロン(毛根内で作られる活性の強い男性ホルモン)をブロックする有効成分、アルファトラジオール配合の「パントスチン」という外用薬が当院を含め、一部の医療機関で処方されています。市販されている外用薬として血流改善作用により育毛効果が有るミノキシジルが1%配合された女性用外用剤「リアップジェンヌ®」がお勧めです。
更に確実な効果をお求めになりたい方には、銀座ケイスキンクリニックでは、「ダーマローラー」や「スカーレットRF」にて頭皮に細かい穴をあけ、毛髪再生に有効な薬剤(成長因子、ミノキシジル)を導入する方法や、ダーマシャイン®を使用し毛髪再生に有効な薬剤(成長因子、ミノキシジル)を直接注入する頭皮療法「育毛水光プラス」をお勧めしています。また、丈夫で弾力のある健康な髪ためにアミノ酸、タンパク質、ビタミンB群などが特殊配合された「パントガール」の内服、FAGAに特に効果を発揮する「パントスチン」の外用も組み合わせたトータルな育毛治療をご提案しております。

 薄毛対策として他に有効なことは、まず食事です。髪の約90%以上はケラチンというたんぱく質でできています。このケラチンを構成するメチオニンは体内で合成できない必須アミノ酸ですので、食事でたんぱく質をとらないと、原料不足で薄毛になります。鶏肉、豆腐、豆類、魚などをバランスよく組み合わせ摂りましょう。また、最近の研究で、毛髪の再生には17型コラーゲンの存在が欠かせないことが分かってきました。コラーゲンの合成には、補酵素としてビタミンC、補因子として鉄が必要なので、ビタミンCと鉄分の豊富な小松菜やレバーなどもおすすめです。さらに毛包周囲の循環を高める、オメガ3脂肪酸も育毛に良い栄養素です。サバやカツオなどの青魚やえごま油、亜麻仁油、ナッツなどに含まれています。併せて、腸内環境を整えることも、これらの栄養素の効率よい吸収に欠かせません。
その他には、質の良い睡眠の確保、毛根の血流を高める為の全身運動、特に肩から首のストレッチやマッサージ、ストレスコントロールも重要です。

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